初任者研修は必要ないって本当?取得メリット・判断基準も解説!-三幸福祉カレッジ

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2024.12.27お役立ち情報
初任者研修は必要ないって本当?取得メリット・判断基準も解説!

初任者研修は必要ないって本当?取得メリット・判断基準も解説!

「初任者研修は必要ない」「役に立たない」という声を聞いて、受講を迷っていませんか?介護の現場で役立つのか、受講費用や時間に見合う価値があるのか、不安に感じるのも無理はありません。そこで今回は、初任者研修の概要やメリット、受講すべきか判断する基準を詳しく解説します。初めての資格取得に迷う人へ、納得できる答えをお届けします。最後にはおすすめのスクール情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

初任者研修(介護職員初任者研修)とは?

初任者研修(介護職員初任者研修)とは、介護に関する基礎から応用までを幅広く学べる介護の入門資格です。初任者研修を受けることで、介護の現場で必要とされる基本的な知識や技術を身につけることができます。介護職を目指す人に限らず、家族介護をする人やサービス業に従事する人にも役立つ資格であり、その汎用性の高さから多くの人に選ばれています。

初任者研修と実務者研修の違い

実務者研修は初任者研修の上位資格に位置付けられることが多いですが、初任者研修を修了していなくても実務者研修を受講することは可能です。この点は多くの人が誤解しやすい部分なので注意しましょう。

まず、初任者研修は、介護の基礎を学ぶ初心者向けの資格であり、全9科目、受講時間は130時間、最短で1.5カ月で修了できます。一方の実務者研修は、より応用的な内容を学ぶ資格であり、全20科目、受講時間は450時間、修了までに6カ月以上かかる場合が一般的です。費用面でも、初任者研修は5万円〜10万円程度、実務者研修は10万円〜20万円程度と大きな差があります。

さらに、初任者研修修了者が実務者研修を受講する際には、共通する9科目、130時間分の受講が免除されるため、時間や負担が軽減されます。また、実務者研修を修了すると、介護福祉士国家試験の受験資格が得られ、キャリアアップを目指すうえで有利になります。どちらも介護未経験から受講可能で、介護業界で働くための基礎を築くものです。また、カリキュラムの一部が共通しているため、初任者研修修了後に実務者研修へ移行することでスムーズに学習を進められる仕組みが整っています。初任者研修は介護職への第一歩として、実務者研修はさらなるスキルアップとキャリア形成を目指す資格として、それぞれの目的や状況に応じて選択することが重要です。

初任者研修は必要ない・役に立たないって本当?

初任者研修について、「必要ない」「役に立たない」という意見を耳にすることがあります。その背景には、介護業界の歴史や資格制度の特性が影響しています。

かつて介護業界では、無資格者でも働ける環境が一般的でした。食事介助や入浴介助など、介護職員としての基本業務は無資格者も行えたため、初任者研修を修了しても仕事内容が大きく変わらないケースが多かったのです。また、介護福祉士国家試験の受験資格には実務者研修が必要であり、初任者研修はその対象外でした。このため、「初任者研修を取得しなくても介護福祉士になれる」と考える人が多かったのも事実です。さらに、初任者研修で学ぶ内容は実務者研修でも学べるため、直接実務者研修を受けた方が効率的ではないかと感じる人も少なくありませんでした。

このような要因から、初任者研修はあまり重要視されていない時期があったのです。しかし、2021年の介護報酬改定をきっかけに、この状況は大きく変わりつつあります。

特に、2024年4月からは無資格者が介護職員として働くために「認知症介護基礎研修」の修了が義務付けられることとなりました。認知症介護基礎研修は、認知症ケアに必要な基礎知識や技術を学ぶものです。ここで注目すべきなのは、初任者研修を修了している場合、この認知症介護基礎研修の受講が免除される点です。

初任者研修を取得することで、研修の追加受講なしに引き続き介護職として働くことが可能となり、手間や時間を省けるメリットがあります。また、無資格者は施設内での生活援助(身体に直接触れないケア)しか行えない一方で、初任者研修を修了すると、身体介護や訪問介護の全サービスを提供できます。このように、無資格者との差別化が進み、初任者研修の重要性は増しています。

初任者研修は、介護の基礎知識やスキルを学び、働く上での選択肢を広げる第一歩です。かつてはその有用性が疑問視されることもありましたが、制度改正によって資格の必要性はますます高まっているのです。今後、介護職に就きたいと考える人には、初任者研修の受講をぜひ検討していただきたいです。

初任者研修を受講するメリット5選

近年、介護業界における初任者研修の必要性が高まる中、その受講によって得られるメリットも多岐にわたります。

基礎知識やスキルの習得はもちろん、仕事の幅も広がり、就職や転職で有利になることも魅力の一つです。また、収入アップやキャリアアップの基盤としても役立つため、初任者研修は介護職を目指す人にとって欠かせないステップと言えるでしょう。ここでは、初任者研修を受講する5つのメリットについて詳しく解説します。

介護に関する知識・スキルが身につく

初任者研修を受講することで、介護職として必要な基礎的な知識とスキルを身につけることができます。この知識やスキルは、利用者への質の高い介護サービス提供に役立つだけでなく、万が一の事態にも冷静かつ適切に対応できます。また、家族や身近な人の介護を行う際にも役立ち、いざというときの安心感を得られるのも大きなメリットです。将来を見据えたスキル習得として、初任者研修は価値ある選択と言えるでしょう。

仕事の幅や選択肢が広がる

初任者研修を修了すると、無資格者や認知症介護基礎研修修了者に比べて、仕事の幅や選択肢が大きく広がります。無資格者は主に掃除や洗濯といった生活援助が中心で、身体介護を行うことができません。しかし、初任者研修を修了すれば、施設内での身体介護や訪問介護を含む幅広い業務に従事することが可能です。また、初任者研修修了者のみ応募できる求人も多く、選べる職場や働き方が増える点も大きなメリットです。これにより、自分の希望や状況に合った働き方を実現しやすくなります。

就職・転職に有利となる

初任者研修を修了していることは、介護の基本的な知識とスキルを持っている証明となり、就職や転職の際に無資格者や認知症介護基礎研修修了者に比べて大きなアドバンテージです。特に訪問介護では、初任者研修以上の資格が必須であり、この資格を持っていないと応募すらできない求人も多くあります。また、初任者研修修了者は無資格者よりも給与が高く、好条件の求人にも応募しやすいため、将来的なキャリアの選択肢が広がるメリットもあります。

収入アップにつながる

初任者研修を修了していると、無資格者と比べて給与面でのメリットがあります。多くの事業所では初任者研修修了者に資格手当が支給され、その金額は3,000円〜5,000円程度です。さらに、初任者研修修了者は無資格者に比べて月給が高い傾向にあります。以下は厚生労働省が公表している令和4年12月時点での介護職員の平均給与額の状況です。

保有資格 平均給与額(令和3年12月) 平均給与額(令和4年12月) 増加額
全体 300,740円 318,230円 17,490円
初任者研修修了者 286,530円 302,910円 16,380円
無資格者 250,600円 270,530円 19,930円

参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要P18」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04gaiyou.pdf

このように、初任者研修を取得することで資格手当が付与されるだけでなく、平均給与額でも無資格者を大きく上回り、収入アップにつながることが分かります。

段階的なキャリアアップを図れる

初任者研修を受けることで、介護業界での段階的なキャリアアップが可能になります。研修を受けると、次に実務者研修、その後は介護福祉士資格といったステップを踏むことができ、最終的には介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)などの専門職へ進むことができます。これにより、より高い給与を得られるだけでなく、フロアリーダーやマネジャーなどの役職を目指しキャリアを積むことも可能です。

初任者研修を受講すべきか判断する3つの基準

初任者研修を受講すべきか悩んでいる人へ、判断材料となる3つの基準をご紹介します。

介護経験の有無はもちろん、資格をどのくらいのスピードで取得したいか、さらにはキャリア形成にどれほどのスピードを求めるかがポイントです。これらを基に、自分に合ったタイミングでの受講を検討してみましょう。

(1)介護経験の有無

介護の経験がない人には、初任者研修の受講がおすすめです。この研修は、介護の基礎知識やスキルを体系的に学べるため、未経験者でも安心して介護職に挑戦できます。介護施設の中には資格なしで働ける職場もありますが、介護の仕事は利用者の身体に直接触れるため、適切な知識と技術が求められます。また初任者研修では、介護の基本的な実践方法や心構え、介護制度の仕組みを学ぶため、心理的な負担を軽減しながら業務に取り組めます。初任者研修を修了しておくと、次のステップとなる実務者研修も理解しやすくなり、スムーズにキャリアを積むことができます。介護未経験の人にとって最適なスタート地点と言えるでしょう。

(2)介護資格取得に求めるスピード

介護資格の取得を急ぐ場合、初任者研修の受講が最適です。初任者研修は、介護のライセンスの中で基礎となる資格であり、取得までにかかる期間や費用が比較的少ないのが特徴です。一方で認知症介護基礎研修は、さらに短期間で取得可能ですが、介護全般の知識やスキルが含まれていないため、採用面では初任者研修の方が有利となることが多いです。介護資格を早く取得して現場で働き始めたい人には、負担の少ない初任者研修がおすすめです。初任者研修を取得することで、求人の選択肢が広がり、介護職員としてのスタートをスムーズに切ることができます。

スピーディーに資格を取得したい人にとって、初任者研修は最も効果的な第一歩と言えるでしょう。

(3)キャリア形成に求めるスピード

介護業界でのキャリア形成をスピーディーに進めたい場合、初任者研修の受講が最適な選択肢です。将来的に介護福祉士の取得を目指す場合、初任者研修を取得しておくと、その後の実務者研修や介護福祉士国家試験へのステップアップがスムーズになります。初任者研修は基礎から学べるため、未経験者でも安心して取り組め、次の段階である実務者研修の内容を効率的に理解する下地を作れます。実務者研修は高度な知識や技術を必要とする内容が含まれており、事前に初任者研修を受講していないと難易度が高く感じる場合があります。着実に段階を踏むことで知識を深めながらキャリアアップを図る方が、挫折しにくく効率的です。初任者研修はキャリア形成の第一歩として最適な選択肢です。

初任者研修の取得方法

初任者研修を取得するためには、必ずスクールでの講座受講が必要です。これはカリキュラムに含まれる実技演習が通学での学習を必要とするためです。初任者研修には大きく分けて「通学講座」と「通信講座(通学+通信併用)」の2つの受講スタイルがあり、それぞれ特徴やメリットが異なります。

通学講座では学科学習と実技学習を全てスクールで行います。受講期間は最短1カ月程度、費用は5万円台からが一般的です。講師から直接指導を受けられるため、疑問をその場で解決できることが魅力です。また、他の受講生との交流を通じて仲間ができやすく、計画的に学びたい人におすすめです。

一方、通信講座では、最大40.5時間の自宅学習と89.5時間の実技演習を組み合わせます。受講費用が通学講座よりも比較的安く、3万円台から受講可能です。学習期間も最短3週間程度で、仕事や家事と両立しやすいのが利点です。ただし、自宅学習には自己管理が必要で、通学での学びに比べ講師や他の受講生との交流が限られる点に注意しましょう。

どちらのスタイルでも、受講時間には国が定めた130時間のカリキュラムを満たし、修了試験に合格することで資格を取得できます。費用や学習スタイルを比較し、自分に合った方法を選びましょう。

初任者研修を受講できるスクールの選び方

初任者研修のスクール選びは、資格取得をスムーズに進めるために非常に重要です。以下のポイントを参考に、自分に合ったスクールを見つけましょう。

まず、立地の良さを重視することをおすすめします。初任者研修は130時間のカリキュラムが必要で、そのうち89.5時間以上は通学です。自宅や職場から30分以内の通いやすい場所にあるスクールを選べば無理なく継続できます。また、行き慣れたエリアであれば通学時のストレスも軽減されます。

次に、サポートの充実度も確認しましょう。振替受講に対応しているか、学習中の疑問にすぐ答えてもらえる体制が整っているのかがポイントです。特に働きながら資格取得を目指す人にとって、振替制度や講師への質問対応の良し悪しは大きな影響を与えます。また、就職サポートがあるスクールなら、資格取得後のキャリアアップも安心です。

最後に、お得な割引制度があるかも要チェックです。キャンペーンや早割、紹介割引などを活用することで受講料を抑えることができます。特に自前の施設で就職した場合にキャッシュバックがあるスクールも存在するため、公式サイトやパンフレットで詳細を確認すると良いでしょう。

以上のポイントを押さえ、しっかりと比較検討して自分に合ったスクールを選んでください。

まとめ

今回は、初任者研修の概要やメリット、受講すべきか判断する基準を詳しく解説しました。

初任者研修とは、介護に関する基礎から応用までを幅広く学べる介護の入門資格で、介護の現場で必要とされる基本的な知識や技術を身につけることができます。

初任者研修を取得するメリットは、基礎知識やスキルの習得はもちろん、仕事の幅も広がり、就職や転職で有利になるほか、収入アップやキャリアアップの基盤としても役立ちます。

初任者研修を受講すべきか悩んでいる人は、介護経験の有無はもちろん、資格をどのくらいのスピードで取得したいか、さらにはキャリア形成にどれほどのスピードを求めるかなどを基準にしてみましょう。

この記事の監修者

三幸福祉カレッジ 編集部

実務者研修・初任者研修を全国で開講している三幸福祉カレッジです。介護の仕事や資格について皆さんが疑問に思っていることや気になること、話題の情報を更新しています。

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