初任者研修は就職に有利?資格を活かせる職場と仕事内容-三幸福祉カレッジ

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2024.10.25お役立ち情報
初任者研修は就職に有利?資格を活かせる職場と仕事内容


介護職員初任者研修(以下、初任者研修)は、介護業界において基本的な知識や技術を身につけるための重要な資格です。
約130時間のカリキュラムを通じて、介護職としての専門性を高め、実践的なスキルを習得します。
初任者研修を取得することで、就職活動においての優位性や給与面でのメリットが期待できるほか、さまざまな業務に携わる機会が広がります。
そこで今回は、初任者研修取得後の就職について、資格を活かせる職場と仕事内容を交えて解説します。

1.初任者研修とは?


初任者研修とは、介護職としての基礎知識やスキルを習得するための研修です。
全体で約130時間のカリキュラムから構成されており、1カ月から4カ月程の受講期間で修了できます。
通信コースと通学コースがあり、受講料金は30,000円〜100,000円程ですが、地域やスクールによって異なります。
初任者研修では、在宅や施設を問わず、介護職として働くために必要な知識や技術を学べ、全過程を修了し試験に合格することで資格を取得できます。
資格取得後は、正社員やパートとしてさまざまな働き方が可能で、家族介護にも役立ちます。

関連ページ:三幸福祉カレッジ介護職員初任者研修とは

2.初任者研修の取得で就職が有利になる2つの理由


初任者研修の取得は、介護業界での就職活動において大きな強みとなります。
資格を保持することで、介護の理解度やスキルの習得をアピールできる上、応募できる求人の幅も広がるため、就職が有利になります。

理由①介護の理解度・スキルの習得度をアピールできるため

初任者研修は、介護の基礎知識や技術を習得していることの証明となる資格です。
そのため、 初任者研修を修了していると、介護職に対する理解度が高く、実務においても一定のスキルを持っていることが採用側へ伝わります。
採用担当者にとって「即戦力として期待できる人材」であることがわかるため、安心して採用しやすくなります。
資格を取得していない人と比べて、就職活動において大きなアピールポイントとなるでしょう。

理由②応募できる求人の幅が広がるため

初任者研修を取得することで、応募できる求人の幅が広がります。無資格では、ご利用者への身体介護ができないなど仕事の幅も狭まってしまうため、求人によっては、初任者研修以上の資格を応募条件としている場合が多くあります。

3.初任者研修を受講・修了するメリット3選

初任者研修を受講・修了することは、就職に有利になるだけではなく、さまざまなメリットがあります。
初任者研修を取得することで、介護職としてのスキルが向上し、携われる業務の内容や範囲が格段に広がります。
また、資格手当などの支給により給与アップが期待でき、効率的なキャリアアップにもつながるでしょう。
ここでは、初任者研修を受講・終了することで得られる具体的な3つのメリットについて詳しく解説します。

①携われる業務の内容・範囲が格段に広がる

無資格者が行える業務は生活援助などに限られますが、初任者研修を修了することで、食事や入浴の介助などの身体介護を含む、より専門的な業務に従事できます。
特に訪問介護においては、すべてのサービスを提供できるため、一人でご利用者のご自宅に訪問することができるなど、業務の幅が格段に広がり、より充実した介護職としてのキャリアが築けます。

②給与アップにつながる

初任者研修を修了すると、無資格者と比べて給与が高くなる傾向があります。
無資格者には業務に制限があり、資格手当も支給されませんが、有資格者は身体介護を含む幅広い業務を担当できるため、待遇も向上します。
実際、厚生労働省のデータによると、資格があることで月給でも約32,000円の差が生じ、給与アップにつながることが明確です。

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 第102表」

③効率的なキャリアアップにつながる

初任者研修は、介護職へのファーストステップと位置付けられています。
初任者研修を取得することで、スムーズに介護職としてのキャリアアップを目指すことができ、実務者研修や介護福祉士資格への道が開けます。
具体的には、実務者研修では450時間の受講が必要ですが、初任者研修の取得者は130時間の免除を受けられます。
さらにキャリアアップを目指すための基盤が整い、無資格者では得られない学びの機会を手に入れることができます。
将来的に介護業界での専門性を高めたい人には、早めの初任者研修の取得をおすすめします。

4.初任者研修の資格を活かせる就職先と主な仕事内容


初任者研修を修了した人には幅広い就職先あり、特別養護老人ホームをはじめ訪問介護や通所介護(デイサービス)、デイケアや有料老人ホーム、グループホームや医療施設など多岐にわたります。
それぞれの職場での仕事内容を知ることで、自分に合ったキャリアを見つける手助けとなるでしょう。

①特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、主に要介護度3以上の高齢者が生活する施設で、介護職員は24時間体制で入所者の日常生活を支援します。
具体的には、起床や食事、排泄や入浴などの身体介助を中心に、健康管理やリハビリのサポートも行います。
特別養護老人ホームには、多様な病歴を持つ高齢者が入所しているため、介護スキルを高めやすい環境が整っています。
また、職員間の相談がしやすく、研修制度が充実しているため、キャリアアップを目指す人にとって理想的な職場と言えるでしょう。

②訪問介護

訪問介護は、要支援・要介護認定を受けた高齢者や障がい者の自宅に訪問し、介護サービスを提供します。
初任者研修を取得した職員は、主に生活援助(掃除、洗濯、買い物など)や身体介護(食事、入浴、排泄の介助など)を行います。
訪問介護では、ご利用者一人ひとりと密接に関わりながらサービスを提供するため、深い信頼関係を築くことが可能です。
1対1の関係性を大切にし、ご利用者の自立支援を目指したい人には適した職場です。

③通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)は、要支援・要介護の認定を受けた高齢者が日中に施設を利用し、必要なケアを受けるサービスです。
初任者研修を取得した職員は、利用者の送迎をはじめ食事や入浴、排泄の介助など、生活全般のサポートを行います。
また、体操やリハビリを通じた機能訓練、レクリエーションの企画・実施も重要な役割です。
通所介護は、入所型施設ではないため夜勤がなく、プライベートと仕事を両立したい人には最適な職場です。

④デイケア

デイケアは、要支援・要介護認定を受けた人が老人保健施設や病院へ通い、リハビリ中心の介護サービスを受ける施設です。
初任者研修を取得した職員は、リハビリ専門職の指導のもとで、生活機能の向上を目的とした訓練や食事・入浴などの生活支援を行います。
デイケアは、利用者の回復を目指すため医療的な側面が強く、身体機能の維持・改善を図るサポートが求められます。
リハビリに興味がある人には、やりがいのある職場です。

⑤有料老人ホーム

有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が生活しながら支援や介護を受ける施設です。
入居者の要介護度は施設によって異なるため、初任者研修を取得した職員は、個々のニーズに応じた柔軟な対応が求められます。
仕事内容としては、食事や入浴、排泄などの身体介護のほか、レクリエーションの企画・実施や日常生活のサポートも含まれます。
多様なニーズに応じた介護スキルを高められる環境が整っており、スキルアップを目指す人に最適な職場です。

⑥グループホーム

グループホームは、要支援2または要介護1〜5の認定を受けた認知症の人が少人数で共同生活を行う施設です。
初任者研修を取得した職員は、生活援助として掃除や洗濯、日用品の買い出しなどを行い、身体介護として食事や入浴、排泄の介助も担当します。
また、料理や野菜づくりなどのレクリエーション活動も行い、利用者の生活を豊かにします。
小規模な環境で利用者と深く関わることができ、認知症ケアを学びたい人にとって、充実した職場環境が整っています。

⑦医療施設

初任者研修を取得後は、介護施設だけでなく医療施設でも働くことができます。
病院では、看護助手として患者の身体介護を担当し、食事や入浴の介助、おむつ交換などを行います。
医療現場での仕事は、介護職のスキルを活かしつつ、医療知識を深める貴重な機会です。
初任者研修がなくても就労できる場合もありますが、資格を持っていることで職場での信頼度が増し、より良い待遇を受ける可能性があります。
多様な就職先を考える際には、医療施設も選択肢に入れておくと良いでしょう。

5.初任者研修取得後の段階的なキャリアパス


介護職において初任者研修は重要なスタート地点ですが、キャリアアップを目指すなら段階的なステップアップが求められます。
初任者研修を経て、介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)を受講し、さらには介護福祉士、認定介護福祉士、そしてケアマネジャー(介護支援専門員)へと進むことが可能です。
各段階での専門知識や技術を習得することで、より質の高い介護サービスを提供し、職業的な成長も期待できます。

(1)実務者研修

実務者研修は、初任者研修の上位資格で、専門的な介護技術を習得できます。
介護福祉士国家試験を受験するためには必須の資格となり、キャリアアップを目指す方は受講する必要があります。
実務者研修では、たんの吸引や経管栄養などの高度なスキルを学ぶため、より複雑な介護業務に対応できるようになります。
初任者研修を修了した後に実務者研修を受講することで、受講料の一部免除などの特典もあります。
実務者研修を取得することで、実務的な知識と技術の信頼性が向上し、仕事の幅が広がるほか、職場での待遇や給与の向上が期待できます。

参考:三幸福祉カレッジ「実務者研修とは」

(2)介護福祉士

介護福祉士は、数ある介護資格の中で唯一の国家資格で、国家試験に合格することが必要です。
受験要件として、実務経験3年以上かつ介護福祉士実務者研修を修了していることが求められます。
資格取得のためには、初任者研修から実務者研修を経て、最終的には介護福祉士を目指すことが推奨されます。
介護福祉士は身体介護を行うだけでなく、家族介護や他の介護職員への指導・アドバイスも行う役割を担います。
介護福祉士は、どの職場でも通用する信頼性の高い資格です。

参考:三幸福祉カレッジ「介護福祉士とは」

(3)認定介護福祉士

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として位置付けられる民間資格で、2015年に設立された「一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構」によって認定されます。
認定介護福祉士を持つ人は、リーダーとして質の高い介護実践を行い、介護職の指導・教育、医療職との連携強化など多岐にわたる役割を果たします。
認定介護福祉士になるためには、指定の養成研修を修了し、介護福祉士資格と5年以上の実務経験が必要です。
多職種との連携や人材育成に興味がある人は、認定介護福祉士を目指すことがキャリアアプにつながります。

(4)ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする人に最適なケアプランを作成し、自治体や介護サービス事業者との調整を行う専門職です。
ケアマネジャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、15日間の講習と3日間の実務研修を受ける必要があります。
試験の受験資格には、介護福祉士などの国家資格を持ち、通算5年以上かつ900日以上の実務経験が求められます。
ケアマネジャーを目指すことで、介護保険制度や医療に関する専門知識を深められ、さらに上位資格として認定ケアマネジャーや主任ケアマネジャーも取得できます。

参考:三幸福祉カレッジ「ケアマネジャーとは」

6.初任者研修取得後における「就職先の探し方」


初任者研修を取得後、就職先が自動的に決まるわけではありません。自分自身で就職先を見つける必要があります。
では、初任者研修取得後にどのように就職先を探すべきか、具体的な方法を見ていきましょう。

•公共職業安定所を利用する

公共職業安定所(ハローワーク)は、国が運営する職業紹介機関で、介護職を含むさまざまな職種の求人を提供しています。
利用方法は非常にシンプルで、最寄りの公共職業安定所を訪れ、登録を行うことで求人情報を得ることができます。
インターネットを使って自宅でも求人情報を検索することができるため、時間を有効に使えます。
公共職業安定所では、担当者が親身に相談に乗ってくれるため、求人の紹介だけでなく、履歴書の書き方や面接対策などのサポートも受けられるのが魅力です。

•スクールの就職支援サポートを受ける

初任者研修のスクールでは、受講生向けの就職支援サポートを実施しているスクールが多くあります。
初任者研修の受講中から、就職サポートを受けることができ、求人の紹介から事業所とのやり取りをすべて就職支援の担当者が実施してくれます。
資格取得後すぐに働きたいけど、勉強と同時に就職活動することが大変そうだと思っている方は、このサポートを最大限活用することをおすすめします。また、スクールによってさまざまなサポートを用意しているので、受講を検討している学校の就職支援サポートについても調べてみましょう。

参考:三幸福祉カレッジ「就職応援制度」

•介護専門の求人サイトを利用する

介護業界に特化した求人情報サイトの活用も有効で、さまざまな条件で求人情報を検索でき、勤務地や給与、勤務形態など自分に合った条件で絞り込むことが可能です。
また、求人情報がリアルタイムで更新されるため、新しい求人を逃す心配がありません。
さらに、サイトによっては、応募書類の作成や面接対策に関するノウハウを提供している場合もあり、自分のスキルアップに役立つ情報を得られることも大きなメリットです。

参考:介護求人ドットコム

7.まとめ

今回は、初任者研修取得後の就職について、資格を活かせる職場と仕事内容を交えて解説しました。
初任者研修取得後は、特別養護老人ホームや訪問介護、通所介護(デイサービス)やデイケア、有料老人ホームやグループホームなどさまざまな就職先があり、業務内容も多岐にわたるため、自分に合った働き方を選ぶことが可能です。
さらに、資格取得により給与アップやキャリアアップも期待でき、介護職としてのスキルを高める良い機会となります。
今後、介護業界での活躍を目指す人は、ぜひ初任者研修を受講し、知識と経験を積んでいくことをおすすめします。

この記事の監修者

三幸福祉カレッジ 編集部

実務者研修・初任者研修を全国で開講している三幸福祉カレッジです。介護の仕事や資格について皆さんが疑問に思っていることや気になること、話題の情報を更新しています。

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