介護士の給料はどれくらい?雇用形態・年齢などのケース別年収相場も-三幸福祉カレッジ

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2025.07.10お役立ち情報
介護士の給料はどれくらい?雇用形態・年齢などのケース別年収相場も

介護士の給料はどれくらい?雇用形態・年齢などのケース別年収相場も


介護の仕事に興味があるけれど、収入面がちょっと気になる・・・そのように感じていませんか?そこで今回は、雇用形態や年齢、働く場所などによって変わる介護士の給料事情をわかりやすくご紹介します。収入アップの方法や、今後の待遇改善の動きについても一緒に見ていきましょう。

介護士(介護従事者)の平均給料


「介護士」という言葉は、資格の名前ではありません。実は、介護の仕事に関わっている人全体を指す、少し広い意味の言葉です。例えば、介護福祉士や初任者研修を修了した人、無資格で介護の仕事をしている人も、すべての人が「介護士」と呼ばれることがあります。

その 介護士の平均年収は、およそ350万円〜400万とされています。ただし、これはあくまで平均の数字です。実際には、働き方や職場の種類、年齢、性別、持っている資格など、いろいろな条件によって給料は大きく変わってきます。

ここからは、雇用形態・職場・年齢などのケースごとに、給料の目安をわかりやすくご紹介します。介護の仕事を考えるときのひとつの目安にしてみてください。

【雇用形態別】介護士の平均給料


介護士の給料は、働き方によって大きく変わります。厚生労働省の調査では、次のようなデータが出ています。

雇用形態 平均給料
常勤職員 338,280円
非常勤職員 196,060円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P126
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf

常勤と非常勤では、月におよそ140,000円以上の差があります。これは、夜勤や残業手当、賞与の有無が影響しています。非常勤は働く時間が短い分、手当がつきにくく、基本給も抑えられがちです。

ちなみに、前年度の平均は常勤で324,240円、非常勤で182,930円。どちらもアップしており、少しずつ処遇が良くなっていることがわかります。今後も改善が期待される分野です。

【職場別】介護士の平均給料


介護士として働く場所によって、給料にはかなりの差があります。職場別の平均月給をまとめてみました。

職場 平均給料
介護老人福祉施設 361,860円
介護老人保健施設 352,900円
訪問介護事業所 349,740円
通所介護事業所(デイサービス) 294,440円
通所リハビリテーション事業所(デイケア) 319,310円
特定施設入居者生活介護事業所 361,000円
小規模多機能型居宅介護事業所 305,220円
認知症対応型共同生活介護事業所 302,010円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P134
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf

この中で、最も給料が高いのは「介護老人福祉施設」や「特定施設入居者生活介護事業所」です。どちらも月に360,000円以上で、介護士の中では高めの水準です。これらの施設は、入所者の生活を24時間サポートする場でもあるため、夜勤や手当がつきやすい傾向にあります。

一方、「デイサービス」や「小規模多機能型居宅介護事業所」など、日中が中心の職場は300,000円を下回るところもあります。ただし、働きやすさや負担の少なさで選ぶ人も多く、ライフスタイルに合わせた働き方がしやすいのも特徴です。

ちなみに、前年度と比べると、全体的に給料は少しずつアップしています。例えば「介護老人福祉施設」は、前年の346,970円から361,860円と約15,000円アップ。「訪問介護事業所」も前年の332,810円から349,740円に上がっています。

このように、職場によって給料の差はありますが、全体的に処遇は良くなってきています。今後も国の支援や制度によって、さらなる改善が期待できます。

介護士は「どこで働くか」によって、自分の収入や働き方に大きく影響します。自分に合った職場を選ぶことが、収入アップにもつながる大事なポイントです。

【勤続年数別】介護士の平均給料


介護士として働き続けることで、給料は少しずつ上がっていきます。ここでは、勤続年数ごとの平均月給を見ていきましょう。

勤続年数 平均給料
1年 298,760円
3年 316,080円
5年 331,010円
10年 337,300円
15年 359,090円
20年以上 382,520円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P146
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf

初めの1年目は約300,000円ですが、経験を積んでいくごとに給料は着実にアップします。例えば、5年働けば約330,000円、20年以上になると約380,000円となり、1年目よりも約80,000円多くなります。

前年度と比べても、全体的に給料は上昇しています。1年目は約26,000円、3年目は18,000円、15年目でも約15,000円増えています。これは、国の処遇改善や各事業所の努力によるものです。

「介護は給料が低い」と思われがちですが、続けることで収入はしっかりと上がっていきます。長く働ける環境が整ってきている今、将来を前向きに考えやすくなっています。

【性別・年代別】介護士の平均給料


介護士の給料は、性別や年代によっても少しずつ差があります。ここでは、最新の平均月給を男女別・年代別に見てみましょう。
▼性別 年代 平均給料
■男性

年齢層 平均給料
29歳以下 316,190円
30~39歳 356,290円
40~49歳 377,200円
50~59歳 361,960円
60歳以上 307,140円

■女性

年齢層 平均給料
29歳以下 305,560円
30~39歳 328,020円
40~49歳 336,780円
50~59歳 338,220円
60歳以上 310,760円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P167
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf

男性も女性も、30代〜50代にかけて給料が上がっていく傾向があります。特に40代の男性は平均370,000円以上と最も高い水準にあります。一方、女性は年齢が上がっても大きな変動はなく、安定した収入が続くのが特徴です。

ちなみに、前年度よりも全体的に月給はアップしています。例えば、女性29歳以下は約20,000円、男性40代は約13,000円上がっています。これは、介護職の待遇改善が少しずつ進んでいる証といえます。

介護の仕事は体力も気力も必要ですが、経験や年齢によって収入が増えていくという安心感があります。これからさらに制度が整えば、より働きやすく、収入も期待できる職業になっていくでしょう。

【資格別】介護士の平均給料


介護士の給料は、持っている資格によっても違ってきます。ここでは、代表的な資格ごとの平均月給をご紹介します。

保有資格 平均給料
介護福祉士 350,050円
社会福祉士 397,620円
介護支援専門員(ケアマネジャー) 388,080円
実務者研修 327,260円
介護職員初任者研修 324,830円
保有資格なし 290,620円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P161
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf

最も平均月給が高いのは「社会福祉士」で397,620円。続いて「介護支援専門員(ケアマネジャー)」が388,080円、「介護福祉士」が350,050円と、国家資格を持っている人は全体的に給料が高めです。

一方、「実務者研修」や「初任者研修」などの資格を持っている人は、それぞれ320,000円ほど。ただし、無資格の人と比べると30,000円以上の差があり、資格があることで収入アップにつながることがわかります。

ちなみに、前年と比べてもすべての資格で給料が上がっています。例えば、介護福祉士は約13,000円、社会福祉士は約20,000円アップ。これは国の支援や処遇改善の取り組みが進んでいるからです。

今後も資格を取得してスキルアップすることで、より安定した収入が目指せます。

介護士の給料は今後どうなる?


介護士の給料は、看護師などの医療職に比べると少し低い傾向があります。これは、介護士の仕事が医療行為ではなく「生活支援」が中心とされていることや、長い間「誰でもできる仕事」をみられていた背景が関係していると考えられます。

しかし今は、 介護士の役割の大切さが見直され、国をあげて待遇を良くしようという動きが進んでいます。その代表的な取り組みが「介護職員処遇改善加算」という制度です。これは、介護士の給料アップにつなげるために、介護事業所にお金を支給する制度のこと。この加算を使うことで、介護士の給料が毎月数千円〜数万円アップするケースもあります。

さらに、2022年からは「ベースアップ等支援加算」も始まりました。これは、介護士の基本給そのものを引き上げるための仕組みで、より長く安心して働けるように考えられています。

そして、 これから先の日本はもっと高齢化が進みます。つまり、介護士の仕事がますます必要になるということ。人手不足が続く中で、働きやすさや給料を改善していかないと、人が集まらないという声も多く、国も本気で動き始めています。

今はまだ「高収入」とは言いにくい介護士の給料ですが、これから先はもっと評価される仕事に変わっていくはずです。資格を取得する、スキルを積むことで、自分らしくキャリアアップを目指せる未来が待っています。

介護士が給料アップを目指すためには?


介護士として働くうちに、「もっと給料をあげたい」と思うこともあるかもしれません。介護職は決して高収入とは言えませんが、働き方や努力次第で収入をアップさせることも十分可能です。ここでは、給料アップを目指すために意識したい4つのポイントをわかりやすくご紹介します。

キャリアアップを目指す

介護士として働く中で、主任や施設長などの管理職を目指すキャリアアップは、給料アップの大きなチャンスです。責任が増える分、給料も上がることが多いです。また、介護支援専門員(ケアマネジャー)や生活相談員など、介護の専門知識を活かした役割に挑戦するのもおすすめです。これらの資格や役職は、収入を増やすだけでなく、仕事の幅も広がり、やりがいが増します。少しずつスキルを磨いて、次のステップを目指しましょう。

同じ職場で長く勤める

同じ職場で長く働くことも、給料アップにつながります。勤続年数が長くなると、会社から「頑張ってくれてありがとう」という気持ちで、賞与や毎月の給料が少しずつ増えることが多いです。また、同じ職場に長く勤めると仕事に慣れてミスが減ったり、信頼されて役割が増えたりするので、昇給のチャンスも広がります。焦らず、じっくりと続けることで、給料も安定して上げられます。

条件のよい職場に転職する

今の職場よりも条件の良い職場に転職することで、給料がアップすることもあります。例えば「夜勤がある」「資格手当がつく」「賞与が多い」など、職場によって給料の仕組みはさまざまです。自分に合った職場を見つけるためには、いろいろな求人情報をチェックしたり、信頼できるサポートを受けたりしながら探すことがポイントです。

資格を取得する

介護士として働く場合は、資格を取得することも大切なステップです。例えば「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」など、資格によってできる仕事が広がる、給料がアップすることもあります。

特に国家資格の「介護福祉士」は、信頼される資格で、手当がつく職場も多いです。勉強は少し大変かもしれませんが、自信にもつながります。

まとめ


介護士の給料は、資格の有無や勤続年数、働く施設によって大きく変わります。医療職と比べると高収入とは言えませんが、国の制度によって徐々に改善されてきています。キャリアアップや資格取得、長く働くこと、職場選びなどで収入を上げる道もあります。

これから介護士を目指す人も、不安にならずに前向きに考えてみましょう。気になることがあれば、ぜひ三幸福祉カレッジで情報をチェックしてみてくださいね。

この記事の監修者

三幸福祉カレッジ 編集部

実務者研修・初任者研修を全国で開講している三幸福祉カレッジです。介護の仕事や資格について皆さんが疑問に思っていることや気になること、話題の情報を更新しています。

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