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2025.05.01- 介護外国人コラム
- 介護コラム
外国人が介護福祉士を目指すには?受験資格を得るルートも徹底紹介!外国人が介護福祉士を目指すには?受験資格を得るルートも徹底紹介! 近年、日本では外国人の介護福祉士が増えていますが、資格取得には一定の条件を満たす必要があります。特に、受験資格を得るためのルートは複数あり、事前にしっかりと把握しておくことが重要です。 そこで今回は、外国人が介護福祉士になるための受験資格の条件や取得ルートを詳しく解説します。さらに、試験の合格率や不合格時の影響、勉強のポイントについてもご紹介します。 外国人採用を検討している法人担当者は、ぜひ参考にしてください。 外国人が日本で介護福祉士として働くためには? 外国人が日本で介護福祉士として働くためには、日本人と同様に介護福祉士国家試験に合格し、資格を取得する必要があります。さらに、日本での就労には適切な在留資格が必要です。 主な取得ルートとして、EPA(経済連携協定)に基づく候補者としての受験、特定技能や技能実習での実務経験を経ての受験、そして介護福祉士養成施設での学習後の受験があります。 これらの条件を満たすことで、外国人も日本で介護福祉士として活躍することが可能です。 日本における外国人介護福祉士受け入れの仕組み 日本では、外国人が介護福祉士として働くための在留資格を取得できるよう、以下の4つの制度を設けています。 (1)特定技能1号 特定技能1号は、深刻化する日本の介護人材不足を背景に、即戦力となる外国人労働者を受け入れるために設立された在留資格です。一定の専門性・技能を持ち、即戦力として働ける外国人を対象としており、介護分野では特に多くの入国者数を記録しています。 特定技能1号の主な目的は、日本の労働市場における人手不足を補うことです。特に介護分野では、高齢化社会の進行に伴い、介護人材の需要が急増しています。この需要に対応するため、即戦力となる外国人労働者を積極的に受け入れることが求められています。 受け入れの主な流れは以下の通りです。 ステップ 詳細 1. 技能評価試験の合格 介護分野での特定技能1号を取得するためには、介護技能評価試験と日本語能力試験(通常はN4以上)の両方に合格する必要があります。 2. 雇用契約の締結 試験に合格した後、日本の介護施設と雇用契約を結びます。 3. 在留資格の申請 雇用契約を基に、在外公館または日本の出入国在留管理庁にて在留資格「特定技能1号」を申請します。 4. 入国および就労開始 在留資格が認められた後、日本に入国し、介護施設での就労を開始します。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」 特定技能1号の在留期間は最長5年間で、家族の帯同は基本的に認められていません。しかし、一定の条件を満たすことで在留資格「介護」への変更が可能となり、長期的な就労や家族との帯同も可能です。 (2)技能実習 技能実習は、日本の技術や知識を開発途上国へ移転し、国際貢献することを目的とした制度です。介護分野では、技能実習生が日本の介護施設で一定期間働きながら、介護技術や日本語能力を身につけることを目的としています。近年、外国人介護人材の需要増加に伴い、多くの国から技能実習生が来日しています。 技能実習制度は、本来「母国の発展に貢献できる人材を育成する」ことを目的としており、日本での就労が主な目的ではありません。しかし、介護分野では実際に即戦力として働くケースが多く、日本の人手不足解消にも貢献しています。技能実習は最長5年間行うことができ、実習期間終了後は原則として帰国する必要があります。ただし、一定の条件を満たせば「特定技能1号」などへの移行も可能です。 受け入れの主な流れは以下の通りです。 表の例 ステップ 詳細 1. 監理団体と実習実施機関の登録 受け入れ機関は、技能実習を適切に実施するため、監理団体(組合など)と契約し、適正な受け入れ体制を整える必要があります。 2. 海外での技能実習生の選定・事前研修 実習生は、日本へ入国する前に母国で日本語や基礎的な介護技術の研修を受けます。 3. 在留資格「技能実習」の申請 実習生は、在留資格「技能実習」を取得し、入国後、日本の介護施設で実習を開始します。 4. 技能実習の段階的な進行 実習は1年目の「技能実習1号」、2〜3年目の「技能実習2号」、4〜5年目の「技能実習3号」と段階的に進みます。それぞれの段階で試験に合格することが求められます。 5. 実習終了後の進路選択 実習終了後、多くの実習生は帰国しますが、特定技能1号などの資格を取得することで引き続き日本で働く道も開かれています。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」 厚生労働省「介護職種の技能実習制度について」 (3)EPA(経済連携協定) EPA(経済連携協定)とは、日本と特定の国との間で締結される協定で、経済の発展や人的交流を促進することを目的としています。介護分野では、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国と協定を結び、これらの国の人材が日本で介護福祉士を目指すことができる制度が整えられています。 EPAの受け入れ制度は、技能実習や特定技能とは異なり、介護福祉士国家資格の取得を前提としています。来日後、一定の期間内に介護福祉士の資格を取得しなければ帰国する必要があります。そのため、受け入れ施設は、単なる労働力としてではなく、資格取得に向けた学習支援や日本語教育を提供することが求められます。 受け入れの主な流れは以下の通りです。 ステップ 詳細 1. 政府間の合意と人材の選定 各国の政府機関が候補者を選び、日本政府と連携して派遣する人材を決定します。候補者は母国で一定の介護関連の教育を受けていることが条件となります。 2. 日本語研修(来日前・来日後) 来日前に6カ月程度、基礎的な日本語研修を受け、来日後も日本語教育が実施されます。特に、介護現場で必要となる専門用語やコミュニケーション能力の向上が重視されます。 3. 介護施設での就労・研修 来日後、指定の介護施設で就労しながら、国家試験合格を目指して勉強します。施設では、日常業務を通じて介護技術の習得をサポートすることが求められます。 4. 介護福祉士国家試験の受験 原則として、4年以内に介護福祉士国家試験に合格する必要があります。不合格の場合、EPAの在留資格での滞在は継続できず、帰国しなければなりません。 5. 合格後のキャリアパス 国家試験に合格すると、在留資格を「介護」に変更し、日本で引き続き介護福祉士として働くことが可能になります。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」 厚生労働省「インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」 経済産業省「EPAとは?」 EPA制度は、介護福祉士の育成を目的とした制度であり、日本の介護現場で活躍する外国人材の重要な受け入れルートとなっています。 (4)在留資格「介護」 在留資格「介護」は、介護福祉士の国家資格を取得した外国人が日本で介護の仕事を継続して行うために必要な在留資格です。この資格は、特定技能や技能実習、EPAなどの制度で来日し、介護福祉士の資格を取得した後に与えられます。これにより、外国人介護福祉士は日本で長期的に働き続けることが可能になります。 「介護」在留資格は、資格取得後に日本での就労を支援することを目的としています。介護福祉士の資格を持つ外国人は、一定の条件を満たすことで「介護」の在留資格を得て、日本の介護現場で引き続き勤務できます。これにより、介護業界の人手不足を補うだけでなく、外国人が安定した職業生活を送ることができるよう支援しています。 受け入れの主な流れは以下の通りです。 表の例 ステップ 詳細 1. 介護福祉士の国家試験合格 外国人が「介護」の在留資格を得るためには、まず日本の介護福祉士国家試験に合格する必要があります。試験は日本語で実施され、一定の日本語能力と介護技術が求められます。 2. 資格取得後の在留資格申請 国家試験に合格した後、外国人は「介護」の在留資格を申請します。これにより、介護施設での勤務が合法的に行えます。 3. 就業開始 在留資格「介護」を取得した後、外国人介護福祉士は、指定された介護施設で働くことが可能です。また、雇用主は外国人が安定して働けるよう、就労契約や生活面での支援を行うことが求められます。 4. 長期的な就労とキャリア形成 「介護」の在留資格を持つ外国人は、介護福祉士として日本で長期間働き続けることができます。また、日本国内でのキャリアアップが可能となり、将来的にはさらに高度な職種への昇進も期待されます。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」 厚生労働省「介護福祉士資格を取得した外国人の方に対する在留資格「介護」の付与について」 在留資格「介護」は、介護分野における外国人材のキャリア形成を支援し、介護業界の安定的な労働力供給を確保する重要な役割を果たしています。 外国人が介護福祉士国家試験の受験資格を得るための主な2つのルート 日本における外国人介護人材受け入れは4つの制度に分かれていますが、介護福祉士国家試験の受験資格を得るためのルートは主に2つです。それぞれのルートの詳細について解説します。 実務経験ルート 外国人が介護福祉士国家試験の受験資格をるための実務経験ルートは、特定技能1号、技能実習が該当します。日本人介護士と同様、3年以上の実務経験と実務者研修の修了が受験には必要です。 実務経験ルートでは実技試験が免除されるため、受験は筆記試験のみです。試験時間は通常の日本人と同じですが、漢字にふりがなをふった試験用紙が用意されています。 EPAルート EPA介護福祉士候補者として入国後、介護施設で3年間の実務経験を経て受験するルートです。 EPAは2国間の経済連携強化を趣旨とする「経済連携協定」に基づく資格であり、インドネシア、フィリピン、ベトナム3カ国の介護福祉士候補者の受け入れが可能です。 在留資格「EPA」を取得するためには看護大学などを卒業する、または母国の介護師資格認定者であることがひとつの要件となっています。また日本語能力は国ごとに異なり、インドネシアは令和3年度までN5程度以上ですが、令和4年度からはN4程度以上が必要です。フィリピンはN5以上、べトナムはN3以上が要件となっています。 EPAルートは養成施設と実務経験ルートとは異なり、実技試験もあります。しかし筆記試験の時間は、通常の1.5倍に設定されています。 日本における外国人介護人材の受け入れ実績 日本における外国人介護人材の受け入れ実績は年々増加しています。働くルートは「特定技能」「技能実習」「在留資格「介護」」「EPA介護福祉士候補者」の制度があり、特に特定技能ルートでの受け入れが年々増加しています。 在留資格 受入実績 特定技能 在留者数:28,400人 ※2024年12月末時点(速報値 /入管庁) 技能実習 在留者数:15,011人 ※2024年12月末時点(入管庁) EPA介護福祉士候補者 在留者数:3,186人(うち資格取得者587人) ※2024年3月1日時点(国際厚生事業団調べ) 在留資格「介護」 在留者数:9,328人 ※2023年12月末時点(入管庁) 特定技能における介護分野の外国人労働者は2024年時点で約28,000人に達しており、技能実習では約15,000人が介護職に従事しています。また、EPAによる介護福祉士候補者は3,000人を超えています。 出典 特定技能:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」 技能実習:出入国在留管理庁「令和6年6月末現在における在留外国人数について」 EPA:厚生労働省「介護分野における外国人の受入実績等」 在留資格「介護」:厚生労働省「外国人介護人材の受入れに関する制度の現況について」 さらに、在留資格「介護」を取得し、日本で介護福祉士として働く外国人の数は着実に増えており、日本の高齢化社会における介護職員不足の解消に貢献しています。 在留資格 2019年末 2020年末 2021年末 2022年末 2023年末 2024年6月末 介護 592人 1,714人 3,794人 6,284人 9,328人 10,468人 出典:法務省「【第3表】在留資格別 在留外国人数の推移」 法務省の統計によれば、在留資格「介護」の取得者数は年々増加し、外国人介護福祉士の活躍の場が広がっています。特に、特定技能とEPAは日本での就業経験を通じて資格取得を目指すルートとして重要な役割を果たしており、その後の定着率も高まっています。このような受け入れシステムにより、外国人労働者は日本社会において重要な役割を担い、共生社会の実現に向けて貢献しています。 外国人の介護福祉士国家試験の合格率 外国人の介護福祉士国家試験の合格率は、EPA候補者の合格者数は498名、合格率は37.9%、特定技能1号は1,643名、33.3%、技能実習は50名、32.3%でした。 一方、全体の受験者における合格率は78.3%であり、外国人介護士のの合格率は全体平均を下回っています。 全体 EPA 特定技能1号 技能実習 受験者数 75,387人 1,314人 4,932人 155人 合格者数 58,992人 498人 1,643人 50人 合格率 78.3% 37.9% 33.3% 32.3% 参考:厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験合格発表」 参考:厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験におけるEPA介護福祉士候補者の試験結果」 外国人が介護福祉士国家試験に落ちた場合はどうなる? 外国人が介護福祉士国家試験に不合格となった場合、今後の在留資格や就労の継続に影響を及ぼす可能性があります。ただし、状況によって取れる選択肢は異なります。ここでは、「特定技能1号」「技能実習」「EPA(経済連携協定)」「在留資格「介護」」の4つのケースに分けて解説します。 • 特定技能1号の場合 特定技能1号で働いている場合、介護福祉士の資格がなくても最大5年間の就労が可能です。ただし、5年の期限内に合格しないと在留資格の更新ができません。介護福祉士国家試験に受験できるチャンスは2回しかないため、2回で合格できなければ帰国しなければなりません。 • 技能実習の場合 技能実習生は、原則として介護福祉士国家試験の合格を目指す仕組みではなく、3年間の技能実習を終えた後、特定技能1号へ移行し、国家試験の再受験を目指す道もあります。 試験に不合格となった場合でも、再受験のチャンスはあります。介護業界でのキャリアを継続するためには、早めに対策を講じ、勉強を続けることが重要です。 【2024年7月】介護福祉士国家試験制度の大幅見直しが決定 合格率を見ても、外国人が国家試験に合格することは難しく、外国人の受け入れがなかなか進まない状況でした。しかし、2024年7月、厚生労働省は外国人介護福祉士の受験環境を改善するため、介護福祉士国家試験制度の大幅な見直しを決定しました。 新たな制度では、試験を3つの分野に分割し、不合格となった分野のみ再受験できる仕組みが導入されます。これにより、受験者は合格した科目の勉強を繰り返す負担が軽減され、効率的に資格取得を目指せます。 試験は年1回実施され、「認知症の理解」「コミュニケーション技術」など13科目がマークシート方式で出題されます。合格基準は全125問のうち約6割の正解とされています。 外国人が介護福祉士国家試験に合格するためのポイント 外国人が介護福祉士国家試験に合格するには、日本語の語彙力や読解力を高めることが重要です。試験では専門用語も多く出題されるため、日常業務で積極的に日本語を使い、介護に関する単語や表現を覚えることが求められます。 また、過去問を繰り返し解くことで、問題の傾向を理解し、回答スピードを向上させることができます。しかし、独学では難易度が高いため、試験対策スクールに通い、専門的な指導を受けるのも有効な方法です。 まとめ 外国人が介護福祉士を目指すには、特定技能や技能実習、EPA、在留資格「介護」など、さまざまなルートがあります。それぞれの制度に応じた条件を満たし、受験資格を取得することが第一歩です。 また、試験の合格には日本語力と専門知識の習得が不可欠であり、独学では難しい場合もあります。スクールや対策講座を活用し、効率的に学習を進めることが重要です。適切な準備を行い、介護福祉士の資格取得を目指しましょう!
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2024.09.17- 介護外国人コラム
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外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説 介護業界では、外国人介護士が増えており今後も増加することが予想されます。 しかし、受け入れ時に利用する制度によって入国時の日本語能力にはばらつきがあります。 そこで今回は、外国人介護士が求められる日本語レベルについて、日本語を話せないことの懸念点や教育時のポイントをご紹介します。 すでに外国人介護士受け入れていて教育にお悩みの方や、今後受け入れを検討している方に参考にしていただければ幸いです。 1.介護業界で外国人が増えている理由 介護業界で外国人が増えている大きな要因は主に2つあり、介護業界における慢性的な人手不足と、日本における外国人労働者の増加が挙げられます。 介護業界の人手不足 日本では、団塊の世代の約800万人が、2年後の2025年には75歳の後期高齢者になることが大きな問題となっており、国民の4人に1人が後期高齢者に突入します。さらに、第二次ベビーブームに生まれた「団塊ジュニア世代」が65~70歳を迎える2040年には、必要な介護職員の数は280万人になると指摘されており、さらに増加する見込みです。 一方で、厚生労働省が発表している第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数についてを見てみると、2023年度の約233万人に対して2025年度は約243万人と、わずか2年でさらに約10万人の介護職員が必要であるという推計が出ています。 現在においてもすでに人手が不足しているにも関わらず、今後はより介護業界の人材確保は急務です。 参考:総務省「統計からみた我が国の高齢者」 参考:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」 外国人労働者の増加 日本では高齢化が進むと同時に、少子化も深刻な問題です。 少子化になるということは、労働人口が著しく減少することを意味しています。 そこで、日本国内で不足している労働力を、外国人を雇用することで確保しようとする動きが進んでいます。 厚生労働省が発表した2022年10月末現在の外国人雇用についての届出状況によると、外国人労働者は約182万人に達しており、届出が義務化された2007年以降過去最高を更新しています。 介護業界で見ても、国が介護人材を確保する方策として外国人人材の受け入れを推進しており、こうした国の後押しもあり外国人介護士が増加していると言えます。 参考:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)」 2.外国人介護士として必要な日本語レベル 日本において外国人介護士として働く上で大きなハードルとなっているのが日本語のレベルです。 外国人介護士として必要な日本語レベルは、人材の受け入れ体制により異なります。 日本語能力試験JLPTのN1〜N5の目安 出典:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック」 人材の受け入れ体制については後述しますが、 簡単な読み書き、日本語で日常会話ができることはもちろんのこと、介護現場においては介護の専門用語が話せることはより重要です。介護現場は専門用語が多く飛び交う環境のため、外国人介護士とのコミュニケーションには工夫が必要です。 外国人介護人材の4つの受け入れ制度の違い 上述したように、日本における外国人介護人材の受け入れ体制は、技能実習や在留資格、EPAや特定技能の合わせて4つです。 関連記事:外国人介護人材の受け入れ制度について~受け入れ前に知っておくべき制度の基本~ ①技能実習 技能実習は、日本から諸外国への技能移転を目的とした制度で、外国人を日本の産業現場に一定期間受け入れ、OJT(現任訓練)を通じて技能や技術を学んでもらい、母国の経済の発展に役立ててもらうためのものです。 ②在留資格「介護」 在留資格「介護」は、専門的・技術的分野への外国人労働者の受け入れを目的とした制度で、日本の介護福祉士養成校に通う外国人留学生は、卒業して介護福祉士を取得すると、「介護」という在留資格を取得できます。 ③EPA(経済連携協定) EPA(経済連携協定)は、二国間の経済連携の強化を目的とした制度で、インドネシアやフィリピン、ベトナムの3カ国から外国人を受け入れています。 ④特定技能 特定技能は、人材不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国人の受け入れを目的とした制度で、対象となる外国人は、技能水準・日本語能力水準を試験等で確認された上で入国し、介護事業所で最大5年間受け入れることができます。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」 参考:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック」 3.外国人介護士とのコミュニケーションの懸念点 日本に住む外国人が増えているとはいえ、介護現場で接するご利用者は日本人が圧倒的に多く、日本語でのコミュニケーションは、ご利用者との意思疎通にも大きく関わってきます。 また、より良い介護サービスを提供する上で、一緒に働く介護士との情報共有は必須です。 大事な情報伝達ができない 外国人介護士が日本語を話せないことで、伝えるべき大事な情報伝達ができません。 サービス内容や施設のルールが変更になった場合など、どうしてもご利用者や家族に情報を伝える必要がある場面が出てきます。 しかし、日本語が話せないと、伝えるべき情報に漏れが生じてしまい、結果的にご利用者や家族との信頼関係を失うことにつながります。 介護記録が書けない 外国人介護士が日本語を話せないことで、ご利用者の様子や情報をチームの中で共有する介護記録への記入が行えません。 ご利用者の体調や心身の状況に応じてより良いサービスを提供するには、介護記録の記入が必要不可欠です。 サービスや安全面に関わる 外国人介護士が日本語を話せないことで、ご利用者へ提供するサービスの低下や安全が確保されない恐れがあります。 高齢になると耳が聞こえにくくなるため、ご利用者の表情を見ながらゆっくりと話しかけることが重要です。 しかし、日本語が話せないと、ご利用者に対して言葉で意思を伝えることができません。 また、声をかけずにいきなり介助を行おうとすると、ご利用者がびっくりして転倒したり、状態によっては病状が悪化したりすることにもつながります。 4.外国人が介護現場で働くために必要な日本語能力とサポートのポイント 上述したように受け入れた制度によって、外国人介護士の入国時の日本語能力には差があります。 事業所で外国人介護士の教育担当者は、制度によって受け入れ後のサポートの量も変わってくるので、関わる際のポイントをご紹介します。 日本語の読み書き 介護現場では、報告書や介護記録などの各種書類を記入したり、ご利用者の情報を各スタッフで共有したりします。日本語は「漢字」「ひらがな」「カタカナ」が入り混じった文章のため、外国人にとっては覚える言語が多く難しいと感じられる言語です。 入国時の日本語能力によっては、介護記録に書いてあることが理解できないという場合もあるので、読めるようになるまではサポートが必要です。 介護用語 介護現場では、認知症や誤嚥性肺炎といった病気の名前をはじめ、拘縮や褥瘡といった症状を表す言葉、掃除や洗濯といった生活援助の内容、起床介助やトイレ誘導といった身体介護の内容など、場面によりさまざまな介護用語を使用します。 日常会話だけではなく、専門用語の意味を理解させ、言葉でコミュニケーションが取れるようにサポートする必要があります。 実際の介助をする中で言葉も覚えてもらうように意識的にコミュニケーションを取りましょう。 日本語での日常会話 介護現場では、ご利用者や家族、スタッフ同士とコミュニケーションを図るケースが多いため、日本語で日常会話ができる程度のレベルも求められます。 例えば、ご利用者とのやり取りでいえば「今日は良い天気ですね」や「今日のおかずは焼き魚です」、スタッフ同士でのやり取りでいえば「お薬を飲んでいただきました」「お手洗いに行ってきます」といったちょっとした日常会話でもできるようになると関係性がよくなります。 このあたりは、文化の違いで知らない、必要性を感じていないという外国人も多いので、日本語を話すことができるというだけではなく、コミュニケーションを取ることができる。という視点で指導するといいでしょう。 5.外国人介護士におすすめの日本語学習法とは では、外国人介護士が日本語を習得するには、どのような学習方法が効果的なのでしょうか。 外国人介護士が日本語を学ぶ上で注意したいことは、母国語と異なる言葉を覚えることは想像以上に難しい点です。 特に、普段から身近に触れることのないものを学ぼうとすると、モチベーションを維持することが最も壁となって立ちはだかります。 以下でおすすめの学習方法を紹介しますが、実際に取り入れられるものがあれば実践してみてください。 介護現場用の日本語教材を活用する 日本語を学習する上で、モチベーションの維持と並んで難しい点は、日本語の発音です。 発音も含めて一から丁寧に日本語を学びたい場合には、専門性の高い介護現場用の日本語教材を活用しましょう。 日本語を学びつつ、介護用語もいち早く習得できます。 自治体主催のレッスンの活用 日本語の教材といっても数えきれないほどの種類があります。 どのような日本語の教材が合っているのかわからない場合は、レッスンを活用すると良いでしょう 自治体によっては、外国人介護士向けに日本語教室を開催しているケースがあります。 例えば、千葉県千葉市では、日本で頑張る外国人同士で楽しく学ぶ「外国人介護職員のための日本語教室」を実施しています。 また、東京都墨田区では、墨田区やその近隣を含む介護業界で働く外国人のために「介護の日本語」に特化した日本語教室を開設しています。 参考:千葉市「外国人介護職員のための日本語教室」 参考:すみだ日本語教育支援の会「すみだ介護の日本語教室」 eラーニングの活用 eラーニングを活用して日本語を学ぶメリットは、場所や時間を問わず、自分の都合の良いタイミングで学習ができることです。 自治体によっては、外国人技能実習生等就労定着支援事業としてeラーニングを活用した日本語研修を実施している場合があります。 例えば、兵庫県では、介護職種の技能実習生や介護分野における1号特定技能外国人を対象に、 eラーニングを活用した介護の日本語研修を実施しています。 参考:兵庫県「外国人介護人材に関するセミナー・研修」 現場の日本人から学ぶ 日本語の教材やレッスンから日本語を習得したとしても、やはり実際の現場で使いこなすことが重要です。 その点で最も効率的なのが、現場の日本人から日本語を学ぶことです。 すでに介護士として働いている外国人の方は、日本人の介護士との雑談や休みの日の外出、ご利用者と話すことが日本語の練習に役立ったという声があります。 日々の業務の中で、教育担当者以外も積極的に外国人介護士とコミュニケーションを取ることで、関係性の構築だけではなく日本語能力向上にもつながるので、周りの職員へも積極的に話しかけてもらうよう促すことが必要です。 絵本やアニメなどから学ぶ 日本語を学びたいけれど勉強が苦手という人には、絵本やアニメなどから学ぶ方法があります。 勉強が苦手な人に絵本やアニメなどから学ぶ方法がおすすめな点は、自分の好きな絵本やアニメから学べるため、モチベーションが維持しやすいことです。 また、自分の好きな時間に遊び感覚で学べることも、日本語を速く習得できる近道となります。日本の文化に触れてもらうという一環で、おすすめを紹介してあげるといいでしょう。 6.まとめ 今回は、外国人介護士が求められる日本語レベルや教育時のポイントなどを解説しました。 今後は、より一層高齢化が進むことで、日本における介護業界の人手不足が加速するため、外国人介護士の需要はさらに高まります。 外国人介護士として活躍するには、簡単な読み書きや日常会話ができ、介護用語が話せるレベルが必須ですですが、受け入れ側でのサポートが重要になります。 一人だけでサポートするには限界があるので、周囲の職員へ協力を仰いだり、教材を活用するなど、サポート体制を作っていきましょう。 また、ゆくゆくは介護福祉士の資格を取ってほしいと考えている方も多いはず。外国人介護士に実務者研修を受講してもらう場合もあると思います。その際は、学校などのサポート体制も確認し、学校選びをするようにしましょう。
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2023.07.27- 介護外国人コラム
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外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説 外国人介護士が増え、日頃のコミュニケーションに難しさを感じている現場の担当者も多いのではないでしょうか?文化や言語が違うため、日本人とは関わり方を変えなければ、お互いの誤解が生まれてしまうこともあります。 そこで今回は、外国人介護士とのコミュニケーションに焦点を当て、日頃の業務をより円滑にするために指導時のポイントをわかりやすく解説します。 1.外国人介護士とのコミュニケーションで理解しておくべき4つのこと 外国人介護士とのコミュニケーションでまず理解しておくべきは、日本人が日頃から使用している日本語は私たちが想像している以上に難しい言語であるということです。 その1.外国人にとって日本語は難しい 外国人介護士にとって、日本語は学びやすい言語ではありません。特に介護現場でもよく使用する漢字は音読みと訓読みがあり複雑です。また、日本語と英語を比較すると文法にも大きな違いがあります。 その2.文字の種類が多い 日本語には漢字、ひらがな、カタカナなどさまざまな文字が存在します。ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字、漢字においては2,146文字もあり、世界のあらゆる言語を見ても文字の種類が複数存在する言語は珍しいのです。 そして日本語を学習する多くの外国人は、まずひらがなを覚えた後にカタカナを、最後に漢字という順番で学んでいきます。しかしひらがなを学習して「読めた」と思っていても、次にカタカナや漢字をどうやって覚えればいいのだろうかと諦めの気持ちを抱いてしまうのです。 その3.敬語が難しい 敬語は日本語特有の文化であり、外国人にとっては理解しづらい部分です。敬語には丁寧語や尊敬語、謙譲語などがあり、この違いを正しく理解して日常生活の中で使い分けていくことは至難の業です。 また、敬語を習得したとしても、介護の現場でどのように敬語を活用したらいいのかわからないというケースも多々あります。 その4.方言がある 日本には地域や文化ごとに方言が存在します。外国人介護士にとっては、方言はさらなる言語の障壁です。あいさつをひとつとっても日本の中でさまざまな方言があり、日本人でも自分の出身地以外の方言を理解するのは難しさを感じるのですから、外国人にとってはさらに困惑してしまうでしょう。 参考:三幸福祉カレッジ「外国人介護士が日本語の勉強が難しいと感じる理由は?」 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_muzukashii_colum/ 2.外国人介護士とより良いコミュニケーションを取るための4つのポイント 外国人介護士とより良いコミュニケーションを取るためには、シンプルな表現でジェスチャーを交えることが重要です。ちょっとした意識でできるので、やってみてください。 ポイント①伝え方は簡潔にする 言葉遣いや表現はシンプルにしましょう。明確な指示や情報を伝えることで、外国人介護士が理解しやすくなります。状況に応じて必要な情報を絞り、本当に伝えたい情報だけを伝えるように心がけましょう。 ポイント②ジェスチャーをまじえて伝える 言葉だけでなく、身ぶりや手ぶり、表情などのジェスチャーを活用してコミュニケーションを補完しましょう。また、伝えるときの表情も重要です。伝わらないからと言って声を荒げたり、無表情だと相手が委縮してしまうかもしれません。できるだけ笑顔で優しい口調で伝えてあげましょう。 ポイント③マニュアルにふりがなを振る 重要なマニュアルや手順書などには、漢字の横にふりがなを併記することで、外国人介護士がよりスムーズに文書を理解できます。また、翻訳ツールや専門の通訳サービスを活用することもおすすめです。 ポイント④苦手分野を把握する 外国人介護士が日本語や文化に苦手意識を持っている分野を把握しましょう。具体的には、ベトナム人であれば日本語の発音が苦手であるとか、インドネシア人は漢字が苦手であるなどのように、その国々の方にとっての苦手分野を知っておくことは、より良いコミュニケーションを構築していく上での第一歩です。そしてその分野については、より丁寧に説明しサポートを行うことで、外国人介護士の自信を高めることにつながります。 3.外国人介護士を指導する際の3つのポイント 外国人介護士を指導する際は、日本人介護士がお手本であるという自覚を持ち、外国人介護士が理解しているか常に確認しながら関わりましょう。また、介護現場用の日本語教材を上手に活用することで、より実践的な日本語が身につきやすくなります。 ポイント①日本人介護士はお手本である自覚を持つ すでに介護士として働いている外国人の方は、日本人の介護士との何気のない会話が日本語の練習に役立ったという声があります。日々の業務の中で、教育担当者以外も積極的に外国人介護士とコミュニケーションを取ることで、関係性の構築だけではなく日本語能力向上にもつながります。 日本人介護士は外国人介護士のお手本であると自覚を持ち、言葉遣いやコミュニケーションスタイル、仕事への取り組み方など、良いモデルとなるよう努めましょう。自身の行動や態度が、外国人介護士にとっての良き指導者となることを忘れずに。 ポイント②理解しているか確認しながら指導する 言葉の壁や文化の違いがあるため、指導内容が十分に理解されているかを確認することが重要です。途中で質問を促したり、フィードバックを求めたりすることで、相手の理解度を把握します。必要に応じて言葉や表現を工夫し、より明確に伝える努力をしましょう。 ポイント③介護現場用の日本語教材を活用する 外国人介護士にとって、介護現場で必要な日本語のスキルを向上させるために、専門の日本語教材を活用しましょう。教材や学習プログラムを提供することで、外国人介護士がより確実に日本語を習得し、業務において自信を持つことができます。 また、自治体主催のレッスン、場所や時間を問わず自分の都合の良いタイミングで学習ができるeラーニング、学習が苦手な方には自分の好きな絵本やアニメから学ぶなどの方法を取り入れることもおすすめです。 参考:三幸福祉カレッジ:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 4.まとめ 外国人介護士とのコミュニケーションに焦点を当て、日頃の業務をより円滑にするために指導時のポイントをわかりやすく解説しました。 外国人介護士とのコミュニケーションでは、日本語の難しさや文字の違い、敬語や方言の問題に注意しながら、簡潔で明確な伝え方やジェスチャーの活用を心がけることが大切です。また、外国人介護士を指導する際には、日本人介護士がお手本となり、理解度を確認しながら指導し、介護現場用の日本語教材も活用しましょう。 外国人介護士との円滑なコミュニケーションにより、チームの連携やケアの質を向上させることができます。異なる文化や言語背景を持つ人々と協力する中で、相互理解と尊重の姿勢を持ち、効果的なコミュニケーションを築いていきましょう。
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2023.06.30- 介護外国人コラム
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日本人と外国人の思考の違いはなぜ起こる?受け入れ制度も紹介介護業界においても、外国人人材の活用が積極的に行われるようになりましたが、日本人と外国人の思考の違いによるコミュニケーションエラーなども発生しているようです。 この記事では、日本人と外国人の仕事に対する思考の違いについて解説し、一緒に働く際に工夫することについて考えます。 また、外国人人材の受け入れ制度は、複数ありますが、ここでは、EPA(経済連携協定)にフォーカスし、外国人の受け入れ制度についても紹介します。 1.EPAによるフィリピン・ベトナム・インドネシアからの受け入れ制度 EPAとは、特定の国や地域同士での貿易や投資を促進するための条約のことです。 介護分野では、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国との各協定に基づき、国家資格である介護福祉士を取得することを目的とした候補者の受け入れを実施しています。 外国人候補者は、送り出し国にて、6カ月間の訪日前日本語研修を受け、日本に入国後、さらに6カ月間の日本語研修を受けます。(ベトナムは、訪日前日本語研修12ヶ月間、訪日後日本語研修2.5か月間) その後、受入れ施設で就労しながら国家試験の合格を目指した研修に従事します。 4年目の介護福祉士国家試験で不合格だった場合は、一定の条件のもと、1年間の滞在延長ができます。 国家資格取得後は、希望者は在留資格「介護」に移行し、引き続き日本で働き続けることができます。 画像引用: EPA(経済連携協定)日本語予備教育事業 ─ 事業概要 ─ 日本の国家資格を取得してほしいという3国の期待が高く、受け入れ側の日本でも受け入れ施設による候補者の支援の強化や、国家試験の申請方法の見直し、再チャレンジ支援、介護職員の配置基準の見直しなどを行っています。 介護分野での受け入れの最大人数の上限は、1年につき各国300名となっており、令和3年度の実際のEPAでの入国者数は、インドネシア263名、フィリピン226名、ベトナム166名でした。 参考資料: 厚生労働省|インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて 関連記事▼(その他の受け入れ制度についてはこちらをご覧ください) 外国人介護人材の受け入れ制度について~受け入れ前に知っておくべき制度の基本~ 2.日本人と外国人の思考の違いが起こる理由 外国人へ指導を行う際、日本人への指導と同じようにしても、うまくいかない・・・という場面がありませんか。 日本人は世界的に見ても真面目で働きすぎだと言われています。日本人特有の仕事観は、外国人には理解しづらいでしょう。 外国人と一緒に働くにあたり、日本人と外国人の仕事への考え方の違いについて、知っておくとよいでしょう。もちろん個人差はありますが、一般的な仕事への考え方の違いについて紹介します。 理由1.外国人はプライベートを大事にする 外国人は、効率的な働き方やプライベートな活動に重きを置く傾向があると言われています。 日本でも、ワークライフバランスが重要視されるようになり、働き方の改革が進められていますが、仕事最優先という考え方があるのが現状です。職場によっては、残業することや、有給休暇を取らないことが、献身的な働き方だという考える人もいるでしょう。 このように、仕事最優先と考える日本人に対して、外国人は、仕事よりも家族やプライベートの優先順位が高いです。 EPA受け入れ対象のベトナム・フィリピン・インドネシア等のアジア各国も家族を最優先に考える傾向があります。 理由2.外国人は専門性を重視する 日本では、終身雇用の働き方が長く続いてきた背景から、ひとつの会社に長く貢献することが良いとされる考え方が残っています。 一方、海外では、専門性を重視し、即戦力となる人材が求められます。よい条件があれば転職するという考え方が一般的だと言われています。 理由3.外国人は意見をはっきりと伝える 日本では、秩序や関係性を重要視するため、相手にとって都合の悪いことを言う場合には、直接的な表現を避け、遠まわしな表現をすることがあります。 一方、外国人は意見をはっきりと伝えます。個人の意見を主張することもあります。日本人がよく使う暗黙の了解や遠回しの表現から察するということも、外国人にとっては理解しづらいでしょう。 3.外国人を受け入れるメリット 外国人を受け入れるメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。 受け入れ制度によっても目的が異なりますが、ここでは、全体的なメリットを紹介します。 メリット1.グローバルな視点がプラスされる 外国人と一緒に働くことにより、多様な考え方や視点に触れることができます。また、相互理解を意識することにより、職場全体のコミュニケーションが円滑になることも期待できます。 また、日本における在留外国人の数は、296万1,969人万人で、増加傾向にあります(令和4年6月時点)。今後、ご利用者にもさまざまなルーツを持った方が増えてくるでしょう。グローバルな視点は、職員間のコミュニケーションだけでなく、利用者サービスにも活かされるはずです。 メリット2.人材不足が解消される 人材不足の解消のために、積極的に外国人人材を受け入れていこうという動きもあります。 介護福祉士の資格取得後は、在留資格「介護」(いわゆる介護ビザ)に移行し、永続的に日本で働き続けることもできます。家族の帯同も可能で、在留期間も制限なしで更新可能です。 また、日本で働きたいと考える外国人は、若い人材が多く、貴重な若い人材の確保も期待できるでしょう。 4.外国人労働者と働くための工夫 外国人労働者と働くためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。先ほど説明した、仕事への違いを知った上で、工夫すべき点を紹介します。 工夫①文化や信仰等を理解して働きやすい環境を整える 文化や信仰、歴史的背景等は国によって異なるため、さまざまな配慮が必要です。 たとえば、日本人にとってはあまりなじみのない信仰ですが、フィリピン人の約90%がキリスト教で、日曜日には教会で礼拝し、毎日決められた時間にお祈りする習慣があります。ベトナム人の約80%は仏教徒です。また、インドネシア人の多くがイスラム教徒で、1日数回の礼拝があります。外国人にとっては、仕事よりも大事と考えられていることもありますので、礼拝の時間を認める等の配慮が必要となります。 外国人介護人材と一緒に働くためには、その人の文化や信仰、歴史的背景等を理解して、働きやすい環境を整えることが大切です。 工夫②業務内容をわかりやすくまとめる 具体的な業務内容を洗い出し、外国人でも理解できるようにわかりやすくまとめましょう。イラストや写真を活用するのも有効です。 また、介護はチームで働くため、情報共有の方法も含めて、仕事の進め方を具体的に伝えるようにしましょう。 工夫③介護用語を教える 介護職として働くためには、介護場面で使用する日本語も覚える必要があります。 外国人が介護用語を学習するための教材も用意されているので、うまく活用しながら、介護場面での語彙や声掛け表現などを教えましょう。その際には、写真やイラストを使うと有効です。 外国人を指導する際に、指摘が必要な場面も出てくるかと思いますが、国民性の違いにより、大勢の前で指摘されたり、怒られたりするのを嫌う人もいます。 人前で指摘するのではなく、1対1で落ち着いて説明するようにしましょう。 関連記事▼ 【介護の日本語】外国人への教え方のコツをわかりやすく解説 まとめ 日本人と外国人の思考の違いについて説明しました。 国民性の違いもありますが、性格や考え方は、一人ひとり違うため、個別に相互理解を深め、コミュニケーションをとることが重要です。 今後、ますます外国人人材が増えていくでしょう。外国人の受け入れを機会に、職場のコミュニケーションや体制を見直し、誰にとっても働きやすい職場を目指してみてはいかがでしょうか。
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2023.05.30- 介護外国人コラム
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外国人介護士が「日本語の勉強が難しい」と感じる理由は?外国人介護士が「日本語の勉強が難しい」と感じる理由 現在の日本は高齢化社会が進んでいるため、介護業界における外国人介護士が増えています。 しかし、日本で働く外国人介護士の定着が課題となっており、その理由のひとつに日本語でのコミュニケーションが挙げられます。 そこで本記事では、外国人介護士が日本語を勉強する際に難しいと感じてしまう理由を、解説します。 1. 外国人が「日本語学習は難しい」と感じる5つの理由 外国人が日本語を学習する際、どんなことが難しいと思うのでしょうか。 実は、私たちが日常生活の中で何も考えずに使用している日本語は、外国人介護士にとってはとても難しい言語なのです。 理由①文字の種類が多い 日本語には、ひらがなをはじめカタカナや漢字など、学習しなければならない文字が3つあります。 世界のあらゆる言語を見ても、文字の種類が複数存在する言語は珍しいのです。 ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字、漢字にいたっては2,136文字もあります。 日本語を学習する多くの外国人は、まずひらがなを覚えた後にカタカナを覚え、最後に漢字という順番で勉強していきます。 ひらがなを学習して「読めた」と思っていても、次々新しい文字が出てくることで「こんなに膨大な量のカタカナや漢字をどうやって覚えればいいのだろうか」と諦めの気持ちが生まれてしまうのです。 参考:参考:文化庁「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf 理由②漢字は音読み訓読みがあり複雑 日本語の中でも漢字は外国人にとって大きな壁です。 音読みと訓読みがあり、特に音読みは一つの漢字単独では使用しない場合が多く、ほとんどの場合で二つ以上の漢字を使用した熟語として他の漢字と一緒に学習する必要があります。 参考:参考:文化庁「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf 理由③文法が英語と全く違う フィリピンやベトナムは英語が公用語や第二言語として使用されるため、英語が話せる外国人介護士は多いです。しかし、英語と日本語は文法が大きく違います。 英語が「主語+動詞+目的語」の語順に対し、日本語は「主語+目的語+動詞」の語順で文章が構成されています。英語は結論から先に述べますが、日本語は説明から先に述べるという点において、外国人が日本語を学習する際に戸惑ってしまう要因です。 参考:文化庁「日本語の言語意識」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/20/tosin05/02.html 理由④敬語が難しい 敬語には、丁寧語や尊敬語、謙譲語などがありとても複雑です。 この違いを正しく理解して日常生活の中で使い分けることは、外国人にとっては大変苦労します。 出典:文化庁お「敬語おもしろ相談室」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html また、日本語の教材で敬語を学習してマスターしたとしても、介護の現場でどのように使用したら良いのか、どのような言葉を使用すると相手に対して失礼にあたらないのかなど、実践として敬語を活用するにはハードルがとても高いのです。 理由⑤方言がある 日本語には方言があり、地域や文化によってさまざまな特徴があることも外国人を困惑させています。 さらに、上述した敬語と方言が重なり合うとより複雑です。 出典:NHK「にほんごであそぼ」https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005150304_00000 あいさつひとつとっても日本の中でさまざまな方言があり、日本人でも自分の出身地以外の方言を理解するのは難しいのですから、外国人にとってはさらに難しさを感じるでしょう。 2.外国人介護士に必要な日本語レベル 外国人介護士として必要な日本語レベルは、日本語で日常会話ができたり簡単な読み書きができたりする程度ですが、介護の専門用語が読み書きできることが重要です。 外国人が必要な日本語レベルの指標として、日本語能力試験が参考とされます。 出典:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けハンドブック」 https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000497111.pdf 外国人介護士は、基本的な日本語を理解することができる「N4」の日本語レベルが必要になってきます。 関連記事:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 3.外国人介護士が現場で直面する日本語でのコミュニケーション ある程度日本語を勉強しても、勉強したことを実際の業務に活かすことは難しい場合も多くあります。特に今からご紹介する3つは外国人介護士と働くうえで、ミスコミュニケーションが発生しやすいため注意しましょう。 a.介護記録の読み書き 人によって、文章を理解することはできるが、書くことが苦手だったり、そもそも漢字が読めなかったりします。 日頃の業務で介護記録は読み書き両方で不可欠なので、記入する際はひらがなを多用したり、読み方を教えてあげたりすることで、日本語の読み書きのレベルは向上します。外国人介護士が一人で介護記録を理解することができるよう、日本人職員もちょっとした配慮を心がけましょう。 b.職員間の報連相 外国人介護士であっても「報連相」は重要です。職場内で伝達するべき情報が伝わっていなかったりすると、結果的にご利用者や家族に迷惑が掛かります。 日本人職員は、外国人介護士と関わる際、できるだけわかりやすい日本語でゆっくり話しましょう。特に重要な事柄は、伝わっているかを細かく確認しながらコミュニケーションを取るといいでしょう。 c.ご利用者とのコミュニケーション ご利用者とのコミュニケーションがうまく取ることができないと、不安や事故につながります。 ご利用者の多くは耳が聞こえづらい方も多く、声をかけずにいきなり介助を行うと、びっくりして転倒する可能性もあります。普段から、介助のやり方だけではなく、声のかけ方も教えてあげることでご利用者との関係性を築くきっかけにもなり、安全な介助を行うことにもつながります。 関連記事:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 4.外国人が日本語習得におすすめの教材 日本語を習得するには、介護現場用の日本語教材、絵本やアニメから学ぶ方法などがあります。 中でも、国際交流基金が制作している「日本語教授法シリーズ」や「いろどり生活の日本語」などは、音声や動画、資料データなどが付属しており、目だけではなく耳からでも日本語を学ぶことができるためおすすめです。 参考:国際交流基金「日本語教材・学習教材」 https://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_rsorcs/manabu.html 参考:国際交流基金「いろどり生活の日本語」 https://www.irodori.jpf.go.jp/ 5.まとめ 外国人介護士が日本語を勉強する際に難しいと感じてしまう理由を、日本語を習得する必要性なども交えて解説しました。 私たちが日常生活の中で何も考えずに使用している日本語は、文字の種類が多く、漢字の読みが複雑で文法が母国語と異なるため、外国人介護士にとってはとても難しい言語です。 しかし介護現場において、介護記録の記入や正確な情報の伝達、ご利用者とのコミュニケーションには日本語の習得が必要不可欠です。教材を上手に活用したり、日頃の仕事の中でひとつずつ教えたりしながら、外国人介護士への日本語教育を行っていきましょう。 また、ゆくゆくは介護福祉士の資格を取ってほしいと考えている方も多いはず。外国人介護士に実務者研修を受講してもらう場合もあると思います。その際は、学校などのサポート体制も確認し、学校選びをするようにしましょう。
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