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2024.12.02- 介護コラム
介護職員初任者研修の合格率は?試験内容・難易度・対策ポイントも介護職員初任者研修の合格率は?試験内容・難易度・対策ポイントも 介護の仕事に興味がある人にとって、介護職員初任者研修(以下、初任者研修)は基礎から応用まで幅広い介護スキルを学べるスタート資格です。 初任者研修を修了することで、全国で介護職としてのキャリアを築くことが可能になり、介護職への転職や家族介護にも役立ちます。 気になる初任者研修の合格率は非常に高く、難易度も比較的取り組みやすいです。 今回は、初任者研修の合格率について、試験内容や難易度、効果的な勉強方法を交え解説します。 関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護職員初任者研修」 1.初任者研修の修了試験とは 初任者研修を取得するためには、定められた130時間のカリキュラムを修了し、修了試験に合格する必要があります。 この修了試験は筆記形式で、1時間ほどの試験です。内容としては、研修で学んだ基礎知識や介護スキルが問われ、試験に合格することで、介護職に必要なスキルが習得できることを証明します。 修了試験は各スクールが作成していますが、厚生労働省によってカリキュラムと試験の内容が定められているため、どのスクールでも大きな差はありません。これは、全国どこで受講しても研修内容が統一されていることを意味し、受講者が公平に試験へ挑めるよう配慮されています。そのため、試験対策もスクールを問わず同じ内容で対応可能です。 なお、スクールごとにカリキュラムの進行速度やサポート体制には違いがあるため、自分に合ったスクールを選ぶことが重要です。 ①初任者研修修了試験の主な試験範囲 初任者研修は、全10科目のカリキュラムに基づいて出題されるため、幅広い知識が求められます。 全10科目は、 実際の介護現場で必要とされる基本的な知識と技術を身につけるための重要な内容で構成されています。 項目 内容 1. 職務の理解 介護職の業務内容や働く現場、提供される多様なサービスについての理解 2. 介護における尊厳の保持・自立支援 介護を受ける人の尊厳や人権を尊重し、可能な限り自立した生活をサポートするための方法 3. 介護の基本 介護職の役割、専門性、多職種との連携、職業倫理、安全確保など、職務の基礎知識 4. 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 介護保険制度や、医療と福祉サービスが連携して支援する仕組みについての理解 5. 介護におけるコミュニケーション技術 介護職が利用者や家族と円滑に意思疎通するための技術 6. 老化の理解 老化に伴う心身の変化と健康管理に関する知識 7. 認知症の理解 認知症についての医学的基礎知識やケア方法、家族支援の重要性 8. 障害の理解 障害に関する基礎的な知識や、家族の心理支援 9. こころとからだのしくみと生活支援技術 身体介護や生活支援の基本技術を実践的に学ぶ、居住環境の整備や移動支援 10. 振り返り 研修の総復習、今後の自己研鑽のための課題の取り組み 参考:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」 2.初任者研修修了試験の合格率と難易度 初任者研修修了試験は、全国のスクールで行われているものの、合格率は非公開です。しかし実際には、ほぼ100%に近いとされています。 修了試験は、研修カリキュラムによって身につけた知識や技術の理解度を確認するために実施されています。 合格ラインは100点中70点前後で、問題形式は多くの場合「選択式」か「選択式+記述式」です。 真面目に研修を受講し、復習を行っていればほとんどの人が合格できるため、難易度もそれほど高くありません。 ①注意:全カリキュラムを修了しなければ受験できない 初任者研修修了試験を受けられるのは、すべてのカリキュラムを修了している受講者のみです。 そのため、欠席が多くカリキュラムを終えられなかった場合、試験自体を受けることができないので注意が必要です。 研修は各都道府県の方針に従っており、欠席に関して非常に厳しいルールが設けられています。 やむを得ず欠席する場合は、スクールで用意されている振替受講を利用するのがおすすめです。 ただし、振替受講の有無や対応はスクールごとに異なるため、事前に確認しておくと安心です。 ②万が一修了試験に落ちてしまったら? 万が一、初任者研修の修了試験に不合格となった場合でも、心配する必要はありません。 多くのスクールでは再試験が用意されており、再試験で合格すれば、無事に初任者研修を修了できます。 初任者研修の試験は、カリキュラムをしっかり理解していれば合格できる内容ですが、万が一に備えて再試験制度が整っているスクールであれば、試験への不安も軽減されるでしょう。 3.初任者研修修了試験の一発合格に向けた勉強方法と心構え 次に、初任者研修修了試験の一発合格に向けた勉強方法と心構えを紹介します。初めて介護の知識を学ぶ人でも、効率的に勉強すれば確実に合格が目指せます。 ①試験前 試験前のステップは合格に向けて重要なステップです。 まず、授業で教わった重要なポイントやテキストの太字部分を復習し、試験に出る可能性が高い箇所に重点を置きましょう。 授業の中で大事になりそうなポイントをメモしておくと効果的です。 さらに、提出した課題の内容も試験に関連することが多いため、過去のレポートを確認し、理解を深めておきましょう。 授業でわからなかった点はその場で質問して疑問を解消し、効率的に学び進めることが大切です。 ②試験当日・試験中 試験当日は、これまでの努力を信じてリラックスして臨むことが大切です。 試験時間は限られており、32問以上の問題を1時間以内に回答しなければなりません。まずは、自信のある問題から取り組み、わからない問題は後回しにしましょう。 選択式問題では、明らかに誤りのある選択肢を除外し、選択肢を絞ることで正答率が上がります。記述式問題では、要点を簡潔にまとめることが重要です。 全体を通して時間配分に気をつけ、すべての問題に目を通すことで、効率よく進めることができます。 4.修了試験のスムーズな合格に向けた「スクール選び」のポイント3つ スムーズに初任者研修の合格を目指すのであれば、スクール選びが重要です。 自分に合ったスクールを選ぶことで、効率的に学習が進み、試験対策も万全になります。 以下では、スクール選びのポイントを3つ紹介します。 ポイント1 再試験・追試を無料で受けられるか 初任者研修修了試験で万が一不合格となった場合や、試験当日に体調不良で受験できなかった場合に備えて、再試験を無料で受けられるスクールを選ぶことが重要です。 スクールによっては、再試験を何回でも無料で提供しているところもありますが、その条件や回数制限は異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。 安心して学び、試験に臨むために、再試験の有無や条件をよく調べておきましょう。 ポイント2 振替受講を無料で受けられるか 初任者研修を修了するためにはすべてのカリキュラムを受講する必要がありますが、急な仕事や体調不良で授業を欠席せざるを得ない場合もあります。 そのため、無料で振替受講が受けられるかどうかは重要な選択基準です。 振替受講の条件や回数はスクールによって異なるため、事前に確認しておき、必要に応じて柔軟に対応できるスクールを選ぶことをおすすめします。 ポイント3 無理なく通える距離にあるか 初任者研修の受講には15日程度の通学が必要であり、修了試験もスクールで行われることがほとんどです。 そのため、無理なく通学が継続できる距離にあるスクールを選ぶことが重要です。 自宅や職場からアクセスしやすい場所を選ぶと、通学が負担にならず、モチベーションも維持しやすくなります。 また、仕事帰りや土日に受講を希望する場合は、通いやすい立地を選ぶことで、よりスムーズに受講を進めることができるでしょう。 5.まとめ 今回は、初任者研修の合格率について、試験内容や難易度、効果的な勉強方法を交え解説しました。 初任者研修修了試験の合格率は高く、ほとんどの人が合格を目指せる内容です。 試験は基礎的な知識を問われるため、出題形式や勉強方法をしっかりと把握し、計画的に学習を進めることが重要です。 また、スクール選びや効果的な勉強方法を活用することで、理解が深まり、試験にも自信を持って臨めるでしょう。
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2024.11.28- 介護コラム
介護職員初任者研修の実技試験はある?主な内容・対策ポイントも解説!介護職員初任者研修の実技試験はある?主な内容・対策ポイントも解説! 介護職員初任者研修(以下、初任者研修)を受けてみたいけれど、「実技試験って難しそう」と不安に思っていませんか? 実際には、ほとんどのスクールでは試験としての実技はなく、スクーリングで行われる実技演習が中心です。 今回は、初任者研修の実技試験について、実技演習で学ぶ主な内容や難易度、対策のポイントなどを交え解説します。 1.そもそも初任者研修とは? 初任者研修とは、介護の基礎知識やスキルを学び、介護の現場で役立てるための資格です。 2013年4月に介護保険法施行規則の改正によって新たに設立され、それ以前のヘルパー2級に相当する資格として位置づけられています。現在ではヘルパー2級が廃止され、初任者研修が入門資格として広く普及しています。 初任者研修の目的は、介護を行うための基本的な技術や知識を習得し、家庭内介護や介護施設での実践に役立てることにあります。また、介護福祉士など上位資格へのステップアップとしても重要な役割を果たします。 初任者研修を受講するメリットは多岐にわたります。未経験者や異業種からの転職者でも、必要な知識と技術を学ぶことで福祉関係の仕事に就きやすくなります。また、資格を取得することで、訪問介護における身体介助など、無資格では行えない業務にも対応可能です。さらに、実務経験を積むことで、介護福祉士やケアマネジャーへのキャリアアップも目指せるため、長期的な就業やキャリア形成を考える人にもおすすめです。 介護の仕事を始めたい人や親の介護に備えたい人にとって、初任者研修は第一歩となる重要な資格です。 参考:三幸福祉カレッジ「初任者研修とは」 ①初任者研修のカリキュラム 初任者研修のカリキュラムは、厚生労働省の指針に基づき、全130時間の講習で構成されています。 参考:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」 初任者研修の研修内容は全国共通の指針に基づいていますが、都道府県や運営団体によって細部が異なることがあります。 ②初任者研修と実務者研修の違い 初任者研修と実務者研修は、どちらも介護の現場で役立つ資格ですが、目的や内容に違いがあります。 初任者研修は、介護を始める人向けのスタート資格であり、介護の基礎的な知識やスキルを学ぶことを目的としています。受講期間は最短1カ月、費用は3万円〜8万円程度で、終了時には簡単な筆記試験があります。初任者研修を取得することで、介護現場で働く基礎が身につきますが、介護福祉士の受験資格にはつながりません。 一方、実務者研修は、介護福祉士国家試験を受験するために必要な資格であり、より高度な専門知識やスキルを習得します。受講時間は450時間と長く、費用は7万円〜20万円程度です。実務者研修では、訪問介護サービスの計画作成などを行うサービス提供責任者になる資格も得られ、キャリアアップに直結します。 2.初任者研修の実技演習とは? 介護福祉士国家試験では、かつて実技試験が行われていましたが、2024年度(第37回)試験より廃止されました。この影響で、初任者研修にも実技試験があると混同する人が少なくありません。しかし、初任者研修においては、修了試験は基本的に筆記試験のみで実技試験はありません。 その代わりに、必須カリキュラムとして「実技演習」が行われます。実技演習では、受講者が介護職役と利用者役に分かれ、介護技術を学ぶ実践的なトレーニングが実施されます。具体的には、ベッド移乗や車椅子の操作、食事や排せつ介助など、介護現場で必要とされる技術を受講者同士で練習します。 時間配分は研修全体の中で多くを占め、理論と実技を交互に学ぶことで実践力を養います。 実技演習の目的は、現場で求められる技術を安全かつ正確に身につけることです。演習を通じて、「なぜこの方法が適切なのか」「利用者にとって最善の介助とは何か」といった根拠に基づいた介護を理解します。 これにより受講者は、感覚や経験だけに頼らない質の高い介護を提供する力を養えるのです。 3.初任者研修における実技試験(実技演習)の主な内容 初任者研修の実技演習では、ベッドからの移乗や車椅子操作、食事介助、排せつ介助など、実際の介護現場で求められる技術を学びます。 演習内容はスクールによって多少異なる場合がありますが、どれも現場で必須となる技術です。 ①排せつ介助 排せつ介助では、片まひの対象者をポータブルトイレへ移乗する演習が行われます。対象者はベッドで端座位になり、ポータブルトイレに近づく際、介護者が体をサポートしながら立ち上がり、手すりを使って移動します。排せつ中はひざ掛けを掛け、プライバシーを守る配慮が求められます。介護者は対象者が快適に排せつできるよう、丁寧にサポートすることを学びます。 ②食事介助 食事介助では、対象者に食事や水分を提供する方法を学びます。まずメニューを説明し、対象者が食べやすいように配慮しながら食べ物を口へ運びます。食事中は、しっかりと咀嚼(そしゃく)と飲み込みを確認し、次の一口を運ぶタイミングを考慮します。水分の介助では、せき込まないように注意深く少しずつ提供し、食後には口腔ケアを行い、清潔な状態を保つことが重要です。 ③移動・移乗 移動や移乗の介助では、片まひの対象者をベッドから車椅子に移乗する演習が行われます。対象者はまひしていない人の手で車椅子の手すりをつかんで支えられ、介護者は足の位置を確認しながら車椅子へ移動します。移乗後は座り心地を確認し、必要に応じて調整します。歩行時はまひがある側を支えながら、足の運びをサポートし、安全な移動を確保します。 ④ベッドメイキング ベッドメイキングでは、シーツをしっかりと伸ばして、ベッドを整えます。シーツがしわにならないように注意し、三角形のサイドを作り整えます。また、ベッドでの体位変換も学びます。対象者が起きやすくなるよう、腕を組んだり足を曲げたりして横向きに移動させ、肩を支えながら起き上がる手助けをします。ベッドメイキングの技術は、対象者の快適さと安全性を保つために重要です。 ⑤更衣介助 更衣介助では、片まひの対象者に衣類の着脱を行います。衣類はまひしている方から袖を通し、脱ぐ際はまひしていない方の腕から外します。ズボンを下げる際は座ったままお尻をずらしながら下げ、着せる際は同様にお尻をずらしながらズボンを上げます。演習を通して、対象者が快適に着替えられるようにサポートする技術を身につけます。 ⑥入浴介助 入浴介助では、溺水やヒートショックを防ぐための注意が必要です。浴槽に入る際、体が軽くなるため、転倒を避けるために慎重にサポートします。入浴中は、お湯の温度を38度〜41度に設定し、室温とのバランスにも配慮します。また、対象者の習慣を尊重し、事前に確認して快適な温度での入浴を提供します。介護者は入浴中も安心して過ごせるように見守ります。 4.初任者研修における実技演習の難易度 初任者研修の実技演習の難易度は、基本的にそれほど高くありません。実技試験の目的は、学んだ内容が理解できているかを確認することです。 実技演習に落ちることはある? 初任者研修の実技演習では、対象者に危険な行為があったり、指示と異なる動きや声かけが全くない場合などは、やり直しの場合もあります。しかし、講師が流れを説明してくれて、練習の時間も設けられているため、十分な準備が可能です。 5.初任者研修における実技演習の対策ポイント 初任者研修の実技演習における対策ポイントはいくつかあります。まず、体力不足を感じている人や小柄の人は、事前に講師からアドバイスを受け、負担の少ない介助方法を学んでおくことが大切です。特に移乗や排せつ介助は体力を使うため、無理なく行える方法を習得しておくと安心です。 また、実技演習では集中力を保つことが重要です。対象者の動きや様子を常に確認し、集中を欠かさないようにしましょう。 さらに十分な声かけもポイントです。介助を行う際は、常に対象者に声をかけ、不安を感じさせないように配慮します。特に排せつ介助などデリケートな場面では、プライバシーを尊重しつつ、丁寧に声をかけることが求められます。 最後に、学んだ内容を忠実に実践することが成功への鍵です。自己流で行うと評価が下がることがあるので、授業で学んだ通りに行動することを心がけましょう。 6.まとめ 今回は、初任者研修の実技演習で学ぶ主な内容や難易度、対策のポイントなどを交え解説しました。 初任者研修には、実技試験は存在しませんが、実技演習を通して現場で役立つ基本的な介護技術を習得します。実技演習では、対象者への配慮や、安全かつ正確な介護技術を学びます。対策のポイントとしては、基本的な技術を繰り返し練習し、実践的な動きや姿勢を確認することが重要です。また、介護者としての心構えを持ち、学んだ知識を実技に活かすことが、質の高い介護技術を身につけるための鍵です。 初任者研修の実技演習をしっかりと終えることで、介護現場での自信を深め、次のステップへの準備が整うでしょう。
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2024.11.06- 介護コラム
介護福祉士実務者研修の科目・受講時間・費用に関する免除制度を解説!介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)は、介護福祉士国家試験を実務ルートで受験しようと考えている方は必須で受講しなければならない資格です。実務者研修は、保有資格に応じて免除される科目や受講時間が異なり、受講料の軽減が期待できます。 そこで今回は、実務者研修について、科目・受講時間・費用に関する免除制度を交えて解説します。 実務者研修の制度を理解し、自分に合った受講方法を見つけましょう。 1.そもそも「実務者研修」とは? 実務者研修とは、介護福祉士国家試験を受験するために必須の研修であり、質の高い介護サービスを提供するために必要な知識と技術を身につけることを目的としています。 実務者研修のカリキュラムは、基本的な介護の理論から実践的な技術までバランスよく組み込まれています。 具体的なカリキュラム例としては、社会福祉制度(介護保険等)、認知症の理解、医療の知識、障害の理解、介護技術、介護過程、たんの吸引、経管栄養などが含まれています。 実務者研修は特定の資格を持っていない無資格者でも受講可能で、介護未経験の人でも受講できます。 関連ページ:実務者研修とは?資格条件や難易度、取得する方法を解説 関連ページ:実務者研修とは 2.実務者研修の免除資格とは 実務者研修には、特定の資格を持つ場合に一部科目の受講や受講料が一部免除されます。 具体的には、初任者研修やホームヘルパー2級(訪問介護員養成研修2級課程)を保有している場合、それぞれの資格に応じて受講時間が短縮されます。 例えば、初任者研修を修了している場合、450時間の実務者研修が320時間に短縮され、学習が免除される学習科目があります。 そのため、該当の資格を持っている方は、働きながらでも、負担を軽減しながら実務者研修を受講できます。 さらに、受講費用の貸付や研修受講者の代替要員の雇用支援なども行われており、介護福祉士資格の取得を目指す方々を支援する体制が整っています。 ただし、学校によって免除となる資格などが異なる場合がありますので、詳しくは各学校のホームページ等を確認しましょう。 参考:厚生労働省「実務者研修の受講のための負担軽減策」 3.実務者研修における保有資格ごとの免除科目・受講時間 実務者研修においては、特定の資格を保有することで一部科目が免除される制度があります。 実際に免除される科目(カリキュラム)と受講時間を、保有資格ごとに表で分かりやすくご紹介します。 ①免除される科目(カリキュラム) ※上記表内の⚫️は受講が必要、ーは免除 参考:厚生労働省「届出の必要のない研修にかかる修了認定科目について P8」 ②免除される受講時間 実務者研修を受講する際、無資格の場合は450時間の受講が必要ですが、保有資格によって一部の科目が免除され、総合的な受講時間も短縮されます。 例えば、介護職員初任者研修(以下、初任者研修)を取得している場合は130時間の免除が受けられます。 参考:厚生労働省「実務者研修の受講のための負担軽減策」 4.科目・受講時間の免除によって受講料も安くなる? 実務者研修を受講する際、保有資格によって科目や受講時間が免除されることがあります。 この免除措置は、受講生にとって大きなメリットです。免除される科目や受講時間によって、スクールでの受講回数が減るため、受講料も安くなります。 一般的に、保有資格が高度であるほど、免除の範囲が広がり、その分受講料も安く設定されています。例えば、無資格者の場合、全ての科目を受講する必要があるため、受講時間は450時間となり、その結果受講料も最も高く設定されます。 これに対して、初任者研修を保有している場合は、受講時間が320時間に短縮され、受講回数が減ることで受講料も約3万円安くなります。 また、ホームヘルパー1級を保有している場合は、さらに受講時間が短縮され、受講料は無資格者(免除資格なし)と比べて実に約8万円以上の差が出ることもあります。 ※スクールにより免除科目や受講料が異なりますので、事前にご確認ください。 5.実務者研修の受講料が免除される制度 実務者研修を受講する際は、何らかの介護資格を保有していることで、一部科目や受講時間が免除され、その結果、受講料が安くなります。 しかし、介護資格を1つも保有していない人でも、さまざまな制度を活用することで、受講料の負担を軽減できるチャンスがあります。 これらの制度を活用することで、経済的な心配を軽減し、よりスムーズに研修を受けることが可能です。 ①一般教育訓練給付金制度 一般教育訓練給付金制度は、雇用の安定や再就職を支援するために、職業能力の向上を目的とした制度です。 対象者は、雇用保険の被保険者であるか、資格喪失後1年以内に受講を開始する人で、被保険者期間が3年以上(初回は1年以上)であることが必要で、受講費用の20%(上限10万円)が給付されます。 参考:厚生労働省「一般教育訓練の教育訓練給付金の支給申請手続きについて」 ②専門実践教育訓練給付金制度 専門実践教育訓練給付金制度は、労働者の中長期的なキャリア形成を支援するための制度です。 雇用保険の被保険者または離職者が対象で、受講費用の50%(年間上限40万円)が支給されます。 修了後1年以内に関連職種に就業すると、追加で20%(上限16万円)が支給され、さらに、資格取得・就職して、訓練修了後の賃金が受講開始前の賃金と比較して5%以上上昇で10%の追加支給となり、合計で80%の給付が可能です。 参考:三幸福祉カレッジ「専門実践教育訓練給付制度」 参考:厚生労働省「専門実践教育訓練の給付金のご案内」 ③母子/父子家庭自立支援教育訓練給付金制度 母子/父子家庭自立支援教育訓練給付金制度は、ひとり親家庭の自立を支援するための制度です。 対象となる母または父が、指定の教育訓練を受講・修了すると、受講料の60%が給付されます。(上限は講座により異なり、最大で160万円) 対象者は、児童扶養手当を受給している、または同等の所得水準であることが条件です。 受講前に事前の申請が必要で、詳しい条件は各自治体に確認する必要があります。 参考:こども家庭庁「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について」 ④ハロートレーニング(職業訓練) ハロートレーニングは、求職者向けの職業訓練で、主に「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類があります。 公共職業訓練は、雇用保険の受給者が対象で、受講料は無料(テキスト代は自己負担)です。 求職者支援訓練は、雇用保険を受給していない方が対象で、実務者研修などのコースが用意されています。 また、一定の条件を満たすと、月10万円の職業訓練受講給付金が支給されます。 参考:厚生労働省「ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)の全体像」 ⑤その他民間スクールによる独自の割引制度 実務者研修の受講料免除制度は、公的機関だけでなく、民間スクールでも実施されています。 よくある割引制度には「介護職員割引」「説明会割引」「セット申込割引」などがあります。割引率は5%~30%など様々です。期間限定で割引キャンペーンを実施しているスクールもあるため、ホームページなどで確認しましょう。 参考:三幸福祉カレッジ「介護職員割引」 6.無資格者は先に「初任者研修」を取得するのがおすすめ! 無資格・未経験の人は、実務者研修を受ける前に「初任者研修」を取得することもおすすめします。 初任者研修は介護の基礎を学ぶファーストステップの資格であり、実務者研修は、その上位の資格として位置づけられています。 実務者研修の講義内容は介護経験が求められるため、未経験者には初任者研修から受講することが推奨されています。 また、初任者研修を受講することで、実務者研修の450時間のカリキュラムのうち130時間が免除され、受講費用も安くなります。 ただし、無資格であっても介護経験があり、基本的な知識とスキルをお持ちの方であれば十分理解できる内容のため、無資格でも実務者研修を受講する人は多くいます。 ご自身が介護の勉強をする上で、何の知識を身につけたいのかで受講する講座を選ぶようにしましょう。 関連ページ:介護職員初任者研修とは 関連ページ:初任者研修は就職に有利?資格を活かせる職場と仕事内容 7.まとめ 今回は、実務者研修について、科目・受講時間・費用に関する免除制度を交えて解説しました。 実務者研修は、資格取得を目指す人にとって重要なステップです。 免除制度を利用することで、科目や受講時間が軽減されるだけでなく、受講料も安くなるメリットがあります。 特に、無資格者でも受講料が免除される制度があり、経済的な負担を大幅に軽減できるのがポイントです。 ぜひ、資格取得に向けた第一歩を踏み出しましょう。
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2024.10.03- 介護コラム
初任者研修の最短取得期間|取得方法・費用・スクール選びのポイント初任者研修の最短取得期間|取得方法・費用・スクール選びのポイント 初任者研修は、介護の仕事に欠かせない基礎的な資格です。 最短取得期間は約 1 カ月であるものの、受講コースによって異なります。 今回は、初任者研修の最短取得期間について、取得方法や費用、スクール選びのポイントを交えて詳しく解説します。 1.初任者研修のカリキュラムと最短取得期間 初任者研修とは、「介護職員初任者研修」のことで、介護の基礎から応用までを学べる、介護職としてのスタート資格です。 この資格は、旧ホームヘルパー2 級の後継資格で、全国どこでも介護職として就職や転職が可能です。 また、介護職を希望する人だけでなく、サービス業に従事する人や家族介護を行う人にも役立つ研修内容となっています。 介護の基本スキルを身につけたい人におすすめの資格です。 初任者研修のカリキュラム 初任者研修のカリキュラムは10科目あり、合計 130 時間の学習が必要です。 学習方法は、「通学+通信ルート」と「通学ルート」の2パターンがあり、「通学+通信ルート」では、130 時間のうち 40.5 時間を自宅学習で進め、それ以外を通学で学習します。 どのスクールでも学ぶ内容の大枠は共通していますが、受講期間は各スクールが設定しているクラスの日程によって異なってきます。 【初任者研修カリキュラム(学習時間:130時間)】 (1)職務の理解 (2)介護における尊厳の保持・自立支援 (3)介護の基本 (4)介護・福祉サービスの理解と医療との連携 (5)介護におけるコミュニケーション技術 (6)老化の理解 (7)認知症の理解 (8)障害の理解 (9)こころとからだのしくみと生活支援技術 (10)振り返り 引 用 : 厚 生 労 働 省 「 介 護 員 養 成 研 修 の 取 扱 細 則 に つ い て 」 2.初任者研修における 2 つの取得ルート 初任者研修には、取得方法として「通学ルート」と「通学+通信ルート」の 2 つがあります。 どちらも介護の基礎をしっかり学べますが、それぞれに異なるメリットがあります。以下で詳しく見ていきましょう。 ①通学講習 通学ルートでは、教室での授業が主な学習方法です。 全ての講義が通学で行われるため、自宅での学習が苦手な人や、できる限り最短で取得したい人に向いています。 ②通信講座(自宅学習+スクーリング) 多くのスクールは、この通信講座(自宅学習+スクーリング)で開講しています。通信講座では、カリキュラムの一部は自宅で学習し、残りを通学で学習するため、通学日数を必要最低限に抑えることができます。そのため、仕事と両立して学びたい人、短期間で資格を種痘したい人に向いています。 15~16 回の授業があり、最後は修了試験が行われます。 都道府県によりカリキュラムは異なる部分がありますが、大枠は同じカリキュラムにて実施されています。 参考:三幸福祉カレッジ「介護職員初任者研修」 3.初任者研修の平均取得期間(通信講座) 初任者研修を取得できるスクールでは、通学する日数に応じて複数のコースが用意されています。 例えば、週 1 回の通学なら約4カ月、週 2~3 回なら約 2~3 カ月、週4日なら約 1~2 カ月で修了できることが多いです。 仕事や家庭の都合に合わせてコースを選ぶことができ、忙しい人には週 1 回のペース、早く資格を取りたい人には短期集中型のコースが人気です。 ●週 1 日コース 約4カ月程度の期間で取得できます。 働きながら自分のペースでゆっくりと取得したい人におすすめです。 ●週 2~3 日コース 約 2~3 カ月程度の期間で取得できます。 比較的短期間で集中して学びたい人に適しています。 ●週 4 日コース 約1月程度の期間で取得できます。 短期間で集中的に取得したい人に最適です。 4.初任者研修を取得する4つのメリット 初任者研修は介護のファーストステップの資格であるため、取得することで、介護業界でのキャリアが大きく広がります。 仕事の幅が広がり、収入アップにもつながるほか、就職や転職の際に有利になることが期待できます。 さらに、 介護の唯一の国家資格である介護福祉士を目指すための第一歩としても重要です。 それでは、具体的なメリットを順に見ていきましょう。 メリット1.携われる仕事の幅が広がる 無資格者は、利用者様の身体介護が一人では行えないため、仕事の幅が制限されてしまいます。初任者研修を取得することで、無資格者が一人ではできない訪問介護や身体介護ができるようになります。 初任者研修を取得することで、活躍の場と実務経験を積む機会が増え、上位資格取得やより良い条件での転職にもつながります。 メリット2.収入アップにつながる 介護職の給与は、資格の有無によって大きく異なります。 これはパートやアルバイトにも当てはまることで、資格を取得することで携われる仕事の幅が広がり、基本給のアップが期待できるほか、資格手当が支給される場合もあります。 厚生労働省の資料によると、無資格者と初任者研修取得者では、平均月給に約 30,000 円の差があり、年間で約 360,000 円の収入アップが見込まれ、給与面でも大きなメリットを享受できます。 【平均月給】 無資格者 270,530 円 初任者研修取得者 302,910 円 出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 P18」 メリット3.介護業界における就職・転職活動が有利となる 初任者研修は履歴書の免許・資格欄に記載できる公的資格で、就職や転職活動において大きなアドバンテージです。 無資格の求人でも、即戦力とされる有資格者の採用が優先されるため、資格を持っていることで選べる求人が増え、採用されやすくなります。 面接の際には、初任者研修の取得により介護の仕事に対する理解と熱意を示すことができ、前向きな姿勢が好意的に受け止められやすくなります。 さらに、研修を受講中であっても履歴書に記載することで、介護職への意欲をアピールできるため、採用において有利になるでしょう。 メリット4.介護福祉士資格取得の第一歩となる 初任者研修は、介護業界でのキャリアアップを目指す際の第一歩となる重要な資格です。 「介護福祉士実務者研修(実務者研修)」や「介護福祉士」、さらには「ケアマネジャー」といった上位資格への道を開く基盤となります。 介護系資格において唯一の国家資格である介護福祉士を取得するためには、実務者研修の受講が必須ですが、初任者研修を修了しておくことで、実務者研修の一部カリキュラムが免除されるため、段階的なスキルアップを図りたい人には大きなメリットです。 5.初任者研修の受講・取得にかかる費用 初任者研修の取得費用は約 30,000~100,000 円と幅があります。 費用には、テキスト代やスクーリングの受講料が含まれるスクールがほとんどです。また、一部のスクールでは無料で資格が取得できる場合もあります。 具体的な費用はスクールによって大きく異なり、他資格とのセット割引や紹介制度、期間限定のキャンペーンなどで変動します。 費用をできるだけ抑えたい場合は、複数のスクールの資料を取り寄せて比較検討することをおすすめします。 6.【初任者研修】自分に合ったスクール選びの5つのポイント 初任者研修を受講する際には、自分に最適なスクールを選ぶことが大切です。 通いやすい立地、自分に合ったコースの選択肢、充実したサポート内容、受講費用の抑制、そして実績の豊富さが選び方のポイントです。 これらの要素を考慮することで、効率的に研修を受けることができます。 ポイント1.通いやすい立地にあるか 初任者研修を受講する際、通いやすい立地は重要なポイントです。 通信を併用する講座でも最低 15 日程度の通学が必要であり、週 3~4 回のスクーリングが求められます。 無理なく通い続けられるかどうかを選択の基準にしましょう。 駅近や駐車場があるスクールなど、ご自身の通学スタイルに合った立地を選ぶことが、授業に集中するために重要です。 ポイント2.自分に合った受講日程を選択できるか 初任者研修を効率的に進めるためには、自分に合った受講日程を選ぶことが重要です。 短期間での取得を目指すと学習時間が増え、通学や自宅学習が負担になる可能性があります。 働きながら資格取得を目指す場合は、土日コース、早く資格を取得したいなら短期コースなど、自分のライフスタイルに合わせたスケジュールを提供するスクールを選びましょう。 無理なく学習を続けるためには、事前にスケジュールを確認し、自分に最適なプランを選ぶことが大切です。 ポイント3.サポート内容が充実しているか 初任者研修をスムーズに修了するためには、スクールのサポート体制が重要です。 学習内容自体は多くのスクールで似かよっていますが、各スクールの特徴やフォロー体制には違いがあります。 例えば、就職サポートが充実しているスクールでは、転職活動のサポートも受けられるのでおすすめです。 事前にサポート内容を確認し、自分に合ったスクールを選ぶことが大切です。 ポイント4.受講費用を抑えられるか 初任者研修の費用はおおよそ 30,000 円~100,000 円で、スクールによって異なります。費用の違いは立地やサポート内容によるものです。 受講費用を抑えられるスクールを選ぶ際には、振替や就業支援などのサポートが不足していないかも確認しましょう。 また、受講費用を抑えるためには、割引やキャッシュバック制度を利用するのも一つの手です。 さらに、ハローワークや自治体の資格取得支援、職場の福利厚生を活用することで、受講料の負担を軽減できる可能性もあります。 ポイント5.実績が豊富か 初任者研修を受講する際には、スクールの実績も重要なポイントです。 経験豊富なスクールは、過去に多くの受講生をサポートしており、質の高い教育が期待できます。 また、豊富な実績があるスクールは、就職実績や卒業生の評価が高い場合が多く、安心して学ぶことができます。 実績の確認は、卒業生の声や就職先の情報をチェックすることで、スクール選びに役立ちます。 7.初任者研修の「取得期間」に関するよくある質問(Q&A) 初任者研修を受講する際、取得期間についての疑問が多く寄せられます。 最短で取得する方法や、他の研修との比較、最長でどれくらいかかるのかを理解することは大切です。 ここでは、初任者研修の取得期間について詳しく解説します。 Q1:最短 15 日間で取得できるって本当? 初任者研修のスクーリングは 15~16 回程度の通学で取得可能です。 しかし、実際には多くのスクールが週 4 回のコースを提供しており、最短の取得期間は 1 カ月程度を見込んでおくのが現実的です。 Q2:初任者研修と実務者研修の取得期間はどちらが短い? 初任者研修は最短で 1 カ月程度で取得できますが、実務者研修の取得期間は保有資格や受講コースによって異なります。 実務者研修は、無資格者の場合、最短でも 6 カ月程度の受講が必要で、全体的に見ると初任者研修の方が短期間で取得可能です。 (内部リンク:「実務者研修 期間(最短)」) Q3:初任者研修の最長期間は? 初任者研修の最短取得期間は約 1 カ月ですが、最長での取得期間は原則として 8 カ月です。 多くのスクールでは受講日程の変更は可能ですが、8か月以内ですべての授業を受講し、修了試験に合格する必要があります。 8.まとめ 初任者研修の最短取得期間について、取得方法や費用、スクール選びのポイントを交えて詳しく解説しました。 初任者研修は介護職に必要な基礎資格で、最短約 1 カ月で取得が可能です。 通学ルートと通学+通信ルートの 2 種類があり、自分のライフスタイルに合わせたコース選びが大切です。 費用は約 30,000 円~100,000 円とスクールによって異なり、通いやすい立地、自分に合ったコースの選択肢、充実したサポート内容、受講費用の抑制、そして実績の豊富さが選び方のポイントです。 ご自身の受講目的やライフスタイルに合わせて、受講する学校も選びましょう。
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2024.09.18- 介護コラム
外国人介護人材を指導する際に知っておきたい3つのこと少子高齢化が進む日本にとって、外国人介護人材は不可欠な存在となりつつありますが、外国人介護人材を受け入れる施設はさまざまな悩みを抱えているのも現状です。 この記事では、外国人介護人材を登用する際の問題点と、外国人介護人材を指導する際のポイントを解説します。 介護業界の今後と外国人介護人材登用の可能性 日本の介護業界は、深刻な人材不足に直面しています。 「2025年問題」としても以前から注視されているように、団塊の世代と呼ばれる第一次ベビーブームに生まれた方たちが後期高齢者(75歳以上)となることで、介護需要が高まる一方、介護人材の不足が、ますます深刻化することが問題視されています。 そこで注目されているのが、外国人介護人材の採用です。 日本では、政府が介護人材の確保策として外国人労働者の受け入れを推進しており、2017年には在留資格「介護」(いわゆる介護ビザ)が始まり、2019年には特定技能が創設されました。 高まる介護需要に対する人材不足、そして政府の後押しもあり、外国人介護人材は増加し続けています。 関連記事:2025年問題とは?これからの介護職に求められるもの 外国人介護人材を登用する上での問題点 その1.日本語の問題 介護は対人サービスであり、日本語によるコミュニケーションが必要不可欠です。 外国人介護人材は、各在留資格を得る過程で、一定の日本語能力を習得していますが、日本語は、他言語と比べ難易度の高い言語と言われ、外国人には理解しづらい言葉もあります。たとえば、発音が同じなのに意味が異なる言葉や、擬音語や擬態語などです。 そのため、円滑なコミュニケーションがとれるように、日々の業務の中でも、日本語能力を高めてもらうためのサポートが必要です。 EPAや技能実習性、特定技能の制度で就労している方が介護福祉士国家試験に合格するためにも、日本語能力が求められます。 その2.現場でのコミュニケーション 施設利用者とのコミュニケーション 外国人に介護されることへの抵抗感もひとつの問題です。文化や言語の違いから、外国人に介護されることに不安を抱える方もいるでしょう。 しかし、厚生労働省が実施した「外国人介護人材の受入れに関するアンケート調査」の結果によると、外国人介護人材の介護サービスの質に満足と回答した方が65.1%、普通と回答した方が24.8%となっており、満足できないと回答した方はわずか2.1%でした。 引用:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック」 このことからも、多くの利用者や家族が、外国人介護人材を高く評価していることがわかります。仕事に取り組む姿勢や丁寧な対応などを評価する意見が多いようです。 参考:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック」 現場職員とのコミュニケーション 「コミュニケーションが取りづらいのではないか」という不安から外国人介護人材の受け入れを躊躇する事業所も少なくありません。 確かに、業務指示に対して「わかりました」と言われたのに、全く伝わっていないということや、微妙なニュアンスの違いが伝わらないこともあるかと思います。 これらのコミュニケーションエラーは、日本語の難しさに加え、文化や歴史的・政治的な背景などによる価値観の違いにより生じるものです。 外国人労働者に対するパワハラやいじめ、劣悪な労働環境なども問題となっています。 外国人介護人材を受け入れる際には、あらかじめ受け入れ体制を整えることが重要です。 たとえば、外国人介護人材とのコミュニケーションで気を付けなければならないことを現場職員に十分に説明し、理解を得ておくこと。 また、事業所としてどのような体制を整えるのか(外国人介護人材に対する生活面のサポートや日本語教育、労働条件のことなど)を事前に決め、現場職員へ説明しておくとよいでしょう。 その3.在留資格 外国人介護人材の在留資格として、「EPA(経済連携協定)」「在留資格 「介護」」「技能実習「介護」」「特定技能1号「介護」」の4つの制度があります。それぞれの制度の目的としくみを理解した上で、在留資格の管理を行う必要があります。 ・EPA(経済連携協定) 介護福祉士の国家資格取得を目的とし、日本と相手国(インドネシア、フィリピン、ベトナム)の経済活動の連携強化を図るものです。入国してから4年目に介護福祉士の国家試験を受験します。合格すれば在留期間を更新しながら永続的に働くことができますが、不合格の場合は帰国しなくてはいけません。 ・在留資格「介護」 専門的・技術的分野への外国人労働者の受入れを目的とした制度です。日本の介護福祉士養成校に通う外国人留学生は、卒業して介護福祉士を取得すると、「介護」という在留資格(いわゆる介護ビザ)を取得できます。在留期間は、制限なしで更新可能です。 ・技能実習「介護」 日本から相手国への技能移転(国際貢献)を目的とした制度です。技能実習生は入国後、日本語と介護の基礎等に関する講習を受けてから、介護事業所で雇用します。入国1年後の試験に合格すると追加で2年、3年後の試験に合格するとさらに2年、実習を受けることができます。その後は帰国し、母国で介護業務に従事します。技能実習期間中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に変更して、日本で永続的に働くこともできます。 ・特定技能1号「介護」 人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国人の受入れを目的とした制度です。対象となる外国人は、技能水準・日本語能力水準を試験等で確認された上で入国します。介護事業所で最大5年間雇用することができます。5年後は帰国となりますが、介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に変更して、永続的に働くことができます。 参考:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック」 外国人介護人材を指導する3つのポイント ポイント1.現場でも日本語の勉強をしている意識を持たせる 就業後の外国人介護人材に対して、日本語教育をどのように行えばよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 Off-JTとして日本語教育を受けてもらう方法もありますが、意識していただきたいのは、OJTの中での日常のコミュニケーションや業務が日本語教育につながるということです。介護業務の中で、「聞く」「読む」「書く」「話す」ことが日本語教育になるということです。 現場職員と外国人介護人材の双方が、仕事を通して日本語の勉強をしている意識を持つことにより、日本語能力が早期に向上すると言われています。 ポイント2.価値観を理解する それぞれの国の文化や歴史的な背景等によって、価値観が異なります。また、宗教による価値観の違いもあります。 日本人にとっての当たり前も、外国人にとっては当たり前ではないも多くあります。 まずは、相手の国の文化やその人の背景を理解すること。そして、日本の文化や習慣を伝え、お互いの価値観を理解しあうことが大切です。 ポイント3.指示は明確に出す 仕事上のコミュニケーションで「自分は伝えたつもりだが、相手に伝わっていなかった」という経験はありませんか?これは、外国人に限ったことではなく、日本人同士でも起こりがちなコミュニケーションエラーです。 指示を出す際には、具体的で明確な表現をする必要があります。曖昧で抽象的な表現では、相手によって受け取り方が異なり、伝えたいことが伝わりません。 外国人にとっては、馴染みのない日本の文化や日本語難しさもありますので、特に気を付ける必要があります。 たとえば、日本特有の遠回しな表現は伝わりづらいため、「Yes」「No」をはっきり伝えるように心がけるとよいでしょう。また、発音が同じでも意味が異なる言葉や、擬音語・擬態語も、なるべく避けるとよいでしょう。 まとめ 外国人介護人材を登用する際の問題点と指導する際のポイントについて解説しました。 日本語の特徴や難しさを理解する。 在留資格の管理に注意する。 介護業務を通して日本語の勉強をしている意識をもつ。 それぞれの国の文化や歴史的背景、宗教等による価値観の違いをお互いに理解する。 指示を出す際には、具体的で明確な表現をする。 外国人介護人材を登用することにより、人材不足の解消だけでなく、職場の一体感の醸成や介護サービスの質の向上の効果も期待したいですね。 【法人の人事担当・研修担当の方へ】実務者研修の外国籍の方向けのサポートについて 三幸福祉カレッジでは、外国籍の方でも実務者研修を安心して受講いただけるよう、様々なサポートをご用意しております。 外国籍の方が、在留資格を取って長く働けるように、資格取得からお手伝いします。 まずはお気軽にお問い合わせください。
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2024.09.17- 介護外国人コラム
- 介護コラム
外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説 介護業界では、外国人介護士が増えており今後も増加することが予想されます。 しかし、受け入れ時に利用する制度によって入国時の日本語能力にはばらつきがあります。 そこで今回は、外国人介護士が求められる日本語レベルについて、日本語を話せないことの懸念点や教育時のポイントをご紹介します。 すでに外国人介護士受け入れていて教育にお悩みの方や、今後受け入れを検討している方に参考にしていただければ幸いです。 1.介護業界で外国人が増えている理由 介護業界で外国人が増えている大きな要因は主に2つあり、介護業界における慢性的な人手不足と、日本における外国人労働者の増加が挙げられます。 介護業界の人手不足 日本では、団塊の世代の約800万人が、2年後の2025年には75歳の後期高齢者になることが大きな問題となっており、国民の4人に1人が後期高齢者に突入します。さらに、第二次ベビーブームに生まれた「団塊ジュニア世代」が65~70歳を迎える2040年には、必要な介護職員の数は280万人になると指摘されており、さらに増加する見込みです。 一方で、厚生労働省が発表している第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数についてを見てみると、2023年度の約233万人に対して2025年度は約243万人と、わずか2年でさらに約10万人の介護職員が必要であるという推計が出ています。 現在においてもすでに人手が不足しているにも関わらず、今後はより介護業界の人材確保は急務です。 参考:総務省「統計からみた我が国の高齢者」 参考:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」 外国人労働者の増加 日本では高齢化が進むと同時に、少子化も深刻な問題です。 少子化になるということは、労働人口が著しく減少することを意味しています。 そこで、日本国内で不足している労働力を、外国人を雇用することで確保しようとする動きが進んでいます。 厚生労働省が発表した2022年10月末現在の外国人雇用についての届出状況によると、外国人労働者は約182万人に達しており、届出が義務化された2007年以降過去最高を更新しています。 介護業界で見ても、国が介護人材を確保する方策として外国人人材の受け入れを推進しており、こうした国の後押しもあり外国人介護士が増加していると言えます。 参考:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)」 2.外国人介護士として必要な日本語レベル 日本において外国人介護士として働く上で大きなハードルとなっているのが日本語のレベルです。 外国人介護士として必要な日本語レベルは、人材の受け入れ体制により異なります。 日本語能力試験JLPTのN1〜N5の目安 出典:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック」 人材の受け入れ体制については後述しますが、 簡単な読み書き、日本語で日常会話ができることはもちろんのこと、介護現場においては介護の専門用語が話せることはより重要です。介護現場は専門用語が多く飛び交う環境のため、外国人介護士とのコミュニケーションには工夫が必要です。 外国人介護人材の4つの受け入れ制度の違い 上述したように、日本における外国人介護人材の受け入れ体制は、技能実習や在留資格、EPAや特定技能の合わせて4つです。 関連記事:外国人介護人材の受け入れ制度について~受け入れ前に知っておくべき制度の基本~ ①技能実習 技能実習は、日本から諸外国への技能移転を目的とした制度で、外国人を日本の産業現場に一定期間受け入れ、OJT(現任訓練)を通じて技能や技術を学んでもらい、母国の経済の発展に役立ててもらうためのものです。 ②在留資格「介護」 在留資格「介護」は、専門的・技術的分野への外国人労働者の受け入れを目的とした制度で、日本の介護福祉士養成校に通う外国人留学生は、卒業して介護福祉士を取得すると、「介護」という在留資格を取得できます。 ③EPA(経済連携協定) EPA(経済連携協定)は、二国間の経済連携の強化を目的とした制度で、インドネシアやフィリピン、ベトナムの3カ国から外国人を受け入れています。 ④特定技能 特定技能は、人材不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国人の受け入れを目的とした制度で、対象となる外国人は、技能水準・日本語能力水準を試験等で確認された上で入国し、介護事業所で最大5年間受け入れることができます。 参考:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」 参考:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック」 3.外国人介護士とのコミュニケーションの懸念点 日本に住む外国人が増えているとはいえ、介護現場で接するご利用者は日本人が圧倒的に多く、日本語でのコミュニケーションは、ご利用者との意思疎通にも大きく関わってきます。 また、より良い介護サービスを提供する上で、一緒に働く介護士との情報共有は必須です。 大事な情報伝達ができない 外国人介護士が日本語を話せないことで、伝えるべき大事な情報伝達ができません。 サービス内容や施設のルールが変更になった場合など、どうしてもご利用者や家族に情報を伝える必要がある場面が出てきます。 しかし、日本語が話せないと、伝えるべき情報に漏れが生じてしまい、結果的にご利用者や家族との信頼関係を失うことにつながります。 介護記録が書けない 外国人介護士が日本語を話せないことで、ご利用者の様子や情報をチームの中で共有する介護記録への記入が行えません。 ご利用者の体調や心身の状況に応じてより良いサービスを提供するには、介護記録の記入が必要不可欠です。 サービスや安全面に関わる 外国人介護士が日本語を話せないことで、ご利用者へ提供するサービスの低下や安全が確保されない恐れがあります。 高齢になると耳が聞こえにくくなるため、ご利用者の表情を見ながらゆっくりと話しかけることが重要です。 しかし、日本語が話せないと、ご利用者に対して言葉で意思を伝えることができません。 また、声をかけずにいきなり介助を行おうとすると、ご利用者がびっくりして転倒したり、状態によっては病状が悪化したりすることにもつながります。 4.外国人が介護現場で働くために必要な日本語能力とサポートのポイント 上述したように受け入れた制度によって、外国人介護士の入国時の日本語能力には差があります。 事業所で外国人介護士の教育担当者は、制度によって受け入れ後のサポートの量も変わってくるので、関わる際のポイントをご紹介します。 日本語の読み書き 介護現場では、報告書や介護記録などの各種書類を記入したり、ご利用者の情報を各スタッフで共有したりします。日本語は「漢字」「ひらがな」「カタカナ」が入り混じった文章のため、外国人にとっては覚える言語が多く難しいと感じられる言語です。 入国時の日本語能力によっては、介護記録に書いてあることが理解できないという場合もあるので、読めるようになるまではサポートが必要です。 介護用語 介護現場では、認知症や誤嚥性肺炎といった病気の名前をはじめ、拘縮や褥瘡といった症状を表す言葉、掃除や洗濯といった生活援助の内容、起床介助やトイレ誘導といった身体介護の内容など、場面によりさまざまな介護用語を使用します。 日常会話だけではなく、専門用語の意味を理解させ、言葉でコミュニケーションが取れるようにサポートする必要があります。 実際の介助をする中で言葉も覚えてもらうように意識的にコミュニケーションを取りましょう。 日本語での日常会話 介護現場では、ご利用者や家族、スタッフ同士とコミュニケーションを図るケースが多いため、日本語で日常会話ができる程度のレベルも求められます。 例えば、ご利用者とのやり取りでいえば「今日は良い天気ですね」や「今日のおかずは焼き魚です」、スタッフ同士でのやり取りでいえば「お薬を飲んでいただきました」「お手洗いに行ってきます」といったちょっとした日常会話でもできるようになると関係性がよくなります。 このあたりは、文化の違いで知らない、必要性を感じていないという外国人も多いので、日本語を話すことができるというだけではなく、コミュニケーションを取ることができる。という視点で指導するといいでしょう。 5.外国人介護士におすすめの日本語学習法とは では、外国人介護士が日本語を習得するには、どのような学習方法が効果的なのでしょうか。 外国人介護士が日本語を学ぶ上で注意したいことは、母国語と異なる言葉を覚えることは想像以上に難しい点です。 特に、普段から身近に触れることのないものを学ぼうとすると、モチベーションを維持することが最も壁となって立ちはだかります。 以下でおすすめの学習方法を紹介しますが、実際に取り入れられるものがあれば実践してみてください。 介護現場用の日本語教材を活用する 日本語を学習する上で、モチベーションの維持と並んで難しい点は、日本語の発音です。 発音も含めて一から丁寧に日本語を学びたい場合には、専門性の高い介護現場用の日本語教材を活用しましょう。 日本語を学びつつ、介護用語もいち早く習得できます。 自治体主催のレッスンの活用 日本語の教材といっても数えきれないほどの種類があります。 どのような日本語の教材が合っているのかわからない場合は、レッスンを活用すると良いでしょう 自治体によっては、外国人介護士向けに日本語教室を開催しているケースがあります。 例えば、千葉県千葉市では、日本で頑張る外国人同士で楽しく学ぶ「外国人介護職員のための日本語教室」を実施しています。 また、東京都墨田区では、墨田区やその近隣を含む介護業界で働く外国人のために「介護の日本語」に特化した日本語教室を開設しています。 参考:千葉市「外国人介護職員のための日本語教室」 参考:すみだ日本語教育支援の会「すみだ介護の日本語教室」 eラーニングの活用 eラーニングを活用して日本語を学ぶメリットは、場所や時間を問わず、自分の都合の良いタイミングで学習ができることです。 自治体によっては、外国人技能実習生等就労定着支援事業としてeラーニングを活用した日本語研修を実施している場合があります。 例えば、兵庫県では、介護職種の技能実習生や介護分野における1号特定技能外国人を対象に、 eラーニングを活用した介護の日本語研修を実施しています。 参考:兵庫県「外国人介護人材に関するセミナー・研修」 現場の日本人から学ぶ 日本語の教材やレッスンから日本語を習得したとしても、やはり実際の現場で使いこなすことが重要です。 その点で最も効率的なのが、現場の日本人から日本語を学ぶことです。 すでに介護士として働いている外国人の方は、日本人の介護士との雑談や休みの日の外出、ご利用者と話すことが日本語の練習に役立ったという声があります。 日々の業務の中で、教育担当者以外も積極的に外国人介護士とコミュニケーションを取ることで、関係性の構築だけではなく日本語能力向上にもつながるので、周りの職員へも積極的に話しかけてもらうよう促すことが必要です。 絵本やアニメなどから学ぶ 日本語を学びたいけれど勉強が苦手という人には、絵本やアニメなどから学ぶ方法があります。 勉強が苦手な人に絵本やアニメなどから学ぶ方法がおすすめな点は、自分の好きな絵本やアニメから学べるため、モチベーションが維持しやすいことです。 また、自分の好きな時間に遊び感覚で学べることも、日本語を速く習得できる近道となります。日本の文化に触れてもらうという一環で、おすすめを紹介してあげるといいでしょう。 6.まとめ 今回は、外国人介護士が求められる日本語レベルや教育時のポイントなどを解説しました。 今後は、より一層高齢化が進むことで、日本における介護業界の人手不足が加速するため、外国人介護士の需要はさらに高まります。 外国人介護士として活躍するには、簡単な読み書きや日常会話ができ、介護用語が話せるレベルが必須ですですが、受け入れ側でのサポートが重要になります。 一人だけでサポートするには限界があるので、周囲の職員へ協力を仰いだり、教材を活用するなど、サポート体制を作っていきましょう。 また、ゆくゆくは介護福祉士の資格を取ってほしいと考えている方も多いはず。外国人介護士に実務者研修を受講してもらう場合もあると思います。その際は、学校などのサポート体制も確認し、学校選びをするようにしましょう。
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2024.09.14- 介護コラム
外国人介護人材の受け入れ制度について~受け入れ前に知っておくべき制度の基本~介護業界では人材不足が続くなか、外国人介護人材の受け入れを進める施設が増えています。2019年には特定技能制度が創設され、外国人採用の選択肢はさらに広がりました。 一方で、「どの制度が自施設に合っているのかわからない」「制度ごとの違いが複雑で判断が難しい」と悩む採用担当者や施設長も少なくありません。 この記事では、外国人介護人材を受け入れる主な制度の違いや特徴、受け入れ時に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。 外国人介護人材を受け入れることができる主な制度 外国人介護人材を受け入れる主な制度には、特定技能、技能実習、育成就労、EPA(経済連携協定)、在留資格「介護」があります。それぞれ、制度の目的や在留期間、求められるスキル、受け入れ後の支援内容が異なるため、自施設の採用目的や育成方針に合った制度を選ぶことが重要です。 まずは、それぞれの制度の特徴や違いについて見ていきましょう。 出典:外国人介護人材受入れの仕組み|厚生労働省参考:外国人介護人材の受入れについて|厚生労働省 特定技能1号 特定技能1号は、深刻な人手不足が続く産業分野で、一定の専門性や技能を持つ外国人材を受け入れるために2019年に創設された在留資格制度です。介護分野も対象となっており、介護技能評価試験や日本語試験などに合格した外国人材が働くことができます。 即戦力性 特定技能外国人は、介護技能評価試験や日本語試験などに合格しているため、介護現場で働くための基礎的な知識や日本語能力を有しています。そのため、基礎教育を一から行う前提ではなく、比較的早い段階で現場へ配置しやすい点が特徴です。 採用のしやすさ 特定技能制度は、介護分野の人材不足への対応を目的として創設された制度です。受け入れまでの流れが比較的整理されており、一定の要件を満たした外国人材を採用できるため、人材確保の選択肢として活用する施設が増えています。 他制度との違い 技能実習制度が国際貢献や人材育成を目的としているのに対し、特定技能制度は人材不足への対応を目的としている点が大きな特徴です。そのため、特定技能では一定の技能や日本語能力を有する人材を受け入れることが前提となっています。 また、特定技能外国人の受け入れでは、生活支援や相談対応など一定の支援が必要になります。受け入れ施設が自ら対応もできますが、登録支援機関を活用することで、必要な支援業務を専門的にサポートしてもらうことが可能です。 【採用担当者が押さえたいポイント】 試験合格済みで、介護現場で働くための基礎スキルや日本語能力を有している 比較的早期に現場へ配置しやすい 登録支援機関を活用することで、受け入れ後の支援負担を軽減できる 参考特定技能制度|出入国在留管理庁介護分野における特定技能外国人の受入れについて|厚生労働省 技能実習 技能実習は、国際貢献のため、発展途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年)に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度です。 技能実習生は入国後、日本語と介護の基礎等に関する講習を受けてから、介護事業所で受け入れます。入国1年後の試験に合格すると追加で2年、3年後の試験に合格するとさらに2年、実習を受けることができます。その後は帰国し、母国で介護業務に従事します。技能実習期間中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に変更して、日本で永続的に働くこともできます。 参考外国人技能実習制度について|厚生労働省介護職種の技能実習制度について|厚生労働省 育成就労 育成就労制度は、技能実習制度を発展的に見直し、新たに創設された外国人材の受け入れ制度です。人材不足が深刻な産業分野において、外国人材を一定期間受け入れ、就労を通じて特定技能1号水準の技能を持つ人材を育成・確保することを目的としています。介護分野も対象となっており、令和9年(2027年)4月の施行が予定されています。 技能実習制度が国際貢献や技能移転を主な目的としているのに対し、育成就労制度は、人材育成と国内人材確保の両方を目的としている点が大きな特徴です。原則3年間の就労を通じて技能や日本語能力を身につけ、その後、特定技能1号への移行を目指します。 そのため、受け入れ施設には、技能習得だけでなく、日本語学習や職場定着を見据えた支援体制が求められます。今後、外国人介護人材の受け入れ制度の中心の1つとなる可能性があり、 制度内容や運用方針を早めに把握しておくと、今後の制度選定にも役立ちます。 参考 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」 厚生労働省「介護分野における育成就労制度について」 EPA(経済連携協定) EPAとは、特定の国や地域同士での貿易や投資を促進するための条約のことです。日本では、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国との各協定に基づき、外国人介護福祉士候補者の受け入れを実施しています。 各国により要件は異なりますが、介護や看護に関する一定の知識を持った人材が日本語研修を受けた上で、外国人候補者として日本に入国します。入国後、さらに日本語研修を受けた後に、受け入れ施設で就労しながら国家試験の合格を目指した研修に従事します。入国4年目に介護福祉士の国家試験を受験し、合格すれば在留期間を更新しながら永続的に働くことができますが、不合格の場合は帰国しなくてはいけません。 外国人候補者が介護福祉士の国家試験に合格し、その後継続して日本に滞在することが期待されているため、受け入れ施設は国家資格の取得を目標とした国家試験対策、日本語学習等の適切な研修を実施しなければなりません。 EPAに基づく外国人介護福祉士候補者を受け入れたい場合には、唯一の受入れ調整機関として位置づけられている国際厚生事業団(JICWELS)によるマッチングが必要です。 参考EPAとは|経済産業省EPA(経済連携協定)に基づく外国人介護福祉士候補者の受け入れについて|厚生労働省 在留資格「介護」 専門的・技術的分野への外国人労働者の受入れを目的とした制度です。 日本の介護福祉士養成校に通う外国人留学生は、卒業して介護福祉士を取得すると、「介護」という在留資格(いわゆる介護ビザ)を取得できます。家族の帯同も可能で、在留期間も制限なしで更新可能です。令和2年4月1日からは、実務経験を経て介護福祉士を取得した方も、在留資格「介護」への移行対象となっています。 参考在留資格「介護」について|厚生労働省 外国人介護人材に対しての支援について 外国人介護人材を受け入れる場合には、それぞれの制度の趣旨や要件に沿った日本語教育や技能教育等の支援が必要です。 介護は対人サービスであり、日本語によるコミュニケーションが必要不可欠です。また、介護福祉士国家試験に合格するためにも、日本語能力が求められます。 外国人介護人材は、在留資格を得る過程で一定の日本語能力を習得していますが、日本語には発音が同じでも意味が異なる言葉や、擬音語・擬態語など、外国人には理解しづらい表現があります。さらに、介護現場では専門用語も理解しなければなりません。 特定技能外国人は、試験等によって一定の技能や日本語能力を確認された人材であり、比較的早期に現場へ配置しやすい点が特徴です。しかし即戦力といわれる人材であっても、教育や支援が不要というわけではありません。日本の介護現場特有のコミュニケーションや介護観、利用者との関わり方などは、現場での継続的な支援を通じて身につけていくことが重要です。 Off-JTとしての日本語教育だけでなく、日々の業務やコミュニケーションの中での「聞く」「読む」「書く」「話す」ことも日本語教育につながります。このことを外国人介護人材と受け入れ側施設職員の双方が意識することが、日本語能力を向上させるポイントです。 また、外国人介護人材の受け入れでは、教育体制や現場の理解が十分でないまま採用を進めてしまうことで、コミュニケーションの行き違いや定着面での課題が生じることもあります。採用後を見据えた教育や支援体制をあらかじめ整えておくことが、受け入れを成功させるためには必要です。 【受け入れ前に意識したいポイント】 日本語レベルへの期待値を共有する Off-JT・OJTの教育体制を整える 現場職員の理解や受け入れ準備を進める 採用後の定着支援も見据える また、厚生労働省は、介護分野で働く外国人向けに、学習用コンテンツやテキストを作成しています。日本語学習教材や介護専門用語を理解するためのテキスト、介護福祉士国家試験対策教材など、多言語対応の教材が用意されています。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。 参考外国人介護人材の受入れについて|厚生労働省 ▼こちらの記事もぜひご覧ください外国人介護人材を指導する際に知っておきたい3つのこと 【採用担当向け】制度選定と受け入れ時のポイント 外国人介護人材の受け入れ制度には、それぞれ目的や特徴があります。そのため、制度を選ぶ際には「どの制度が良いか」ではなく、自施設がどのような人材を求めているか、どのような育成や定着を目指すかという視点で検討することが大切です。 ここでは、採用担当者や施設長が制度選定や受け入れ時に押さえておきたいポイントを解説します。 制度選びの考え方 外国人介護人材の受け入れ制度を選ぶ際には、自施設の採用目的や育成方針を整理することが重要です。 短期間で一定の技能や日本語能力を持つ人材を受け入れたい場合には、特定技能が選択肢になります。試験によって技能や日本語能力が確認された人材を受け入れられるため、比較的早期に現場へ配置しやすい制度です。 一方、長期的な定着や介護福祉士資格取得を見据える場合には、在留資格「介護」が適しています。在留期間の更新に制限がなく、介護福祉士として継続的に働くことができるため、 将来的な人材確保につながります。 また、段階的な育成を前提に人材を受け入れたい場合には、技能実習や育成就労が選択肢になります。制度の目的や求められる支援内容は異なるため、受け入れ後の教育体制や運用方法まで含めて検討することが大切です。 【制度選びの考え方】 短期的な戦力確保→特定技能 長期的な定着・資格取得→在留資格「介護」 育成を前提とした受け入れ→技能実習・育成就労 受け入れ前に確認すべきポイント 外国人介護人材の受け入れを円滑に進めるためには、採用前の準備が欠かせません。制度や在留資格だけでなく、受け入れ後の教育体制や現場運用まで見据えて検討することで、ミスマッチや定着面での課題を減らすことができます。 まず確認したいのが、教育体制です。外国人介護人材は一定の技能や日本語能力を有している場合でも、日本の介護現場特有のルールや介護観、コミュニケーション方法に慣れるためには継続的な支援が求められます。Off-JTやOJTをどのように行うか、あらかじめ整理しておくと受け入れ後の指導がスムーズです。 また、日本語レベルへの期待値を共有する視点も欠かせません。日常会話ができることと、介護現場で専門用語を理解し適切に記録や報告ができることは別です。採用前の段階で、施設側が日本語能力に対する認識をそろえておくことで、現場での認識のズレを減らせます。 さらに、配属設計や現場職員の理解も受け入れの成否に関わります。どの業務を担当してもらうか、誰が指導役を担うかを事前に決めておくことで、受け入れ後の混乱を抑えられます。外国人介護人材だけでなく、受け入れる側の職員も制度や支援の目的を理解し、安心して働ける環境づくりを進めることが重要です。 【受け入れ前に確認したいポイント】 教育体制(Off-JT・OJT)の整備 日本語レベルへの期待値共有 配属や指導担当の設計 現場職員の理解と受け入れ準備 採用を成功させるためのポイント 外国人介護人材の採用では、採用そのものがゴールではありません。長く活躍してもらうためには、受け入れ後の定着や育成まで見据えた取り組みが求められます。 例えば、日本語学習の継続支援や介護技術の指導体制、相談しやすい環境づくりなどは、働きやすさや定着に影響します。採用後のフォローが十分でない場合、コミュニケーションの行き違いや早期離職につながる可能性もあります。 そのため、外国人介護人材の受け入れでは、「採用する」だけでなく、「どのように育成し、活躍してもらうか」という視点を持つことが大切です。教育体制や現場運用を含めて設計することで、外国人介護人材と施設の双方にとって働きやすい環境づくりにつながります。 外国人介護人材の受け入れ支援体制について不安がある場合には、登録支援機関の活用も選択肢の一つです。制度理解から受け入れ後の支援まで、専門的なサポートを活用することで、施設側の負担も軽減できます。 三幸福祉カレッジの登録支援機関についてはこちら 【採用を成功につなげるポイント】 採用後の定着や育成まで見据える 日本語学習や相談体制を整える 教育と現場運用をあわせて設計する 必要に応じて専門機関の支援を活用する まとめ 人材不足や介護需要の高まりを背景に、外国人介護人材の受け入れは今後さらに広がることが見込まれます。外国人介護人材を受け入れる制度には、特定技能、技能実習、育成就労、EPA、在留資格「介護」などがあり、それぞれ目的や特徴が異なります。 そのため、制度を選ぶ際には「どの制度が良いか」ではなく、自施設がどのような人材を求め、どのような育成や定着を目指すかという視点で検討することが重要です。 また、特定技能は比較的早期に配置しやすい制度ですが、教育や支援が不要というわけではありません。日本語教育やOff-JT・OJTを含めた支援体制を整え、自施設に合った制度選びと受け入れ後の定着・育成まで見据えて準備を進めることが、外国人介護人材の活躍と長期的な定着につながります。
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2024.09.03- 介護コラム
【2024年最新版】処遇改善加算とは?介護報酬改定に伴う変更点・算定要件【2024年最新版】処遇改善加算とは?介護報酬改定に伴う変更点・算定要件 処遇改善加算とは、介護職員の処遇を改善するための加算で、2024年度における介護報酬改定に伴い、処遇改善加算の算定要件が細分化されました。 これにより、具体的な条件を満たす必要があり、介護事業者は新基準に対応するための取り組みが求められます。 そこで今回は、処遇改善加算とは何か気になっている介護事業者向けに、介護報酬改定に伴う変更点や算定要件、取得するための手続きや流れを交えて解説します。 1.「介護職員等処遇改善加算」とは? 介護職員等処遇改善加算とは、介護業界で働く職員の賃金向上や職場環境の改善を目的とした制度です。 少子高齢化が進む中、介護人材不足の課題を解消するために設けられました。 ①介護職員等処遇改善加算の目的 介護職員等処遇改善加算は、介護職員をはじめとする職員の安定的な処遇改善を図り、より働きやすい環境づくりを支援することを目的としています。 ②2024年度の介護報酬改定と新たな加算の導入 2024年度の介護報酬改定により、従来の「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」が一本化され、新たに「介護職員等処遇改善加算」が創設されました。 この新しい加算制度はシンプルな仕組みとなり、事務負担の軽減が期待されています。 ③新たな処遇改善加算の施行時期 新たな介護職員等処遇改善加算の施行は、2024年6月から始まります。それまでの4月と5月は旧加算が適用されますが、経過措置として年度内の対応の誓約で届出が可能となっています。 2.【2024年度】介護報酬改定による処遇改善加算の変更点 2024年の介護報酬改定による処遇改善加算での主な変更点は以下の3つです。 変更点①制度が一本化 変更点②加算率の引き上げ 変更点③対象者、配分ルールの撤廃と新設 変更点①制度の一本化 2024年度の報酬改定では「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」が一本化され、新しく「介護職員等処遇改善加算」へ変わります。 この改定には複雑化していた仕組みを整理し、事業所の事務負担を軽減したり柔軟な運用を可能とするなど、加算を取得しやすくする狙いがあります。 なお、今回の改定に対応するために、就業規則や賃金規程などの変更が必要な事業所もあることから、2024年度末まで経過措置期間が設けられています。 参考:厚生労働省「処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)」https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001219322.pdf 厚生労働省「処遇改善加算の一本化及び加算率の引上げ(令和6年6月〜)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001219322.pdf 変更点②加算率の引き上げ 新たに導入される「介護職員等処遇改善加算」では、現行の3つの加算を全て取得している場合よりも、さらに加算率が引き上げられるよう設定されています。 例えば訪問介護において新加算(Ⅰ)を取得する場合、現行の3加算の合計加算率22.4%に対し、新加算(Ⅰ)の加算率は24.5%となり、2.1%のプラスとなります。 この加算率の引き上げにより、処遇改善加算を除いた総報酬単位数に所定の加算率をかけることで、処遇改善加算の単位数が算出されます。障がい福祉の現場で働く職員に対しても、 2024年度に2.5%、2025年度に2.0%のベースアップが確実に実現できるよう、加算率が引き上げられています。 また、2024年度末までの経過措置期間中は、これまでの3加算の加算率を維持しつつ、新たな加算率の引き上げを適用することで、激変緩和措置が講じられます。この措置により、介護現場で働く職員は従来の加算と比べて、より安定した賃金改善が期待できます。 出典:厚生労働省「処遇改善加算の一本化及び加算率の引上げ(令和6年6月〜)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001219322.pdf 出典:厚生労働省「現行制度方一本化後の介護職員等処遇改善加算への移行」https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001219322.pdf 変更点②対象者・配分ルールの撤廃と新設 新たに導入される「介護職員等処遇改善加算」では、従来の配分ルールが大きく見直されます。 従来の「介護職員等特定処遇改善加算」では、勤続10年以上の介護福祉士を中心に重点的な処遇改善が求められ、賃金改善額の具体的な基準が定められていました。しかし、このルールは2024年3月で廃止され、新たな「介護職員等処遇改善加算」では、職種ごとの具体的な配分割合が撤廃されます。 代わりに 「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある介護職員に重点的に配分すること」が求められますが、各事業所はこれを柔軟に運用できます。 また、2024年4月・5月においても、旧処遇改善加算や旧特定加算を算定する場合は、同様に介護職員以外への柔軟な配分が認められ、事業所全体の賃金改善がより効率的に進めることができます。ただし、一部の職員や特定の事業所に対して、賃金改善を集中させるなどの偏った配分は認められません。 3.新たな処遇改善加算の算定要件 新たに導入される「介護職員等処遇改善加算」には、加算を受けるために満たすべき「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」の3つの主要な要件があります。 これらの要件は、算定する加算の区分に応じて異なり、加算率が高くなるほど厳しくなります。 新たな処遇改善加算では、これまでの3つの加算要件を引き継ぎつつ、さらに加算率を上乗せして、(Ⅰ)から(Ⅳ)の4つの区分に集約されています。 以下では、各要件の概要について説明します。 ①キャリアパス要件(Ⅰ~Ⅴ) ●キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系) 新加算Ⅰ〜Ⅳ 福祉・介護職員について、職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件を定め、さらにそれらに応じた賃金体系を整備する。 ※2024年度中は年度内に対応の誓約で可 ●キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施等) 新加算Ⅰ〜Ⅳ 福祉・介護職員の資質向上の目標や以下のいずれかに関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保する。 a.研修機会の提供又は技術指導等の実施、福祉・介護職員の能力評価 b.資格取得のための支援(勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助等) ※2024年度中は年度内に対応の誓約で可 ●キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組み) 新加算Ⅰ〜Ⅲ 福祉・介護職員について以下のいずれかの仕組みを整備する。 a.経験に応じて昇給する仕組み b.資格等に応じて昇給する仕組み c.一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み ※2024年度中は年度内に対応の誓約で可 ●キャリアパス要件Ⅳ(改善後の賃金額) 新加算Ⅰ・Ⅱ 経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であること。 なお、小規模事業所等で加算額全体が少額である場合などは、適用が免除されます。 ※2024年度中は月額8万円の改善でも可 ●キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置) 新加算Ⅰ 福祉・専門職員配置等加算等の届出を行っていること。 ②月額賃金改善要件(Ⅰ~Ⅱ) ●月額賃金改善要件Ⅰ 新加算Ⅰ〜Ⅳ 新加算Ⅳ相当の加算額の2分の1以上を、月給(基本給又は決まって毎月支払われる手当)の改善に充てる。 なお、現在、加算による賃金改善の多くを一時金で行っている場合は、一時金の一部を基本給・毎月の手当に付け替える対応が必要になる場合があります。(賃金総額は一定のままで可) ※2025年度から適用 ●月額賃金改善要件Ⅱ(介護福祉士等の配置) 新加算Ⅰ〜Ⅳ 前年度と比較して、現行のベースアップ等加算相当の加算額の3分の2以上の新たな基本給等の改善(月給の引上げ)を行う。 なお、新加算Ⅰ〜Ⅳへの移行に伴い、現行ベア加算相当が新たに増える場合、新たに増えた加算額の3分の2以上、基本給・毎月の手当の新たな引上げを行う必要があります。 ※現行ベア加算未算定の場合のみ適用 ③職場環境等要件(Ⅰ・Ⅱ/Ⅲ・Ⅳ) ●職場環境等要件Ⅰ・Ⅱ 6の区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上、うち一部は必須)取り組む。情報公表システム等で実施した取組の内容について具体的に公表する。 ※2024年度中は6つの区分から3つを選択し、それぞれで1以上、取組の具体的な内容の公表は不要 ●職場環境等要件Ⅲ・Ⅳ 6の区分ごとにそれぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)取り組む。 ※2024年度中は全体で1以上 引用:厚生労働省「新加算を算定するためには・・・以下の3種類の要件を満たすことが必要です」 https://www.mhlw.go.jp/content/001223662.pdf 4.【4STEP】処遇改善加算を取得するための手続き・流れ 介護職員等処遇改善加算を算定するには「体制等状況一覧表」「処遇改善計画書」「実績報告書」などの提出が求められます。 それぞれの書類には注意点があるので、取得するための流れと交えて以下で詳しく解説します。 STEP1:体制等状況一覧表(体制届出)の届出 新加算等の算定には、介護サービス事業ごとに「体制等状況一覧表」などの必要書類を提出します。 居宅系サービスは前月15日まで、施設系サービスは当月1日までに、事業所の所在地を管轄する都道府県知事や市町村長に提出します。 2024年4月または5月に新規で旧3加算を算定する場合や区分を変更する場合、届出期日は2024年4月1日ですが、柔軟に対応し、4月15日まで受け付けることが可能です。 STEP2:処遇改善計画書の作成・提出 新加算等の算定には、改正後の基準に基づく「処遇改善計画書」や「特定処遇改善計画書」などを作成し、初めて算定する月の前々月末までに都道府県知事などへ提出します。 これらの書類は、根拠資料とともに2年間保存することが求められます。 ただし、確認に十分な時間が確保できる場合、提出期限の延長が可能です。 また、2024年4月および5月の旧3加算、6月以降の新加算については、計画書の提出期限を4月15日とし、変更の受付は6月15日まで認められます。 加算算定によって利用者の自己負担額が増加するため、加算取得前に内容を更新した重要事項説明書および同意書を利用者とその家族へお渡しし、説明を行い、サインを得ることが必要です。 現時点で同意書の提出のタイミングは明確ではありませんが、処遇改善計画書と同時期に提出することが想定されます。 STEP3:施策の実行 体制等状況一覧表(体制届出)の届出から始まり、処遇改善計画書の作成および提出まで終了したら、いよいよ計画書に基づいた施策を2024年度中に実行します。 STEP4:実績報告書の作成・提出 新加算等を算定した介護サービス事業所は、大臣基準告示に基づき、実績報告を別紙様式3-1および3-2にしたがって作成し、各事業年度における最終の加算支払があった月の翌々月末日までに都道府県知事等へ提出します。併せて、根拠資料を2年間保存することが求められます。 2024年度の実績報告書の提出期日は、2025年3月分の加算支払が2025年5月であるため、通常の場合で提出期限は2025年7月31日です。 参考:厚生労働省老健局老人保健課「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え並びに事務処理手順及び様式例の提示について(案)の送付についてP11〜P12」 https://www.mhlw.go.jp/content/001220756.pdf 別紙様式3-1 出典:厚生労働省老健局老人保健課「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え並びに事務処理手順及び様式例の提示について(案)の送付について」 https://www.mhlw.go.jp/content/001220756.pdf 別紙様式3-2 出典:厚生労働省老健局老人保健課「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え並びに事務処理手順及び様式例の提示について(案)の送付について」 https://www.mhlw.go.jp/content/001220756.pdf 5.新たな算定要件「「職場環境等要件」とは? 2024年度の介護報酬改定により、介護職員等処遇改善加算に新たに「職場環境等要件」が設定されました。 6区分からなる「職場環境等要件」を満たす必要があり、これらの要件は従来よりも細分化され、より具体的な条件が設定されているものです。 特に「生産性向上のための取組」については、定められた具体的な内容のうち3つ以上を満たし、さらに以下の⑰と⑱の要件をクリアすることが求められます。 参考:厚生労働省老健局老人保健課「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え並びに事務処理手順及び様式例の提示について(案)の送付についてP23表5-1職場環境等要件の一部を抜粋」 https://www.mhlw.go.jp/content/001220756.pdf 関連記事 【処遇改善加算】介護の生産性向上を極める~職場環境要因をクリアせよ~ https://www.sanko-fukushi.com/news/shoguukaizen_seminar/ 6.まとめ 今回は、処遇改善加算とは何か気になっている介護事業者向けに、介護報酬改定に伴う変更点や算定要件、取得するための手続きや流れを交えて解説しました。 介護職員等処遇改善加算とは、介護業界で働く職員の賃金向上や職場環境の改善を目的とした制度です。 2024年の介護報酬改定では、 3つの制度が一本化されたと同時に、加算率が引き上げられ、対象者や配分ルールの撤廃と新設がありました。 また、新たに加算Ⅰ~Ⅳが設定され、算定要件が細分化されました。 これにより、介護事業者は新基準に対応するための取り組みが求められますので、職員の皆様へより良い職場環境を整えましょう!
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2024.09.03- 介護コラム
【2024年最新版】介護士の給料は上がる?収入アップに向けた方法も【2024年最新版】介護士の給料は上がる?収入アップに向けた方法も 2024年度から施行された新たな「介護職員等処遇改善加算」により、介護士の給料がさらに上がることが期待されています。 これまでの国の賃上げ施策で介護士全体の収入は着実に上昇しており、今回の介護職員等処遇改善加算にも大きな関心が寄せられています。 そこで今回は、2024年に介護士の給料はどの程度上がるのかについて、賃上げの施策だけに頼らず、資格取得やキャリアアップなどで収入をさらにアップさせる方法を交えて解説します。 1.2024年以降に介護士(介護職員)の給料は上がる見込み 介護業界は人材不足が続いており、介護職員の定着を図ることを目的として、定期的に施策の見直しや改善が続いています。 2023年度の介護業界の賃上げ率は1.42%で、春闘の平均賃上げ率が3.69%だったのに対し大きく下回っています。これを打破するために介護報酬改定が前倒しで行われました。 2024年6月以降も賃上げが見込まれており、2024年度中に2.5%、2025年度中には2.0%のベースアップへ確実につながるよう加算率の引き上げが進められる予定です。 賃金の仕組みの一元化も検討され、今後さらなる改善が期待されます。 参考:厚生労働省「処遇改善加算の制度化が一本化(福祉・介護職員等処遇改善加算)され、加算率が引き上がります」https://www.mhlw.go.jp/content/001223662.pdf 全国老人保健施設協会「介護現場における物価高騰および賃上げの状況」 https://www.roken.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/04/20230428_yobosyo_betten-1.pdf 2024年2月からの「6,000円の賃上げ施策」はすでに終了 政府は、2024年2月から介護報酬の賃上げ政策を実施し、職員一人あたり月額6,000円の賃上げが決定されました。 この賃上げは、一般的な介護施設の職員だけでなく、訪問介護や看護助手、障がい福祉系の職員も対象となり、パート職員にも労働時間に応じて支給されます。 6,000円の賃上げ施策は、2024年6月からの介護職員等処遇改善加算が実施されるまで(2024年2月から5月までが賃上げの対象期間)の施策であり、介護職員等処遇改善加算がスタートした2024年8月現在ではすでに終了しています。 2.「介護職員等処遇改善加算」の詳細を徹底解説! 2024年6月から「介護職員等処遇改善加算」という仕組みが始まり、2024年度と2025年度に介護士の給料が上がることは知られていますが、具体的にどういう賃上げなのか、どの職種が対象となるのか、加算率がどのくらいなのかを詳しく理解している人は少ないです。 そこで、こちらでは「介護職員等処遇改善加算」について詳しく説明します。 <過去に実施された介護士の処遇改善制度3つ> 2024年から始まった「介護職員等処遇改善加算」という新しい制度は、これまでにあった処遇改善に関する制度を一つにまとめたものです。 過去に実施された処遇改善制度は以下の3つです。 制度①介護職員処遇改善加算(2012年創設) 介護職員処遇改善加算は2009年に導入され、2011年まで実施されていた「介護職員処遇改善交付金」を受け継ぎ、2012年から運用が始まりました。 介護職員の賃金や職場環境を改善するために、要件を満たす事業所に介護報酬が上乗せされ、対象となる事業所は賃金体系や研修制度などを整備している必要があります。 加算の種類はⅠ〜Ⅴまであり、加算率は事業所のサービス区分と要件に基づき決まり、要件にはキャリアパス要件(昇進・昇給の仕組み、研修の実施)や職場環境改善などがあります。 参考:厚生労働省「介護職員処遇改善加算」のご案内 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000199136.pdf 制度②介護職員等特定処遇改善加算(2019年創設) 介護職員等特定処遇改善加算は、経験やスキルのある介護職員の給料を上げるために、2019年から始まった制度で、長期間働くことでスキルを身につけた介護職員の処遇を改善し離職を防ぐことが目的です。 2020年の調査では、処遇改善加算を持つ事業所の63.3%がこの加算を取得しています。 介護職員等特定処遇改善加算は「経験・技能のある介護職員」や「他の介護職員」などが対象で、特定加算を取得するには介護職員処遇改善加算を持ち、職場環境改善などの要件を満たす必要があります。 加算の配分ルールも設定されており、経験豊富な職員には重点的に配分されます。 参考:厚生労働省「2019年度介護報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000478355.pdf 制度③介護職員等ベースアップ等支援加算(2022年創設) 介護職員等ベースアップ等支援加算は、2022年10月の介護報酬改定で導入され、基本給の引き上げと介護職員の処遇改善を目的としており、2022年2月から9月までの賃上げ効果を継続するために、既存の処遇改善加算や特定処遇改善加算に追加されました。 従来の加算が賞与でも支給可能であったことに対し、ベースアップ等支援加算は毎月の給料で還元することが重視され、対象事業所の介護職員1人あたり月額平均9,000円の賃上げが見込まれていたものです。 参考:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf <一本化された介護職員等処遇改善加算の概要> 過去に実施した 3つの処遇改善制度を一本化する形で2024年に創設された新たな「介護職員等処遇改善加算」 は、介護職員の賃金向上や職場環境改善を目指しており、人材不足解消のために設けられました。 新たな介護職員等処遇改善加算は事務負担の軽減が期待され、2024年6月から施行していますが、4・5月は旧加算が適用されます。 特定サービスは引き続き対象外で、新加算に移行できない事業所には2024年3月まで新加算Ⅴが設けられ、既存の加算状況に基づいた経過措置が取られていました。 出典:厚生労働省「現行制度から一本化後の介護職員等処遇改善加算への移行」 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001219322.pdf ①賃上げの対象となる介護士 新たな介護職員等処遇改善加算における 賃上げの対象は介護職員のみ で、ケアマネジャーや事務職は含まれていません。 しかし、 職種ごとの配分ルールが廃止され、現在では「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある介護職員に重点的に配分しつつ、事業所内での柔軟な配分を認める」となっています。 このため、介護職員以外(看護師・ケアマネジャー・事務職など)への配分も可能です。 ただし、職務内容や勤務実態に合わない偏った配分は避けるべきで、人手不足対策を目的とした柔軟な対応が求められています。 参考:厚生労働省「処遇改善加算の一本化及び加算率の引き上げ(令和6年6月〜)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001219322.pdf ②サービス区分ごとの加算率 新たな介護職員等処遇改善加算における代表的な介護サービスそれぞれの加算率は以下の通りです。 上記の加算率を基にした1カ月あたりの処遇改善加算取得額は、以下の①〜③をかけて求めることができます。 ①:1カ月の総単位数(基本報酬に加算減算を加味したもの)を出す ※処遇改善加算分の単位数は除きます ②:①に上記表の処遇改善加算の加算率をかける ③:②に地域区分単価をかける 出典:厚生労働省:「処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)」https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001219322.pdf 3.介護士の給料推移|処遇改善によって給料は本当に上がる? 介護士の処遇改善はこれまでも繰り返し行われており、着実に給料は上昇しています。 しかし、実際に給料がどれくらい上がっているのかを把握している人は少ないのが現状です。 そこで、処遇改善加算の届け出を行った事業所で働く常勤介護士の給料の推移について紹介します。 【常勤介護士の給料推移】 介護士の給料が低いという声をよく聞きますが、実は最近では低いとは言えないほどに給料が上昇しており、厚生労働省の調査によると介護職員の平均給与は2012年から2022年の10年で約40,000円も増加しています。 ※上記表「常勤介護士の給料推移」に関する数値は厚生労働省から出典 2012年度:厚生労働省「平成24年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要p7」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/13/dl/24gaiyou.pdf 2015年度:厚生労働省「平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要p13」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/16/dl/27gaiyou.pdf 2018年度:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要p10」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/dl/30gaiyou.pdf 2020年度:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要p13」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02gaiyou.pdf 2022年度:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要p13」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04gaiyou.pdf 2024年度以降介護士の給料はどれくらい上がる? 新しい「介護職員等処遇改善加算」は2024年6月から始まったばかりの制度で、介護士全体の給料がどれくらい上がるかはまだわかっていません。 しかし、この加算制度では「2024年度に2.5%、2025年度に2.0%の賃上げ」を目指しています。 具体例として、これまでの給料が約320,000円だった介護士が、このベースアップ率に従って給料がどう変わるか見てみましょう。 例:2024年→月給320,000円 × 2.5% = 8,000円 =月給8,000円アップ 年間にすると約96.000円と、およそ100,000円アップすることが分かります。 関連記事 「介護福祉士の平均年収はいくら?給料アップのために知りたいお金事情を解説」 https://www.sanko-fukushi.com/news/kaigo-okane-column/ 4.介護士が給料を上げるための方法5選 介護業界の給料は、定期的に実施される賃上げ施策によって年々向上していますが、より高い収入を得るためには現場での努力も欠かせません。 ここでは、介護士がさらなる給料アップを目指すためにできる5つの方法を紹介します。 方法①夜勤の回数を増やす 給料をすぐに上げたい介護士は、 夜勤の回数を増やす ことで夜勤手当による収入アップを狙えます。 しかし、夜勤は身体的な負担が大きく、生活リズムが不安定になる可能性があるため、無理のない範囲で行うことが大切です。 給料が上がっても、仕事以外の時間が充実しないとモチベーションが低下してしまうので、自身の体力と相談をしながら選択肢の一つとして考えましょう。 方法②1つの職場に長く勤める 介護士の給料は 勤続年数に応じて上がる傾向 があります。 パートやアルバイトで働き始めたとしても、1つの職場に長く勤めることでフルタイムの正社員を目指せます。 また、1つの職場で長く勤めることのメリットとして、業務の進め方が大幅に変わるといったことも少なく、職場での人間関係や利用者との関係も構築しやすいことが挙げられます。 方法③関連資格を取得する 介護士は無資格でも働けますが、 資格を取得する ことで資格手当が支給され給料がアップします。 厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、無資格者では月給268,680円ですが、介護職員初任者研修修了者で月給300,240円、介護福祉士取得者で月給331,080円となっています。 資格を取得することで任せてもらえる仕事が増える上に、仕事の選択肢も広がります。 働きながら資格取得にチャレンジするのは大変ですが、取得できれば仕事や給料面で有利になるためチャレンジしてみましょう。 関連記事 介護職員初任者研修を取得するならどこがいい?失敗しないスクール選びのポイント https://www.sanko-fukushi.com/news/shoninsha_erabi_colum/ 働きながら実務者研修の資格を取得するコツは?お得に受講する給付制度もご紹介 https://www.sanko-fukushi.com/news/jitsumu-hatarakinagara_colum/ 方法④キャリアアップを図る 管理職へキャリアアップする ことで給料もアップします。 同じく厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、管理職の介護職員の平均給料は356,570円で、一般の介護職員の308,070円と比べると約50,000円の差があります。 管理職になるためには、実務経験や介護の知識だけでなくマネジメント力も求められます。施設ごとに条件が異なるため、事前に確認が必要です。 施設長や管理職になることで大きな給料アップが期待できるので、条件を確認しながらキャリアアップを目指してみましょう。 方法⑤より高い収入を得られる職場に転職する 資格やスキルを活かして転職をする ことで、給料アップを目指すことができます。 介護士の給料は、事業所を運営する会社や施設の形態、働く地域によって異なりますので、転職先を選ぶ際には労働時間や給料規程、福利厚生などをしっかりと確認しておきましょう。 関連ページ 介護のお仕事を探すなら「介護求人ドットコム」https://creatework.jp/ 4.まとめ 今回は、2024年に介護士の給料はどの程度上がるのかについて、賃上げの施策だけに頼らず、資格取得やキャリアアップなどで収入をさらにアップさせる方法を交えて解説しました。 2024年2月から実施される介護報酬の賃上げ政策により、職員一人あたり月額6,000円の賃上げが決まりました。この施策は介護職員だけでなく訪問介護や看護助手、障がい福祉系の職員にも適用され、パート職員にも支給されます。 施策は2024年5月までの適用で、6月からは新たな「介護職員等処遇改善加算」が始まり、さらに2024年度に2.5%、2025年度に2.0%のベースアップも予定されています。 介護士がさらなる給料アップを目指すには、 夜勤の回数を増やす、1つの職場で長く勤める、関連資格を取得する、管理職にキャリアアップする、より高い収入の職場に転職すること などが挙げられます。自分に合った給料アップの方法を選択しながら、介護士としてイキイキと働いていきましょう。
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2024.08.11- 介護コラム
介護職は無資格で働ける?2024年4月より義務化の新たな要件とは介護職は無資格で働ける?2024年4月より義務化の新たな要件とは 2024年4月から介護職は無資格のままでは働けなくなりました。 猶予期間中であれば無資格でも働けますが、携われる業務が限定されるため、資格を取得する重要性がより高まっています。 そこで今回は、2024年4月に義務化された認知症介護基礎研修と、介護のファーストステップである初任者研修について紹介します。 1. 介護職は無資格で働けなくなるって本当? 令和3年度(2021年度)の介護報酬改定により、介護無資格者には認知症介護基礎研修の受講が義務付けられました。対象は介護に直接携わる職員で、医療や福祉関連の資格を保有しない人です。 認知症介護基礎研修はeラーニングに対応し、6時間程度のカリキュラムが組まれており、認知症介護に必要な知識や技能を習得します。 2021年度から2023年度までは努力義務、2024年度から完全義務化されるので、2024年度からは未受講の無資格者は介護職として働けなくなります。 ①2024年3月末までは経過措置期間だった 認知症介護基礎研修は2021年3年から開始されたものの、2024年3月までの3年間は経過措置期間となっており、研修受講は努力義務とされていました。 しかし、認知症介護基礎研修の開始時期から介護職として働いていた方は、すでに研修を受講しているケースも多いです。 【東京都における認知症介護基礎研修の修了者数】 2021年度 5,947人 2022年度 7,119人 上記は、東京都における認知症介護研修の修了者数ですが、1年間の修了者だけでも5,000人を超えています。 参考:東京都福祉局「令和4年度 東京都認知症介護研修等に実施」https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/torikumi/kaigi/kaigi38/pdf/38kaigi_sanko10.pdf 参考:東京都福祉局「令和3年度 東京都認知症介護研修等の実施」https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi//torikumi/kaigi/kaigi36/pdf/36kaigi_sanko13.pdf ②新入職員の場合は入職後1年間の受講猶予期間がある 2024年4月以降は、無資格者が介護職へ就けなくなると考える人も多いです。 しかし、 実は認知症介護基礎研修の受講が義務化されたあとも、新規や中途の採用を問わず入職後1年間の受講猶予期間が設けられているため、無資格者でも介護の仕事を始めることは可能です。 2.無資格の介護職が携われる仕事内容 現在でも無資格者が応募可能な求人は多いため、 働きながら認知症介護基礎研修や初任者研修の修了を目指すこともできます。 しかし、現場で経験を積みながら資格取得を目指せる反面、有資格者よりも携わる仕事の幅は狭くなります。 職場によっては資格取得をサポートしてくれるケースもあるため、上手に活用しましょう。 以下では介護無資格者でも携われる仕事内容を紹介します。 ①生活援助 生活援助とは、利用者に直接触れずに行う業務で、日常生活を支援するサービスです。 具体的には、食事の準備や調理、配膳や片付けをはじめ、居室やトイレの清掃、洗濯やシーツ交換、買い物などです。 また、介護施設では高齢者の話し相手や食事量のチェックなども担当します。 ②身体介護(施設内のみ・有資格者の指導必須) 身体介護とは、利用者に直接触れて行う業務で、通常は介護資格が必要ですが、介護施設内では介護福祉士などの指示のもとで無資格でも身体介護を行えます。 具体的には、入浴介助や衣類の着脱、排泄の介助や体位変換、食事の介助などです。 ③送迎業務 デイサービスや通所リハビリ、ショートステイなどの通所型施設の場合、利用者の自宅と施設とを送迎する業務を行います。 送迎業務は介護資格がなくても携わることはできますが、利用者が車へ乗降する際に介助が必要なため、職場によっては初任者研修の修了が求められます。 ④事務作業 介護施設内でのさまざまな事務作業を行います。 具体的には、介護施設内における受付や電話対応、備品の発注や管理、経理事務や医療事務、給料計算や郵送物の発送などです。 介護無資格者であっても、オフィスソフトの操作が得意でパソコン業務に抵抗のない人は向いているでしょう。 3.2024年4月より受講が義務化された「認知症介護基礎研修」とは 認知症介護基礎研修とは、認知症への理解を深め、必要な基礎知識と技術を習得することが目的です。 研修では認知症の症状理解や対応の基礎、ケア技術などを学び、チームケアの実践を目指します。 以下は認知症介護基礎研修の主なカリキュラムです。 ・認知症の人を取り巻く現状 ・具体的なケアを提供する時の判断基準となる考え方 ・認知症の人を理解するために必要な基礎的知識 ・認知症ケアの基礎的技術に関する知識と実践上の留意点認知症介護基礎研修は、時間数150分程度ですので、半日から1日で修了を目指せます。 参考:厚生労働省「認知症介護基礎研修標準カリキュラム」https://www.mhlw.go.jp/content/001227778.pdf 出典:社会福祉法人東北福祉会 認知症介護研究・研修 仙台センター「認知症介護基礎研修とは」 https://kiso-elearning.jp/what-kiso/ ①認知症介護基礎研修を受講するメリット 認知症介護基礎研修を受講することで、認知症の症状への理解やケア技術の基礎を学べ、介護現場で必要な知識を習得できます。これにより、認知症の人やその家族へ適切な対応が行えるとともに、コミュニケーションがスムーズにできるようになります。 また、上位資格である認知症介護実践者研修や認知症介護実践リーダー研修の受講資格を得られます。これにより、さらに認知症への深い知識と技術を学び、現場での経験を積むことで昇給や昇格、転職にも有利となり、キャリアアップの機会が広がります。 認知症介護基礎研修は、自治体や委託団体が実施しており、日時や場所は異なります。eラーニングを活用する自治体では、インターネット環境があれば自宅で受講が可能です。また、集合型研修は年数回開催されますが、定員があるため早めの確認と手続きが必要です。 ②受講の対象者 認知症介護基礎研修の受講対象者は、すべての介護サービス事業所で直接介護に従事する無資格者で、 無資格で新たに入職した場合、入職後1年以内に認知症介護基礎研修の受講が必要です。 また、認知症サポーターや認知症ケア指導管理士などの民間資格を持っていても免除はされないほか、居宅介護支援や福祉用具貸与に関わる職員は対象外です。 ③受講が免除されるケース 認知症ケアに関する基礎的な知識および技術を習得している以下に掲げる人は、認知症介護基礎研修の受講が免除されます。 ・医師、歯科医師、薬剤師 ・看護師、准看護師 ・介護福祉士、介護支援専門員、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者、介護職員基礎研修課程又は訪問介護員養成研修一級課程・二級課程修了者 ・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師 ・管理栄養士、栄養士 ・社会福祉士、精神保健福祉士等 ・養成施設の卒業証明書及び履修科目証明書により、事業所及び自治体が認知症に係る科目を受講していることが確認できる場合 ・卒業証明書により卒業が証明できる福祉系高校の卒業者 ・認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修等の認知症の介護等に係る研修を修了した人 ・人員配置基準上、従業者の員数として算定される従業者以外の者や、直接介護に携わる可能性がない人 出典:厚生労働省「介護保険法施行規則第140条の63の6第1号に規定する厚生労働大臣が定める基準について」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000947633.pdf ④受講方法 認知症介護基礎研修の受講方法は、eラーニングシステム専用サイトから申し込みが可能です。 まず、事業所の責任者は事業所の登録を行います。介護保険事業所番号や自治体名などを登録し、事業所コードが発行されます。受講者はメールアドレスを登録した後、必要情報を入力して受講IDを取得し、受講料を支払うと申し込みが完了します。 受講はインターネットを通じてパソコンやスマートフォンから行え、途中でログインし直せば前回の続きから再開できます。 内容は動画と確認テストで構成され、試聴時間は約150分ですが分割視聴も可能です。 ⑤受講費用 都道府県や研修の主催元(自治体が主催しているのか・委託された民間団体が主催しているのか)によって受講費用は異なります。 一般的には、テキスト代や受講費を含めて3,000~5,000円程度のケースが多いです。 すでに介護職として働いている場合は、資格取得サポートの一環として勤務先が受講費用を負担してくれる場合もあるので、事前に確認しましょう。 4.初任者研修と認知症介護基礎研修の違い 2024年4月以降、無資格の介護職は1年以内に働けなくなるため、何かしらの介護系資格を取得する必要があります。 介護の入門資格として初任者研修があり、無資格の人が受講する認知症介護基礎研修と比較されることも多く、どちらを取得するべきか迷います。 ここでは初任者研修と認知症介護基礎研修の違いについて解説します。 ①初任者研修とは? 初任者研修は、 認知症の基本知識だけではなく、介護職として働くための基礎知識や技術を身につけることができます。 初任者研修の資格を取得することで、訪問介護事業所でも働けるようになり、認知症介護基礎研修が免除されます。 受講費用は5万円〜10万円程度で、最短1ヶ月で取得可能です。 無資格者に比べて給与が高くなり、求人数も多いのが特徴です。 参考:三幸福祉カレッジ初任者研修とは https://www.sanko-fukushi.com/course/shoninsha/ ②初任者研修と認知症介護基礎研修との違いは? 初任者研修と認知症介護基礎研修との違いは、その目的と受講項目です。 初任者研修は介護全体の基礎知識や技術を学ぶ目的の研修で、介護の基本的な考え方や技術、法律やコミュニケーションスキルを習得します。 一方の認知症介護基礎研修は、認知症の人をサポートするための基礎知識や技術を学び、認知症の特徴や対応方法を理解することが目的です。 また、初任者研修が130時間のスクーリング受講に対し、認知症介護基礎研修は約150分のeラーニングの受講で取得を目指します。 ③初任者研修と認知症介護基礎研修はどちらを取得するべきか? 介護職で長く働きたい人には初任者研修がおすすめです。130時間のスクーリング受講で介護全般の知識と技術を習得でき、実務者研修の一部科目が免除されるため、キャリアアップにも役立ちます。 一方、短期間かつ低コストで知識や技術を身につけたい人には認知症介護基礎研修がおすすめです。受講時間が短く費用も初任者研修より安いため気軽に受講でき、認知症の人への対応方法を学び、自信を持って介護業務に取り組めます。 5.介護職の資格に関するよくある質問(Q&A) Q:介護職にはどのような資格があるの? A:介護職の資格には、介護の入門資格である初任者研修、その上位資格として実務者研修、さらに介護職唯一の国家資格である介護福祉士などがあります。その他にも、訪問介護員として生活援助サービスが行えるようになる生活援助従事者研修もあります。 Q:介護職で長く働きたいので初任者研修を受講したいが、勉強についていけるか不安 A:初任者研修は、受講生の9割以上が未経験から資格を取得しており、男女とも10代から70代までの幅広い年齢層の人が受講しているので安心して参加できます。 6.まとめ 今回は、2024年4月に義務化された認知症介護基礎研修について、今後介護無資格者が求人に応募する際に受講しておきたい初任者研修を交えて解説しました。 認知症介護基礎研修は2021年3月に始まり、2024年3月までの3年間は受講が努力義務でした。2024年以降も新規や中途の採用者は入職後1年間の受講猶予期間があります。 介護職で長く働きたい人は、130時間のスクーリングで介護全般を学べる初任者研修が向いていますが、短期間かつ低コストで学びたい人には認知症介護基礎研修が向いていると言えるでしょう。
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