ナーシングホームとは?グループホームと何が違うの?違いや特徴をわかりやすくご紹介-三幸福祉カレッジ

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2022.10.13お役立ち情報
ナーシングホームとは?グループホームと何が違うの?違いや特徴をわかりやすくご紹介

ナーシングホームとは?グループホームとの違いや特徴をご紹介


ナーシングホームという施設があることをご存じでしょうか?

昨今、要支援や要介護の認定を受けて介護施設へ入居し、身体状態の変化に伴い病院へ入院、そして退院後に以前入居していた介護施設へ戻ることができず、在宅介護を強いられ、家族の介護負担にもなっています。
そこで注目されているのが、ナーシングホームです。
ナーシングホームは、家族をはじめ医師や看護師、介護士や地方自治体など、さまざまな人が連携しながら高齢者を支える地域包括システムとしても期待されています。
今回はナーシングホームについて、特徴や生まれた背景、グループホームとの違いなどを交え解説します。

ナーシングホームとは


ナーシングホームとは、一般的な有料老人ホームの中に、医療的ケアを行うための看護師が24時間365日常駐するとともに、入居者に対し日常的なサポートを行う介護スタッフも在籍している、いわば病院と介護施設の両方の良さを兼ね備えたホームです。
入居者は身体状態が悪化しても、他の施設への転居を必要としないことが多いため、住み慣れた地域で安心して生活を継続できます。

グループホームとの違い

グループホームは、認知症対応型共同生活介護と呼ばれ、その名の通り、認知症の人が少人数で落ち着いた環境の中で生活できるよう、認知症に特化した介護サービスを提供しています。

一方のナーシングホームは、認知症の人だけでなく、胃ろうやたん吸引といった医療的ケアが必要な人をはじめ、寝たきりやがん、脳血管疾患など医療依存度が高い人の受け入れ体制も整えているケースが多いです。

ナーシングホームが生まれた背景


ナーシングホームは、アメリカにおいて1960年代から高齢者に長期ケアを提供する専門施設として発展してきました。
アメリカでは、年々家族の人数が減るとともに女性の就業率が高まったことで、家族による介護が減少しました。
一方で、高齢者の多くは自宅や住み慣れた地域で暮らすことを望んでいますが、身体状態の変化に伴って自立した生活が営めなくなると、長期での介護施設への入居を余儀なくされます。
そのような社会環境の中で、24時間体制の医療を受けながら、日常生活における介護も受けることができるナーシングホームが広がっていきました。

現在の日本においても、超高齢化社会と呼ばれる時代に突入し、アメリカと同様の状況になりつつあります。

出典:内閣府 「高齢化の現状と将来像」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf

内閣府が示している令和元年高齢社会白書によると、年間死亡数は2020年で約141万人だったのが、2040年にはピークとなる約168万人と推計されています。(図1-1-2)


出典:内閣府 「高齢期の生活に関する意識」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/zenbun/pdf/1s3s_04.pdf

そして、2019年の調査において、完治が見込めない病気の場合に迎えたい最期の場所として、60歳以上の約半数が住み慣れた自宅で最期を迎えたいと回答しています。(図1-3-13)


出典:内閣府 「高齢期の生活に関する意識」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/zenbun/pdf/1s3s_04.pdf

さらに、約3割近くの人が孤立死を身近に感じていると回答しています。(図1-3-14)

上記で表した通り、日本の高齢者の多くが住み慣れた自宅で最期を迎えたいと望む一方で、少子化や核家族化による家族の介護負担増加、医療ニーズに対応できる介護施設がない、病院病床の不足などの背景から、日本においてもナーシングホームが発展し始めています。

ナーシングホームの特徴


ナーシングホームは
・医療体制と介護体制の両立
・精神疾患の対応が可能な場合がある
などの特徴があります。

それぞれの特徴を、以下で詳しく解説します。

医療体制と介護体制の両立

ナーシングホームは、1つの施設で看護師が24時間常駐して健康管理を行っていいるとともに、介護士が食事や排泄などの介護サービスを提供しているため、看護師と介護士が入居者の情報を共有しやすく、体調に異変が生じた際も迅速に対応できるというメリットがあります。

また、協力医療機関の医師による訪問診療や往診を実施するほか、医療設備が充実しているため、幅広い医療処置や看取りなどにも対応しているケースも多いです。

精神患者の対応が可能な場合も

それぞれのナーシングホームにより受け入れ可能な状態は異なりますが、一般的な介護施設で受け入れ不可とされるケースがある、うつ病などの精神患者の受け入れ体制を整えている場合もあります。

併せて、厚生労働大臣が定める特定疾病等とされている、末期がんやパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの患者の受け入れを行っているナーシングホームもあります。

まとめ


今回は、超高齢化社会を迎え、多様化する医療や介護のニーズに対応できる施設として注目されるナーシングホームについて、特徴や生まれた背景、グループホームとの違いなどを交え解説しました。

ナーシングホームは、高齢者が地域で生活を継続できるメリットはありますが、依然として住み慣れた自宅で最期を迎えたい人も多いです。
高齢者を支える家族が介護における知識や技術を習得することで、要介護者の安心と自宅での生活につながりますので、この機会に介護の資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
家族や周囲で介護に困った人のために活かせますよ!

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