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  • ICF(国際生活機能分類)とは?その目的と機能について事例を交えて解説
    2025.08.08

    介護コラム

    ICF(国際生活機能分類)とは?その目的と機能について事例を交えて解説

    ICF(国際生活機能分類)とは? ICF(国際生活機能分類)とは、 人間のあらゆる健康状態に関係した生活機能状態から、その人を取り巻く社会制度や社会資源までを、アルファベットと数字を組み合わせた方式で分類し、表現しようとしたものです。 このICFは、世界保健機関(WHO)において、1980年に国際疾病分類(ICD)の補助として発表されました。 その後、機能障害と社会的不利に関する分類であるWHO国際障害分類(ICIDH)の改訂版として、2001年5月に行われた世界保健機関の総会において採択されました。 この改定により、WHO国際障害分類(ICIDH)がマイナスな側面のみに注目した障害の分類という考え方であったのに対し、ICF(国際生活機能分類)は、 生活機能というプラスの側面からも注目するように視点を転換し、さらに環境因子の観点が加わったことが特徴です。 ※ICFは、International Classification of Functioning, Disability and Healthの略です。 ICFとICIDH(国際障害分類)の違い ICIDHはICFが採択される約20年前の1980年にWHOが発表したもので、「International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps」の略です。 日本語に訳すとICIDHは「国際障害分類」となり、障がいだけに着目しているのがわかります。しかし、「障がいの捉え方がマイナス面のみに注目している」ことや、「障がいが社会的に不利になる」といった一方的な視点から問題視されるようになりました。 ICIDHからICFに採択された理由を下記で詳しくご紹介します。 ■ICIDH:WHO国際障害分類(1980)の障害構造モデル (引用)障害保健福祉研究情報システム 国際障害分類(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)へー改訂の経過・趣旨・内容・特徴ー https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/n251_01-01.html ■ICH:国際生活機能分類(2001)の生活機能構造モデル (引用)障害保健福祉研究情報システム 国際障害分類(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)へー改訂の経過・趣旨・内容・特徴ー https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/n251_01-01.html 上記の表からもわかるように、ICIDHとICFの異なる特徴は3つあります。 • マイナス面だけを強調したものから中立的な表現へ ICIDHの疾患・変調をICFでは健康状態へ、同じく機能・形態障害を心身機能・身体構造へ、能力障害を活動へ、社会的不利を参加へと変更しています。 ICFにおいてマイナス面を示す場合には、心身機能と身体構造の制限、活動の制限、参加の制限と表現します。 • 影響を表す矢印が一方的から相互へ ICIDHでは、疾患・変調から機能・形態障害へ、さらに能力障害と社会的不利へと、単線でした。しかし、ICFでは、それぞれが相互に影響し合うように表現されています。 これは、ICIDHの一方的な表現では、障害のあることが不可避で運命的に表現されてしまい、社会的要因が障害を増強させる面を見逃しがちになるからです。 • 背景因子として、環境因子と個人因子が追加 背景因子に環境因子と個人因子が追加された理由は、社会文化的な要因や心理的な要因は、健康状態を規定する要素として外せないからです。 2.ICFの目的 ICFは次のような目的で活用され、相互に関連しています。 • 健康状況と健康関連状況、結果、決定因子を理解し、研究するための科学的基盤の提供 • 健康状況と健康関連状況とを表現するための共通言語を確立し、それによって障害のある人々を含む、保健医療従事者、研究者、政策立案者、一般市民などのさまざまな利用者間のコミュニケーションを改善すること • 各国、各種の専門保健分野、各種サービス、時期などの違いを超えたデータの比較 • 健康情報システムに用いられる体系的コード化用分類リストの提供 (引用)厚生労働省 「国際生活機能分類ー国際障害分類改訂版ー」(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載について https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html ICFの目的を一言でいえば、「生きることの全体像」を示す「共通言語」 です。 ここでいう共通言語とは、共通のものの見方・捉え方です。 生きることの全体像を示す「生活機能モデル」を共通の考え方として、さまざまな専門分野や異なった立場の人々の間の共通理解に役立つことを目指しています。 ICFの3つの構成要素 ICFは、「生活機能」(心身機能・構造、活動、参加)の分類と、それ影響する「背景因子」(環境因子、個人因子)の分類で構成されています。これに「健康状態」(病気、けが等)を加えたものが生活機能モデルです。 それぞれの構成要素について、説明しますので、生活機能モデルの図と併せて確認してみましょう。 図の矢印に注目してください。「健康状態」「生活機能」「背景因子」の要素は相互に作用しています。 そのため、このような生活機能モデルで「生きることの全体像」を捉えることが重要です。 構成要素(1)健康状態について 健康状態とは、病気や変調、傷害や外傷などの包括的用語です。 ストレス、妊娠、加齢、先天性異常、遺伝的素質などを含みます。 ≪具体例≫ • 1年前に脳梗塞を発症 • 高血圧症 参考:厚生労働省「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載についてhttps://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html 参考:厚生労働省 ICF(国際生活機能分類) -「生きることの全体像」についての「共通言語」- https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ksqi-att/2r9852000002kswh.pdf 構成要素(2)ICFの生活機能モデルについて 心身機能・身体構造(生命レベル) ICFでは、心身機能や身体構造を「人の生命機能」として捉えます。 従来のICIDHでは「機能障害」とされていた要素も、ICFではネガティブな表現を避け、個々の特性や状態として評価します。 身体の状態や臓器、筋肉、神経の働きなどが対象となります。 活動(生活レベル) 活動とは、「日常生活における動作や行動」のことです。 例として、食事や入浴、移動、着替えなどが含まれます。 ICFでは、実際に「できること」と「していること」の両面から活動を評価します。 生活の自立度を測るうえで重要な要素です。 参加(人生レベル) 参加とは、社会との関わりや役割への関与を指します。 学校や職場、地域活動など、生活の中で「他者とどう関わっているか」が評価の対象です。 機能や活動が制限されても、参加の支援があれば生活の質は保たれることがあります。 構成要素(3)生活機能に影響する2つの背景因子について ICFでは、生活機能を評価するうえで「背景因子」も重要とされています。 これは、ICIDHにはなかった新しい視点です。 背景因子は、生活機能に直接関わるわけではありませんが、大きな影響を与えます。 また、生活機能の変化が背景因子に影響を及ぼすこともあり、相互に関係し合います。 ICFでは、これらの因子を「環境因子」と「個人因子」に分けて整理します。 環境因子 環境因子とは、人々が生活し、人生を送っている物的な環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境を構成する因子のことです。 環境因子には、次の2つの異なるレベルに分けて整理されます。 • 個人的レベル 家庭や職場、学校などの場面を含む個人にとって身近な環境、人が直接接触するような物的・物質的な環境や家族、知人、仲間、よく知らない人など他社との直接的な接触を含みます。 • 社会的レベル 就労環境、地域活動、政府機関、コミュニケーションと交通のサービス、非公式な社会ネットワーク、法律、規程、規則、人々の態度、イデオロギーなどに関連する組織やサービスを含みます。 ≪具体例≫ • 半年前に家をバリアフリー化した • デイサービスを利用している • 息子家族が近所に住んでいて、援助を受けることができる 個人因子 個人因子とは、個人の人生や生活の特別な背景であり、健康状態や健康状況以外のその人の特徴からなります。 例えば、性別、人種、年齢、体力、ライフスタイル、習慣、生育歴、困難への対処方法、社会的背景、教育歴、職業、過去および現在の経験、全体的な行動様式、性格、個人の心理的資質、その他の特質などです。 ≪具体例≫ • 83歳、男性。妻(75歳)と二人暮らし • 40年間、料理人として、妻と一緒に定食屋を営んでいた • 趣味は囲碁 ICFの評価方法とICFコードの基本構造 介護現場では、ICFは多くの場面で活用されています。 例えば、介護認定調査、アセスメント、モニタリング、サービス計画書の作成などです。 こうした場面では、対象者の状態や支援内容を客観的かつ体系的に記録する必要があります。 その際に役立つのが、ICFの「評価点」と「コード」です。 ICFでは、心身の機能や活動状況、参加度、背景因子などを数値と記号で表します。 これが「ICFコード」と呼ばれるもので、分類と評価がひとつの形式で整理されています。 例えば、以下のようなコードです。 ICFコードの構成 表記 意味 b7302.3221 ICFコード(全体) b7302 分類コード 3221 評価点   分類コードでは、何について評価しているのか(例えば筋力や活動の種類)を示します。 評価点では、その状態の「程度」や「頻度」「能力」などを具体的に表現します。 ICFコードを活用することで、状態を多角的に捉えやすくなり、記録や支援の精度が高まります。 次の項目では、このコードの「分類」や「評価点」の見方について詳しく解説します。 分類コードの概要と見方 ICFの分類コードは、対象となる身体機能や活動、参加、環境因子などを体系的に表す記号です。 このコードは、アルファベットと数字の組み合わせで構成されています。 まず、アルファベットはICFの大きな要素を示します。 • b:心身機能(Body functions) • s:身体構造(Body structures) • d:活動と参加(Activities and Participation) • e:環境因子(Environmental factors) 次に、数字は階層的に「第1レベル(大分類)」「第2レベル(中分類)」「第3レベル(小分類)」に分かれています。 これにより、より具体的に対象となる機能や活動の内容を特定できます。 例えば、分類コード「b7302」は以下のように分類できます。 • b:心身機能 • 7:神経・筋・骨格系および運動に関連する機能(大分類) • 30:筋力機能(中分類) • 2:特定の部位や機能(小分類) このように、分類コードはICFの構成要素ごとに細分化されていて、対象の機能や活動内容を具体的にします。 この細かい分類により、利用者の状態を詳細に把握し、適切な支援計画を立てやすくなります。 さらに、分類コードは階層構造を持つため、コードの桁数が大きくなるほど具体的な内容を示します。 上位の数字だけでも大まかな状況把握ができ、下位の数字で詳細な評価が可能です。 例えば、「d4500」は短距離歩行(1km未満)を意味します。部屋や廊下など建物の中での歩行だけでなく、屋外も含みます。 このように、分類コードは単なる大分類のとどまらず、具体的な環境や範囲まで示します。 参考:世界保健機構(WHO)ICF 国際生活機能分類 ― 国際障害分類改訂版 ― 介護や医療の現場では、この分類コードを使って利用者の心身状態や活動能力を整理し、効果的な介入や評価を行っています。 次に、評価点の仕組みについて説明します。 評価点の概要と見方 ICFでは、個人の生活機能の状態をより詳細に把握するために、分類コードに加えて評価点を付けます。 この評価点は、活動や参加の難しさの程度を数値で示すもので、「障害の程度」「制限の有無」を客観的に表すのに役立ちます。 評価点は主に以下の4つの要素から構成されます。 第1評価点:障害や困難の程度 0:問題なし(0〜4%の障害) 1:軽度の問題(5〜24%) 2:中程度の問題(25〜49%) 3:重度の問題(50〜95%) 4:完全な問題(96〜100%) 8:適用不能(評価不能) 9:未評価(情報不足) 第2評価点:原因(環境因子など) • どのような要因が問題を引き起こしているかを記録します 例:段差・家族の支援の有無・地域資源の状況など 第3評価点:パフォーマンス(実際の遂行状況) • 日常生活で本人が実際にできているかを表します • 介助や補助具の利用を含めて評価します 第4評価点:キャパシティ(能力) • 本人の最大限の能力を補助なしで測ったものです • 実際の生活よりも理想的な状況での遂行力を示します 例えば、以下のような評価がされることがあります 屋内歩行の評価 コード d4500 内容 屋内での歩行 評価点(例) 2(中程度の問題).3132 評価点① 中程度の困難 評価点② 原因:段差あり 評価点③ パフォーマンス:手すりありで可能 評価点④ キャパシティ:補助なしだと困難 参考:世界保健機構(WHO)ICF 国際生活機能分類 ― 国際障害分類改訂版 ― このように、評価点を組み合わせて記録することで、本人の状態を多面的に把握できます。 また、ICFの視点に基づいたケアやリハビリの目標設定にもつながります。 ICFの具体的な活用方法|事例を交えて分かりやすく解説! 介護や福祉、医療の現場では、利用者の生活状態やQOL(生活の質)を向上させるためにICFを活用することができます。 以下では、ICFを活用した例を3つ紹介します。 例(1)退院後に廃用症候群が進み閉じこもりとなったケース この場合、「健康状態」にあたる肺炎と心不全という診断とその治療のみに注視しています。 そこでICT※1を活用し考えてみると、治療している間に進行すると考えられる廃用症候群(心身機能・身体構造)、それによる寝たきり(活動にあたるADL※2自立度が低下した状態)、その結果生じかねない退院後の閉じこもり(参加の制約)を理解できるため、予防につなげていくことができます。 ※1.ICTとは、インターネットなどを経由して人と人とをつなぐ役割を果たす、デジタル化された情報の通信技術のことです。 ※2.ADLとは、日常生活動作とも言われ、日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作のことで、食事や排泄、入浴や移動、更衣や整容などを指します。 例(2)努力しても全介助のままで閉じこもりとなったケース この場合、何らかの環境因子が原因となり、利用者のADLの低下(活動制限)や、社会生活上の不自由(参加制約)が生じていることが考えられます。 そこでICTを活用し、社会・環境に介入することで、社会・環境を利用者に適応させ、QOLを向上させる方法もあることに気付くことができます。 具体的には、同じ全介助にとどまったとしても、介護保険などの社会資源を活用し、デイケア・デイサービスなどを利用(参加)することで、四季を感じたり利用者同士で言葉を交わせたりする生活につなげていくことができます。 例(3)リハビリにおいて「プラス強化」を重視するケース 具体的には、歩行ができない場合には、できるように訓練を行いますが(心身機能・身体構造)、歩行ができなくても車椅子を使用して(環境因子)移動する、左手で文字を書く練習をすることで(環境因子)、活動の制限を回復させることができます。 また、玄関前にスロープを設置したり(環境因子)、車椅子で運転ができる車を練習することで(環境因子)、本人の積極的な姿勢があれば(個人因子)、会社や買い物に出かけることができるようになり、参加の制約を克服することにつながります。 参考文献:荘村明彦(2012).『人体の構造と機能及び疾病』.中央法規出版. 参考文献:近藤克則(2017).『医療・福祉マネジメント』.ミネルヴァ書房. まとめ ICFの目的は、その人の生きることの全体像を正しく理解することです。 ICFを活用し、生活機能に影響を与える因子やそれぞれの因果関係を正しく理解することにより、利用者にあった介護計画を立てることができるようになります。 その結果、利用者のQOLの向上を目指すことができます。 介護職に従事する方、特に介護福祉士やケアマネジャーを目指す方にとっては、欠かすことのできない知識です。 ICFの基本的な考え方は、介護職員初任者研修で、ICFを活用した介護計画の作成については、介護福祉士実務者研修でそれぞれ学ぶことができます。 また、ICFについては、介護福祉士国家試験にも出題されています。(以下は第33回試験より抜粋)考え方について、しっかり理解しておきましょう。 【障害の理解】 問題87. ICF(International Classifcation of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)の社会モデルに基づく障害のとらえ方に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1 個人の問題としてとらえる。 2 病気・外傷から直接的に生じる。 3 さまざまな環境との相互作用によって生じる。 4 治療してできるだけ回復させることを目的とする。 5 医療などによる援助を必要とする。 解答:3 (第33回試験より抜粋) また、ICFについては、介護福祉士国家試験にも出題されています。(以下は第33回試験より抜粋)考え方について、しっかり理解しておきましょう。 さて、試験問題の解答は分かりましたか?ICFの考え方をしっかりと理解することが、試験突破には必要です。しっかりと準備をしましょう。

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  • 実務者研修の最短取得期間|計画的に修了するためのポイントも解説!
    2025.07.17

    介護コラム

    実務者研修の最短取得期間|計画的に修了するためのポイントも解説!

    実務者研修の最短取得期間|計画的に修了するためのポイントも解説! 介護職でスキルアップやキャリアアップを目指す人にとって、実務者研修は欠かせないステップです。 しかし、保有資格によって取得期間が異なるため、計画的な学習が重要です。 そこで今回は、実務者研修の最短取得期間について、計画的に実務者研修を修了するためのポイントなどを交えて解説します。 スムーズに資格取得を目指したい人は、ぜひ参考にしてみてください。 1.実務者研修とは? そもそも実務者研修とは、介護福祉士国家試験の受験に必須となる研修です。 正式名称が「介護福祉士実務者研修」で、介護福祉士国家試験を実務ルートで受験するために必要な研修です。 受講するための資格や経験は不要で、無資格・未経験者でも受講可能です。 カリキュラムには、介護過程の展開、認知症ケア、医療的ケア(たん吸引・経管栄養)など、現場で役立つ実践的な知識と技術が含まれています。 実務者研修の受講の流れは、定められたカリキュラムを受講し、修了試験に合格すれば資格が取得できます。 実務者研修は生涯有効であり、介護現場でのスキル向上に役立ちます。 実務者研修の主な受講方法 実務者研修の受講方法には、「通学コース」と「通学+通信コース」の 2 つがあります。 介護職として働きながら受講する方が多いため、「通学+通信コース」が主流です。 このコースでは、テキストを使った「自宅学習」と、指定された日に通学する「通学講習」を組み合わせて学習します。 450 時間のカリキュラムですが、自宅学習が大部分をを占めます。しかし、「介護過程Ⅲ」「医療的ケア」については必ず通学して受講する必要があります。 基本的には、週1回のスケジュールで、7回ほど通学します。 参考:三幸福祉カレッジ 実務者研修とは 2. 【保有資格別】実務者研修の最短取得期間 実務者研修は、取得までの期間が約 6 カ月とされていますが、実際の通学期間は受講ペースや保有資格により異なります。 特に保有資格によって必要な受講日数が大きく変わるため、最短で修了できる期間も異なります。 実務者研修では、 基本的に 450 時間の科目を履修する必要がありますが、その多くは通信で受講が可能です。 これらを踏まえて、資格別の最短取得期間を詳しく解説します。 ≪実務者研修 カリキュラム≫ 人間の尊重と自立 社会の理解Ⅰ 社会の理解Ⅱ 介護の基本Ⅰ 介護の基本Ⅱ コミュニケーション技術 生活支援技術Ⅰ 生活支援技術Ⅱ 介護過程Ⅰ 介護過程Ⅱ 介護過程Ⅲ(スクーリング) 発達と老化の理解Ⅰ 発達と老化の理解Ⅱ 認知症の理解Ⅰ 認知症の理解Ⅱ 障害の理解Ⅰ 障害の理解Ⅱ こころとからだのしくみⅠ こころとからだのしくみⅡ 医療的ケア(自宅学習・スクーリング) 出典:厚生労働省「実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について」 ①無資格(免除資格のない方):約 6 カ月間 厚生労働省が定める実務者研修の指定基準によれば、介護系資格を保有していない無資格者の場合、「6 カ月・450 時間以上」とされています。 無資格者にとって最短取得期間は 6 カ月です。介護福祉士国家試験を目指す場合は、早めに計画的な学習を進めることが大切です。 ②初任者研修・ホームヘルパー2 級修了者:約 4 カ月間 介護職のスタート資格である初任者研修やホームヘルパー2 級を修了している場合、実務者研修では履修済みの科目が免除されるため、受講時間が短縮されます。 免除される科目数は合計 9 科目で、自宅学習130 時間分が免除されます。 残りのカリキュラム(合計 320 時間)を受講することで実務者研修を修了でき、最短で約 4カ月の取得が可能です。 ③ホームヘルパー1 級修了者:約 2 カ月~5 カ月間 ホームヘルパー1 級を修了している場合、実務者研修の受講科目が大幅に免除されます。 450 時間の研修時間のうち 自宅学習355 時間が免除となり、受講が必要なのは「自宅学習1科目」と 「スクーリング」のみです。 この大幅な免除は、ホームヘルパー1 級が高い専門性を持つ資格と認められているためで、最短で約 2 カ月~5 カ月間で修了可能です。 3.実務者研修を受講・修了する 4 つのメリット 実務者研修を受講・修了することで 4 つのメリットがあります。 介護福祉士国家試験の受験資格を得られるほか、サービス提供責任者としてのキャリアアップ、介護職員としての活躍の場の広がり、そして医療ケアに関する高度な知識と技術を習得できます。 メリット①:介護福祉士国家試験の受験資格を得られる 2016 年度から、介護福祉士国家試験の受験資格として実務者研修の修了が必須となりました。 介護福祉士資格を取得するためには、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。 実務経験 3 年以上と実務者研修の修了が条件であり、実務者研修を受講・修了することで、試験を受験する資格を得られます。 メリット②:サービス提供責任者として働けるようになる 2019 年 4 月から、訪問介護事業所で「サービス提供責任者」として働くには、実務者研修の修了または介護福祉士の資格が必要です。 介護職員初任者研修や旧ホームヘルパー2 級だけでは不十分で、実務者研修の修了が条件です。 実務者研修を修了すると、訪問介護サービスの計画作成やコーディネート業務に携わるサービス提供責任者として活躍でき、需要の高い人材となります。 メリット③:介護職員としての活躍の場が広がる 実務者研修を修了することで、対応できる業務が増え、現在の職場でのキャリアアップや資格手当の取得が可能になります。 実務者研修の資格保持者の平均月収は302,430円で、無資格者と比較し約 34,000 円増加し、年間では約 410,000 円の給与アップが見込めます。 また、転職時にも有利となり、幅広い職場で重宝される人材として活躍できるでしょう。 ≪保有資格 平均給与額≫ 介護福祉士 331,080 円 実務者研修 302,430 円 初任者研修 300,240 円 無資格者 268,680 円 引用:厚生労働省「令和 4 年度介護従事者処遇状況等調査結果 第 102 表」 メリット④:医療ケアに関する高度な介護知識・技術を習得できる 実務者研修を受講・修了することで、たん吸引や経管栄養に関する専門的な医療的ケアを学ぶことができます。 介護福祉士資格がなくても、実務者研修とは別に、実地研修を受けることで、医療ケアを実施できるようになります。 医療ケアに関する知識と技術は、高度なケアが求められる場面で重宝され、介護職員としての専門性を高める大きなメリットです。 4.実務者研修をスムーズかつ計画的に修了するためには? 実務者研修をスムーズかつ計画的に修了するためには、無理のないスケジュールを組み、職場の協力を得るとともに、自分に合ったスクールを選ぶことがポイントです。 ①無理のないスケジュールを事前に組んでおく 事前に無理のないスケジュールを組むことが重要です。 働きながらの受講を検討する場合、4 月からの受講開始を目安に、介護福祉士試験日から逆算してスケジュールを組むと良いでしょう。 計画的な学習と調整可能なスケジュールが、効率的な研修の修了につながります。 ②職場の協力を得る 職場の理解と協力を得ることも不可欠です。 通信コースでも通学が必要であり、特にシフト制や不定期な休みの職場では、上司や同僚へ研修受講の旨を報告し、協力をお願いすることが重要です。 スクーリングに出席できない場合は、振替授業が可能かどうかも確認しておくと良いでしょう。 ③自分に合ったスクールを選ぶ 自分に合ったスクールを選ぶこともポイントです。 通学の時間が取れない人には、通信コースがおすすめですが、自己管理とモチベーションの維持が必要です。 通学日数は、学校によって異なりますが、で、7~8日の学校が多いです。自宅学習は、はスマホやパソコンから気軽に提出でき、働きながらでも取得を目指しやすいように、サポートされている学校もあります。 関連ページ:三幸福祉カレッジ「実務者研修とは」 5.実務者研修の取得時期・期間に関するよくある質問(Q&A) 実務者研修を受講する際に、取得時期や研修期間に関する疑問が多いです。ここでは、よくある質問とその回答をまとめ、皆さんの不安を解消します。 Q1:実務者研修に最長期間はある? 三幸福祉カレッジでは、受講期間は3年です。本来予定していた通学クラスでの受講が難しくなっても、他のクラスへの振り替えができるので、柔軟に対応してくれる学校を選びましょう。 Q2:実務者研修はいつ受けるのが良いですか? 実務者研修は、介護福祉士国家試験の筆記試験に合わせて受講するのが理想です。 例年、8月までに申し込むことで、当年度の国家試験受験に間に合います。(※学校により異なる) ただし、人気のクラスは、満席になってしまう可能性が高いため、希望のクラスがあれば早めのお申込みをおすすめします。 Q3:実務者研修に年齢制限はある? 年齢制限は定められていませんが、具体的な条件はスクールによって異なるため、申込前に確認することをおすすめします。 6.まとめ 今回は、実務者研修の最短取得期間について、計画的に実務者研修を修了するためのポイントなどを交えて詳しく解説しました。 実務者研修の最短取得期間は、保有資格によって大きく異なります。 無資格者で約 6 カ月、初任者研修修了者で約 4 カ月、ホームヘルパー1 級修了者で約 2 カ月~5 カ月が目安です。 計画的な学習と効率的な学習方法を取り入れることで、スムーズに実務者研修を修了できます。 介護福祉士を目指す人は、自分に合った学習計画を立て、ぜひ実務者研修へチャレンジしてみましょう。

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  • 初任者研修は就職に有利?資格を活かせる職場やキャリアアップについて解説
    2025.07.15

    介護コラム

    初任者研修は就職に有利?資格を活かせる職場やキャリアアップについて解説

    介護職員初任者研修(以下、初任者研修)は、介護業界において基本的な知識や技術を身につけるための重要な資格です。 約130時間のカリキュラムを通じて、介護職としての専門性を高め、実践的なスキルを習得します。 初任者研修の資格を取ると、仕事を探すときに有利になったり、無資格よりも給料が高くなったりします。 今回は、初任者研修を取ったあとにどんな仕事ができるか、どんな場所で働けるか、キャリアアップについて説明します。 1.初任者研修とは? 初任者研修とは、介護職としての基礎知識やスキルを習得するための研修です。 全体で約130時間のカリキュラムです。1カ月から4カ月程で修了できます。 通信コースと通学コースがあり、受講料金は30,000円〜100,000円程ですが、地域やスクールによって違います。 初任者研修では、介護職として働くために必要な知識や技術を学べ、修了試験に合格することで資格を取得できます。 資格取得後は、正社員やパートとしてさまざまな働き方が可能です。また、家族介護にも役立ちます。 関連ページ:三幸福祉カレッジ介護職員初任者研修とは 2.初任者研修の取得で就職が有利になる2つの理由 初任者研修の取得は、介護の仕事を探すときに、とても役に立ちます。 この資格があることで、「介護のことをよく知っている」「介護のやり方を学んでいる」とアピールできます。応募できる仕事の数もふえるので、就職しやすくなります。 理由①介護の理解度・スキルの習得度をアピールできるため 初任者研修の資格は、介護の仕事をさがすときに とても役に立ちます。 この資格があると、「介護のことをよく知っている」「介護のやり方を学んでいる」と、会社の人に伝えることができます。 採用する人は、「すぐに仕事ができる人」と思って、安心して採用しやすくなります。資格がない人とくらべて、仕事を見つけるときに とてもよいアピールになります。 理由②応募できる求人の幅が広がるため 初任者研修の資格をもっていると、応募できる仕事がふえます。無資格では、ご利用者への身体介護ができないなど仕事の幅も狭まってしまいます。そのため、求人の中には「初任者研修の資格がある人」だけが応募できる仕事もあります。 資格があると、できる仕事の数がふえて、仕事を見つけやすくなります。 3.初任者研修を受講・修了するメリット3選 初任者研修を受講・修了することは、就職に有利になるだけではなく、さまざまなメリットがあります。 初任者研修を取得することで、介護職としてのスキルが向上し、携われる業務の内容や範囲が格段に広がります。 また、資格手当などの支給により給与アップが期待でき、効率的なキャリアアップにもつながるでしょう。 ここでは、初任者研修を受講・終了することで得られる具体的な3つのメリットについて詳しく解説します。 ①携われる業務の内容・範囲が格段に広がる 無資格者が行える業務は生活援助などに限られますが、初任者研修を修了することで、食事や入浴の介助などの身体介護を含む、より専門的な業務に従事できます。 特に訪問介護においては、すべてのサービスを提供できるため、一人でご利用者のご自宅に訪問することができるなど、業務の幅が格段に広がり、より充実した介護職としてのキャリアが築けます。 ②給与アップにつながる 初任者研修を修了すると、無資格者と比べて給与が高くなる傾向があります。 無資格者には業務に制限があり、資格手当も支給されませんが、有資格者は身体介護を含む幅広い業務を担当できるため、待遇も向上します。 実際、厚生労働省のデータによると、資格があることで月給でも約32,000円の差が生じ、給与アップにつながることが明確です。 出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 第102表」 ③効率的なキャリアアップにつながる 初任者研修は、介護職へのファーストステップと位置付けられています。 初任者研修を取得することで、スムーズに介護職としてのキャリアアップを目指すことができ、実務者研修や介護福祉士資格への道が開けます。 具体的には、実務者研修では450時間の受講が必要ですが、初任者研修の取得者は130時間の免除を受けられます。 さらにキャリアアップを目指すための基盤が整い、無資格者では得られない学びの機会を手に入れることができます。 将来的に介護業界での専門性を高めたい人には、早めの初任者研修の取得をおすすめします。 4.初任者研修の資格を活かせる就職先と主な仕事内容 初任者研修を修了した人には幅広い就職先あり、特別養護老人ホームをはじめ訪問介護や通所介護(デイサービス)、デイケアや有料老人ホーム、グループホームや医療施設など多岐にわたります。 それぞれの職場での仕事内容を知ることで、自分に合ったキャリアを見つける手助けとなるでしょう。 ①特別養護老人ホーム 特別養護老人ホームは、主に要介護度3以上の高齢者が生活する施設で、介護職員は24時間体制で入所者の日常生活を支援します。 具体的には、起床や食事、排泄や入浴などの身体介助を中心に、健康管理やリハビリのサポートも行います。 特別養護老人ホームには、多様な病歴を持つ高齢者が入所しているため、介護スキルを高めやすい環境が整っています。 また、職員間の相談がしやすく、研修制度が充実しているため、キャリアアップを目指す人にとって理想的な職場と言えるでしょう。 ②訪問介護 訪問介護は、要支援・要介護認定を受けた高齢者や障がい者の自宅に訪問し、介護サービスを提供します。 初任者研修を取得した職員は、主に生活援助(掃除、洗濯、買い物など)や身体介護(食事、入浴、排泄の介助など)を行います。 訪問介護では、ご利用者一人ひとりと密接に関わりながらサービスを提供するため、深い信頼関係を築くことが可能です。 1対1の関係性を大切にし、ご利用者の自立支援を目指したい人には適した職場です。 ③通所介護(デイサービス) 通所介護(デイサービス)は、要支援・要介護の認定を受けた高齢者が日中に施設を利用し、必要なケアを受けるサービスです。 初任者研修を取得した職員は、利用者の送迎をはじめ食事や入浴、排泄の介助など、生活全般のサポートを行います。 また、体操やリハビリを通じた機能訓練、レクリエーションの企画・実施も重要な役割です。 通所介護は、入所型施設ではないため夜勤がなく、プライベートと仕事を両立したい人には最適な職場です。 ④デイケア デイケアは、要支援・要介護認定を受けた人が老人保健施設や病院へ通い、リハビリ中心の介護サービスを受ける施設です。 初任者研修を取得した職員は、リハビリ専門職の指導のもとで、生活機能の向上を目的とした訓練や食事・入浴などの生活支援を行います。 デイケアは、利用者の回復を目指すため医療的な側面が強く、身体機能の維持・改善を図るサポートが求められます。 リハビリに興味がある人には、やりがいのある職場です。 ⑤有料老人ホーム 有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が生活しながら支援や介護を受ける施設です。 入居者の要介護度は施設によって異なるため、初任者研修を取得した職員は、個々のニーズに応じた柔軟な対応が求められます。 仕事内容としては、食事や入浴、排泄などの身体介護のほか、レクリエーションの企画・実施や日常生活のサポートも含まれます。 多様なニーズに応じた介護スキルを高められる環境が整っており、スキルアップを目指す人に最適な職場です。 ⑥グループホーム グループホームは、要支援2または要介護1〜5の認定を受けた認知症の人が少人数で共同生活を行う施設です。 初任者研修を取得した職員は、生活援助として掃除や洗濯、日用品の買い出しなどを行い、身体介護として食事や入浴、排泄の介助も担当します。 また、料理や野菜づくりなどのレクリエーション活動も行い、利用者の生活を豊かにします。 小規模な環境で利用者と深く関わることができ、認知症ケアを学びたい人にとって、充実した職場環境が整っています。 ⑦医療施設 初任者研修を取得後は、介護施設だけでなく医療施設でも働くことができます。 病院では、看護助手として患者の身体介護を担当し、食事や入浴の介助、おむつ交換などを行います。 医療現場での仕事は、介護職のスキルを活かしつつ、医療知識を深める貴重な機会です。 初任者研修がなくても就労できる場合もありますが、資格を持っていることで職場での信頼度が増し、より良い待遇を受ける可能性があります。 多様な就職先を考える際には、医療施設も選択肢に入れておくと良いでしょう。 5.初任者研修取得後の段階的なキャリアパス 介護職において初任者研修は重要なスタート地点ですが、キャリアアップを目指すなら段階的なステップアップが求められます。 初任者研修を経て、介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)を受講し、さらには介護福祉士、認定介護福祉士、そしてケアマネジャー(介護支援専門員)へと進むことが可能です。 各段階での専門知識や技術を習得することで、より質の高い介護サービスを提供し、職業的な成長も期待できます。 (1)実務者研修 実務者研修は、初任者研修の上位資格で、専門的な介護技術を習得できます。 介護福祉士国家試験を受験するためには必須の資格となり、キャリアアップを目指す方は受講する必要があります。 実務者研修では、たんの吸引や経管栄養などの高度なスキルを学ぶため、より複雑な介護業務に対応できるようになります。 初任者研修を修了した後に実務者研修を受講することで、受講料の一部免除などの特典もあります。 実務者研修を取得することで、実務的な知識と技術の信頼性が向上し、仕事の幅が広がるほか、職場での待遇や給与の向上が期待できます。 参考:三幸福祉カレッジ「実務者研修とは」 (2)介護福祉士 介護福祉士は、数ある介護資格の中で唯一の国家資格で、国家試験に合格することが必要です。 受験要件として、実務経験3年以上かつ介護福祉士実務者研修を修了していることが求められます。 資格取得のためには、初任者研修から実務者研修を経て、最終的には介護福祉士を目指すことが推奨されます。 介護福祉士は身体介護を行うだけでなく、家族介護や他の介護職員への指導・アドバイスも行う役割を担います。 介護福祉士は、どの職場でも通用する信頼性の高い資格です。 参考:三幸福祉カレッジ「介護福祉士とは」 (3)認定介護福祉士 認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として位置付けられる民間資格で、2015年に設立された「一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構」によって認定されます。 認定介護福祉士を持つ人は、リーダーとして質の高い介護実践を行い、介護職の指導・教育、医療職との連携強化など多岐にわたる役割を果たします。 認定介護福祉士になるためには、指定の養成研修を修了し、介護福祉士資格と5年以上の実務経験が必要です。 多職種との連携や人材育成に興味がある人は、認定介護福祉士を目指すことがキャリアアプにつながります。 (4)ケアマネジャー(介護支援専門員) ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする人に最適なケアプランを作成し、自治体や介護サービス事業者との調整を行う専門職です。 ケアマネジャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、15日間の講習と3日間の実務研修を受ける必要があります。 試験の受験資格には、介護福祉士などの国家資格を持ち、通算5年以上かつ900日以上の実務経験が求められます。 ケアマネジャーを目指すことで、介護保険制度や医療に関する専門知識を深められ、さらに上位資格として認定ケアマネジャーや主任ケアマネジャーも取得できます。 参考:三幸福祉カレッジ「ケアマネジャーとは」 6.初任者研修取得後における「就職先の探し方」 初任者研修を取得後、就職先が自動的に決まるわけではありません。自分自身で就職先を見つける必要があります。 では、初任者研修取得後にどのように就職先を探すべきか、具体的な方法を見ていきましょう。 •公共職業安定所を利用する 公共職業安定所(ハローワーク)は、国が運営する職業紹介機関で、介護職を含むさまざまな職種の求人を提供しています。 利用方法は非常にシンプルで、最寄りの公共職業安定所を訪れ、登録を行うことで求人情報を得ることができます。 インターネットを使って自宅でも求人情報を検索することができるため、時間を有効に使えます。 公共職業安定所では、担当者が親身に相談に乗ってくれるため、求人の紹介だけでなく、履歴書の書き方や面接対策などのサポートも受けられるのが魅力です。 •スクールの就職支援サポートを受ける 初任者研修のスクールでは、受講生向けの就職支援サポートを実施しているスクールが多くあります。 初任者研修の受講中から、就職サポートを受けることができ、求人の紹介から事業所とのやり取りをすべて就職支援の担当者が実施してくれます。 資格取得後すぐに働きたいけど、勉強と同時に就職活動することが大変そうだと思っている方は、このサポートを最大限活用することをおすすめします。また、スクールによってさまざまなサポートを用意しているので、受講を検討している学校の就職支援サポートについても調べてみましょう。 参考:三幸福祉カレッジ「就職応援制度」 •介護専門の求人サイトを利用する 介護業界に特化した求人情報サイトの活用も有効で、さまざまな条件で求人情報を検索でき、勤務地や給与、勤務形態など自分に合った条件で絞り込むことが可能です。 また、求人情報がリアルタイムで更新されるため、新しい求人を逃す心配がありません。 さらに、サイトによっては、応募書類の作成や面接対策に関するノウハウを提供している場合もあり、自分のスキルアップに役立つ情報を得られることも大きなメリットです。 参考:介護求人ドットコム 7.まとめ 今回は、初任者研修取得後の就職について、資格を活かせる職場と仕事内容を交えて解説しました。 初任者研修取得後は、特別養護老人ホームや訪問介護、通所介護(デイサービス)やデイケア、有料老人ホームやグループホームなどさまざまな就職先があり、業務内容も多岐にわたるため、自分に合った働き方を選ぶことが可能です。 さらに、資格取得により給与アップやキャリアアップも期待でき、介護職としてのスキルを高める良い機会となります。 今後、介護業界での活躍を目指す人は、ぜひ初任者研修を受講し、知識と経験を積んでいくことをおすすめします。

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  • 介護福祉士国家試験の「実務経験ルート」とは?対象者や受験方法についてご紹介
    2025.07.11

    介護コラム

    介護福祉士国家試験の「実務経験ルート」とは?対象者や受験方法についてご紹介

    介護福祉士国家試験の「実務経験ルート」とは?対象者や受験方法についてご紹介 介護の現場で働きながら、介護福祉士国家試験を受験する方は「実務経験ルート」というルートで受験することになります。 実務経験ルートで受験するためには、実務経験3年以上と実務者研修の修了が必要です。今回は、介護福祉士国家試験の受験者が最も多い実務経験ルートについてご紹介します。 介護福祉士国家試験の「実務経験3年」とはどんな要件? 介護福祉士国家試験を受験するためには、まず介護福祉士実務者研修を受講し、修了することが必須です。 介護福祉士実務者研修は、介護福祉士国家試験を受験するためだけではなく、介護職員として業務に従事する上で必要な介護過程の展開や認知症などについて学ぶことができ、介護のプロフェッショナルとして生涯働き続けるためのスキルを磨く講座です。 そして、介護福祉士国家試験を受験するために必要なもう一つの条件が「実務経験3年」です。 関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護福祉士実務者研修」 ①従業期間3年(1,095日)以上 介護福祉士国家試験の受験資格となる実務経験は、就労した期間および日数を両方とも満たす必要があります。 まず、 就労した期間(従業期間)は、3年以上(1,095日以上) で、実務経験の対象となる施設(事業)および職種での在職期間を言います。 在職期間には、産前産後休業や育児休業、病気休暇などの休職期間も含まれます。 実務経験の計算方法がわからないという人は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページに従業期間を自動で計算してくれるツールがありますので参考にしてみましょう。 ②従事日数540日以上 次に、 就労した日数(従業日数)は、540日以上 で、雇用契約に基づき、実際に介護などの業務に従事した日数を言います。 従事日数には、欠勤や出張、研修などにより、実際に介護業務に従事しなかった日数は除きます。 ③実務経験の計算方法 実務経験の計算方法で注意したいのが、パートなどの短時間勤務の人や転職経験がある人、複数の事業所に所属する訪問介護員です。 従事日数には1日の勤務時間が問われないため、パートなどの短時間勤務でも従業日数は1日とみなします。 同じく、転職して複数の職場で介護などの業務に従事していた場合は、これまでの実務経験を合算できます。 また、同じ期間内に複数の事業所などに所属する訪問介護員などが、同じ日に複数の事業所で介護などの業務を行った場合は、従業期間および従業日数は1日としてカウントされます。 ④受験資格の見込みとは 受験資格の見込みとは、介護福祉士国家試験の受験申し込みの際に実務経験を満たしていなくても、試験実施年度の3月31日までに、上記で解説した従事期間および従事日数をクリアする見込みのある人は、実務経験の見込みとして受験資格が与えれるというものです。 参考ページ:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」 2.実務経験の対象となる施設・事業所は? では、介護福祉士の実務経験ルートで受験できるのは、どのような人なのでしょうか。 実務経験の対象となる施設や職種と対象にならない職種がありますので、介護福祉士の取得を目指す人はあらかじめ確認しておきましょう。 ①実務経験の対象となる施設・職種 実務経験の対象となる範囲は、指定施設における業務の範囲等および介護福祉士試験の受験資格の認定にかかる介護等の業務の範囲等について、厚生労働省社会局長、厚生労働省児童家庭局長通知等により定められています。 児童分野、障害者分野、高齢者分野、その他の分野、介護等の便宜を供与する事業の各施設や事業において介護等の業務に従事したと認められる職種に該当する人(主たる業務が介護等の業務である人)が受験資格の対象です。 ※児童分野(児童福祉法関係の施設・事業) ※障害者分野(障害者総合支援法関係の施設・事業) ※高齢者分野(老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業) ※その他の分野(生活保護法関係の施設) ※その他の分野(その他の社会福祉施設等) ※介護等の便宜を供与する事業 出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験受験資格」 ②注意!介護福祉士国家試験の受験資格がない職種 ただし、以下に掲げる職種は、介護福祉士の受験資格がない職種ですので注意しましょう。 1. 「人員配置基準」「運営要綱」塔に記された、主たる業務が介護等の業務と認められない職種 • 生活相談員、支援相談員などの相談援助業務を行う職種 • 医師、看護師、准看護師 • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの機能訓練担当職員(当該業務を補助する人を含む) • 心理指導担当職員、作業指導員、職業指導員、就労支援員、目標工賃達成指導員、賃金向上達成指導員 • 事務員、介護支援専門員、調理員、栄養士、計画作成担当者、福祉用具専門相談員 2. 主たる業務が介護等の業務でないことが明確な職種 例:相談員、警備員、運転手、用務員、清掃員、あん摩マッサージ指圧師 出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験受験資格」 3.介護福祉士国家試験を受験するための準備や対策 介護福祉士国家試験を受験するためには、以下の3つをしっかり押さえた準備と対策を行いましょう。 ①実務経験証明書を用意する ②実務者研修を受講する ③余裕をもって受験勉強をする ①実務経験証明書を用意する 実務経験証明書は、介護福祉士国家試験を実務経験ルートで受験する際に必要な書類です。 実際の勤務経験を証明し、受験資格を判断します。 申込時には3年間の経験を示す実務経験証明書が必要であり、施設や事業所から発行されます。 複数の事業所で経験がある場合は、それぞれの証明書が必要になりますので、早めの用意が重要です。 実務経験証明書以外にも、以下の5つの書類が必要ですので、試験に備えてあらかじめ必要な書類を確認しておきましょう。 • 受験申込書 • 受験手数料振替払込受付証明書貼付用紙 • 受験用写真等確認票 • 従事日数内訳証明書 • 実務者研修修了(見込)証明書 ②実務者研修を受講する 次に、介護福祉士実務者研修を受講します。 実務者研修は、介護サービスの品質向上を目指し、実践的な知識と技術を身につけることを目的としています。 介護職に必要な介護課程や認知症などの学習を通じて、専門知識とスキルを高めます。 経験や資格に関係なく受講でき、介護福祉士を目指す人は介護の基礎を学ぶ初任者研修の資格が不要ですので、早めにキャリアを積むことが可能です。 関連ページ:三幸福祉カレッジ「実務者研修はどこがいい?スクール選びのポイントと取得の方法について」 ③余裕をもって受験勉強をする 出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」 介護福祉士国家試験は、近年80%を超える合格率ですが、一方で10人に2人が不合格となっています。 介護福祉士試験の受験者は、働きながら合格を目指す人が多くを占めており、働きながら受験勉強を両立することは思っている以上に大変です。 筆記試験は毎年1月下旬ですので、余裕をもったスケジュールを立て、計画的に受験勉強をすることが合格への鍵です。 関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護福祉士に合格するための勉強方法とは?勉強時間や受かるコツを解説」 4.介護福祉士を取得するメリット では、介護福祉士を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。 まず、給与や待遇がよくなります。 出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要.p23」 介護福祉士が職員に多くいると加算が受けられるということもありますが、月給で比較すると無資格者の271,260円に対し介護福祉士は328,720円と、約57,000円プラスです。 その他にも、介護福祉士を取得することで、サービス提供責任者や生活相談員、チームリーダーなど、事業所で配置が必要な役職にもステップアップすることが可能となるなど、職業選択の幅も広がります。 関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護福祉士になるには」 5.まとめ 今回は、介護福祉士国家試験の受験を目指す人向けに、必要な条件やルートの範囲についてご紹介しました。 介護福祉士国家試験の受験資格となる実務経験は、就労した期間および日数を両方とも満たす必要があり、就労した期間(従業期間)は3年以上(1,095日以上)かつ就労した日数(従業日数)は540日以上で、介護福祉士実務者研修を受講し、修了することが必須です。 介護福祉士を取得すると、給与や待遇がよくなるだけでなく、サービス提供責任者や生活相談員、チームリーダーなど、事業所で配置が必要な役職にもステップアップすることが可能となるなど、職業選択の幅も広がりますので、ぜひチャレンジしましょう!

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  • 外国人が介護福祉士国家試験を受験するには?合格率やスケジュールを解説
    2025.07.10

    介護コラム

    外国人が介護福祉士国家試験を受験するには?合格率やスケジュールを解説

    外国人が介護福祉士国家試験を受験するには?合格率やスケジュールを解説 日本の介護現場では、外国人の力がますます求められています。そんな中、外国人が「介護福祉士」として国家資格を取得し、長く安定して働く道も広がっています。 そこで今回は、外国人が介護福祉士国家試験を受験するための要件や合格率、スケジュールなど、採用を検討する施設長の方に役立つ情報を詳しく解説します。 外国人介護士の受け入れの状況 日本では少子高齢化が進み、介護の現場では深刻な人手不足が続いています。そんな中、外国人介護士の受け入れが急速に広がっており、介護の現場を支える大切な存在として期待されています。 政府もこの流れを後押ししていて、外国人が日本で介護の仕事をしやすくなるよう、制度の整備が進められています。 外国人が介護の仕事をするための主な制度 特定技能1号:介護の知識と日本語力を持つ外国人が、日本の介護施設で働ける制度です。最大5年間働くことができ、介護福祉士の資格取得も目指せます。 技能実習制度:日本の介護技術を学びながら働く制度で、実習を終えた後に特定技能へ移行することも可能です。 外国人介護士が介護福祉士国家試験を受験する方法 外国人介護士が介護福祉士国家試験を受験する方法は、入国ルートによって異なります。特に多い「特定技能」や「技能実習」からの実務経験ルートを中心に、それぞれの要件や受け入れ実績などをわかりやすく解説します。 ①実務経験ルート(特定技能・技能実習) 外国人が日本で 介護福祉士国家試験の受験資格を得るために、一定期間の実務経験を積むルートのことです。主に以下の2つの在留資格が対象です。 特定技能1号:介護の知識と日本語力を持つ外国人が、日本の介護施設で働ける制度です。最大5年間働くことができ、介護福祉士の資格取得も目指せます。 技能実習制度:日本の介護技術を学びながら働く制度で、実習を終えた後に特定技能へ移行することも可能です。  受験資格の要件(共通) 実務経験3年以上 実務者研修の修了 介護福祉士国家試験の合格 介護福祉士国家試験を合格することで、外国人も日本人と同様に介護福祉士として働くことが可能になります。 特に特定技能で入国する外国人は年々増加しており、2024年8月末時点で、39,000人を超えています。 法務省「第1表 主な国籍・地域別 特定技能分野別 特定技能1号在留外国人数」 https://www.moj.go.jp/isa/content/001434838.pdf 厚生労働省 社会・援護局「技能実習『介護』における固有要件について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000995757.pdf 厚生労働省「厚生労働省 東海北陸厚生局」 https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/576455_2649215_misc.pdfhttps://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001090473.pdf?utm_source=chatgpt.com ②EPAルート(EPA介護福祉士候補者) EPA(経済連携協定)ルートは、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国と日本の協定に基づき、母国で介護や関連教育を受けた候補者が、日本で介護福祉士国家試験を目指しつつ就労・研修する制度です、来日前研修や訪日後の日本語・介護導入研修を経て、原則4年間介護施設で実務を積むことにより国家試験受験資格を得て、合格後は介護福祉士として日本で継続就労が可能です。 EPA介護福祉士候補者の受け入れは、2008年に制度が開始されて以降、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3カ国を対象に実施されています。2024年度までの累計数は、インドネシアが3,491人、フィリピンが3,105人、ベトナムが1,669人で、合計8,302人にのぼります。  受験資格の要件(共通) 候補者は母国での一定水準の看護、介護教育を修了し、日本語能力はベトナムがN3以上、インドネシアとフィリピンがN3〜N4程度が求められます 日本での受け入れ施設には、研修体制や報酬の適切性など厚生労働省や法務省告示に基づいた基準の順守が必要です。 厚生労働省「インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/other22/index.html 厚生労働省「経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ概要」 https://www.mhlw.go.jp/content/001497609.pdf ③養成施設ルート(在留資格「留学」) 外国人が在留資格「留学」で日本国内の介護福祉士養成施設に通い、卒業後に国家試験を受験するルートです。日本語学校を経て入学し、2年以上の課程を修了することで、国家試験の受験資格を得られます。 日本介護福祉士養成施設協会「介護福祉士養成施設における外国人留学生受入数の推移等」 https://kaiyokyo.net/news/r3_foreign_students.pdf?utm_source=chatgpt.com 養成施設ルートの受け入れは年々拡大しており、2021年度には2,189人の外国人留学生が介護福祉士養成施設に在籍していました。 介護福祉士国家試験には複数の受験ルートがありますが、現在は「実務経験ルート」で働きながら受験を目指す外国人が多数を占めています。特定技能として入国した場合、5年以内に合格する必要があるため、生活支援だけでなく、学習や試験対策の支援体制も非常に重要です。 外国人の介護福祉士国家試験合格率 外国人が介護福祉士国家試験に合格するためには、介護の専門知識に加えて、相当な日本語能力が求められます。 第37回介護福祉士国家試験における全体の合格率は78.3%と高い水準を示しましたが、外国人の中でも「特定技能1号」の受験者の合格率は33.3%、「技能実習」からの受験者の合格率は32.3%と、全体と比べて大きく低い結果となっています。 これは、試験内容自体が高度な専門用語を含んでおり、文章の読解力や微妙な日本語表現の理解力を必要とすることが背景にあります。 厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移」 https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/001457250.pdf 日本の介護現場では、外国人介護士の活躍がますます広がっています。しかし、介護福祉士の国家資格を目指す外国人にとって、試験に合格するまでの道のりは決して簡単ではありません。介護の仕事は、実際の現場での経験も大切ですが、国家試験では専門的な知識が求められます。そのため、試験対策としての学習環境がとても重要です。多くの外国人は、仕事をしながら勉強をしています。時間が限られているうえ、日本語の理解が難しいことで、試験本番で力を発揮できないこともあります。特定技能1号や技能実習の在留資格では、日本に滞在できる期間は原則5年間。その間に国家試験を受けられるのは最大2回だけです。もし不合格になると、母国に帰らなければならない可能性もあり、試験へのプレッシャーはとても大きいです。   特に介護の専門分野においては、実際に現場経験だけでは補えない知識が多く含まれており、試験対策としての学習環境が重要になります。しかし、多くの外国人受験者は、仕事をしながら限られた時間で勉強を進めているのが実情です。加えて、日本語の壁が大きな負担となっているため、知識を十分に持っていたとしても、本番でその力を十分に発揮できないケースが多くあります。 また、制度的な問題として、特定技能1号や技能実習などの在留資格では、原則として日本に滞在できる期間は5年間とされており、その間に国家試験を受けられる機会は最大で2回しかありません。これは非常に限られたチャンスであり、もしその2回で不合格となれば、母国への帰国を余儀なくされます。そのため、一回の試験にかかる重みが非常に大きく、精神的なプレッシャーも少なくありません。 外国人職員が安心して勉強できるように、職場での支援が求められています。たとえば以下のようなサポートも有効です。 勤務時間内に学習時間を設ける 日本語と介護知識を同時に学べる環境をつくる メンタル面のサポートを行う 今後、外国人介護士の受け入れがさらに進むと予想される中で、ただ人手不足を補うだけでなく、資格を取得して長く働いてもらうための体制づくりがとても重要です。 国家資格の取得は、外国人にとってキャリアの大きな節目です。それを支援することは、職員の定着率や介護サービスの質の向上にもつながります。 介護福祉士国家試験受験までのスケジュール (実務経験ルート) 特定技能や技能実習として入国をしている外国人の方は、実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験します。 実務経験ルートは、実務経験3年以上と実務者研修の修了で受験することができます。 実務経験が3年必要なので、その期間中に実務者研修を受講することが重要です。早めに受講することで、国家試験の内容に慣れ、合格に向けた準備がしやすくなります。 ただし、2年以上働くと、専門実践教育訓練給付制度を利用できる可能性があります。 この制度を使えば、実務者研修の受講費用が最大80%支給されるため、経済的な負担を軽減できます。 そのため、受験する方は、入国から3年目に実務者研修の受講と介護福祉士国家試験を受験します。 実務者研修の受講と国家試験の勉強が重なると、とても負担になるため、計画的に受験までのスケジュールを組んであげましょう。 以下は、実務者研修と国家試験手続きのモデルスケジュールです。   特定技能や技能実習の在留資格では、日本に滞在できる期間は原則5年間。 その間に国家試験を受けられるのは 最大2回 だけです。 つまり、1回1回の試験がとても重要で、しっかりとした準備が必要です。 三幸福祉カレッジ「外国人の介護福祉士を目指す外国人介護士をサポート」 https://www.sanko-fukushi.com/course/jitsumu/gaikokusupporthojin/ まとめ 今回は、外国人が介護福祉士国家試験を受験するための要件や合格率、スケジュールなど、採用を検討する施設長向けに詳しく解説しました。 試験合格には日本語能力と介護知識の両方が求められ、受験機会が限られているため、効率的な学習とサポート体制が不可欠です。三幸福祉カレッジなどのスクールを活用することで、働きながら必要な研修や試験対策を進めやすくなります。

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  • 介護福祉士の受験資格を得る4つのルート|試験概要や取得メリットも
    2025.07.10

    介護コラム

    介護福祉士の受験資格を得る4つのルート|試験概要や取得メリットも

    介護福祉士の受験資格を得る4つのルート|試験概要や取得メリットも 介護職としてキャリアアップを目指す人にとって、介護福祉士は大きな目標のひとつです。しかし、「受験資格にはどんな条件があるの?」「自分でも挑戦できるの?」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、介護福祉士の受験資格を得る4つのルートや試験概要、資格取得のメリットについてわかりやすく解説します。 そもそも介護福祉士とは? 介護福祉士とは、介護分野で唯一の国家資格であり、専門的な知識と技術を持って、身体的または精神的な障害により日常生活に支障をきたす方々に対し、その心身の状況に応じた介護を提供する専門職です。また、介護を受ける人やその家族に対して、介護に関する指導や助言を行うことも重要な役割の一つです。 介護福祉士の業務は、食事や排泄、入浴などの身体介護から、掃除や洗濯、買い物といった生活援助まで多岐にわたります。さらに、利用者本人やその家族からの相談に応じてアドバイスを行うほか、ケアマネジャーや医療職と連携して、利用者の生活課題の解決に取り組むことも求められます。 介護福祉士は、介護職としてのキャリアアップを目指す人にとって、専門性を高めるための重要なステップです。資格を取得することで、より専門的な視点から介護の指導を行う、施設内のマネジメント業務を担当するなど、活躍の場が広がります。 このように、介護福祉士は、介護の現場で中心的な役割を果たす専門職であり、利用者の生活の質を向上させるために欠かせない存在です。 介護福祉士国家試験の受験資格を得られる4つのルート 介護福祉士国家試験の受験資格を得るには、 「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」、そして外国籍の人を対象とした「EPA(経済連携協定)ルート」の4つのルートがあります。 それぞれのルートには、必要な学歴や実務経験、研修の修了など、異なる要件が定められています。自分の経歴やライフスタイルに合わせて最適なルートを選択することが、資格取得への第一歩です。 以下では、各ルートの概要や具体的な条件、どのような人に適しているかを詳しく解説します。 ①実務経験ルート 介護職として現場で働きながら介護福祉士を目指すなら、「実務経験ルート」が一般的な選択肢です。実際、介護福祉士国家試験を受ける人の中で、このルートを利用して資格を取得する人が最も多いです。 実務経験ルートで受験資格を得るには、介護業務に3年以上従事し、かつ540日以上勤務していることが必要です。ここでいう「従事期間」は、実際に介護業務に従事した日数ではなく、在籍していた月数で数えます(1か月に1日でも従事していればその月は1か月としてカウント)。一方の「従事日数」は、実際に介護業務を行った日数で540日以上必要です。 さらに実務経験ルートでは、「実務者研修」の修了が必須です。実務者研修は、介護職員初任者研修よりも上位に位置づけられ、医療的ケアの基礎や利用者へのより専門的な支援技術を学べる研修です。およそ450時間のカリキュラムがあり、通信講座とスクーリングの併用で受講可能です。 なお、過去に「介護職員基礎研修」を修了している人は、実務者研修の全過程が免除されます。介護職員基礎研修は2013年に廃止された研修ですが、介護職の基本的な内容が網羅されており、当時の標準的な養成課程でした。 また、喀痰吸引等研修を修了している人は、実務者研修のうち「医療的ケア」に該当する一部カリキュラムが免除される場合があります。喀痰吸引等研修では、たんの吸引や経管栄養など、医療的ケアを適切に実施するための知識と技術を学ぶことができます。 働きながら資格取得を目指せる点が魅力の実務経験ルートは、日々の業務がそのまま受験資格につながるため、継続的に介護の現場で頑張る人にとって大きなチャンスとなるルートです。 ②養成施設ルート 「養成施設ルート」は、厚生労働大臣が指定する介護福祉士養成施設を卒業することで、介護福祉士国家試験の受験資格を得られるルートです。専門的な知識や技術を2年以上かけて系統的に学べるため、介護の現場未経験の人でも安心して資格取得を目指せます。 養成研修ルートの特徴は、実務経験が不要な点です。高校卒業後すぐに介護の道を目指す人や、福祉系以外の職種から転職を検討している人に適しています。また、カリキュラムには現場での実習も含まれており、介護の実際を体験しながら実践力を養うことができます。 養成施設には、専門学校や短期大学などさまざまな種類があり、修了後には自動的に受験資格が得られるため、効率的に国家試験へのステップを踏むことが可能です。基礎からしっかり学びたい人にとって、非常に有効なルートといえるでしょう。 ③福祉系高校ルート 「福祉系高校ルート」は、福祉に関する専門的な学科を持つ高等学校を卒業した人が、一定の実務経験を経て介護福祉士国家試験の受験資格を得られるルートです。高校で介護の基礎知識や技術を学び、現場での実務経験を積みながら資格取得を目指せるのが特徴です。 福祉系高校ルートは、高校卒業後すぐに介護職として働きながら資格取得を目指したい人や、若いうちから介護の専門知識を体系的に学びたい人におすすめです。福祉系高校で学んだ基礎知識を活かし、実務経験を積むことでスムーズに介護福祉士への道が開けます。 福祉系高校ルートは、若年層の介護人材育成に重要な役割を果たしており、計画的に介護職員としてのキャリアを築きたい人にはぴったりのルートです。 ④EPA(経済連携協定)ルート 「EPA(経済連携協定)ルート」は、日本と特定の国々(インドネシア、フィリピン、ベトナムなど)との経済連携協定に基づき、介護人材として日本で働きながら介護福祉士の資格取得を目指すルートです。経済連携協定により、外国人介護職員が受験資格を得る特別な仕組みです。 具体的には、EPA介護福祉士候補者として来日後、一定期間の日本語研修や介護研修を経て、介護現場での実務経験を積みます。その後、介護福祉士国家試験の受験資格を得て試験に挑戦します。日本語能力の習得と介護技術の向上が求められますが、日本の介護現場で実践的に学べるため、効率的にスキルアップが可能です。 EPA(経済連携協定)ルートは、外国人介護職員が日本で長期的に介護福祉士として活躍したい場合におすすめです。言語や文化の壁を乗り越え、日本の資格を取得することで、より安定した職場環境やキャリアアップが期待できます。 介護福祉士国家試験の詳細 介護福祉士国家試験は、受験資格を得た人が介護の専門知識と技術を問われる重要な試験です。ここでは試験日程や内容、難易度や申込方法について詳しく解説します。 試験日程 2026年1月25日(日) 試験内容 介護福祉士国家試験は筆記試験形式で実施されます。 第38回(2026年1月実施)から、パート合格制度が導入されました。パート合格制度は試験科目を3つのパートに分けて合否判定をします。 もし不合格のパートがあれば、2年間は合格したパートの受験は免除され、不合格だったパートのみの受験が可能になりました。 試験科目は以下のとおりです。 出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 試験概要」 難易度・合格率 第37回(2024年度)の合格率は、78.3%でした。内訳をみていくと、日本人の合格率は81.6%で、外国人の合格率は33.3%でした。難易度としては第35回から大きく変わってはいないようです。 参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移」 申込方法 介護福祉士国家試験の受験申込は、例年8月上旬から9月上旬にかけて行われます。申込方法は、郵送またはインターネットによる手続きが可能です。 必要書類は以下の通りです。 ・受験申込書 ・受験用写真等確認票 ・受験手数料払込受領証貼付用紙 ・受験資格に応じた証明書(例:実務経験証明書、実務者研修修了証明書、卒業証明書など) ・実務経験証明書 ・従業日数内訳証明書(※該当者のみ) ・外国籍等確認書類貼付用紙(※外国籍の方のみ) 受験手数料は18,380円で、クレジットカード決済またはコンビニエンスストアでの支払いが可能です。 申込書類は、指定された期間内に簡易書留で郵送する必要があります。提出期限を過ぎると受理されませんので、早めの準備を心がけましょう。 関連コラム:【最新版】第38回(2026年1月実施)介護福祉士国家試験情報 試験日からパート合格、受験手続の方法まで写真付きで解説 介護福祉士の資格を取得するメリット 介護福祉士の資格を取得することで、専門的な知識や技術が身につくだけでなく、キャリアアップや転職にも有利になります。ここでは取得するメリットをご紹介します。 介護に関する専門知識・スキルが身につく 介護福祉士の資格を取得することで、介護に関する専門知識やスキルが身につきます。例えば、認知症や障害の理解、介護保険制度、コミュニケーション技術、介護過程の展開など、幅広い分野の知識を習得できます。これにより、利用者一人ひとりに適したケアを提供できるようになり、現場での信頼性も高まります。また、リーダーや指導者としての役割を担う際にも、これらの知識やスキルが大いに役立ちます。 昇給・昇進につながる 介護福祉士の資格を取得すると、資格手当が支給され、基本給が増加するだけでなく、昇進の機会も広がります。多くの施設では、リーダー職やサービス提供責任者などの役職に資格保有者を登用する傾向があり、役職手当が加算されることで収入アップも望めます。また、介護福祉士はリーダーとしての働きが期待されるため、昇進の機会もあり、昇進すれば昇給も可能です。さらに、処遇改善加算を活用することで、資格手当がない施設でも給与を底上げしているケースがあり、資格取得による収入アップの可能性が広がります。 転職に有利にはたらく 介護福祉士の資格を取得することで、転職活動において大きなアドバンテージとなります。介護福祉士国家資格は、介護に関する専門的な知識やスキルを有していることの証明となり、即戦力をして評価されやすくなります。そのため、訪問介護事業所や特別養護老人ホーム、デイサービスなど、さまざまな介護施設での採用が有利になります。 また、介護福祉士の資格を持つことで、無資格者では応募できない求人にも挑戦できるようになります。これにより、より良い条件や待遇の職場を選ぶ幅が広がります。 さらに、介護福祉士の資格は、介護現場以外の分野でも活かすことができます。例えば、保育、心理、教育などの分野でも、その経験や知識を活かして活躍することが可能です。 このように、介護福祉士の資格を取得することで、転職活動において多くのメリットが得られます。介護業界でのキャリアアップや新たな分野への挑戦を考えている人にとって、非常に有利な資格と言えるでしょう。 まとめ 介護福祉士は、介護の現場で求められる専門性を証明する国家資格であり、介護職としてのキャリアアップや安定した将来を目指すうえで大きな武器です。取得までのルートは多様で、自身の経験や学歴に応じた選択が可能です。試験内容や申込方法、取得後のメリットを事前に把握することで、効率的な準備と確かな将来設計ができます。資格取得を目指す人や進路にお悩みの人は、ぜひお気軽に三幸福祉カレッジまでご相談ください。あなたの一歩を全力で応援します。

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  • 介護士の給料はどれくらい?雇用形態・年齢などのケース別年収相場も
    2025.07.10

    介護コラム

    介護士の給料はどれくらい?雇用形態・年齢などのケース別年収相場も

    介護士の給料はどれくらい?雇用形態・年齢などのケース別年収相場も 介護の仕事に興味があるけれど、収入面がちょっと気になる・・・そのように感じていませんか?そこで今回は、雇用形態や年齢、働く場所などによって変わる介護士の給料事情をわかりやすくご紹介します。収入アップの方法や、今後の待遇改善の動きについても一緒に見ていきましょう。 介護士(介護従事者)の平均給料 「介護士」という言葉は、資格の名前ではありません。実は、介護の仕事に関わっている人全体を指す、少し広い意味の言葉です。例えば、介護福祉士や初任者研修を修了した人、無資格で介護の仕事をしている人も、すべての人が「介護士」と呼ばれることがあります。 その 介護士の平均年収は、およそ350万円〜400万とされています。ただし、これはあくまで平均の数字です。実際には、働き方や職場の種類、年齢、性別、持っている資格など、いろいろな条件によって給料は大きく変わってきます。 ここからは、雇用形態・職場・年齢などのケースごとに、給料の目安をわかりやすくご紹介します。介護の仕事を考えるときのひとつの目安にしてみてください。 【雇用形態別】介護士の平均給料 介護士の給料は、働き方によって大きく変わります。厚生労働省の調査では、次のようなデータが出ています。 雇用形態 平均給料 常勤職員 338,280円 非常勤職員 196,060円 出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P126 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf 常勤と非常勤では、月におよそ140,000円以上の差があります。これは、夜勤や残業手当、賞与の有無が影響しています。非常勤は働く時間が短い分、手当がつきにくく、基本給も抑えられがちです。 ちなみに、前年度の平均は常勤で324,240円、非常勤で182,930円。どちらもアップしており、少しずつ処遇が良くなっていることがわかります。今後も改善が期待される分野です。 【職場別】介護士の平均給料 介護士として働く場所によって、給料にはかなりの差があります。職場別の平均月給をまとめてみました。 職場 平均給料 介護老人福祉施設 361,860円 介護老人保健施設 352,900円 訪問介護事業所 349,740円 通所介護事業所(デイサービス) 294,440円 通所リハビリテーション事業所(デイケア) 319,310円 特定施設入居者生活介護事業所 361,000円 小規模多機能型居宅介護事業所 305,220円 認知症対応型共同生活介護事業所 302,010円 出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P134 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf この中で、最も給料が高いのは「介護老人福祉施設」や「特定施設入居者生活介護事業所」です。どちらも月に360,000円以上で、介護士の中では高めの水準です。これらの施設は、入所者の生活を24時間サポートする場でもあるため、夜勤や手当がつきやすい傾向にあります。 一方、「デイサービス」や「小規模多機能型居宅介護事業所」など、日中が中心の職場は300,000円を下回るところもあります。ただし、働きやすさや負担の少なさで選ぶ人も多く、ライフスタイルに合わせた働き方がしやすいのも特徴です。 ちなみに、前年度と比べると、全体的に給料は少しずつアップしています。例えば「介護老人福祉施設」は、前年の346,970円から361,860円と約15,000円アップ。「訪問介護事業所」も前年の332,810円から349,740円に上がっています。 このように、職場によって給料の差はありますが、全体的に処遇は良くなってきています。今後も国の支援や制度によって、さらなる改善が期待できます。 介護士は「どこで働くか」によって、自分の収入や働き方に大きく影響します。自分に合った職場を選ぶことが、収入アップにもつながる大事なポイントです。 【勤続年数別】介護士の平均給料 介護士として働き続けることで、給料は少しずつ上がっていきます。ここでは、勤続年数ごとの平均月給を見ていきましょう。 勤続年数 平均給料 1年 298,760円 3年 316,080円 5年 331,010円 10年 337,300円 15年 359,090円 20年以上 382,520円 出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P146 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf 初めの1年目は約300,000円ですが、経験を積んでいくごとに給料は着実にアップします。例えば、5年働けば約330,000円、20年以上になると約380,000円となり、1年目よりも約80,000円多くなります。 前年度と比べても、全体的に給料は上昇しています。1年目は約26,000円、3年目は18,000円、15年目でも約15,000円増えています。これは、国の処遇改善や各事業所の努力によるものです。 「介護は給料が低い」と思われがちですが、続けることで収入はしっかりと上がっていきます。長く働ける環境が整ってきている今、将来を前向きに考えやすくなっています。 【性別・年代別】介護士の平均給料 介護士の給料は、性別や年代によっても少しずつ差があります。ここでは、最新の平均月給を男女別・年代別に見てみましょう。 ▼性別 年代 平均給料 ■男性 年齢層 平均給料 29歳以下 316,190円 30~39歳 356,290円 40~49歳 377,200円 50~59歳 361,960円 60歳以上 307,140円 ■女性 年齢層 平均給料 29歳以下 305,560円 30~39歳 328,020円 40~49歳 336,780円 50~59歳 338,220円 60歳以上 310,760円 出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P167 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf 男性も女性も、30代〜50代にかけて給料が上がっていく傾向があります。特に40代の男性は平均370,000円以上と最も高い水準にあります。一方、女性は年齢が上がっても大きな変動はなく、安定した収入が続くのが特徴です。 ちなみに、前年度よりも全体的に月給はアップしています。例えば、女性29歳以下は約20,000円、男性40代は約13,000円上がっています。これは、介護職の待遇改善が少しずつ進んでいる証といえます。 介護の仕事は体力も気力も必要ですが、経験や年齢によって収入が増えていくという安心感があります。これからさらに制度が整えば、より働きやすく、収入も期待できる職業になっていくでしょう。 【資格別】介護士の平均給料 介護士の給料は、持っている資格によっても違ってきます。ここでは、代表的な資格ごとの平均月給をご紹介します。 保有資格 平均給料 介護福祉士 350,050円 社会福祉士 397,620円 介護支援専門員(ケアマネジャー) 388,080円 実務者研修 327,260円 介護職員初任者研修 324,830円 保有資格なし 290,620円 出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」P161 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf 最も平均月給が高いのは「社会福祉士」で397,620円。続いて「介護支援専門員(ケアマネジャー)」が388,080円、「介護福祉士」が350,050円と、国家資格を持っている人は全体的に給料が高めです。 一方、「実務者研修」や「初任者研修」などの資格を持っている人は、それぞれ320,000円ほど。ただし、無資格の人と比べると30,000円以上の差があり、資格があることで収入アップにつながることがわかります。 ちなみに、前年と比べてもすべての資格で給料が上がっています。例えば、介護福祉士は約13,000円、社会福祉士は約20,000円アップ。これは国の支援や処遇改善の取り組みが進んでいるからです。 今後も資格を取得してスキルアップすることで、より安定した収入が目指せます。 介護士の給料は今後どうなる? 介護士の給料は、看護師などの医療職に比べると少し低い傾向があります。これは、介護士の仕事が医療行為ではなく「生活支援」が中心とされていることや、長い間「誰でもできる仕事」をみられていた背景が関係していると考えられます。 しかし今は、 介護士の役割の大切さが見直され、国をあげて待遇を良くしようという動きが進んでいます。その代表的な取り組みが「介護職員処遇改善加算」という制度です。これは、介護士の給料アップにつなげるために、介護事業所にお金を支給する制度のこと。この加算を使うことで、介護士の給料が毎月数千円〜数万円アップするケースもあります。 さらに、2022年からは「ベースアップ等支援加算」も始まりました。これは、介護士の基本給そのものを引き上げるための仕組みで、より長く安心して働けるように考えられています。 そして、 これから先の日本はもっと高齢化が進みます。つまり、介護士の仕事がますます必要になるということ。人手不足が続く中で、働きやすさや給料を改善していかないと、人が集まらないという声も多く、国も本気で動き始めています。 今はまだ「高収入」とは言いにくい介護士の給料ですが、これから先はもっと評価される仕事に変わっていくはずです。資格を取得する、スキルを積むことで、自分らしくキャリアアップを目指せる未来が待っています。 介護士が給料アップを目指すためには? 介護士として働くうちに、「もっと給料をあげたい」と思うこともあるかもしれません。介護職は決して高収入とは言えませんが、働き方や努力次第で収入をアップさせることも十分可能です。ここでは、給料アップを目指すために意識したい4つのポイントをわかりやすくご紹介します。 キャリアアップを目指す 介護士として働く中で、主任や施設長などの管理職を目指すキャリアアップは、給料アップの大きなチャンスです。責任が増える分、給料も上がることが多いです。また、介護支援専門員(ケアマネジャー)や生活相談員など、介護の専門知識を活かした役割に挑戦するのもおすすめです。これらの資格や役職は、収入を増やすだけでなく、仕事の幅も広がり、やりがいが増します。少しずつスキルを磨いて、次のステップを目指しましょう。 同じ職場で長く勤める 同じ職場で長く働くことも、給料アップにつながります。勤続年数が長くなると、会社から「頑張ってくれてありがとう」という気持ちで、賞与や毎月の給料が少しずつ増えることが多いです。また、同じ職場に長く勤めると仕事に慣れてミスが減ったり、信頼されて役割が増えたりするので、昇給のチャンスも広がります。焦らず、じっくりと続けることで、給料も安定して上げられます。 条件のよい職場に転職する 今の職場よりも条件の良い職場に転職することで、給料がアップすることもあります。例えば「夜勤がある」「資格手当がつく」「賞与が多い」など、職場によって給料の仕組みはさまざまです。自分に合った職場を見つけるためには、いろいろな求人情報をチェックしたり、信頼できるサポートを受けたりしながら探すことがポイントです。 資格を取得する 介護士として働く場合は、資格を取得することも大切なステップです。例えば「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」など、資格によってできる仕事が広がる、給料がアップすることもあります。 特に国家資格の「介護福祉士」は、信頼される資格で、手当がつく職場も多いです。勉強は少し大変かもしれませんが、自信にもつながります。 まとめ 介護士の給料は、資格の有無や勤続年数、働く施設によって大きく変わります。医療職と比べると高収入とは言えませんが、国の制度によって徐々に改善されてきています。キャリアアップや資格取得、長く働くこと、職場選びなどで収入を上げる道もあります。 これから介護士を目指す人も、不安にならずに前向きに考えてみましょう。気になることがあれば、ぜひ三幸福祉カレッジで情報をチェックしてみてくださいね。

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  • 介護業界における人手不足の現状|原因と5つの解決策を解説!
    2025.05.01

    介護コラム

    介護業界における人手不足の現状|原因と5つの解決策を解説!

    介護業界における人手不足の現状|原因と5つの解決策を解説! 介護業界では、年々深刻化する人手不足が大きな課題となっています。高齢化が進む一方で、働き手の確保が追いつかず、現場では慢性的な人手不足が続いています。 今回は、介護業界の人手不足の背景や原因に加え、国の対策や外国人材の受け入れ体制、日本で介護職として働くためのステップまで、わかりやすく解説します。 介護業界における人手不足の現状 日本の介護業界では、深刻な人手不足が続いています。厚生労働省の試算によれば、2040年には272万人の介護職員が必要とされている一方で、約57万人が不足すると見込まれています。 これは全体の約21%の相当し、10名体制が必要な現場に8名しか配置できない状況を意味します。 年 必要数(万人) 不足数(万人) 不足率 2040年 272 約57 約21% 出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/001274765.pdf さらに、働き手の定着率にも課題があります。令和5年度の調査では、介護職員の離職率は13.6%、訪問介護員では11.8%に上り、働きやすさや待遇の改善が急務とされています。 職種 離職率(令和5年度) 介護職員 13.6% 訪問介護員 11.8% 出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和5年度 介護労働実態調査結果 事業所における介護労働実態調査 結果報告書 資料編.p5https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/2023_jittai_chousagaiyou.pdf 人手不足と離職率の高さが同時に進行していることから、安定的な人材確保が今後の大きな課題となっています。 都心部では介護人材の不足がより深刻化 日本全体では介護人材の不足が進む中、特に都市部ではその深刻さが際立っています。人口が集中する一方で高齢化も進行しており、介護ニーズが急増しています。 ▼都市部の高齢化率と有効求人倍率 都道府県 高齢化率(2023年) 介護職有効求人倍率(2022年2月) 東京都 22.8% 4.91倍 神奈川県 25.9% 3.45倍 埼玉県 27.4% 4.09倍 全国平均 約29.1% 3.57倍 出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書 4 地域別に見た高齢化」https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/zenbun/pdf/1s1s_04.pdf 出典:厚生労働省「令和4年版 厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保- 図表1-2-40 都道府県別有効求人倍率(2022年2月)」https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/21/backdata/01-01-02-40.html 東京都では、1人の求職者に対して約5件の求人があり、競争が激しくなっています。高齢化率が高い地方に比べ、人口が多いために求められる人材数が非常に多い状況です。地域によって求人倍率に差があり、神奈川県のように若干低いところもありますが、どの地域でも介護人材の確保が大きな課題です。 介護業界の人手不足が進む主な背景と原因 介護業界の人手不足は年々深刻さを増しています。その背景には、少子高齢化をはじめ、働く環境や処遇の課題、人間関係といった複数の要因が複雑に絡み合っています。 少子高齢化による要介護者の増加と介護人材の減少 介護業界における人手不足の背景には、少子高齢化という大きな社会構造の変化があります。高齢者人口の増加により、要介護者の数は年々増加。一方で、出生数の減少や若年層の人口減少により、介護人材の供給が追いつかなくなっています。 先述したように、厚生労働省の試算によると、2040年には272万人の介護職員が必要とされている一方で、約57万人が不足すると見込まれています。要介護者が増える一方、支える人材が減少しているという構図が、介護業界の深刻な人手不足を生んでいるのです。 仕事内容に対する社会的評価や賃金の低さ 介護職は人の命や生活に密接に関わる重要な仕事であるにもかかわらず、社会的評価や賃金の面で十分に報われていないという声が多くあります。体力的・精神的に負担の大きい仕事内容に対して、全産業平均よりも低い水準の賃金が続いていることも、若い世代や新規就業者の離職の一因です。 また、一般的なイメージとして「きつい・汚い・危険(3K)」とみなされることもあり、職業としての魅力が伝わりにくいという課題もあります。 こうした社会的評価の低さは、介護業界への新規参入者の減少や定着率の低さにもつながり、人手不足をさらに深刻化させています。 人間関係の問題 介護業界では、人間関係の問題も離職や人手不足を引き起こす大きな要因となっています。公益財団法人介護労働安定センターの調査(令和5年度)によると、介護職員が「職場を辞めたい・辞めた理由」として、「職場の人間関係に問題があった」が上位にあげられています。特に小規模施設では職員同士の距離が近くなる分、上下関係や対人トラブルが表面化しやすい傾向があります。 介護の現場は協力が不可欠である一方、感情労働の側面も強いため、ストレスが蓄積されやすく、円滑な人間関係の構築が重要視されています。こうした環境の難しさも、職員の定着を妨げる要因のひとつとなっています。 介護業界の人手不足解消に向けて国が行う主な取り組み5選 介護業界の深刻な人手不足を解消するため、国はさまざまな対策に乗り出しています。 ここでは、介護職の処遇改善や人材育成、多様な人材の受け入れなど、国が推進している5つの主な取り組みをわかりやすく紹介します。 ①介護職員の処遇改善 介護職員の賃金水準を他産業と遜色ない水準に引き上げることを目指し、2019年10月から総額2,000億円を活用し、経験・技能のある介護職員に重点をおいた処遇改善を実施しています。 また、令和3年度の介護報酬改定では、介護職員の人材確保や処遇改善に配慮し、改定率を+0,70%とするとともに、処遇改善加算の配分ルールの柔軟化を行いました。これらの施策により、介護職員の月額平均賃金は段階的に改善されており、例えば平成21年度から令和元年度までに月額平均5.7万円の改善が実現されています。 介護職員の処遇改善への取り組みは、介護職員の定着率向上や新規参入者の増加を促進することが期待されています。 参考:厚生労働省「総合的な介護人材確保対策(主な取組)」https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000804131.pdf ②多様な人材の確保・育成 介護福祉士を目指す学生への修学資金貸付制度や、未経験者向けの入門的研修の実施、他業種からの転職希望者への職業訓練の拡充などが挙げられます。 また、福祉系高校生への返済免除付き修学資金の貸付や、ボランティアポイント活用した就労的活動の推進も行われています。 多様な人材の確保・育成への取り組みは、幅広い層からの人材確保と育成を目指しています。 参考:厚生労働省「総合的な介護人材確保対策(主な取組)」https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000804131.pdf ③介護職員の定着支援と労働環境の改善 腰痛予防のための福祉用具や介護ロボットの導入支援、ICT機器を活用した記録業務の効率化、職場内研修やメンタルヘルス対策の推進などが挙げられます。さらに、職場環境改善のガイドラインを活用した相談体制の整備や、キャリアパス構築への支援も実施。 介護職員の定着支援と労働環境の改善への取り組みにより、離職防止と介護職員の長期的な定着が期待されています。 参考:厚生労働省「総合的な介護人材確保対策(主な取組)」https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000804131.pdf ④介護職のイメージ向上 介護職のイメージ向上を図るため、厚生労働省は「介護のしごと魅力発信等事業」を実施しています。この取り組みでは、若者や子育てを終えた層、アクティブシニア層など多様な世代に向けて、介護職の魅力を伝える情報発信が行われています。具体的には、介護の仕事を体験できるイベントの開催や、学生や保護者、進路指導担当者への理解促進を目的とした活動が含まれています。 また、介護サービスの質の向上を周知するためのケアコンテストの取り組みも情報発信の一環として実施されています。 介護職のイメージ向上への取り組みを通じて、介護職への理解と関心を高め、人材確保につなげることを目指しています。 参考:厚生労働省「総合的な介護人材確保対策(主な取組)」https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000804131.pdf ⑤外国人材の受け入れ環境整備 介護人材の確保に向けて国が打ち出している取り組みの中でも、特に注力しているのが外国人材の受け入れ環境整備です。具体的には、特定技能ビザを活用し、海外からの介護職員受け入れを促進しています。これにより、介護の専門知識と技術を持つ外国人材が日本で活躍できる環境を整備しています。 さらに、送出し国での日本の介護制度や文化に関する情報発信を強化し、理解促進を図っています。 【ルート別】外国人が日本で介護職員として働くためのロードマップ 日本で介護職員として働くことを目指す外国人には、主に3つのルートがあります。ここでは、 「実務研修ルート」「養成施設ルート」「EPAルート」 に分けて、それぞれの流れや特徴をわかりやすく紹介します。 (1)実務経験ルート 実務経験ルートは、外国人が「特定技能」や「技能実習」の在留資格で介護施設などに勤務し、一定の実務を積んだ後に「介護福祉士国家試験」を受験する方法です。 特定技能「介護」の在留資格では、最大5年間の就労が可能す。国家試験に合格すれば在留資格「介護」への変更が可能となり、長期的に日本で介護職として働く道が開かれます。 現場経験を通して介護スキルや日本語力を高められるため、実践的な学びが魅力のルートです。 (2)養成施設ルート 養成施設ルートは、外国人が日本国内の介護福祉養成施設(専門学校など)に通い、卒業後に国家試験の受験資格を得るルートです。この場合、在留資格は「留学」となり、学業に専念することが求められます。 所定の課程(2年以上)を修了すれば卒業と同時に介護福祉士国家試験の受験資格を取得可能です。国家試験に合格すれば在留資格を「介護」に変更し、日本で長期的に介護職員として働けます。 養成施設ルートは、専門的な知識と実習をバランスよく学べるのが特長で、介護分野での本格的なキャリア形成を目指す外国人に適しています。 (3)EPAルート EPA(経済連携協定)ルートは、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどとの経済連携協定に基づき、外国人が介護職を目指して来日する制度です。 在留資格は「特定活動(EPA)」となり、来日後は日本語研修を受けたうえで介護施設での就労・研修を開始します。原則3年間の実務経験を積みながら、介護福祉士国家試験の受験資格を取得します。試験合格後には在留資格を「介護」へ変更し、日本で継続的に就労することが可能です。 EPAルートは国同士の協定により運用されており、国の支援体制が整っている点も特長のひとつです。 まとめ 今回は、介護業界の人手不足の背景や原因に加え、国の対策や外国人材の受け入れ体制、日本で介護職として働くためのステップまで、わかりやすく解説しました。 介護業界の人手不足は、少子高齢化・社会的評価・待遇・職場環境といった複合的な要因が背景にあります。国も本腰を入れて対策に乗り出しており、今後はより一層の多様な人材の活用と、働き続けられる職場づくりが鍵です。 地域社会に必要不可欠な介護の仕事が、より多くの人にとってやりがいがあり、長く働ける魅力的な職業となるよう、官民一体となった取り組みが求められています。

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  • 外国人が介護福祉士を目指すには?受験資格を得るルートも徹底紹介!
    2025.05.01

    介護コラム

    外国人が介護福祉士を目指すには?受験資格を得るルートも徹底紹介!

    外国人が介護福祉士を目指すには?受験資格を得るルートも徹底紹介! 近年、日本では外国人の介護福祉士が増えていますが、資格取得には一定の条件を満たす必要があります。特に、受験資格を得るためのルートは複数あり、事前にしっかりと把握しておくことが重要です。 そこで今回は、外国人が介護福祉士になるための受験資格の条件や取得ルートを詳しく解説します。さらに、試験の合格率や不合格時の影響、勉強のポイントについてもご紹介します。 外国人採用を検討している法人担当者は、ぜひ参考にしてください。 外国人が日本で介護福祉士として働くためには? 外国人が日本で介護福祉士として働くためには、日本人と同様に介護福祉士国家試験に合格し、資格を取得する必要があります。さらに、日本での就労には適切な在留資格が必要です。 主な取得ルートとして、EPA(経済連携協定)に基づく候補者としての受験、特定技能や技能実習での実務経験を経ての受験、そして介護福祉士養成施設での学習後の受験があります。 これらの条件を満たすことで、外国人も日本で介護福祉士として活躍することが可能です。 日本における外国人介護福祉士受け入れの仕組み 日本では、外国人が介護福祉士として働くための在留資格を取得できるよう、以下の4つの制度を設けています。 (1)特定技能1号 特定技能1号は、深刻化する日本の介護人材不足を背景に、即戦力となる外国人労働者を受け入れるために設立された在留資格です。一定の専門性・技能を持ち、即戦力として働ける外国人を対象としており、介護分野では特に多くの入国者数を記録しています。 特定技能1号の主な目的は、日本の労働市場における人手不足を補うことです。特に介護分野では、高齢化社会の進行に伴い、介護人材の需要が急増しています。この需要に対応するため、即戦力となる外国人労働者を積極的に受け入れることが求められています。 受け入れの主な流れは以下の通りです。   ステップ 詳細 1. 技能評価試験の合格 介護分野での特定技能1号を取得するためには、介護技能評価試験と日本語能力試験(通常はN4以上)の両方に合格する必要があります。 2. 雇用契約の締結 試験に合格した後、日本の介護施設と雇用契約を結びます。 3. 在留資格の申請 雇用契約を基に、在外公館または日本の出入国在留管理庁にて在留資格「特定技能1号」を申請します。 4. 入国および就労開始 在留資格が認められた後、日本に入国し、介護施設での就労を開始します。   参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」  厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」 特定技能1号の在留期間は最長5年間で、家族の帯同は基本的に認められていません。しかし、一定の条件を満たすことで在留資格「介護」への変更が可能となり、長期的な就労や家族との帯同も可能です。 (2)技能実習 技能実習は、日本の技術や知識を開発途上国へ移転し、国際貢献することを目的とした制度です。介護分野では、技能実習生が日本の介護施設で一定期間働きながら、介護技術や日本語能力を身につけることを目的としています。近年、外国人介護人材の需要増加に伴い、多くの国から技能実習生が来日しています。 技能実習制度は、本来「母国の発展に貢献できる人材を育成する」ことを目的としており、日本での就労が主な目的ではありません。しかし、介護分野では実際に即戦力として働くケースが多く、日本の人手不足解消にも貢献しています。技能実習は最長5年間行うことができ、実習期間終了後は原則として帰国する必要があります。ただし、一定の条件を満たせば「特定技能1号」などへの移行も可能です。 受け入れの主な流れは以下の通りです。 表の例 ステップ 詳細 1. 監理団体と実習実施機関の登録 受け入れ機関は、技能実習を適切に実施するため、監理団体(組合など)と契約し、適正な受け入れ体制を整える必要があります。 2. 海外での技能実習生の選定・事前研修 実習生は、日本へ入国する前に母国で日本語や基礎的な介護技術の研修を受けます。 3. 在留資格「技能実習」の申請 実習生は、在留資格「技能実習」を取得し、入国後、日本の介護施設で実習を開始します。 4. 技能実習の段階的な進行 実習は1年目の「技能実習1号」、2〜3年目の「技能実習2号」、4〜5年目の「技能実習3号」と段階的に進みます。それぞれの段階で試験に合格することが求められます。 5. 実習終了後の進路選択 実習終了後、多くの実習生は帰国しますが、特定技能1号などの資格を取得することで引き続き日本で働く道も開かれています。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」  厚生労働省「介護職種の技能実習制度について」 (3)EPA(経済連携協定) EPA(経済連携協定)とは、日本と特定の国との間で締結される協定で、経済の発展や人的交流を促進することを目的としています。介護分野では、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国と協定を結び、これらの国の人材が日本で介護福祉士を目指すことができる制度が整えられています。 EPAの受け入れ制度は、技能実習や特定技能とは異なり、介護福祉士国家資格の取得を前提としています。来日後、一定の期間内に介護福祉士の資格を取得しなければ帰国する必要があります。そのため、受け入れ施設は、単なる労働力としてではなく、資格取得に向けた学習支援や日本語教育を提供することが求められます。 受け入れの主な流れは以下の通りです。 ステップ 詳細 1. 政府間の合意と人材の選定 各国の政府機関が候補者を選び、日本政府と連携して派遣する人材を決定します。候補者は母国で一定の介護関連の教育を受けていることが条件となります。 2. 日本語研修(来日前・来日後) 来日前に6カ月程度、基礎的な日本語研修を受け、来日後も日本語教育が実施されます。特に、介護現場で必要となる専門用語やコミュニケーション能力の向上が重視されます。 3. 介護施設での就労・研修 来日後、指定の介護施設で就労しながら、国家試験合格を目指して勉強します。施設では、日常業務を通じて介護技術の習得をサポートすることが求められます。 4. 介護福祉士国家試験の受験 原則として、4年以内に介護福祉士国家試験に合格する必要があります。不合格の場合、EPAの在留資格での滞在は継続できず、帰国しなければなりません。 5. 合格後のキャリアパス 国家試験に合格すると、在留資格を「介護」に変更し、日本で引き続き介護福祉士として働くことが可能になります。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」 厚生労働省「インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」 経済産業省「EPAとは?」 EPA制度は、介護福祉士の育成を目的とした制度であり、日本の介護現場で活躍する外国人材の重要な受け入れルートとなっています。 (4)在留資格「介護」 在留資格「介護」は、介護福祉士の国家資格を取得した外国人が日本で介護の仕事を継続して行うために必要な在留資格です。この資格は、特定技能や技能実習、EPAなどの制度で来日し、介護福祉士の資格を取得した後に与えられます。これにより、外国人介護福祉士は日本で長期的に働き続けることが可能になります。 「介護」在留資格は、資格取得後に日本での就労を支援することを目的としています。介護福祉士の資格を持つ外国人は、一定の条件を満たすことで「介護」の在留資格を得て、日本の介護現場で引き続き勤務できます。これにより、介護業界の人手不足を補うだけでなく、外国人が安定した職業生活を送ることができるよう支援しています。 受け入れの主な流れは以下の通りです。 表の例 ステップ 詳細 1. 介護福祉士の国家試験合格 外国人が「介護」の在留資格を得るためには、まず日本の介護福祉士国家試験に合格する必要があります。試験は日本語で実施され、一定の日本語能力と介護技術が求められます。 2. 資格取得後の在留資格申請 国家試験に合格した後、外国人は「介護」の在留資格を申請します。これにより、介護施設での勤務が合法的に行えます。 3. 就業開始 在留資格「介護」を取得した後、外国人介護福祉士は、指定された介護施設で働くことが可能です。また、雇用主は外国人が安定して働けるよう、就労契約や生活面での支援を行うことが求められます。 4. 長期的な就労とキャリア形成 「介護」の在留資格を持つ外国人は、介護福祉士として日本で長期間働き続けることができます。また、日本国内でのキャリアアップが可能となり、将来的にはさらに高度な職種への昇進も期待されます。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」  厚生労働省「介護福祉士資格を取得した外国人の方に対する在留資格「介護」の付与について」 在留資格「介護」は、介護分野における外国人材のキャリア形成を支援し、介護業界の安定的な労働力供給を確保する重要な役割を果たしています。 外国人が介護福祉士国家試験の受験資格を得るための主な2つのルート 日本における外国人介護人材受け入れは4つの制度に分かれていますが、介護福祉士国家試験の受験資格を得るためのルートは主に2つです。それぞれのルートの詳細について解説します。 実務経験ルート 外国人が介護福祉士国家試験の受験資格をるための実務経験ルートは、特定技能1号、技能実習が該当します。日本人介護士と同様、3年以上の実務経験と実務者研修の修了が受験には必要です。 実務経験ルートでは実技試験が免除されるため、受験は筆記試験のみです。試験時間は通常の日本人と同じですが、漢字にふりがなをふった試験用紙が用意されています。 EPAルート EPA介護福祉士候補者として入国後、介護施設で3年間の実務経験を経て受験するルートです。 EPAは2国間の経済連携強化を趣旨とする「経済連携協定」に基づく資格であり、インドネシア、フィリピン、ベトナム3カ国の介護福祉士候補者の受け入れが可能です。 在留資格「EPA」を取得するためには看護大学などを卒業する、または母国の介護師資格認定者であることがひとつの要件となっています。また日本語能力は国ごとに異なり、インドネシアは令和3年度までN5程度以上ですが、令和4年度からはN4程度以上が必要です。フィリピンはN5以上、べトナムはN3以上が要件となっています。 EPAルートは養成施設と実務経験ルートとは異なり、実技試験もあります。しかし筆記試験の時間は、通常の1.5倍に設定されています。 日本における外国人介護人材の受け入れ実績 日本における外国人介護人材の受け入れ実績は年々増加しています。働くルートは「特定技能」「技能実習」「在留資格「介護」」「EPA介護福祉士候補者」の制度があり、特に特定技能ルートでの受け入れが年々増加しています。 在留資格 受入実績 特定技能 在留者数:28,400人 ※2024年12月末時点(速報値 /入管庁) 技能実習 在留者数:15,011人 ※2024年12月末時点(入管庁) EPA介護福祉士候補者 在留者数:3,186人(うち資格取得者587人) ※2024年3月1日時点(国際厚生事業団調べ) 在留資格「介護」 在留者数:9,328人 ※2023年12月末時点(入管庁) 特定技能における介護分野の外国人労働者は2024年時点で約28,000人に達しており、技能実習では約15,000人が介護職に従事しています。また、EPAによる介護福祉士候補者は3,000人を超えています。 出典 特定技能:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」 技能実習:出入国在留管理庁「令和6年6月末現在における在留外国人数について」 EPA:厚生労働省「介護分野における外国人の受入実績等」 在留資格「介護」:厚生労働省「外国人介護人材の受入れに関する制度の現況について」   さらに、在留資格「介護」を取得し、日本で介護福祉士として働く外国人の数は着実に増えており、日本の高齢化社会における介護職員不足の解消に貢献しています。 在留資格 2019年末 2020年末 2021年末 2022年末 2023年末 2024年6月末 介護 592人 1,714人 3,794人 6,284人 9,328人 10,468人 出典:法務省「【第3表】在留資格別 在留外国人数の推移」 法務省の統計によれば、在留資格「介護」の取得者数は年々増加し、外国人介護福祉士の活躍の場が広がっています。特に、特定技能とEPAは日本での就業経験を通じて資格取得を目指すルートとして重要な役割を果たしており、その後の定着率も高まっています。このような受け入れシステムにより、外国人労働者は日本社会において重要な役割を担い、共生社会の実現に向けて貢献しています。 外国人の介護福祉士国家試験の合格率 外国人の介護福祉士国家試験の合格率は、EPA候補者の合格者数は498名、合格率は37.9%、特定技能1号は1,643名、33.3%、技能実習は50名、32.3%でした。 一方、全体の受験者における合格率は78.3%であり、外国人介護士のの合格率は全体平均を下回っています。 全体 EPA 特定技能1号 技能実習 受験者数 75,387人 1,314人 4,932人 155人 合格者数 58,992人 498人 1,643人 50人 合格率 78.3% 37.9% 33.3% 32.3% 参考:厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験合格発表」 参考:厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験におけるEPA介護福祉士候補者の試験結果」   外国人が介護福祉士国家試験に落ちた場合はどうなる? 外国人が介護福祉士国家試験に不合格となった場合、今後の在留資格や就労の継続に影響を及ぼす可能性があります。ただし、状況によって取れる選択肢は異なります。ここでは、「特定技能1号」「技能実習」「EPA(経済連携協定)」「在留資格「介護」」の4つのケースに分けて解説します。 • 特定技能1号の場合 特定技能1号で働いている場合、介護福祉士の資格がなくても最大5年間の就労が可能です。ただし、5年の期限内に合格しないと在留資格の更新ができません。介護福祉士国家試験に受験できるチャンスは2回しかないため、2回で合格できなければ帰国しなければなりません。 • 技能実習の場合 技能実習生は、原則として介護福祉士国家試験の合格を目指す仕組みではなく、3年間の技能実習を終えた後、特定技能1号へ移行し、国家試験の再受験を目指す道もあります。 試験に不合格となった場合でも、再受験のチャンスはあります。介護業界でのキャリアを継続するためには、早めに対策を講じ、勉強を続けることが重要です。 【2024年7月】介護福祉士国家試験制度の大幅見直しが決定 合格率を見ても、外国人が国家試験に合格することは難しく、外国人の受け入れがなかなか進まない状況でした。しかし、2024年7月、厚生労働省は外国人介護福祉士の受験環境を改善するため、介護福祉士国家試験制度の大幅な見直しを決定しました。 新たな制度では、試験を3つの分野に分割し、不合格となった分野のみ再受験できる仕組みが導入されます。これにより、受験者は合格した科目の勉強を繰り返す負担が軽減され、効率的に資格取得を目指せます。 試験は年1回実施され、「認知症の理解」「コミュニケーション技術」など13科目がマークシート方式で出題されます。合格基準は全125問のうち約6割の正解とされています。 外国人が介護福祉士国家試験に合格するためのポイント 外国人が介護福祉士国家試験に合格するには、日本語の語彙力や読解力を高めることが重要です。試験では専門用語も多く出題されるため、日常業務で積極的に日本語を使い、介護に関する単語や表現を覚えることが求められます。 また、過去問を繰り返し解くことで、問題の傾向を理解し、回答スピードを向上させることができます。しかし、独学では難易度が高いため、試験対策スクールに通い、専門的な指導を受けるのも有効な方法です。 まとめ 外国人が介護福祉士を目指すには、特定技能や技能実習、EPA、在留資格「介護」など、さまざまなルートがあります。それぞれの制度に応じた条件を満たし、受験資格を取得することが第一歩です。 また、試験の合格には日本語力と専門知識の習得が不可欠であり、独学では難しい場合もあります。スクールや対策講座を活用し、効率的に学習を進めることが重要です。適切な準備を行い、介護福祉士の資格取得を目指しましょう!

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  • 介護職を目指す方必見!初任者研修のススメ!
    2025.04.17

    介護コラム

    介護職を目指す方必見!初任者研修のススメ!

    1、介護に関する資格を取得するメリット (1)今後ニーズが高まる介護人材を目指せる 日本は、65歳以上人口の増加と人口減少により、超高齢社会へと突入しており、介護人材のニーズが増加しています。厚生労働省の発表によれば、介護人材は、2023年度には約233万人(+約22万人(5.5万人/年))、2025年度には約243万人(+約32万人(5.3万人/年))、2040年度には約280万人(+約69万人(3.3万人/年))が必要とされています。 参照元:厚生労働省 第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について IT化が進み、今後ロボットやAIに仕事が奪われるとも言われている時代ですが、介護の仕事は、ICT等の活用でよりよいサービスが提供できるようになり、人とロボットが共存していく業界といえるでしょう。 (2)年齢に関わらずキャリアアップを目指せる また、介護の仕事は年齢に関わらず、働いた年数やお持ちの資格に応じてキャリアップを目指すことができるのもメリットの一つです。 「介護の仕事って、大変そう。」「介護のこと何も知らないけど、自分にできるかな?」そんな不安をお持ちの方も大丈夫!介護業界は、未経験者歓迎の職場も多く、勤務先により勤務形態・時間も選びやすい職場です。 2、これから介護資格取得を目指すなら【介護職員初任者研修】がおすすめ! これから介護資格の取得をお考えの方には、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)がおすすめです。介護職員初任者研修は、介護職を目指す方にとって、入門資格にあたるものです。 所定のカリキュラムを履修し、修了試験に合格した方に与えられる公的な資格ですので、履歴書にも書くことができます。 介護職員初任者研修を修了すれば、介護の基本的なスキルと知識を持っている証明となり、キャリアアップにも繋げていくことが可能です。 また、訪問介護事業所にて身体介護業務(衣服の着脱や移動・移乗の介護など)に従事する際には、必須の資格となっています。 3、介護職員初任者研修とはどんな資格か? (1)介護職員初任者研修の受講資格 介護職員初任者研修は、どなたでも受講することができます。 10科目、合計130時間のカリキュラムで構成されており、すべてのカリキュラムの履修と修了試験の合格により、修了することができます。 各都道府県の指定を受けたスクールにて受講することができます。 (2)「介護職員初任者研修」で学べること 介護職員初任者研修では、介護に関する基本的な知識とスキルを学ぶことができます。 介護職員の仕事内容についての理解から始まり、介護保険に関する知識、介護についての考え方、認知症に関する知識、こころとからだのしくみについての知識など学ぶ内容は多岐に渡ります。 また、ご利用者が日常生活を送るうえで必要な生活動作について、移動・移乗、食事、衣服の着脱、入浴、排せつなどの介護技術を、からだのしくみを学びながら、習得します。 (3)資格取得までにかかる期間と難易度 受講する都道府県やスクールにより受講期間は異なりますが、最短1カ月で取得することができます。週1回ペースで通学した場合は、3~4カ月かかります。 また、介護職員初任者研修には、修了試験があります。合格基準に達しない場合には、不合格となりますが、受講した内容を習得できているかを確認するための試験ですので、真面目に受講している方が、何度試験を受けても合格しないということは滅多にありません。万が一、不合格になった場合の対応(無料で再試験を受験できるかなど)については、スクールによって異なりますので、サポート体制のあるスクールを選ぶと安心です。 関連ページ:三幸福祉カレッジ 初任者研修とは 4、スクールを選ぶポイント (1)資格取得にかかる時間 資格取得にかかる時間は、スクールにより異なります。 三幸福祉カレッジでは、最短1カ月(通学日数全15日間)で資格取得ができるように通学日程を設定しています。※都道府県により異なります。 働きながら資格取得を目指す方のために、週1回の通学で取得できるコースや、週数回通学するコースも設定していますので、ご自身の状況に合うクラスを選ぶことができます。 (2)就職サポートの有無 スクールを選ぶ際は資格取得後の就職サポートの有無も確認しましょう。介護職員初任者研修の資格を取得すると、全国どこでも介護職員として働くことができます。介護人材のニーズは非常に高いため、求人がたくさんあります。しかし、どの求人がご自身に合っているのかを選ぶのは意外と難しいことです。せっかく資格を取得したなら、ご自身に合った職場で長く働きたいですよね。 三幸福祉カレッジは、全国の教室で、就職サポートを受けることができます。たとえば、「東京で資格を取得したけれど、北海道へ引っ越すことになった。」という場合も安心。修了から何年たっても、全国の教室で就職のサポートをさせていただきます。 (3)通学か通信か 介護職員初任者研修には、「通学」と「通信」があります。 全130時間のカリキュラムすべてを通学して学習するのが「通学」コース。 全130時間のカリキュラムのうち、各都道府県省が認めた科目を通信で学習し、残りの通学必須科目を通学するのが「通信」コースです。 三幸福祉カレッジでは、なるべく通学の負担を減らしつつ、必要な知識やスキルを十分に身に着けていただける「通信」コースを採用しています。 通信コースでは、一部科目については、自宅で学習します。 三幸福祉カレッジの自宅学習では、テキストを参考にしながら、課題を解いていきます。テキストは、要点や重要ポイントをわかりやすく解説してあり、またDVDも付いていますので、安心して学習することができます。 介護に関する基本の視点を自宅学習で学ぶことで、通学講習の内容がより理解しやすくなります。 (4)欠席や修了試験不合格時のサポート体制 介護職員初任者研修は①全カリキュラムを履修し、②修了試験に合格することが修了条件です。 万が一、「急な体調不良」や「外せない用事」などで欠席をした場合には、振替や補講を受けなければ、修了することができません。 振替や補講、また修了試験の再受験については、スクールによって対応が異なります。追加料金がかかることや、振替できる教室がないということもありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。 三幸福祉カレッジでは、無料で振替受講することができます。修了試験が不合格だった場合についても、受講期間中の再受験も追加費用がかかりませんので、安心して受講いただけます。 介護職員初任者研修について詳しく見る 【無料】介護職員初任者研修の資料を請求する 5、介護職員初任者研修資格取得後に得られるメリット (1)履歴書に記載できる 介護職員初任者研修を修了すると、履歴書の資格欄に書くことができます。介護職としての就職に有利になることはもちろん、サービス業などの他の業種でも有利になることもあります。 (2)介護に関する基本的な知識を学べる 就職すると、ほとんどの場合は、先輩職員から仕事を教わることになるかと思います。介護職は専門職であるため、専門用語も多いです。基本的な知識を知っていることで、先輩職員が言っていることの意味を理解することができ、スムーズに職場に慣れることができます。また、介護の知識は、ご自身の家族介護や日常生活にも役に立ちます。 職場だけでなく日常生活にも活かすことが出来るのは介護職員初任者研修を受講するメリットと言えるでしょう。 (3)有資格者として介護業務に従事できる 訪問介護事業所にて、身体介護業務に従事するためには、介護職員初任者研修は必須の資格になるため、応募要件とされていることも少なくありません。また、事業所によっては、介護職員初任者研修の資格保有者に対して、資格手当が支給されるケースもあります。 (4)着実にキャリアアップを目指せる 介護職員初任者研修を修了していると、実務者研修を受講する際に、受講期間や受講科目で優遇が受けられます。介護職員初任者研修は、介護職としてキャリアアップを目指す際の、基本となる資格ですので、ここからスタートすることにより、着実にキャリアアップを目指すことができます。 介護職員初任者研修について詳しく見る 【無料】介護職員初任者研修の資料を請求する 6、介護職員初任者研修の次に目指すべきおすすめ資格3選 (1)介護福祉士 介護職員初任者研修を修了したら、次に目指したいのは、介護資格の唯一の国家資格である「介護福祉士」です。介護職として働くのであれば、目指したい資格です。 介護の専門職としてキャリアアップすることができます。また、給与アップも期待できます。 介護福祉士は、働きながら目指すことができるのも魅力で、受験要件は、「実務経験3年+介護福祉士実務者研修の修了」となっています。 介護福祉士受験対策講座について詳しく見る 【無料】介護福祉士の資料を請求する (2)介護福祉士実務者研修 介護福祉士の受験要件でもある「介護福祉士実務者研修」。 介護福祉士実務者研修を修了することで、訪問介護事業所では、サービス提供責任者として従事することができます。 どなたでも受講できますが、介護職員初任者研修を修了している方は、実務者研修の科目免除(自宅学習の科目数が少なくなります)を受けることができ、受講料も安くなります。 介護福祉士を目指す際に、必須の研修となりますので、介護職員として長く働こうと考えている方は、介護職員初任者研修と一緒に介護福祉士実務者研修も受講しておくと良いでしょう。 三幸福祉カレッジでは、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修がセットになっているお得なコースもあります。介護福祉士実務者研修の受講計画も一緒に立てておくことで、確実なキャリアアップが可能になります。 介護福祉士実務者研修について詳しく見る お得なセットコースについて詳しく見る 【無料】介護福祉士実務者研修の資料を請求する (3)ケアマネジャー(介護支援専門員) 「ケアマネジャー(介護支援専門員)」とは、その名前のとおり介護のマネジメントをする仕事です。ケアプランを作成し、介護保険サービスの利用をサポートします。 これまでの経験を活かしてキャリアアップすることができ、さらなる給与アップも見込めます。 都道府県が実施する試験に合格し、その後所定の研修を修了することで、「ケアマネジャー(介護支援専門員)」となることができます。 直接介護ではなく、多職種をつなぐマネジメント職としてキャリアを積みたい方は、ケアマネジャーを目指すと良いでしょう。 受験要件は、規定の国家資格(介護福祉士、社会福祉士、看護師など)で5年以上の実務経験がある、もしくは、相談援助業務で5年以上の実務経験があるかのいずれかの条件を満たすことです。 ケアマネジャー受験対策講座について詳しく見る 【無料】ケアマネジャーの資料を請求する 7、まとめ 介護人材のニーズは増加しているので、介護資格の取得がおすすめ。 はじめて介護資格を取得するなら、履歴書にも書ける「介護職員初任者研修」がおすすめ。 介護職員初任者研修では、介護の基本知識とスキルが学べる。 スクール選びでは、自分にあったサポート体制のあるスクールを選ぶことが大切。 介護職員初任者研修からスタートしてキャリアアップが目指せる。最短で3年後には、国家資格の介護福祉士を受験できる。 三幸福祉カレッジでは、全国各地で介護職員初任者研修やその他キャリアアップ講座を開講しています。 気になる講座や近くの教室を探して、新たなキャリアへの一歩を踏み出しましょう。 近くの教室を探す 講座の申込みをする 【無料】三幸福祉カレッジの資料を請求する

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