- 2024.07.28
介護コラム
介護職員初任者研修の試験内容|難易度とスクール選びのポイントも介護職員初任者研修の試験内容|難易度とスクール選びのポイントも 介護業界で働くことを考えている人や現在無資格で介護職に従事している人が最初に取得を目指す資格が介護職員初任者研修(以下、初任者研修)です。 初任者研修では、130時間のカリキュラムを修了後、1時間程度の筆記試験に合格する必要があります。 スムーズに試験を合格するためにはスクール選びがとても重要です。 そこで今回は、初任者研修の試験内容について、試験の難易度やスクール選びのポイントなどを交え解説します。 1.そもそも初任者研修とは? 初任者研修とは、在宅や施設を問わず介護職として必要な基本的な知識と技術を習得する資格です。初任者研修を取得することで、正社員やパートなど多様な働き方が可能になります。 最近では、家族の介護を目的に初任者研修を取得する人も増えています。 また、初任者研修を取得することで、全国どこでも就職や転職がしやすくなります。 2013年4月1日の介護保険法施行規則改正によりヘルパー2級が廃止され、新たに導入された初任者研修は、それまで複雑だった上位資格へのキャリアパスを明確にしました。 現在では、介護関連の入門資格として初任者研修を取得し、その後は実務経験を積みながら実務者研修や介護関連で唯一の国家資格である介護福祉士を目指す人がとても多いです。 参考:三幸福祉カレッジ 初任者研修とは https://www.sanko-fukushi.com/course/shoninsha/ ①初任者研修の取得方法 まず、初任者研修を取得するには、厚生労働省の指針に基づく所定のカリキュラムを受講し、修了試験に合格する必要があります。 そして、初任者研修の取得方法には、「通学ルート」と「通信&通学ルート」の2つが存在します。 出典:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/kaigoinnyouseikennsyuu.pdf ●通学ルート 通学ルートでは、初任者研修のカリキュラムである130時間の全てをスクールに通って学習します。 通信による学習はなく、授業は全てスクールで行われます。 通学コースのメリットは、グループワークやディスカッションの機会が多く、通信コースよりも深く学べる点です。 一方でデメリットは、すべてのカリキュラムをスクーリングで学ぶため、修了までに時間を要する点です。 ●通信&通学ルート 通信&通学ルートでは、初任者研修のカリキュラムの一部を自宅で学ぶ方法です。 全130時間のうち40.5時間までを通信で学習し、残りの89.5時間、日数にして15日間程度をスクーリング(実技演習)で学びます。 通信&通学ルートのメリットは、自宅で学習できる時間があるため、自分のペースで進めやすい点です。 一方でデメリットは、自宅で一人学習を進めなければならず、疑問や不明な点があった際に自分で調べて答えを見つける必要がある点です。 2.初任者研修修了試験の内容 初任者研修における修了試験はスクールごとに行われ、実施日時や出題内容は異なります。 試験時間は約1時間で、100点満点中70点以上で合格ですが、不合格の場合も合格するまで追試が受けられます。 ①試験範囲 初任者研修の修了試験の範囲は、以下のカリキュラム全10科目の中から出題されます。問題数は最低32問(各科目から1問以上)と決められています。1.職務の理解 ・多様なサービスの理解 2.介護における尊厳の保持・自立支援 ・人権と尊厳の保持 3.介護の基本 4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 5.介護におけるコミュニケーション技術 6.老化の理解 7.認知症の理解 8.障害の理解 9.こころとからだのしくみと生活支援技術 10.振り返り 参考:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/kaigoinnyouseikennsyuu.pdf ②出題形式 初任者研修修了試験の出題形式はスクールによって異なりますが、「選択式のみ」と「選択式+記述式」の両方があります。 試験時間は通常1時間で、分からない問題は後回しにし、分かる問題から取り組むと良いでしょう。 記述式の問題は要点を押さえて簡潔に書くなど、時間配分を意識することが大切です。 3.初任者研修修了試験の合格ラインと難易度 初任者研修の修了試験は、介護知識の理解度や習得度を測るための試験であるため、難易度はそれほど高くなく、合格率はほぼ100%と言われています。 しかし、講義の欠席にはシビアであり、欠席回数が多ければ修了試験自体が受けられなくなる可能性もあるため注意が必要です。やむを得ず欠席する場合は、スクールで行っている振替受講を利用するのが良いでしょう。 万が一不合格になってしまった場合は? 万が一、初任者研修に不合格になってしまっても、多くのスクールでは追試や再試験制度を実施しているため、あまり心配はいりません。しかし、スクールによっては追試や再試験制度を設けていなかったり上限回数を設けていたりケースもあるため、スクールへ事前に確認する必要があります。 4.初任者研修修了試験の勉強方法 初任者研修の修了試験に向けて、当日に余裕を持って試験へ臨めるよう、試験当日までの勉強方法と試験中の心構えについて紹介します。 試験前 講義中に講師からチェックしておくように言われたポイントやテキストの太字部分などを重点的に復習することがコツです。 また、提出したレポートや課題をしっかりと復習しておくことも大切です。 もし、テキストや講義で分からない点があれば講師に質問をして確実に理解するようにしましょう。 試験当日 試験当日は、これまでの勉強してきたことを信じてリラックスして臨みましょう。 試験時間は1時間程度で、すべての問題を解くよう心がけます。選択式問題では、明らかな誤答を除外し選択肢を減らすと効果的です。分からない問題は飛ばして後で解くようにすると時間にも余裕が生まれます。 解答欄の間違いに注意しながら、分かる問題から解いていきます。 試験後は合否の通知を待つのみです。 5.一発合格を目指すにあたって重要となるスクールの選び方・ポイント 初任者研修の修了試験にスムーズな合格を目指すには、スクール選びが非常に重要なカギです。 スクールを選ぶ際は、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。 ①通いやすい場所にあるか まずはスクールが通いやすい場所であることが重要です。 仕事帰りに受講する人は職場の近く、仕事が休みの土日に受講する人は自宅近くにあるスクールを選びます。 なじみのない場所は避け、知っている場所で選ぶと、通いやすく勉強が継続しやすいです。 ②無料で振替受講できるか 修了試験を受けるには、初任者研修の全てのカリキュラムを修了する必要があります。 しかし、急な仕事や体調不良により休むことがあるため、無料で振替受講ができるスクールを選ぶこともポイントです。振替受講の条件はスクールによって異なるため、事前にチェックしましょう。 また、都道府県によって振替回数や時間数にルールを設けていることがあるので頭に入れておきましょう。 ③追試・再試験を何度でも無料で受けられるか 初任者研修の修了試験は合格率がほぼ100%ですが、不合格になることもあります。 急な仕事や体調不良により休む際の無料で振替受講できることと同様に、追試や再試験も何度でも無料で受けることができるスクールを選ぶことをおすすめします。 この場合も、追試や再試験が無料なのか、上限回数がないのかはスクールによって異なるため、事前に確認しておきましょう。 6.まとめ 今回は、初任者研修の試験内容について、試験の難易度やスクール選びのポイントなどを交え解説しました。 初任者研修における修了試験はスクールごとに行われ、実施日時や出題内容は異なります。試験時間は約1時間で、100点満点中70点以上で合格です。 初任者研修の修了試験にスムーズな合格を目指すには、スクール選びが非常に重要なカギで、通いやすい場所にあるのか、無料で振替受講できるのか、追試や再試験を何度でも無料で受けられるのかといったポイントを押さえておきましょう。 介護系資格の学校である三幸福祉カレッジは、 初任者研修を無料で取得できる就職応援制度をはじめ、専任のキャリアアドバイザーが就職活動をサポートしてくれる、研修修了後1年間は無料で実技の授業を復習できるなど、充実した体制を整えていますので、気軽にお問い合わせくださいね。
続きを見る > - 2024.07.25
お得情報
【8/1(金)スタート】受講料20%OFFキャンペーン 実務者研修三幸福祉カレッジでは、介護の資格取得にチャレンジする方を応援するため、受講料20%OFFのキャンペーンを実施します。2024年度(2025年1月)の介護福祉士国家試験を受験予定の方は、ラストチャンスです。この機会にぜひお申し込みください。 ≪キャンペーン概要≫ ■受講料:20%OFF 【保持資格別受講料】 ・初任者研修・ホームヘルパー2級保持者 99,700円(税込109,670円)→ 20%OFF価格 79,760円(税込87,736円) ・免除資格なし 129,700円(税込142,670円)→ 20%OFF価格 103,760円(税込114,136円) ■キャンペーン期間:8月1日(木)~8月30日(金) ※キャンペーン価格は8/1(木)から適用されます。 💡三幸福祉カレッジが選ばれる3つのポイント💡 ポイント①教室がたくさんあるから自宅や職場の近くで通いやすい 北海道から沖縄まで全国450教室以上で実務者研修を開講しています。 実務者研修を受講される方は介護現場でお勤めの方が大半のため、働きながら通っていただきやすいよう、教室がない地域でも、「一人でも多くの方が受講し、介護福祉士を目指してほしい」という想いで、地域の介護事業所や貸会議室をお借りし開講しています。 ポイント②クラスがたくさんあって通学日が選びやすい 「早めの日程で受講したい」、「休みの日に受講したい」、「この曜日に受講したい」など、希望に合わせて選ぶことができるよう、たくさんのクラスをご用意しています。年間1900クラス※を開催しており、希望のクラスを選ぶことができます。 急な体調不良などでも無料で何度でも振替ができます。 ※2022年度 ポイント③通学はわずか7日 通学はわずか7日。「働きながら通い」やすいを追求したオリジナルのカリキュラムです。休みがとりづらい方も通学しやすいとご好評をいただいています。 💡受講生の声💡 ▼実務者研修 修了生 北村あゆみさん より深く介護の仕事に関わりたい、そのためにステップアップしようと思い、実務者研修を受講しました。講座では、介護の基本を思い出しながら”利用者様主体の介護”を実践する考え方や技術を学びました。利用者様一人ひとりの出来る範囲に合わせた介護の仕方を考えるようになったことで、利用者様との関わり方も変わりました。 ※キャンペーン価格は8/1(木)から適用されます。 三幸福祉カレッジ
続きを見る > - 2024.07.19
介護コラム
【処遇改善加算】介護の生産性向上を極める1時間~職場環境要因をクリアせよ~2024(令和6)年度に改定された介護職員等処遇改善加算。 対応したいけど、そももそ何が変わったのか、事業所内では何を対応しないといけないのか、わからないと不安に思っている方も多いのではないでしょうか。 三幸福祉カレッジでは、そのようなご不安の解消をお手伝いするため、無料のセミナーを実施します。 完全無料ですので、お気軽にご参加ください。 セミナー概要 開催日時:8/30(金)15:00~16:00 (8/27(水)申込締切) 開催方法:オンライン ※お申し込み後に当日のZoomURLをご案内します。 <セミナー内容> 1.処遇改善加算とは 2.介護における生産性向上とは? 3.生産性向上の具体的な進め方 【2024(令和6)年度改定】処遇改善加算とは? 処遇改善加算は、介護職の安定的な処遇改善を目的として、賃金改善や職場環境の整備のために必要なお金を国から事業所へ支給する制度のことです。 2024(令和6)年度の改定で、 これまでの「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」が一本化され、新たな「処遇改善加算(福祉・介護職員等処遇改善加算)」になりました。 仕組み自体がシンプルになったことで、事務負担が軽減されるだけではなく、2024(令和6)年度は、「年度内の対応の誓約」で届出ができる要件など経過措置も設けられています。 この 新たな処遇改善加算の要件は「月額賃金改善要件」「キャリアパス要件」「職場環境等要件」の3種類があります。必要な要件は算定する処遇改善加算の区分により異なります。 参考: 厚生労働省 福祉・介護職員の処遇改善 三幸福祉カレッジ 処遇改善加算Ⅰ・Ⅱの取得に向けた生産性向上研修&加算取得サポートプログラム 処遇改善加算の要件がどう変わったのか? 今回の改定で新加算Ⅰ~Ⅳが設定されました。新加算Ⅰ~Ⅳへ移行するための要件の一つに、6区分からなる 「職場環境等要件」があります。 今回の改定で、各区分ごとに定められている具体的内容が従来より細分化され、より詳細な条件が設定されるようになりました。 「職場環境等要件」の中でも「生産性向上のための取組」については、定められている⑰~㉔の具体的内容のうち、3つ以上かつ⑰⑱を満たすことが取得条件となります。 処遇改善加算の職場環境等要件 介護職員等処遇改善加算Ⅲ・Ⅳ 以下の区分ごとにそれぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)取り組んでいる 介護職員等処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ 以下の 区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上のうち⑰又は⑱は必須) 取り組んでいる 参考:厚生労働省 介護保険最新情報 三幸福祉カレッジ 処遇改善加算Ⅰ・Ⅱの取得に向けた生産性向上研修&加算取得サポートプログラム まとめ 今回の改定では、介護・福祉の現場で働く職員の処遇をより改善するためだけではなく、複雑だった制度を整備し事業所側の負担も軽減されました。 今回のセミナーでは、この処遇改善加算改定の全体像と、職場環境要件を満たすための条件や取り組みについて詳しく解説しますので、新しい処遇改善加算について詳しく知りたい方は、お気軽にご参加ください。
続きを見る > - 2024.07.19
その他
夏季休業のお知らせ時下益々ご清祥の事とお慶び申し上げます。 日頃より格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。 誠に勝手ながら、以下の期間中を夏季休業期間とさせて頂きます。 お手数をおかけしますが、あらかじめご了承くださいませ。 【夏季休業期間】 8月12日(月)~8月16日(金) ※お申込み・資料請求はホームページにて24時間受付けております。 【講座についてご不明な点がある方へ】 当校では初任者研修・実務者研修・介護福祉士国家試験受験対策講座・ケアマネジャー受験対策講座についての説明会動画を配信しております。 講座についてご不明な点がございましたら、ぜひ動画をご覧ください。 ▼初任者研修無料説明会動画配信はこちら ▼実務者研修無料説明会動画配信はこちら ▼介護福祉士受験対策講座無料セミナー動画配信はこちら ▼ケアマネジャー受験対策講座無料オンライン講習会動画配信はこちら ご不明な点が解決しない場合はこちらもご覧ください。 【よくあるご質問】 https://www.sanko-fukushi.com/faq/ 何卒ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。 三幸福祉カレッジ
続きを見る > - 2024.07.16
お得情報
【ケアマネジャー受験対策講座】通信コース受講料20%OFFキャンペーンこんにちは、三幸福祉カレッジです。第27回(2024年度)介護支援専門員実務研修受講試験を受験される方にお得なキャンペーンのご案内です🌸 「範囲が広くて何から勉強したら良いか分からない」 「今の勉強方法で合格できるか自信がない」 そんなお悩みをお持ちの方に、合格に近づくケアマネジャー受験対策講座のオススメコースを20%OFFの割引価格でご紹介します! ケアマネジャー受験対策講座 通信コース受講料20%OFFキャンペーン 対象コース: Web学習コース・筆記通信コース 期間: 2024/7/16(火)~9/25(水) 受講料: Web学習コース:25,000円(税込27,500円) ➡ 20,000円(税込22,000円) 筆記通信コース :33,000円(税込36,300円) ➡ 26,400円(税込29,040円) 教材選びに迷っているあなたは 問題的中率87.7%の三幸福祉カレッジの教材がおすすめ! 教材のポイント:メインテキストとオリジナル教材を併用することで学習効果を高める ▼メインテキスト 例年本試験は原則「介護支援専門員基本テキスト」から出題されるため、本番の試験で実際に出題される内容・文言で構成されるテキストをメインテキストとして使い、学習効果を高めます。 ▼オリジナル教材 毎年の出題傾向を徹底分析し作成した、問題的中率87.7%(※)のオリジナル教材でムダのない学習ができます(※2023年度当校実績) Web学習コース・筆記通信コース、どちらも同じ教材を使うので、ご自身の学習スタイルに合ったコースをお選びいただけます。 この機会にぜひ、ご検討ください。
続きを見る > - 2024.07.02
介護コラム
介護士の仕事内容|やりがい・向いている人の特徴・おすすめの資格も介護士の仕事に興味はあるけれど、実際にどのような業務を行うのだろうか、介護士として働くとどのようなやりがいを感じることができるのだろうかなど、不安や疑問が湧いてくる人は多いのではないでしょうか。 介護士を目指す前に具体的な仕事内容ややりがいを知っておくことで、安心して介護士として働くことができます。 そこで今回は、介護士の仕事に興味がある人向けに、具体的な仕事内容ややりがい、向いている人の特徴や資格について解説します。 1.そもそも「介護士(介護職)」とは? 介護士とは、 高齢者が安心して生活できるように、介護保険施設をはじめ老人ホームや通所介護事業所などで、高齢者の身の回りのお世話や相談援助などの介護サービスを提供する人のことをいいます。 介護士は、 保有資格を問わず介護業界で働く人を指し、介護職や介護従事者とも呼ばれています。 介護士として働くことで、仕事だけではなく家族への介護にも役立てることができ、さらに介護士としてキャリアを積んだり、サービス業への転職などへ生かしたりすることも可能です。 2.介護士の主な仕事内容 介護士の仕事内容は勤務先によって異なり、仕事は多岐にわたりますが以下の5つに大別できます。 ①身体介護 ②生活援助 ③レクリエーション活動の企画、運営 ④介護記録業務 ⑤メンタルケア ①身体介護 身体介護は要介護者の身体に直接触れる介助を指し、移乗介助や入浴介助、排泄介助などが含まれます。 移乗介助では歩行や車椅子の移動支援、入浴介助では準備から洗浄までをサポート、排泄介助ではトイレへの移動やおむつ交換があり、衛生面と尊厳への配慮が必要です。 その他にも、食事介助や口腔ケア、体位変換なども行います。 ②生活援助 生活援助は要介護者の身体に直接触れない介助を指し、掃除や洗濯、食事の準備や買い物などが中心です。 掃除では居住スペースの清掃やゴミ出し、食事の準備では調理や配膳、下膳や片付け、買い物ではご利用者の必需品を近隣の店舗で代行購入するなど、日常生活をサポートします。 ③レクリエーション活動の企画・運営 介護士として働く施設によってはレクリエーションの企画も重要な仕事です。 特に通所や入所型の施設では、要介護者の脳機能や身体機能の維持を目的にさまざまなレクリエーションを実施します。 ご利用者の安全を確保しつつ個々の感覚や興味に合わせ、幼稚に感じさせず自尊心を損なわないよう心情面にも配慮することが必要です。 ④介護記録業務 介護士同士でご利用者の状態を的確に把握し共有するために、介護記録を作成します。 介護記録を作成し共有することで、各ご利用者に対して最適な支援を行うことにつながります。 ⑤メンタルケア 介護士は、ご利用者のメンタルケアも重要な仕事の一つです。 介護では「受容」「共感」「傾聴」が基本であり、ご利用者の気持ちに寄り添い理解し、訴えに耳を傾けることが求められます。 高齢者や障がい、疾患で介護が必要な人の中には、ストレスや孤独感を感じている人も多いです。特に認知症の人では、できていたことができなくなり喪失感から不安を感じやすいです。 伝えたいことを表現できない人も多いため、声にならない気持ちに耳を傾けることが大切です。 3.【施設・サービス別】介護士の役割と具体的な業務 次に、介護士が勤務する介護施設と介護サービスごとに、具体的な仕事内容を解説します。 介護士が勤務する施設は、以下の7つに大別できます。 ①特別養護老人ホーム ②介護老人保健施設 ③サービス付き高齢者向け住宅 ④有料老人ホーム ⑤デイサービス ⑥訪問介護 ⑦医療機関 ①特別養護老人ホーム(特養) 特別養護老人ホームは特養や介護老人福祉施設とも呼ばれ、認知症や寝たきりの要介護者を支援する施設です。 65歳以上で要介護度3〜5の人が入所の対象で、主に食事や入浴、排泄などの身体介護を行います。また在宅介護が困難な場合、日常生活の支援や機能訓練、療養上のお世話も提供します。 仕事を行う上で、入所者の尊厳と立場を理解することが重要です。 主に社会福祉法人や自治体が運営し、終の住処として選ばれることも多いです。 ②介護老人保健施設(老健) 介護老人保健施設は老健とも呼ばれ、医療的ケアやリハビリテーションを提供し、在宅復帰を目指す高齢者を支援する施設です。 介護老人保健施設では3カ月ごとにケアプランを見直し、帰宅やリハビリ継続を検討するほか、医療的知識や技術を生かし、ご利用者ができるだけ自立した生活を送れるよう支援します。 生活全般のサポートを通じて、ご利用者の在宅復帰をサポートすることが主な目的です。 ③サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) サービス付き高齢者向け住宅はサ高住とも呼ばれ、高齢者が安心して生活できるよう状況把握や生活相談などのサービスを提供する賃貸住宅です。 2011年に高齢者住まい法により創設されたサービス付き高齢者向け住宅は、介護保険サービスを提供しない一般の施設と、介護保険サービスを提供する特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設があります。 一般の施設は生活支援や外出支援を提供し、特定施設はさらに専門的な介護サービスも提供します。 ④有料老人ホーム 有料老人ホームは民間企業が運営する介護施設で、高齢者向けの居住施設に介護サービスが付帯しています。 一部の老人ホームには高級ホテルのような設備も備え、介護業務に加えてイベント運営やフロント業務も行うことがあります。 ご利用者ができるだけ自立した生活を送れるよう、食事や入浴などの日常生活の支援や機能訓練を提供します。 入居条件は施設により異なりますが、自立している人から要介護度5の人までと幅広いです。 ⑤デイサービス(通所介護) デイサービスは通所介護とも呼ばれ、日帰りで通う要介護者に対し介護サービスを提供する施設です。 自宅での生活を維持することを目指し、機能訓練の補助やレクリエーションを通じた支援が主な仕事です。 ご利用者の送迎や健康管理、食事や入浴の介助、レクリエーションを提供することで、社会交流や家族の休息にもつながります。 自立度の高いご利用者が多く、身体介護だけでなくメンタルケアへの支援も重要です。 ⑥訪問介護 訪問介護は、ご利用者の自宅で個別の介護サービスを提供しますが、主に生活支援や身体介護が中心で、通院の付き添いや選挙投票などにも柔軟に対応します。 介護士とご利用者が1対1でサービスを提供するため、コミュニケーションを重視し、個別に寄り添った介護が可能です。 訪問介護に携わる介護士は、ご利用者の自立をサポートし、自宅での生活を支えます。 ⑦医療機関 医療機関における介護士の仕事は、生活支援や医療スタッフの補助を担当し、病室の清掃やベッドシーツの洗濯などを行うほか、入浴や食事の介助、医療機器の準備や片付けなどにも携わります。 介護士ではなく、看護助手や介護補助者と呼ばれることが多いです。 関連ページ 三幸福祉カレッジ「介護職の仕事内容とは?資格や働く5つのメリットを解説 4.介護士の1日のスケジュール・流れ 画像4 ここでは、介護士の1日のスケジュールと流れを解説します。 勤務する形態がデイサービスか特別養護老人ホームか訪問介護なのかによって、スケジュールは大きく異なります。 ●デイサービスにおける介護士の1日の流れ 8:00~9:00 出勤・スケジュールチェック・送迎 9:00~11:00 健康チェック・入浴介助やレクリエーション 11:30~13:00 昼食の準備や食事介助 13:30〜16:00 レクリエーションやおやつ・送迎 17:30 退勤 ●特別養護老人ホームにおける介護士(夜勤)の1日の流れ 16:00 出勤・スケジュールチェック 17:00~21:00 夕食の準備や食事介助・消灯 21:00~5:00 巡回・排泄介助 5:30〜8:30 起床介助・朝食の準備や食事介助 9:00 退勤 ●訪問介護における介護士(夜勤)の1日の流れ 9:00 出勤・スケジュールチェック 9:30~12:00 ご利用者の自宅に訪問し排泄介助や更衣介助 12:00~13:00 休憩 13:00〜15:30 ご利用者の自宅に訪問し入浴介助や服薬介助 16:00 直帰 5.【項目別】介護士の平均給与 介護士として働く場合、平均給与は保有する資格や勤務する施設形態、勤続年数によって大きく異なります。 介護士を目指す人は、厚生労働省が発表している下記のデータをぜひ参考にしてみましょう。 ●資格別 平均月給 保有資格なし 約268,680円 介護職員初任者研修 約300,240円 介護福祉士実務者研修 約302,430円 介護福祉士 約331,080円 介護支援専門員(ケアマネジャー) 約376,770円 資格別で見ると、介護士として入口の資格であり介護の基礎を学べる介護職員初任者研修を取得することで、無資格者と比較しても月給で約30,000円も給与がアップします。 さらに介護業界唯一の国家資格である介護福祉士を取得することで、無資格者と比較しても月給で約60,000円も給与がアップします。 介護士は、経験を積みながらステップしていくことで、給与はどんどんアップしていくことが魅力です。 ●施設形態別 平均月給 介護老人保健施設 約339,040円 通所介護事業所 約275,620円 訪問介護事業所 約315,170円 介護医療院 約320,700円 出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」 施設形態別に給与を比較すると、介護老人保健施設や介護医療院が高いことがわかります。 これは、通所介護事業所や訪問介護事業所は日勤が中心であること、一方の介護老人保健施設や介護医療院は日勤に加えて夜勤もあることが、給与の差として生じています。 ●勤続年数別 平均月給 1年 約280,550円 3年 約297,460円 5年 約305,970円 10年 約322,990円 15年 約342,590円 出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」 勤続年数別に給与を比較すると、勤続1年目が約280,550円に対し、5年目で約305,970円、10年目で約342,590円となっており、介護士として10年のキャリアを積むことで月給は約60,000円もアップします。 6.介護士の仕事におけるやりがいと大変なところ 介護士の仕事内容や給与がわかったところで、次に介護士の仕事におけるやりがいと大変なところをご紹介します。 やはり好きな仕事でも長く働いているうちにやりがいを見失ってしまい、こんなはずではなかったと退職や転職をしてしまうケースが多いです。 介護士として働く前には、事前にどんなやりがいが得られるのか、また仕事で大変な部分はどんなところなのかをしっかりと把握しておくことで、よりよいキャリアアップにつながり給与も理想に近づけることができます。 ①やりがい • ご利用者から感謝される 介護士として働く最大のやりがいは、ご利用者から直接「ありがとう」と感謝の言葉をいただけることです。この感謝の言葉に励まされ、多くの介護士が日々の仕事に取り組んでいます。 要介護者の中には「以前のように」あるいは「これから」やりたいことや目標を持っている人もいます。その思いや願いに寄り添い、近くで支え、ともに苦楽を共有できるのが介護士の魅力です。 車椅子を押したり更衣を手伝ったりするなかで、ありがとうと言われる瞬間は多々あります。また、ご利用者と一緒に笑ったり喜んだりできる点も、介護士ならではのやりがいです。 年配のご利用者から慕われ、その人が笑顔で生活する様子を見られること、自分が必要とされ役立てたときは、介護士として大きな満足感が得られます。 ご利用者の笑顔や感謝の言葉が日々の励みとなり、喜びや感動を与えてくれるでしょう。 • 社会貢献に直結する 介護士は単なる要介護者のお世話係ではなく、専門知識と技術を駆使して要介護者の自立を支援する専門家です。 要介護者の生活サポートが中心ですが、自立を促進することで社会福祉コストの削減にも貢献します。 介護士は、社会全体が必要とする介護サービスを提供し、健全な社会を築く重要な役割を担っています。 • 働き方が安定していて、選びやすい 介護事業所は住宅地や駅近くなどさまざまな場所にあるため、職場を選びやすい職種といえます。 雇用形態も正社員やパート、登録など多様で、家事や育児と両立しやすい勤務日や時間帯を選べる職場も多いです。 社会的な需要が高いため、場所や時間に左右されず、比較的安定して働けることも介護士の大きなメリットです。 ②大変なところ • 体力的にきつい 介護士は体力を要する仕事です。実際、身体介護では要介護者の移動支援や車椅子への移乗、入浴介助などがあり、体力的に楽な仕事とは言えません。しかし、専門技術を身につけることで身体への負担を軽減した介助方法を実践できます。 また、有料老人ホームなどの入居・入所型介護施設では、24時間体制でケアを提供するため、夜勤に携わることもあります。夜勤は長時間拘束される、体力的に大変と思われがちですが、夜勤手当が支給されるため、収入面ではプラスになります。 介護士は体力だけでなく、専門知識と技術を生かして働く職業であり、工夫次第で身体の負担を減らしながら、やりがいを持って長く働ける仕事です。 7.介護士に向いている人の特徴 では、実際に介護士に向いている人とはどのような人なのでしょうか。 こちらでは、介護士に向いている人の特徴を4つご紹介します。 4つの特徴に該当していない人でも、働いていくうちに自ずと技術を身につけることができるので、安心して介護士を目指しましょう。 ①誰かの役に立つことが好きな方 誰かの役に立ちたいという気持ちがとても重要です。 高齢者の介護を通じて、ご利用者や家族から直接感謝の言葉をいただけることがありますので、人助けが好きな人は、介護士として働くことでやりがいや喜びを感じるでしょう。 ②コミュニケーションが得意な人 介護士にはご利用者の微妙な変化やニーズを感じる能力が求められ、施設内での安全対策やコミュニケーション能力が必要です。 人との関わりが好きな人には向いており、信頼関係の構築や情報共有にもつながって行きます。 ③オン・オフの切り替えが上手な人 介護士は、オンとオフの切り替えの上手さが大切です。 仕事でのストレスをうまく発散できる人は、介護士として長く活躍できるでしょう。 ④体力に自信がある人 やはり、介護士として働く場合はかなりの体力を要します。特に入居・入所型介護施設は夜勤もあり生活リズムが不規則になりがちですので、体力は欠かせません。 しかし最近では、最新の機器を導入して介護士の身体的負担を軽減する施設も増えてきています。 8.介護業務に携わる際に役立つ資格5選 介護士は無資格でも働けますが、資格を取得することでキャリアパスが広がるほか、スキルアップや給与アップが望め、就職や転職の活動でも有利です。 こちらでは、介護業務に携わる際に役立つ資格を5つご紹介します。 ①介護職員初任者研修 介護職員初任者研修は、介護士としての入門資格です。 年齢や学歴、経験に関係なく受講でき、130時間のカリキュラム修了と試験合格で資格を取得できます。 ②介護福祉士実務者研修 介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格で、訪問介護事業所で責任者として活躍するためのスキルを身につけることができるほか、医療的ケアも学べます。 介護業界唯一の国家資格である介護福祉士試験の受験に必須の資格で、カリキュラム修了まで約6カ月を要しますが、初任者研修修了者はカリキュラムの短縮も可能です。 ③介護福祉士 介護業界唯一の国家資格である介護福祉士は、施設や事業所では重要視され、管理者を目指すことも可能です。 専門知識と経験を持ち、ご利用者や家族にアドバイスを行え、周囲の介護士に対してもリーダーシップを発揮できます。 毎年1月と3月に実施される国家試験は合格率が約70%にのぼり、スクールや過去問での試験対策が試験合格への鍵です。 ④認定介護福祉士 認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として位置づけられた民間資格です。 スキルアップやキャリアアップを目指す人向けで、十分なスキルや技術の保有を証明できます。 歴史は浅いですが、介護業界の需要増加に伴い、将来的にはさらに需要が高まる見込みです。 ⑤ケアマネジャー ケアマネジャーは、ケアプランの作成や関係機関との調整を行う介護系の最上位資格です。 介護福祉士同様、施設管理者や生活相談員としても活躍の場があり、介護士の経験を生かしたキャリアアップ資格として人気です。 関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護資格のおすすめ21選!取り方や取得するまでの流れをご紹介」 9.まとめ 今回は、介護士の仕事に興味がある人向けに、具体的な仕事内容ややりがい、向いている人の特徴や資格について解説しました。 介護士の仕事内容は勤務先によって異なりますが、身体介護や生活援助、レクリエーション活動の企画、運営や介護記録業務、メンタルケアの5つが主な業務です。 介護士はご利用者から感謝されるだけでなく、社会貢献に直結し、働き方が安定していて、選びやすいなど多くのやりがいがあります。 誰かの役に立つことが好き、コミュニケーションが得意、オン・オフの切り替えが上手、体力に自信があるといった人は、介護士に向いていると言えます。4つの特徴に該当していない人でも、働いていくうちに自ずと技術を身につけることができるので、安心して介護士を目指しましょう。
続きを見る > - 2024.07.02
介護コラム
ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?役割・仕事内容から将来性までケアマネジャー(介護支援専門員)とは?役割・仕事内容から将来性まで ケアマネジャーとは、ケアプランを作成し、介護保険サービスの利用をサポートするプロフェッショナルです。 しかし、実際にケアマネジャーが担う役割や仕事内容をご存じでない人も多いです。 そこで今回は、ケアマネジャーについてより深く理解するために、平均給与をはじめメリットとデメリット、やりがいや大変なところなどを交えて解説します。 1.ケアマネジャー(介護支援専門員)とは? ケアマネジャーは、 介護保険上における正式名称は「介護支援専門員」で、介護保険制度を活用して自立した生活をサポートする専門職です。 一般的には「ケアマネ」としてなじみ深く、カタカナ表記では「ケアマネジャー」が正式です。 ケアマネジャーは、介護保険法に基づき、介護を必要とする人々が適切なサービスを受けられるよう支援します。 具体的には、 ケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、サービス事業者との調整を行います。 介護職としての経験を生かせるため、キャリアアップを目指す人に人気のある職業です。 ケアマネジャーが活躍できるフィールドは、主に居宅介護支援事業所をはじめ介護施設や地域包括支援センターなど3つあります。 2.ケアマネジャーの主な仕事内容 介護サービスを利用したい人は市町村で要介護認定の申請をしますが、この際にケアマネジャーが申請者の自宅を訪問して調査・報告を行います。 要介護認定を受けた後、ケアマネジャーはご利用者の身体状態や課題を把握し、ご家族と相談しながら介護保険適用サービスを利用するための計画書であるケアプランを作成します。 ケアマネジャーは、介護サービス利用者と提供事業所とをつなぐ重要な役割を担い、誠意ある対応が求められます。 ①ケアマネジメント業務 ケアマネジャーの主な業務の一つが、介護サービスが適切に提供されるようサポートするマネジメント業務であり、以下の7つのステップで行います。 1. インテーク 初回面談でご利用者とその家族の状況をヒヤリングし信頼関係を築きます。 2. アセスメント ご利用者の課題を明確にし、必要なサービスを見極めます。 3. ケアプラン原案作成 課題解決のための詳細な計画書を作成し、説明・確認を行います。 4. サービス担当者会議 医師や介護職員などと会議を開き、ケアプランの内容を決定します。 5. ケアプラン修正 新たな課題が発生した場合は修正を行います。 6. ケアプラン交付 最適なケアプランをご利用者に提供し、介護サービスを開始します。 7. モニタリング サービスの適切性や目標達成度を評価し、必要に応じてケアプランを修正します。 上記7つのステップを通じて、ご利用者の自立した生活を支援します。 関連記事 ケアマネの業務「インテーク」とは?アセスメントとの違いやポイントを解説 ケアマネ必見!介護におけるモニタリングとモニタリングシートの書き方・記入例を紹介 ケアマネに必須!介護におけるアセスメントのポイントやアセスメントシートについて解説 ②介護保険の給付管理 介護保険の給付管理は、介護サービス提供事業者が報酬を受け取るための重要な業務です。 ケアマネジャーは、国民健康保険団体連合会(国保連)に提出する給付管理票を作成し、毎月1回提出して介護給付費を請求します。 不備があると返戻となり事業所への支払いが遅れるため、正確に作成する必要があります。 給付管理は事業所の事務員が行う場合もありますが、基本的にはケアマネジャーの役割です。 支給限度額や利用者負担額の計算も含め、サービス利用票や給付管理票を正確に作成し、国保連に提出します。 関連記事 給付管理業務とは?ケアマネが行う仕事内容について解説 ③介護事業者とご利用者との間の調整 ケアマネジャーは、介護事業所とご利用者との間をつなぐ調整役も担います。 ご利用者自身が訪問介護や通所介護など多くの事業所の中から最適なサービスを探すのは難しいため、ケアマネジャーがご利用者へ情報を提供し、希望通りの事業所を見つける手助けをします。 また、ご利用者が事業所に直接要望やクレームを伝えにくい場合、ケアマネジャーが代わりに伝えたり事業所の意見をご利用者へ伝えたりする役割も果たします。 ④要介護認定に関する業務 介護保険制度を利用するには、要介護認定の申請が必要です。 ご利用者やその家族は手続きに不慣れなため、ケアマネジャーが代行して申請を行うことがあります。 また、自治体からの依頼で要介護認定調査を実施することも多いです。調査では、ご利用者の自宅を訪問し、身体状況や環境をヒアリングします。その結果を基に、要介護認定の対象かどうかを報告します。 最終的な介護度の認定は、市区町村の介護認定調査会が行います。 3.働く場所によって異なるケアマネジャーの仕事 ケアマネジャーの役割は多岐にわたり、働く場所によって役割や仕事内容がやや異なります。 介護保険サービスの提供に加え、生活困窮者の生活保護申請の補助や食事に困る人への配食紹介、施設利用者とその家族の仲を取り持つ、高齢者に地域活動への参加を促すなどもあります。 以下では働く場所別に、具体的な役割と仕事内容をご紹介します。 ①居宅介護支援事業所で働くケアマネジャー 居宅介護支援事業所で働く居宅ケアマネジャーは「居宅ケアマネ」とも呼ばれ、自宅で介護を受けるご利用者を対象にサポートを行います。 サービスご利用者の自宅を訪問し、状況を把握して個々に合ったケアプランを作成します。 また、ご利用者がスムーズにサービスを受けられるよう、関係各所との調整も行います。 これにより、ご利用者が必要な介護サービスを適切に受けることができます。 ②入居施設で働くケアマネジャー 入居施設で働く施設ケアマネジャーは、入居者のケアプランを作成します。 居宅ケアマネジャーと比較すると担当する利用者数は多く、ヘルパーと共に介護業務を行ったり雑務をこなしたりすることもあります。 施設によっては夜勤が必要な場合もあります。 ③地域包括支援センターで働くケアマネジャー 地域包括支援センターで働くケアマネジャーは、要支援認定を受けた人が介護が必要な状態にならないようサポートするほか、要介護状態になった場合には悪化を防ぐことも目的としています。 このケアマネジメントは、市区町村や委託を受けた社会福祉法人などが運営しています。 4.ケアマネジャーの1日の流れ 勤務先によって変わりますが、入居施設におけるケアマネジャーの1日の流れの一例をご紹介します。 8:30~9:00 出勤 制服に着替え、スケジュールチェックやスタッフ間ミーティングを行います。 9:00~12:00 ケアプランや要介護認定の申請書類などを作成します。また、各関係機関への連絡・調整も行います。 12:00~13:00 休憩 13:00〜17:00 ご利用者のモニタリングやサービス担当者会議へ出席する。また、ケアプランの更新や記録の記入なども行います。 17:30 退勤 4.ケアマネジャーの役割に含まれない仕事 ケアマネジャーは業務範囲に明確な定めがなく、下記のようなちょっとした頼みごとをお願いされることもあります。 • 通院の介助・付き添い ケアマネジャーは、医療機関との連携や調整を行うついでに、ご利用者から通院の介助や付き添いを依頼されることもありますが、本来はケアマネジャーが携わる業務ではありません。 通院の介助や付き添いとなるとご利用者を車に乗せての移動が発生するため、自動車運転二種免許が必要です。 営業ナンバー以外の車に人を乗せて対価を得ると白タク行為になり処罰されますので注意しましょう。 • 家事の代行 ケアマネジャーは、相談業務を行うついでに、ご利用者から買い物の代行や掃除の手伝いを依頼されることもあります。 あくまでケアマネジャーは、ご利用者に必要な介護サービスを提供したり相談に応じたりすることが業務です。 • 金銭管理 ケアマネジャーは、要介護認定の申請や適切な介護サービスを提供するために、ご利用者の経済状況を把握していますので、そのついでにご利用者から金銭管理を依頼されることもあります。 あくまでケアマネジャーは、業務上ご利用者の経済状況を把握する必要があるから知っているだけですので、ご利用者の金銭管理は行いません。 • 行政や医療機関の手続き代行 ケアマネジャーは、要介護認定の申請や介護サービスの申請を代行するついでに、ご利用者から介護保険に関係のない行政手続きの代行を依頼されることもあります。 しかし、介護保険に関係のない行政手続きをケアマネジャーが代行することで、思わぬトラブルに発展する可能性もあるので注意しましょう。 困っているご利用者を見ると断れずについ引き受けてしまうケアマネジャーも少なからず存在します。 実際には、これらの業務はケアマネジャーの役割に含まれません。 際限なく対応すると自身が疲弊したりケアマネ変更時に「前のケアマネはしてくれていた」などのトラブルが発生したりするおそれがあるため、しっかりとお断りすることが大切です。 5.ケアマネジャーの平均給与 ケアプランを作成し、介護保険サービスの利用をサポートする重要な役割を担うケアマネジャーの給与は一体どのくらいなのでしょうか? 令和4年度の厚生労働省介護従事者処遇状況等調査によると、ケアマネジャーの平均月給は約376,770円です。 無資格者は約268,680円、国家資格の介護福祉士保有者は約331,080円ですので、比較すると無資格者で月給約100,000円、介護福祉士で月給約40,000円も差があることがわかります。 出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」 6.ケアマネジャーのメリット・やりがい ケアマネジャーは、給与アップや独立、講師活動にも役立つほか、多くのやりがいを感じる仕事です。 ・ 自分の計画したケアプランにより、ご利用者が自立した生活を送れるという喜びを感じる。 ・ ご利用者やその家族から直接感謝される。 ・ 介護保険制度や介護サービス、医療関係などの幅広い専門知識が身につく。 ・ 基本的には事務作業や利用者宅への訪問などは昼間が多く夜勤がほぼないので、体への負担を軽減できる。 ・ 自分でスケジュールを組むため、柔軟な時間調整が可能で、子育てや育児との両立が図りやすい。 ・ ケアマネジャーの資格を取得することで活躍の場が広がり、転職にも有利に働く。ケアマネジャーは、自分が作成したケアプランでご利用者やその家族の生活を改善できることがあります。改善できたことにより、ご利用者やその家族から感謝の言葉をいただけ、仕事をする上で大きな励みとなりやりがいを感じます。 また、幅広い専門知識が身につくだけでなく、人生経験豊富な高齢者との交流で心が通い合い、人間的にも成長できることが魅力です。 さらに、夜勤はほぼなく柔軟な時間調整も可能ですので、仕事とプライベートとの両立がスムーズです。 7.ケアマネジャーのデメリット・大変なところ ケアマネジャーは、多くのメリットがある一方でデメリットや大変なところもあります。 • コミュニケーションが苦手な人にとって人間関係につらさを感じる。 • 資格は5年ごとの更新が必要 • 本来の業務以外で呼び出されることが多い • 精神的負担が大きいケアマネジャーは人間関係や精神的負担が大きいなど大変なところも多いですが、それを上回るやりがいがあるのも事実ですので、働く場所を変えるなどデメリットな要素を軽減する方法も理解しておきましょう。 8.ケアマネジャーになるには? ケアマネジャーになるには、毎年実施される介護支援専門員研修受験試験に合格することが必要です。この試験は国家資格ではなく公的資格であり、試験は各都道府県が管轄、実施しています。 また、合格後も必要な研修の受講と申請を経て、ケアマネジャーの業務に従事できます。 ①ケアマネジャー資格取得までの流れ 1. 実務経験を積み受験資格を満たす 2. 「介護支援専門員実務研修受験試験」を受験し合格する 毎年1回、例年10月の第2日曜日に開催されています。 3.「介護支援専門員実務研修」を修了する 15日間の講習+3日間の実務(87時間以上の研修)の受講を全日程出席して修了です。 4. 「介護支援専門員証」の交付を受ける 介護支援専門員実務研修を修了後、3ヵ月以内に各都道府県の「介護支援専門員資格登録簿」へ登録申請を行い、受理されると交付されます。 5. ケアマネジャー(介護支援専門員)として活躍 関連記事 【2023年最新版】第26回ケアマネ試験情報 受験日程から合格後の流れまでを詳しく解説 ②介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)の概要 ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)は、ほとんどの都道府県が5肢複択方式のマークシート試験で実施しています。試験内容には実技試験や論文試験が含まれません。 試験日 試験日 10月の第2日曜日 受験要項・配布時期 5月〜7月頃 ※都道府県により異なります。 各都道府県の情報はこちらから 合格発表日 12月上旬頃 試験結果 2023年度試験結果 合格率:21.0% 合格者数:11,844人 受験者数:56,494人 参考:厚生労働省「第26回介護支援専門員実務研修受験の実施状況について」 ③ケアマネジャーの将来性|これからのケアマネジャーに求められる要素 では、ケアマネジャーの将来性はどうなのでしょうか? ・ 少子高齢化と介護人材の不足によってケアマネジャーの人材ニーズは著しく拡大している ・ 若年層のケアマネジャーが少なく高齢化が懸念されている ・ AIに仕事を奪われることはない ケアマネジャーの需要は増加しており将来性がある仕事です。 しかし公益財団法人介護労働安定センターの「令和4年度介護労働実態調査」によると、ケアマネジャーの平均年齢は53歳で、特に45歳〜60歳未満の年齢層が多く、20代後半から30代の若いケアマネジャーが不足しています。 また、AIの進化によって仕事を奪われるのではないかという懸念もありますが、ケアマネジャーは高齢者に寄り添い、コミュニケーションを取りながらマネジメントを行うため、AIに代替されることは考えにくいです。 人材不足が続けば給与や勤務条件の改善が期待できるため、依然として将来性のある職業です。 さらに、これからのケアマネジャーに必要な要素などんなことでしょうか? ・ 医療・福祉機関や介護事業所との連携強化 ・ 主任ケアマネジャー 介護給付サービスの拡大に伴い、ケアマネジャーの対応範囲も広がっています。 介護保険制度開始時と比べ、介護予防ケアマネジメントや在宅での看取り対応、継続的な治療・リハビリなどの調整ニーズが増加しています。 多職種との連携を強化し専門的な支援を提供するためには、介護だけでなく医療・福祉などの幅広い知識も必要です。 ご利用者に最適な支援を提供するため、多職種と情報を共有し続けることが求められます。 また、2021年3月に介護保険法が改定された居宅介護支援事業所の管理者は「原則、主任ケアマネジャーであること」が要件となった(2027年3月まで猶予期間)ことにより、質の高いケアマネジャーや主任ケアマネジャーの需要がより高まっています。 8.まとめ 今回は、ケアマネジャーについてより深く理解するために、平均給与をはじめメリットとデメリット、やりがいや大変なところなどを交えて解説しました。 ケアマネジャーは、介護保険上における正式名称は「介護支援専門員」で、介護保険制度を活用して自立した生活をサポートする専門職です。 少」子高齢化と介護人材の不足によってケアマネジャーの人材ニーズは著しく拡大していますが、若年層のケアマネジャーが少なく高齢化も懸念されています。 AIに仕事を奪われることはありませんので、ケアマネジャーの将来性は高いと言えるでしょう。
続きを見る > - 2024.07.01
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