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  • 【第35回(令和4年度)】介護福祉士国家試験の合格率は?難易度や試験内容を紹介
    2023.08.23

    介護コラム

    【第35回(令和4年度)】介護福祉士国家試験の合格率は?難易度や試験内容を紹介

    第35回(令和4年度)介護福祉士国家試験は、令和5年1月29日(日)に筆記試験、令和5年3月5日(日)に実技試験が行われました。 結果は、受験者79,151人に対し合格者66,711人と、合格率84.3%に達し、過去最も高い合格率となりました。 これから介護福祉士を目指そうと思っている方はぜひ参考にしてください。 1.介護福祉士とは 介護福祉士は、1987年に「社会福祉士及び介護福祉士法」によって制度化された介護専門職の国家資格(名称独占)です。 そして、「介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。」と定義されています。 上記の定義からもわかるように、介護福祉士は、利用者に寄り添い、その人の持っている力を引き出し、さまざまな機能を高めていくことを支援する介護のプロフェッショナルです。 引用:厚生労働省 介護福祉士の概要について 2.介護福祉士の難易度・合格率 引用:厚生労働省 介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移 第1回(平成元年)に行われた試験では、受験者11,973人に対し合格者2,782人と、合格率23.2%に留まっていました。 そこから年々合格率が上昇しており、第4回(平成4年)に50%超、第24回(平成24年)に60%超、そして第29回(平成29年)には70%超にまで達しています。 同じ国家試験の中でも難関と呼ばれるものは合格率10%以下の試験もありますので、介護福祉士は国家試験の中でも取得しやすいと言えるでしょう。 追記:ですが、合格率70%越えとはいっても、10人のうち3人は不合格になっているということです。油断してはいけません。 3.第35回(令和4年度)の介護福祉士国家試験の合格率 直近の介護福祉士国家試験は、令和5年1月29日(日)に筆記試験、令和5年3月5日(日)に実技試験が行われました。 結果は、受験者79,151人に対し合格者66,711人と、合格率84.3%に達し、35回を数える試験の中で最も高い合格率となりました。 受験者数が4年ぶりに8万人を切りましたが、合格者は過去3年で最も多くなっており、合格率が上昇しています。 引用:厚生労働省 第34回介護福祉士国家試験合格発表 4.介護福祉士国家試験の試験内容  介護福祉士国家試験は、年1回行われ、筆記試験と実技試験があります。例年、筆記試験は1月下旬に、実技試験は3月上旬に実施されています。 合格するには、総得点125点に対し60%程度(問題の難易度によって補正)の正答が必要です。また、11科目群すべてにおいて最低1点が必要です。(以下に記した13科目を「人間の尊厳と自立」と「介護の基本」で1科目群、「人間関係とコミュニエーション」と「コミュニケーション技術」で1科目群とします) 5.第36回(令和5年度)介護福祉士国家試験の情報 さて、第36回介護福祉士国家試験の情報をご紹介します。 2023/5/1(月)時点では第36回(令和5年度)介護福祉士国家試験の情報は公開されていません。 しかし、試験日は例年と大きくは変わらない可能性が高く、筆記試験は1月の第4週の日曜日、実技試験は3月の第1週日曜日が想定されます。 例年、5月上旬に試験情報が試験センターのホームページにて公開されるため、受験予定の方はホームページを適宜確認するようにしましょう。 参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター 次に試験別に内容をご紹介します。 実技試験は免除されている方が多く、基本は筆記試験のみの受験が多いです。 ご自身がどちらに当たるかは、受験ルートによって異なるため、この後ご紹介します。 筆記試験 領域:人間と社会 人間の尊厳と自立、人間関係とコミュニケーション、社会の理解 領域:こころとからだのしくみ こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解 領域:医療的ケア 医療的ケア 領域:介護 介護の基本、コミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程 総合問題 上の4領域の知識・技術について横断的に問う問題を、事例形式で出題 実技試験 介護等に関する専門的技能 引用:厚生労働省 介護福祉士の概要について 6.介護福祉士の受験条件について 引用:厚生労働省 介護福祉士の資格取得方法 介護福祉士になるには、四つのルートがあります。 ①実務経験ルート 介護現場において3年以上の実務経験及び実務者研修を修了し、介護福祉士国家試験(筆記試験)を受験して介護福祉士を目指します。 実務経験ルートで介護福祉士を受験するために必須の実務者研修は、介護サービスの質を高く持続的に提供することを目的とした研修で、2016年度の介護福祉士国家試験より、実務経験3年(540日)以上に加え、実務者研修(450時間)の受講が義務付けられました。この場合、介護福祉士国家試験(実技試験)は免除されます。 また、介護職員として基本的な知識や技術を学ぶ初任者研修を既に修了済みの場合は、研修時間450時間のうち130時間が免除されます。 ②養成施設ルート 厚生労働省が指定した介護福祉士養成施設(大学・短期大学・専門学校など)において、所定のカリキュラムで必要な知識や技術を学び、卒業時に介護福祉士国家試験(筆記試験)を受験し介護福祉士を目指します。 この場合、介護福祉士国家試験(実技試験)は免除されます。 2015年の社会福祉士及び介護福祉士法改正で、2016年度までは介護福祉士養成施設で学べば卒業時に介護福祉士の資格を取得できましたが、養成施設ルート学生は国家試験を受験することになりました。 さらに2017年度から、養成施設ルート学生には、介護福祉士国家資格受験資格が付与されることになりました。 また、2017年から2021年度の卒業生は、5年間暫定的に介護福祉士資格が付与され、その間5年以内に国家試験に合格もしくは5年間連続実務従事のいずれかを満たせば、引き続き介護福祉士資格を保持するという経過措置も定められました。 ③福祉系高校ルート 福祉系高校を卒業したのち、介護福祉士国家試験を受験して介護福祉士を目指します。 卒業する高校と卒業年により、さらに三つのルートに分かれます。 2009年度以降の介護福祉士養成学習カリキュラムのある福祉系高校で学ぶと、卒業後すぐに介護福祉士国家試験を受験できます。 特例高校(福祉系高校に移行することを前提とした学校)を卒業後、9ヶ月以上介護などの業務に従事した場合、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。また特例高校の卒業生が、介護技術講習を修了していない場合、介護福祉士国家試験の実技試験を受ける必要があります。 2008年度以前に福祉系高校に入学・卒業している人は、卒業後すぐに介護福祉士国家試験の受験が可能です。受験申込時に介護技術講習を受けるか否かを選択でき、受講した場合は介護福祉士国家試験(実技試験)が免除されます。 ④EPA(介護福祉士候補者)ルート 国と国とが経済連携を図る経済連携協定に基づき、外国人が日本で介護福祉士資格の取得を目指します。 現在、フィリピンとベトナム、インドネシアの3カ国からEPA介護福祉士候補者の受け入れが行われています。 EPA介護福祉士候補者の条件は国によって異なり、自国で候補者になる条件を満たし、日本語研修及び日本語能力試験を受けて訪日します。 実務経験3年以上のEPA介護福祉士候補者は、実務者研修等なしで介護福祉士国家試験(筆記試験)の受験ができます。介護福祉士国家試験(実技試験)が免除されるには、介護技術講習もしくは実務者研修が必要です。 ご自身がどれに当てはまるかで、受験前に必要な準備も変わってくるので、事前に確認をしておきましょう。 参考ページ:厚生労働省 介護福祉士の概要について 関連ページ:介護福祉士に合格するための勉強方法とは?勉強時間や受かるコツを解説 【まとめ】 今回は、今後ますます必要とされるリーダー的な役割を果たす介護福祉士を目指す方向けに、国家試験の試験内容を、難易度や合格率を交えてご紹介しました。 数ある介護の資格の中でも、介護福祉士は唯一の国家資格です。合格率は70%~80%と高めですが、しっかりと準備をしないと不合格になってしまう可能性もあります。 仕事と受験勉強の両立は思っている以上に大変です。試験までのスケジュールを立て、早めに対策に取り掛かりましょう。  

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  • OJTとは?介護現場での教育に役立つ実践方法やフォーマットを詳しく解説
    2023.07.28

    介護コラム

    OJTとは?介護現場での教育に役立つ実践方法やフォーマットを詳しく解説

    OJTとは?介護現場での教育に役立つ実践方法を詳しく解説 介護現場での職員育成について悩まれている方も多いのではないでしょうか。 「OJTってよく聞くけどなに?」「具体的に何をしたらいいの?」など疑問も多いかと思います。 そこで今回は、介護現場での教育に役立つ実践的なスキルを習得するOJTについて、活用するメリットやポイントをご紹介します。 1.OJTとは OJTとは「On The Job Training」の略で、Onは仕事中、Jobは仕事、Traininngは育成ということから、仕事をしながら仕事の仕方を伝承していくという意味合いがあります。 OJTの特徴は、①やってみせる、②説明する、③やらせてみる、④補修しつつ指導するというステップで実施する点です。 では、現在のOJTとはどのような目的で行われるのでしょうか。 OJTの定義と目的 OJTは、介護現場だけではなく、様々な職場で行われる教育・研修の方法です。主な目的は、新入社員や新任者に対して現場の実践を通じて必要なスキルや知識を習得させることです。OJTは、理論だけでなく実践力を身に付けることができるため、職場での即戦力化や定着率の向上につながります。 OJTと介護職員の定着 OJTは介護職員の定着にも有効です。実際の現場での経験や仕事の実践を通じて行う指導法のため、実際に自分の仕事の改善点がわかりやすく、成長が実感しやすいため、モチベーションの維持や定着率の向上につながります。また、OJTは職員同士のコミュニケーションが必須です。それにより、コミュニケーションやチームワークも促進されるため、職場の雰囲気や連帯感の醸成にも役立ちます。 Off-JTとの違い OJTとOff-JT(Off-the-Job Training)は、教育・研修の手法における違いがあります。Off-JTは職場外で行われるトレーニングや研修を指し、一般的にはセミナーや研修プログラムなどを通じて行われます。一方、OJTは実際の職場での業務を通じて学ぶ手法であり、実践的なスキルや知識の習得に重点を置いています。OJTは、実際の業務環境に即したトレーニングが可能であり、職場の現実に直結したスキルや知識を学ぶことができます。 2.介護現場でOJTを活用する2つのメリット 実際に介護現場でOJTを活用するメリットは、介護スキルが身につきやすい、経験や実践の積み重ねにより自信がつく、指導する立場にとってもスキルアップが見込めるなどがあります。 メリット1.実際の仕事に基づいたスキル習得の効果 OJTでは、実際の仕事を通じて必要なスキルや知識を身に付けることができます。実際のご利用者へのお声がけや介助方法など、教室やテキストだけでは得られない現場での経験を通じて、具体的な業務に関するスキルや技術を習得することができます。実践を通じて自信を深めることで、介護職員としての自己肯定感やモチベーションも向上します。 メリット2.指導者もスキルアップが可能 OJTは指導者自身のスキルアップにもつながります。指導者は、新入社員や新任者への教育や指導を通じて、コミュニケーション力や指導力、リーダーシップを発揮する機会が増えます。それにより現場でさらにメインプレイヤーとしての自覚をもって業務に取り組むことにつながります。 参考:介護施設向け中堅職員研修 https://www.create-ts.com/kaigo/training/staff/mainstay.php 3.介護現場でOJTの具体的な取り組み方法 OJTのメリットを最大限に生かすためには、計画シートを活用して具体的に取り組むことが重要です。 計画シートを作成する 出典:厚生労働省|②介護技術に関する評価チェックシートhttps://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1211-13o08.pdf 上記は、厚生労働省が公表している介護技術に関する評価チェックシートです。 OJTを効果的に実施するためには、事前に上記のような計画シートを作成します。計画シートには、トレーニングの目標やスケジュール、実施内容などを明確に記載します。具体的な業務項目や学習すべきスキルを挙げ、それに基づいたトレーニングプランを作成しましょう。 シートの書き方 計画シートには、実施する業務やトピックのほか、職務遂行のための基準や評価方法などを詳細に記載します。また、トレーニングの進捗や成果を記録する欄を設けることで、双方の振り返りや評価に役立ちます。 4.介護現場でOJTを成功させるための3つのポイント 介護現場でOJTを成功させるためには、指導者と新人職員がコミュニケーションを十分に取りながら、目標や基準に対してのフィードバックを必ず行い、より良い改善策を見いだし実行し続けることがポイントです。管理者は下記の点が実施されているか確認するよう意識し、指導者は、下記のポイントを心掛けて新人職員と関わるようにしましょう。 ポイント1.コミュニケーションを心がける OJTでは、トレーニングを受ける側と指導する側のコミュニケーションが重要です。職員同士の円滑なコミュニケーションや意見交換を促し、お互いが意見を共有しやすい環境づくりを心がけましょう。質問や相談にも積極的に対応し、新人職員の不安や疑問を解消することがOJTの成功への近道です。 ポイント2.フィードバックを行う OJTの進捗や成果を定期的にフィードバックが不可欠です。良い点や改善点を具体的に指摘し、受ける側が成長できるようなサポートを提供しましょう。フィードバックを通じて受ける側の自己評価や意欲を高めることができます。 ポイント3.目標設定や振り返りを実施 OJTでは、トレーニングの目標設定や振り返りが重要です。具体的な目標を設定し、達成度や成果を振り返ることで、受ける側の進歩や成長を確認できます。また、定期的な振り返りを通じて、トレーニング内容や方法の改善点を見つけ出し、OJTの質を向上させましょう。 4.まとめ 今回は、介護現場での教育に役立つ実践的なスキルを習得するOJTについて、活用するメリットや成功させるためのポイントなどを交えて解説しました。 介護現場でのOJTは、実践的なスキル習得や経験・実践力の向上に効果的なトレーニング方法です。計画的な取り組みと適切な指導・フィードバックが成功へのポイントです。双方が密なコミュニケーションを図りながら、目標設定や振り返りを行い、職員の成長と現場のパフォーマンス向上を目指しましょう。 また、 職員を長期的に育成していくには、必要な資格の取得と社内研修の実施が必要不可欠です。 これからOJTの指導者向けに事業所内で研修を検討されている方は、三幸福祉カレッジが実施している研修のテキストが無料でダウンロードができるので、ぜひ参考にしてみてください。

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  • 外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説
    2023.07.27

    介護コラム

    外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説

    外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説 外国人介護士が増え、日頃のコミュニケーションに難しさを感じている現場の担当者も多いのではないでしょうか?文化や言語が違うため、日本人とは関わり方を変えなければ、お互いの誤解が生まれてしまうこともあります。 そこで今回は、外国人介護士とのコミュニケーションに焦点を当て、日頃の業務をより円滑にするために指導時のポイントをわかりやすく解説します。 1.外国人介護士とのコミュニケーションで理解しておくべき4つのこと 外国人介護士とのコミュニケーションでまず理解しておくべきは、日本人が日頃から使用している日本語は私たちが想像している以上に難しい言語であるということです。 その1.外国人にとって日本語は難しい 外国人介護士にとって、日本語は学びやすい言語ではありません。特に介護現場でもよく使用する漢字は音読みと訓読みがあり複雑です。また、日本語と英語を比較すると文法にも大きな違いがあります。 その2.文字の種類が多い 日本語には漢字、ひらがな、カタカナなどさまざまな文字が存在します。ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字、漢字においては2,146文字もあり、世界のあらゆる言語を見ても文字の種類が複数存在する言語は珍しいのです。 そして日本語を学習する多くの外国人は、まずひらがなを覚えた後にカタカナを、最後に漢字という順番で学んでいきます。しかしひらがなを学習して「読めた」と思っていても、次にカタカナや漢字をどうやって覚えればいいのだろうかと諦めの気持ちを抱いてしまうのです。 その3.敬語が難しい 敬語は日本語特有の文化であり、外国人にとっては理解しづらい部分です。敬語には丁寧語や尊敬語、謙譲語などがあり、この違いを正しく理解して日常生活の中で使い分けていくことは至難の業です。 また、敬語を習得したとしても、介護の現場でどのように敬語を活用したらいいのかわからないというケースも多々あります。 その4.方言がある 日本には地域や文化ごとに方言が存在します。外国人介護士にとっては、方言はさらなる言語の障壁です。あいさつをひとつとっても日本の中でさまざまな方言があり、日本人でも自分の出身地以外の方言を理解するのは難しさを感じるのですから、外国人にとってはさらに困惑してしまうでしょう。 参考:三幸福祉カレッジ「外国人介護士が日本語の勉強が難しいと感じる理由は?」 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_muzukashii_colum/ 2.外国人介護士とより良いコミュニケーションを取るための4つのポイント 外国人介護士とより良いコミュニケーションを取るためには、シンプルな表現でジェスチャーを交えることが重要です。ちょっとした意識でできるので、やってみてください。 ポイント①伝え方は簡潔にする 言葉遣いや表現はシンプルにしましょう。明確な指示や情報を伝えることで、外国人介護士が理解しやすくなります。状況に応じて必要な情報を絞り、本当に伝えたい情報だけを伝えるように心がけましょう。 ポイント②ジェスチャーをまじえて伝える 言葉だけでなく、身ぶりや手ぶり、表情などのジェスチャーを活用してコミュニケーションを補完しましょう。また、伝えるときの表情も重要です。伝わらないからと言って声を荒げたり、無表情だと相手が委縮してしまうかもしれません。できるだけ笑顔で優しい口調で伝えてあげましょう。 ポイント③マニュアルにふりがなを振る 重要なマニュアルや手順書などには、漢字の横にふりがなを併記することで、外国人介護士がよりスムーズに文書を理解できます。また、翻訳ツールや専門の通訳サービスを活用することもおすすめです。 ポイント④苦手分野を把握する 外国人介護士が日本語や文化に苦手意識を持っている分野を把握しましょう。具体的には、ベトナム人であれば日本語の発音が苦手であるとか、インドネシア人は漢字が苦手であるなどのように、その国々の方にとっての苦手分野を知っておくことは、より良いコミュニケーションを構築していく上での第一歩です。そしてその分野については、より丁寧に説明しサポートを行うことで、外国人介護士の自信を高めることにつながります。 3.外国人介護士を指導する際の3つのポイント 外国人介護士を指導する際は、日本人介護士がお手本であるという自覚を持ち、外国人介護士が理解しているか常に確認しながら関わりましょう。また、介護現場用の日本語教材を上手に活用することで、より実践的な日本語が身につきやすくなります。 ポイント①日本人介護士はお手本である自覚を持つ すでに介護士として働いている外国人の方は、日本人の介護士との何気のない会話が日本語の練習に役立ったという声があります。日々の業務の中で、教育担当者以外も積極的に外国人介護士とコミュニケーションを取ることで、関係性の構築だけではなく日本語能力向上にもつながります。 日本人介護士は外国人介護士のお手本であると自覚を持ち、言葉遣いやコミュニケーションスタイル、仕事への取り組み方など、良いモデルとなるよう努めましょう。自身の行動や態度が、外国人介護士にとっての良き指導者となることを忘れずに。 ポイント②理解しているか確認しながら指導する 言葉の壁や文化の違いがあるため、指導内容が十分に理解されているかを確認することが重要です。途中で質問を促したり、フィードバックを求めたりすることで、相手の理解度を把握します。必要に応じて言葉や表現を工夫し、より明確に伝える努力をしましょう。 ポイント③介護現場用の日本語教材を活用する 外国人介護士にとって、介護現場で必要な日本語のスキルを向上させるために、専門の日本語教材を活用しましょう。教材や学習プログラムを提供することで、外国人介護士がより確実に日本語を習得し、業務において自信を持つことができます。 また、自治体主催のレッスン、場所や時間を問わず自分の都合の良いタイミングで学習ができるeラーニング、学習が苦手な方には自分の好きな絵本やアニメから学ぶなどの方法を取り入れることもおすすめです。 参考:三幸福祉カレッジ:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 4.まとめ 外国人介護士とのコミュニケーションに焦点を当て、日頃の業務をより円滑にするために指導時のポイントをわかりやすく解説しました。 外国人介護士とのコミュニケーションでは、日本語の難しさや文字の違い、敬語や方言の問題に注意しながら、簡潔で明確な伝え方やジェスチャーの活用を心がけることが大切です。また、外国人介護士を指導する際には、日本人介護士がお手本となり、理解度を確認しながら指導し、介護現場用の日本語教材も活用しましょう。 外国人介護士との円滑なコミュニケーションにより、チームの連携やケアの質を向上させることができます。異なる文化や言語背景を持つ人々と協力する中で、相互理解と尊重の姿勢を持ち、効果的なコミュニケーションを築いていきましょう。

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  • 日本人と外国人の思考の違いはなぜ起こる?受け入れ制度も紹介
    2023.06.30

    介護コラム

    日本人と外国人の思考の違いはなぜ起こる?受け入れ制度も紹介

    介護業界においても、外国人人材の活用が積極的に行われるようになりましたが、日本人と外国人の思考の違いによるコミュニケーションエラーなども発生しているようです。 この記事では、日本人と外国人の仕事に対する思考の違いについて解説し、一緒に働く際に工夫することについて考えます。 また、外国人人材の受け入れ制度は、複数ありますが、ここでは、EPA(経済連携協定)にフォーカスし、外国人の受け入れ制度についても紹介します。 1.EPAによるフィリピン・ベトナム・インドネシアからの受け入れ制度 EPAとは、特定の国や地域同士での貿易や投資を促進するための条約のことです。 介護分野では、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国との各協定に基づき、国家資格である介護福祉士を取得することを目的とした候補者の受け入れを実施しています。 外国人候補者は、送り出し国にて、6カ月間の訪日前日本語研修を受け、日本に入国後、さらに6カ月間の日本語研修を受けます。(ベトナムは、訪日前日本語研修12ヶ月間、訪日後日本語研修2.5か月間) その後、受入れ施設で就労しながら国家試験の合格を目指した研修に従事します。 4年目の介護福祉士国家試験で不合格だった場合は、一定の条件のもと、1年間の滞在延長ができます。 国家資格取得後は、希望者は在留資格「介護」に移行し、引き続き日本で働き続けることができます。 画像引用: EPA(経済連携協定)日本語予備教育事業 ─ 事業概要 ─ 日本の国家資格を取得してほしいという3国の期待が高く、受け入れ側の日本でも受け入れ施設による候補者の支援の強化や、国家試験の申請方法の見直し、再チャレンジ支援、介護職員の配置基準の見直しなどを行っています。 介護分野での受け入れの最大人数の上限は、1年につき各国300名となっており、令和3年度の実際のEPAでの入国者数は、インドネシア263名、フィリピン226名、ベトナム166名でした。 参考資料: 厚生労働省|インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて 関連記事▼(その他の受け入れ制度についてはこちらをご覧ください) 外国人介護人材の受け入れ制度について~受け入れ前に知っておくべき制度の基本~ 2.日本人と外国人の思考の違いが起こる理由 外国人へ指導を行う際、日本人への指導と同じようにしても、うまくいかない・・・という場面がありませんか。 日本人は世界的に見ても真面目で働きすぎだと言われています。日本人特有の仕事観は、外国人には理解しづらいでしょう。 外国人と一緒に働くにあたり、日本人と外国人の仕事への考え方の違いについて、知っておくとよいでしょう。もちろん個人差はありますが、一般的な仕事への考え方の違いについて紹介します。 理由1.外国人はプライベートを大事にする 外国人は、効率的な働き方やプライベートな活動に重きを置く傾向があると言われています。 日本でも、ワークライフバランスが重要視されるようになり、働き方の改革が進められていますが、仕事最優先という考え方があるのが現状です。職場によっては、残業することや、有給休暇を取らないことが、献身的な働き方だという考える人もいるでしょう。 このように、仕事最優先と考える日本人に対して、外国人は、仕事よりも家族やプライベートの優先順位が高いです。 EPA受け入れ対象のベトナム・フィリピン・インドネシア等のアジア各国も家族を最優先に考える傾向があります。 理由2.外国人は専門性を重視する 日本では、終身雇用の働き方が長く続いてきた背景から、ひとつの会社に長く貢献することが良いとされる考え方が残っています。 一方、海外では、専門性を重視し、即戦力となる人材が求められます。よい条件があれば転職するという考え方が一般的だと言われています。 理由3.外国人は意見をはっきりと伝える 日本では、秩序や関係性を重要視するため、相手にとって都合の悪いことを言う場合には、直接的な表現を避け、遠まわしな表現をすることがあります。 一方、外国人は意見をはっきりと伝えます。個人の意見を主張することもあります。日本人がよく使う暗黙の了解や遠回しの表現から察するということも、外国人にとっては理解しづらいでしょう。 3.外国人を受け入れるメリット 外国人を受け入れるメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。 受け入れ制度によっても目的が異なりますが、ここでは、全体的なメリットを紹介します。 メリット1.グローバルな視点がプラスされる 外国人と一緒に働くことにより、多様な考え方や視点に触れることができます。また、相互理解を意識することにより、職場全体のコミュニケーションが円滑になることも期待できます。 また、日本における在留外国人の数は、296万1,969人万人で、増加傾向にあります(令和4年6月時点)。今後、ご利用者にもさまざまなルーツを持った方が増えてくるでしょう。グローバルな視点は、職員間のコミュニケーションだけでなく、利用者サービスにも活かされるはずです。 メリット2.人材不足が解消される 人材不足の解消のために、積極的に外国人人材を受け入れていこうという動きもあります。 介護福祉士の資格取得後は、在留資格「介護」(いわゆる介護ビザ)に移行し、永続的に日本で働き続けることもできます。家族の帯同も可能で、在留期間も制限なしで更新可能です。 また、日本で働きたいと考える外国人は、若い人材が多く、貴重な若い人材の確保も期待できるでしょう。 4.外国人労働者と働くための工夫 外国人労働者と働くためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。先ほど説明した、仕事への違いを知った上で、工夫すべき点を紹介します。 工夫①文化や信仰等を理解して働きやすい環境を整える 文化や信仰、歴史的背景等は国によって異なるため、さまざまな配慮が必要です。 たとえば、日本人にとってはあまりなじみのない信仰ですが、フィリピン人の約90%がキリスト教で、日曜日には教会で礼拝し、毎日決められた時間にお祈りする習慣があります。ベトナム人の約80%は仏教徒です。また、インドネシア人の多くがイスラム教徒で、1日数回の礼拝があります。外国人にとっては、仕事よりも大事と考えられていることもありますので、礼拝の時間を認める等の配慮が必要となります。 外国人介護人材と一緒に働くためには、その人の文化や信仰、歴史的背景等を理解して、働きやすい環境を整えることが大切です。 工夫②業務内容をわかりやすくまとめる 具体的な業務内容を洗い出し、外国人でも理解できるようにわかりやすくまとめましょう。イラストや写真を活用するのも有効です。 また、介護はチームで働くため、情報共有の方法も含めて、仕事の進め方を具体的に伝えるようにしましょう。 工夫③介護用語を教える 介護職として働くためには、介護場面で使用する日本語も覚える必要があります。 外国人が介護用語を学習するための教材も用意されているので、うまく活用しながら、介護場面での語彙や声掛け表現などを教えましょう。その際には、写真やイラストを使うと有効です。 外国人を指導する際に、指摘が必要な場面も出てくるかと思いますが、国民性の違いにより、大勢の前で指摘されたり、怒られたりするのを嫌う人もいます。 人前で指摘するのではなく、1対1で落ち着いて説明するようにしましょう。 関連記事▼ 【介護の日本語】外国人への教え方のコツをわかりやすく解説  まとめ 日本人と外国人の思考の違いについて説明しました。 国民性の違いもありますが、性格や考え方は、一人ひとり違うため、個別に相互理解を深め、コミュニケーションをとることが重要です。 今後、ますます外国人人材が増えていくでしょう。外国人の受け入れを機会に、職場のコミュニケーションや体制を見直し、誰にとっても働きやすい職場を目指してみてはいかがでしょうか。

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    2023.06.29

    介護コラム

    ボディメカニクス8原則とは?腰痛予防や身体の負担軽減のための基本姿勢の保ち方について解説!おすすめの動画も紹介

    ボディメカニクス8原則とは?腰痛予防や身体の負担軽減のための基本姿勢の保ち方について解説 介護の現場では、1日に数えきれないほどの介助姿勢をとるため、手や腰、膝などの痛みに悩まされている人も多いのではないでしょうか。 ご利用者の移乗や移動、身体介助を行う際は、ボディメカニクスを活用した正しい姿勢や技術の習得が重要です。 ボディメカニクスを理解し実践することで、介護技術の基本姿勢を正しく保つことができ、より効果的な介助が行えます。 そこで今回は、介護では欠かせないボディメカニクスについて、技術を習得するメリットや8つの原則、活用する際の注意点などを交え解説します。 1.ボディメカニクスとは ボディメカニクスは、人間の動作および姿勢に関わる体の骨格や関節、筋肉や内臓などの各部位に力学原理を応用した動き、動作、運動、姿勢保持のための技術のことです。 ボディメカニクスは、英語で「Body Mechanics」と書き、身体を表す「Body」と力学を表す「Mechanics」を融合させたもので、介護でいうボディメカニクスとは、 力学原理を活用して最小の労力で介護を行う技術です。 介護では、移乗介助のような身体部位を動かす動的作業姿勢と食事介助のような姿勢を保持して行う静的介助姿勢とがあり、姿勢に対する頭や胴体、手足などの位置は、介護の場面によって異なります。 また、人間の体は地球の重力の影響を受けていて、動作によってはそれにより身体の負担が増えることがあります。 ボディメカニクスの活用方法を知っておくことで、身体の負担を軽減しながら日頃の介護を行うことができるようになります。 参考文献:小川鑛一・北村京子(2016)『介護のためのボディメカニクス』.東京電機大学出版局. 2.ボディメカニクスを習得するメリット ボディメカニクスを習得することによって、介護を行う際の身体の動きや姿勢を最適化して負担を軽減し、ご利用者に安心感を与えます。 メリット1.介護者の負担が軽減される ボディメカニクスを正しく実践することで、介護者の身体への負担を最小限に抑えることができます。 また、適切な姿勢や動作を身につけることで、筋肉や関節への負担が分散され、ケガや疲労のリスクも低減されます。 さらに、介護の長時間労働や重労働において、体力や健康の維持にもつながるため、介護業界で長くキャリアを積むことも可能です。 メリット2.ご利用者に安心感を与える 正しい姿勢や技術を活用して介護を行うことで、姿勢の安定やスムーズな動作が可能になるため、ご利用者はケガや転倒の心配をせずに安心した介助を受けることができます。 また、介護者自身の自信や安定感がご利用者に伝わり、ご利用者との信頼関係を築くことにもつながっていきます。 3.ボディメカニクスの8原則とは ボディメカニクスには8つの原則があります。 ボディメカニクスの要素をより効果的に発揮するためには、細かい部分まで配慮することが重要です。 ①重心を保つ ご利用者の体を持ち上げたり移動させたりする際は、重心をできるだけ低く保つことを意識します。 一般的に重心を低く保つには、膝を曲げて腰を落とした姿勢ですが、骨盤の位置に注意が必要です。 日本人の場合、立った際に骨盤が後傾している人が多く、骨盤が後傾した状態のまま腰を落としても、効率的に力を発揮できません。 骨盤を立てた状態で、膝を曲げ腰を落とすことにより、重心を低く保てます。 ②足を適切な位置に配置する 足を適切な位置に配置し、安定したベースを確保します。 体を支えるための基礎であり、床面と接している部分を結んだ範囲を支持基底面積と言います。 介助に応じて、支持基底面積である足先を前後、左右、斜めといったように広げて安定した姿勢をとることが重要です。 また、ベッド上における移動介助の際には、足先だけではなく、ベッドに手をついたり膝を乗せたりする方法を取り入れることで支持基底面積が広がり、より安定した姿勢を確保できるとともに力を発揮しやすくなります。 ③中立姿勢を保つ ご利用者の体を持ち上げる際は、脊椎(背骨)を中立姿勢に保ちます。 体幹部がねじれてしまうと力を十分に発揮できず、脊柱に負担がかかって腰痛の原因になるため、動かす方向に向き合うように位置し、骨盤と肩のラインを平行に保つように動かします。 また、背筋が屈曲した状態で介助を行うことも腰痛の原因になるため、背筋を伸ばし、息を吐くときには腹部の外側に圧をかけて体幹部を支えるようにします。 ④身体の回転を最小限にする ご利用者の体を持ち上げたり移動させたりする際は、身体の回転を最小限に抑えます。 また、体の向きを変える際には、足を使って回転させます。 無理なひねりや回転は、腰や関節に負担をかけるだけでなく、ご利用者にも不快感を与えますので、できる限り前後移動を取り入れるなど、身体を大きく動かすことなく効率的な動作を心がけましょう。 ⑤身体の負担を分散させる ご利用者を移動や移乗させる際は、てこの原理を使って身体の負担を分散させます。 てこの原理を活用することで、小さい力で体を動かすことが可能です。 また、手や膝に支点を作ることで姿勢が安定し、体の一部にかかる負担を分散させることもできます。 ご利用者の体重や力も活用しながら、両手や両足を使って均等に力をかけることが重要です。 ⑥身体を使って力をかける 持っている力を十分に発揮するためには、身体を使って力をかけます。 手先や腕、腰だけの力に頼らず、腹筋や背筋などの体幹部をはじめ、大臀筋や大腿四頭筋、ハムストリングスなどの大きな筋肉を活用しましょう。 また、動かす方向に足先を向けて重心移動を行うことで、ご利用者の体を動かします。 その際、重力へ逆らうように体を持ち上げようとすると腰に過度な負担がかかりますので、大きな筋群を活用して持ち上げずに水平に引くようにします。 ⑦動作とリズムを保つ 動作はゆっくりと慎重に行い、無理なくスムーズなリズムを保ちます。 急いだり無駄な動きをしないように心がけることで、一連の動作がスムーズかつ連続的に行え、時間のロスを最小限に抑えることができます。 また、リズミカルな動きはご利用者に安心感を与え、作業の効率性も高めます。 介助の際は、無駄な力や無理な動作を避け、スムーズでリズムの良い動きを大切にしましょう。 ⑧自分の身体の制限を認識する 自分の身体の制限や能力を正確に認識し、無理な動作や負荷を避けます。 特に、自分よりも体重のあるご利用者を一度に動かそうとすると、全身に大きな負担がのしかかります。 リスクのある動作や持ち上げなどには注意し、自分の能力や体力を過信しすぎないことが大切です。 また、必要に応じて適切な支援具を活用したり周囲にいる仲間の協力を得たりして、安全かつ効率的な動作を行うよう心がけましょう。 参考文献:竹田幸司(2021)『からだを正しく使った移動・移乗技術』.中央法規. 4.ボディメカニクスを行う際の注意点 ボディメカニクスを行う際は、正しい姿勢や技術を習得した上で、ご利用者と密なコミュニケーションを取りながら、一人ひとりの身体状態やニーズに合わせて実践することが重要です。 注意点1:ご利用者とのコミュニケーションを図る ご利用者に安心して介助動作へ協力してもらえるように、コミュニケーションを図りながらご利用者の意思や状態を確認し、介護の手順や意図を伝えます。 ご利用者の声やフィードバックに敏感に対応し信頼関係を築いていくことで、ご利用者が安心して介助を受けることができるため、よりスムーズなボディメカニクスの実践が可能です。 注意点2:正しい姿勢や技術を習得する 誤った姿勢や動作は、ご利用者や介護者自身に損傷を引き起こす可能性があるため、正しい姿勢やしっかりとした技術を習得しましょう。 ボディメカニクスを介護に活用する際は、背筋を伸ばし、体重を均等にかけ、安定した姿勢を保つといったように、常に自身の姿勢に意識を向けることが大切です。 注意点3:ご利用者によって対応が異なる ご利用者の身体状態やニーズは一人ひとり異なるため、ご利用者に合わせたボディメカニクスを実践します。 特に、病気を患っていたり身体機能に制約があったりした場合、普段通りの介助を行うとケガや状態の悪化につながりますので、事前にご利用者個々の情報を把握してから介助を行いましょう。 ボディメカニクスのまとめ 今回は、介護では欠かせないボディメカニクスについて、技術を習得するメリットや8つの原則、活用する際の注意点などを交え解説しました。 介護でいうボディメカニクスとは、力学原理を活用して最小の労力で介護を行う技術です。 ボディメカニクスの正しい姿勢と技術を習得することで、介護者およびご利用者の身体的な負担の軽減につながり、安全かつ効果的なケアを提供できます。 ボディメカニクスを初めて聞いた。具体的にどんな動作なのかあんまりイメージがわかない方には、わかりやすく解説した動画もおすすめです。 ご自身の体の負担を軽減するため、ご利用者の安全を守るためにもぜひ活用してくださいね。

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  • 介護職の志望動機の書き方を例文でご紹介!コツや面接での注意点は?
    2023.05.30

    介護コラム

    介護職の志望動機の書き方を例文でご紹介!コツや面接での注意点は?

    転職活動の際に、どうしても悩む履歴書の書き方。この記事では、特に悩む志望動機の書き方のポイントについて例文を交えて紹介し、面接での注意点についても解説します。 1.介護業界での志望動機の書き方 志望動機の書き方には、コツがあります。もし、あなたが採用担当なら何を知りたいですか。採用担当の考えを想像しながら、以下のポイントを押さえましょう。 ポイント①経験と実績を具体的に書く 採用担当は、「この人を採用したら、どのように活躍してくれるか?どんな仕事をしてくれるか?」を考えて、選考しています。その際に、最も参考にされるのが経験と実績です。 経験(どのような仕事をしてきたのか)、実績(成し遂げたこと・経験から得たこと)を記載するようにしましょう。 ポイント②介護職に就きたい理由を書く 採用担当は“本当にここで働きたいと思っている人”を採用したいと考えます。 そのため、「なぜこの介護の仕事をしたいのか」「介護の仕事のどのようなところに魅力を感じているのか」をあなたの言葉で記載するようにしましょう。さらに、「なぜこの事業所で働きたいのか」「ここで働いてをどうなりたいのか」まで記載できると本気度が伝わります。 ポイント③自分の強み・自己PR 採用担当に“一緒に働きたい”と思ってもらうことが重要です。 自分の強みについては、自己分析をして整理しておきましょう。嬉しかったことや落ち込んだこと、褒められたこと、注意されたこと等のエピソードを整理していくと、自身の強みや弱みが見えてきます。その中から、仕事で活かせると思う強みをピックアップします。 経験と実績と合わせて、あなたの強みをこの仕事でどう活かせると考えているのかを自己PRとして書くと良いでしょう。 ポイント④未経験ならなぜ介護職に就きたいのかを書く 介護職未経験の場合は、「なぜ介護職に就きたいのか」を丁寧に書きましょう。 介護職をめざした具体的なエピソードや「どのような介護士になりたいのか」、さらに「今までの経験をどう活かせるか」を盛り込むことで好印象を与えられるでしょう。 ポイント⑤自己評価を下げない 職場でのトラブルや待遇面の不満により、転職活動をしている人は少なくありません。しかし、応募書類にそのことを記載するのはNGです。 書類選考をしているのは、あなたに会ったことのない人です。そのため、「協調性のない人かも」「自己主張の強い人かも」「採用後に、またトラブルを起こすのではないか」等という想像をされ、評価が下がる可能性があります。志望動機はポジティブな表現を心がけましょう。 ポイント⑥給料や福利厚生について書かない 希望条件欄には「貴社の規定に従います」と記載し、給料や福利厚生については、書かないのが原則です。 勤務時間等、どうしても譲れない条件がある場合には、理由を合わせて丁寧に記載し、「自己主張が強い」という印象を与えないように気を付けましょう。 ポイント⑦ありきたりな言い回しをしない どの応募先にでも使いまわせるありきたりな表現では、印象が良くありません。 たとえば、よく使われる「今までの経験を活かせると思い応募しました」という文章ですが、この1文だけでは応募者がどんな経験をしてきて、それをどう活かしてくれるのかわかりません。「エピソード→そこから得たこと→それをどう活かすか」を具体的に記載すると説得力のある文章になります。 2.経験者が志望動機を書く時の例文 ここでは、経験者が転職する際の志望動機の例文をケースごとに紹介します。インターネット上にいろんな例文がありますが、コピペは絶対にNGです。自分の言葉ではないため、必ず面接でボロが出ます。例文は参考程度に自分で作成しましょう。 例文①介護福祉士に対する志望動機 有料老人ホームにて介護職として4年間従事してまいりました。ご利用者やご家族との信頼関係を築けるように、丁寧な言葉がけを意識して日々業務に従事しております。 介護福祉士の勉強をする中で、ご利用者一人ひとりに合わせた介護計画やチームで連携してケアを行うことの重要性をあらためて認識いたしました。 介護福祉士としての専門性を高めていくために、より高度な介護やサポートを必要とされる方々と関わることができ、多くの専門職と連携してチームでケアを行う特別養護老人ホームでの勤務を希望しております。 例文②介護施設に対する志望動機 初任者研修修了後、2年間にわたり訪問介護員として在宅ケアに携わってきました。ご利用者一人ひとりと向き合うことができるこの仕事にもやりがいを感じていますが、今後のスキルアップのためにも、より幅広くご利用者の生活全般のケアに携わりたいと思うようになりました。介護施設では、身体介護の他にも、リハビリテーションやレクリエーションの業務にも携わることができ、他の専門職ともチームでケアを提供できることに魅力を感じています。在宅ケアでの経験で培ったコミュニケーションスキルや、身体介護の経験を活かし、ご利用者に寄り添うことのできる施設職員をめざしたいと考えております。 例文③デイサービスに対する志望動機 私は訪問介護員として3年間働いています。 ご利用者と関わる中で、高齢者にとって“社会とのつながり”が如何に重要を実感しており、デイサービスにて働きたいと考えるようになりました。 ご利用者にとって通所することが楽しみなるようなプログラムを提供し、高齢者の社会とのつながりづくりを支援したいと考えています。 また、訪問介護員として培ったご利用者に寄り添う姿勢や身体介護の経験を活かし、ご利用者のご家族にも安心して任せていただける職員となりたいと思います。 例文④介護福祉士からケアマネジャーへの志望動機 このたび、ケアマネジャーの試験に合格したため、ケアマネジャーへの転職を考えております。 10年前、突然母の介護が必要になり、不安に潰れそうだった時、当時担当してくださったケアマネジャーさんの存在に救われました。 私もいつかご利用者やご家族の支えになることができるケアマネジャーになりたいと考え、介護職員としての経験を積んでまいりました。 介護職員として培ったコミュニケーションスキルや経験を活かして、ご利用者がより良い暮らしを送れるような提案をし、ご家族にも安心していただけるケアマネジャーになりたいと考えております。 3.未経験者が志望動機を書く時の例文 未経験者の場合は、なぜ介護職員になりたいのかを丁寧に書くようにしましょう。 例文①介護職が初めての人の志望動機 私は、スーパーマーケットのレジにてパート勤務をしています。私が担当している時間帯は、高齢のお客様が多いため、安心して買い物をしていただけるように、笑顔で、ゆっくり大きな声で接客することを心がけております。日々の何気ない会話を楽しみに通ってくださる方もいらっしゃるのですが、私自身もお客様から元気をもらっており、5年間この仕事を続けてこられたことに気がつきました。 子育ても落ち着き、働ける時間も増えたこともあり、高齢者の生活全般をサポートする介護職に就きたいと思うようになりました。 介護職は未経験ではありますが、介護の知識や技術を習得し、また、今までの接客業で培ったコミュニケーションスキルを活かし、ご利用者に安心していただける介護士をめざしたいと考えております。 4.介護職での面接対応で失敗しないポイント 書類選考を通過したら、次は面接です。面接での失敗しないポイントを解説します。 ポイント①履歴書に記載した内容を確認する 履歴書に書いた内容と面接で話す内容がちぐはぐにならないように気を付けましょう。 履歴書を暗記する必要はありませんが、面接前には、履歴書に記載した内容を再度確認し、履歴書の内容にエピソードや自身の想いを加えて話すことができると好印象です。 ポイント②コミュニケーションを大切にする 面接を、“面接官とのコミュニケーションの場”としてとらえ、なるべくリラックスして面接にのぞみましょう。とはいえ、緊張して、うまく話せないことや頭が真っ白になることもあるかと思います。その際は、「少し緊張しております」とあえて伝えることで緊張がほぐれることがありますので、試してみてください。 ポイント③言葉遣いに気をつける 面接時には、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。つい心が緩んでしまっても、タメ語は厳禁です。 また、施設に到着してから施設を出るまでの間、面接官以外の職員と接することもあるかと思いますが、一貫して、丁寧な対応・言葉遣いを心がけましょう。 こちらもおすすめ: 介護職を目指す無資格・未経験の方必見!初任者研修のすすめ!  5.まとめ 介護職の志望動機の書き方と面接での注意点について解説しました。「一緒に働きたい」と思ってもらえるように、応募書類や面接の対策をして、希望する職場の内定を勝ち取りましょう。

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  • 外国人介護士が「日本語の勉強が難しい」と感じる理由は?
    2023.05.30

    介護コラム

    外国人介護士が「日本語の勉強が難しい」と感じる理由は?

    外国人介護士が「日本語の勉強が難しい」と感じる理由 現在の日本は高齢化社会が進んでいるため、介護業界における外国人介護士が増えています。 しかし、日本で働く外国人介護士の定着が課題となっており、その理由のひとつに日本語でのコミュニケーションが挙げられます。 そこで本記事では、外国人介護士が日本語を勉強する際に難しいと感じてしまう理由を、解説します。 1. 外国人が「日本語学習は難しい」と感じる5つの理由 外国人が日本語を学習する際、どんなことが難しいと思うのでしょうか。 実は、私たちが日常生活の中で何も考えずに使用している日本語は、外国人介護士にとってはとても難しい言語なのです。 理由①文字の種類が多い 日本語には、ひらがなをはじめカタカナや漢字など、学習しなければならない文字が3つあります。 世界のあらゆる言語を見ても、文字の種類が複数存在する言語は珍しいのです。 ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字、漢字にいたっては2,136文字もあります。 日本語を学習する多くの外国人は、まずひらがなを覚えた後にカタカナを覚え、最後に漢字という順番で勉強していきます。 ひらがなを学習して「読めた」と思っていても、次々新しい文字が出てくることで「こんなに膨大な量のカタカナや漢字をどうやって覚えればいいのだろうか」と諦めの気持ちが生まれてしまうのです。 参考:参考:文化庁「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf 理由②漢字は音読み訓読みがあり複雑 日本語の中でも漢字は外国人にとって大きな壁です。 音読みと訓読みがあり、特に音読みは一つの漢字単独では使用しない場合が多く、ほとんどの場合で二つ以上の漢字を使用した熟語として他の漢字と一緒に学習する必要があります。 参考:参考:文化庁「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf 理由③文法が英語と全く違う フィリピンやベトナムは英語が公用語や第二言語として使用されるため、英語が話せる外国人介護士は多いです。しかし、英語と日本語は文法が大きく違います。 英語が「主語+動詞+目的語」の語順に対し、日本語は「主語+目的語+動詞」の語順で文章が構成されています。英語は結論から先に述べますが、日本語は説明から先に述べるという点において、外国人が日本語を学習する際に戸惑ってしまう要因です。 参考:文化庁「日本語の言語意識」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/20/tosin05/02.html 理由④敬語が難しい 敬語には、丁寧語や尊敬語、謙譲語などがありとても複雑です。 この違いを正しく理解して日常生活の中で使い分けることは、外国人にとっては大変苦労します。 出典:文化庁お「敬語おもしろ相談室」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html また、日本語の教材で敬語を学習してマスターしたとしても、介護の現場でどのように使用したら良いのか、どのような言葉を使用すると相手に対して失礼にあたらないのかなど、実践として敬語を活用するにはハードルがとても高いのです。 理由⑤方言がある 日本語には方言があり、地域や文化によってさまざまな特徴があることも外国人を困惑させています。 さらに、上述した敬語と方言が重なり合うとより複雑です。 出典:NHK「にほんごであそぼ」https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005150304_00000 あいさつひとつとっても日本の中でさまざまな方言があり、日本人でも自分の出身地以外の方言を理解するのは難しいのですから、外国人にとってはさらに難しさを感じるでしょう。 2.外国人介護士に必要な日本語レベル 外国人介護士として必要な日本語レベルは、日本語で日常会話ができたり簡単な読み書きができたりする程度ですが、介護の専門用語が読み書きできることが重要です。 外国人が必要な日本語レベルの指標として、日本語能力試験が参考とされます。 出典:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けハンドブック」 https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000497111.pdf 外国人介護士は、基本的な日本語を理解することができる「N4」の日本語レベルが必要になってきます。 関連記事:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 3.外国人介護士が現場で直面する日本語でのコミュニケーション ある程度日本語を勉強しても、勉強したことを実際の業務に活かすことは難しい場合も多くあります。特に今からご紹介する3つは外国人介護士と働くうえで、ミスコミュニケーションが発生しやすいため注意しましょう。 a.介護記録の読み書き 人によって、文章を理解することはできるが、書くことが苦手だったり、そもそも漢字が読めなかったりします。 日頃の業務で介護記録は読み書き両方で不可欠なので、記入する際はひらがなを多用したり、読み方を教えてあげたりすることで、日本語の読み書きのレベルは向上します。外国人介護士が一人で介護記録を理解することができるよう、日本人職員もちょっとした配慮を心がけましょう。 b.職員間の報連相 外国人介護士であっても「報連相」は重要です。職場内で伝達するべき情報が伝わっていなかったりすると、結果的にご利用者や家族に迷惑が掛かります。 日本人職員は、外国人介護士と関わる際、できるだけわかりやすい日本語でゆっくり話しましょう。特に重要な事柄は、伝わっているかを細かく確認しながらコミュニケーションを取るといいでしょう。 c.ご利用者とのコミュニケーション ご利用者とのコミュニケーションがうまく取ることができないと、不安や事故につながります。 ご利用者の多くは耳が聞こえづらい方も多く、声をかけずにいきなり介助を行うと、びっくりして転倒する可能性もあります。普段から、介助のやり方だけではなく、声のかけ方も教えてあげることでご利用者との関係性を築くきっかけにもなり、安全な介助を行うことにもつながります。 関連記事:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 4.外国人が日本語習得におすすめの教材 日本語を習得するには、介護現場用の日本語教材、絵本やアニメから学ぶ方法などがあります。 中でも、国際交流基金が制作している「日本語教授法シリーズ」や「いろどり生活の日本語」などは、音声や動画、資料データなどが付属しており、目だけではなく耳からでも日本語を学ぶことができるためおすすめです。 参考:国際交流基金「日本語教材・学習教材」 https://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_rsorcs/manabu.html 参考:国際交流基金「いろどり生活の日本語」 https://www.irodori.jpf.go.jp/ 5.まとめ 外国人介護士が日本語を勉強する際に難しいと感じてしまう理由を、日本語を習得する必要性なども交えて解説しました。 私たちが日常生活の中で何も考えずに使用している日本語は、文字の種類が多く、漢字の読みが複雑で文法が母国語と異なるため、外国人介護士にとってはとても難しい言語です。 しかし介護現場において、介護記録の記入や正確な情報の伝達、ご利用者とのコミュニケーションには日本語の習得が必要不可欠です。教材を上手に活用したり、日頃の仕事の中でひとつずつ教えたりしながら、外国人介護士への日本語教育を行っていきましょう。 また、ゆくゆくは介護福祉士の資格を取ってほしいと考えている方も多いはず。外国人介護士に実務者研修を受講してもらう場合もあると思います。その際は、学校などのサポート体制も確認し、学校選びをするようにしましょう。

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  • 【ケアマネジャー受験対策講座】お申込み特典が追加されました!(一部対象講座限定)
    2023.05.30

    介護コラム

    【ケアマネジャー受験対策講座】お申込み特典が追加されました!(一部対象講座限定)

    こんにちは。三幸福祉カレッジ 試験対策チームです。 この度、ケアマネジャー受験対策講座の下記対象講座の受講生特典として、 2022年10月9日に実施された第25回ケアマネ本試験分析資料に加え、 第25回ケアマネ本試験全60問の解説動画を受講生限定で公開いたしました。 ぜひ対象講座にお申込みいただき学習にお役立てください。 ▼お申込み対象講座 完全マスターコース/ポイント速習コース/筆記通信コース/Web学習コース 今回の特典について、YouTubeにて詳細を配信中! ぜひご覧ください。 三幸福祉カレッジ

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  • 【介護の日本語】外国人への教え方のコツをわかりやすく解説
    2023.05.01

    介護コラム

    【介護の日本語】外国人への教え方のコツをわかりやすく解説

    日本における外国人労働者は、現在、172万人にのぼると言われており、介護業界でも欠かせない存在となっています。 介護の仕事では、コミュニケーションが不可欠であり、職場で働く外国人介護士へ日本語を教えるのが難しいと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、外国人へ日本語を教えるための基本的な考え方や、外国人介護士の日本語レベルなどを紹介します。 1、日本語は難しいと言われる理由 世界的にはたくさんの言語がありますが、日本語は、最も難しい言語のひとつであると言われています。外国人にとって、なぜ日本語は難しいと言われるのでしょうか。 日本語が難しいと言われる理由を知ることで、外国人介護者へ日本語を教える際に気をつけるポイントが見えてきますので、ぜひチェックしてみてください。 主語や目的語を省略することがある 日本語は、会話の中で、頻繁に主語や述語、目的語が省略されます。 たとえば、「今日、研修に行ってきたよ。とても勉強になったよ。おすすめ!」という会話ですが、英語に直すと、「I went to training today. I learned a lot. I recommend it to you too.」 となり、日本語では多くの主語や目的語がたくさん省略されていることがわかります。 日本人であれば、文脈や雰囲気で理解できる言葉も、外国人にとっては、主語や述語が省略されると、何を言われているのかわからなくなります。 外国人と日本語でコミュニケーションを取る際には、主語や述語、目的語を省略しないように気を付けましょう。 くだけた表現をする場合がある 日本語には、文語表現、口語表現があり、さらには、身近な人や友達と話す際には、タメ語と呼ばれるくだけた表現を使うことがあります。 外国人が日本語を学ぶときには、「~です」「~ます」の表現を使うことが多いため、くだけた表現を理解しづらい場合があります。 日本語に不慣れな外国人と会話をする場合には、「~です」「~ます」の表現を使うようにするとよいでしょう。 敬語表現が難しい 敬語表現も、日本語が難しいと言われる理由のひとつです。 敬語表現には、「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」がありますが、この中でも「尊敬語」「謙譲語」を理解することが難しいと言われます。 先述のとおり、外国人が日本語を学ぶときには、「です」「~ます」の表現を使うことが多いため、「丁寧語」を中心にコミュニケーションをとるとよいでしょう。 遠回しな表現をすることがある 日本では、直接的な表現を避け、遠まわしな表現をすることがあります。特に、相手にとって都合の悪いことを言う場合には、できるだけ角が立たないような言い回しをすることが多いです。 たとえば、次のような会話です。 「今日、一緒に食事に行きませんか?」 「今日は、食欲がなくて…。」 「では、今月どこかで食事に行きませんか?」 「ん~。また考えとくね」 わたしたちは、「食欲がなくて…」と言われて、断られたと理解しますが、外国人にとっては、聞いたことへの直接的な回答がないので、何を言われているのかわからない場合があります。また、この流れで「また考えとくね」と言われれば、可能性が低いことを察する方が多いと思いますが、「考えてくれるんだ」とポジティブに受け取られてしまう場合もあります。   このように、外国人にとっては、遠回しな表現では、回答の意味を理解できず、また、意味を取り違える可能性もあります。外国人とコミュニケーションをとる場合には、遠回しな表現を避け、Yes・Noをはっきり伝えるようにしましょう。 2、日本語を教える前に直接法と間接法の違いを知ろう 言語の教え方には、直接法と間接法の2パターンあります。日本語を教える前に、それぞれの違いを知っておきましょう。 直接法とは 直接法とは、学習者が習得したい言語と同じ言語で教える方法です。日本語を教える際に、日本語のみで授業をします。多くの日本語学校では、この方法により日本語を教えています。 間接法とは 間接法とは、学習者の母語や英語を使って、言語を教える方法です。 解説する際には、学習者が理解できる言語を使うので、詳しく説明することができます。 3、介護の日本語|教え方のポイント【初級編】 日本語を知らない人に、どうすれば、日本語を教えることができるのでしょうか。直接法での日本語の教え方を解説します。 外国人介護士の場合、在留資格の要件により、すでに基本的な日本語を習得している場合が多いのですが、実際の介護現場では、うまく日本語でのコミュニケーションが取れないこともあるでしょう。 言葉が伝わらず、困った際に、参考にしてみてください。 写真やイラスト、ジェスチャーを使う 日本語を教える際には、写真やイラスト、ジェスチャーを使うことが有効です。はじめて日本語を学ぶ人へも、まずは、写真やイラストを使って、単語を教えます。 たとえば、「りんご」という単語を教える場合には、誰が見ても「りんご」とわかる写真やイラストを見せます。外国人は、これをみて聞いて、日本語では「りんご」と言うのか!と理解することができます。 次に、学習者が取得した単語を使って、短い文章を教えます。りんごを切っている写真やイラスト、またジェスチャーを使って、「りんごを切る」という文章を教えます。 日本語を教える人は、学習者に教えたい単語や文章の写真やイラストをなるべくたくさん用意しておくとよいでしょう。 会話の一文を短くする 日本語を教える際には、会話の一文を短くしましょう。 わたしたちも慣れない外国語を、突然長文で話されても、何も聞き取れず、理解もできません。日本語を教えるときも同じく、短い会話からスタートします。 日本に来たばかりの方や、日本語初級者には、なるべく短い言葉で話しをするようにしましょう。 ゆっくり・はっきり発音する ゆっくり・はっきりと発音することも重要です。 わたしたちが日常使っている言葉でも外国人にとっては、馴染みのない発音もあります。学習者の母語にない発音の場合、その言葉を聞き取ることが難しく、発音することも難しいと言われます。 また、自身の発音が、外国人にとっては、お手本になりますので、外国人と話す際には、ゆっくり・はっきりと正しく発音するように心がけるようにしましょう。 文法を教えるコツ 文法を教える際には、学習者がすでに習得している単語を使って、簡単な文法から教えるようにしましょう。 (例) 「こんにちは。」 「わたしは、〇〇です」 「わたしは、ベトナム人です」 「これは、りんごです」 「これは、りんごではありません」 先述した写真やイラスト・ジェスチャーも有効です。 わたしたちが英語を学習したときと同じですね。自己紹介や挨拶など、日常的に使う簡単な文法から覚えていき、少しずつ理解できることを増やしていきます。 介護場面での語彙を教える 外国人介護士は、通常の日本語学習に加えて、介護場面で使用する日本語も覚える必要があります。 ここでも、先述の写真やイラストを用いた学習が有効ですが、外国人介護士の教材も用意されています。 たとえば、日本介護福祉会が、技能実習生向けに用意している「介護の日本語」という教材では、介護場面での語彙(からだのしくみや名称、介護場面で使用する物品の名称等)と介護場面での声かけ表現について、イラストを見て学習できるようになっています。 このように、教材をうまく活用しながら、介護場面で必要な語彙を覚えてもらいましょう。 参考資料:介護の日本語|日本介護福祉会 4、介護の日本語|教え方のポイント【中級編】 基本的な単語や挨拶を習得したら、数字や形容詞、動詞を学習します。読み方が複数あったり、活用変化のパターンが複数あったり、日本語が難しいと言われる理由がここにも溢れています。 日本語学校において、日本語を教える方法は、外国人が馴染みやすいように工夫されており、わたしたちが義務教育の国語の授業で習ってきた国文法とは少し異なります。 介護現場で外国人に日本語を教える方は、外国人が、どのように日本語を学んでいるのかを知っておくとよいでしょう。 数字・時間・曜日を教える 簡単な日本語を話せるようになったら、数字・時間・曜日を教えます。 日本語の数字は、使い方によって読み方が異なるため、 難しいと言われています。 たとえば、1~10の数字を見ても、使い方によって読み方が変わります。 0(ぜろ/れい) 1(いち) 2(に) 3(さん) 5(ご) 6(ろく) 7(なな・しち) 8(はち) 9(きゅう・く) 10(じゅう) また、数字と時間で異なる読み方をするものがあることから、時間表現も難しいと言われています。 たとえば、0時・7時・9時については、数字の読み方とは異なり、それぞれ、0時(れいじ)、7時(しちじ)、9時(くじ)と読みます。分の表現では、1分(いっぷん)、7分(ななふん)10分(じゅっぷん)というように、不規則な発音になります。 形容詞を教える 外国人に日本語の形容詞を教える場合には、「い形容詞」と「な形容詞」に分けて教えます。 日本人にとっては、なじみのない分類ですが、名詞装飾の際に、「~い」となるものが「い形容詞」、「~な」となるものが「な形容詞」です。 い形容詞の例 ・「面白い」「美しい」「多い」「辛い」「甘い」「安い」「高い」   な形容詞の例 ・「綺麗な」「元気な」「親切な」「必要な」「十分な」「好きな」「嫌いな」   なぜ、この二つに分類させるかというと、否定形、過去形に活用するときに、活用変化が違うからです。 い形容詞の場合は、否定形にするときは、「~い」を、「~くない」に、過去形にするときは、「~い」を、「~かった」に変化させます。 例:面白い 【否定形】面白い→面白くない 【過去形】面白い→面白かった な形容詞は、名詞装飾の際に、「~な」となりますが、普通形は、「~だ」です。普通形から否定形、過去形に変化させます。 否定形にするときは、「~だ」を、「~ではない(~じゃない)」、過去形にするときは、「~だ」を、「~だった」と変化させます。 例:綺麗な(綺麗だ) 【否定形】綺麗だ→綺麗ではない(じゃない) 【過去形】綺麗だ→綺麗だった 動詞を教える 外国人に日本語の動詞を教える場合、「Ⅰグループ」「Ⅱグループ」「Ⅲグループ」の3つのグループに分けて教えます。 動詞を否定形(~ない形)、過去形(~た形)、接続形(~て)などに活用にする際の変化のパターンによって3つのグループに分類しています。 日本の学校教育の中では、動詞の分類を五行動詞、上一段動詞、下一段動詞、カ行変格動詞、サ行変格動詞として習っていますが、外国人に日本語を教えるときは、まずは、「~です」「~ます」の表現から教えるのが一般的です。 そのため、動詞についても「~ます」を基本形として、3つの分類を教え、その後それぞれの変化のパターンを学んでいきます。 分類の仕方と活用変化の例は、以下のとおりです。 Ⅰグループ:「~ます」の前の文字が、い(i)段【五行動詞】 (例) 【ます形】行きます(ikimasu)/書きます(kakimasu) 【辞書形】行く(iku)/書く(kaku) 【ない形】行かない(ikanai)/書かない(kakanai) 【た 形】行った(itta)/書いた(kaita) 【て形】行って(itte)/書いて(kaite)   Ⅱグループ:「~ます」の前の文字が、え(e)段【上一段動詞・下一段動詞】 ※見ます、起きます等の上一段動詞は、「~ます」の前の文字は、い(i)段ですが、Ⅱグループに分類されるため、例外として教えます。 (例) 【ます形】寝ます(nemasu)/食べます(tabemasu)/見ます(mimasu) 【辞書形】寝る(neru)/食べる(taberu))/見る(miru) 【ない形】寝ない(nenai)/食べない(tabenai)/見ない(minai) 【た 形】寝た(neta)/食べた(tabeta)/見た(mita) 【て 形】寝て(nete)/食べて(tabete)/見て(mite)   Ⅲグループ:「来ます」「します」の2つのみ【カ行変格動詞・サ行変格動詞】 (例) 【ます形】来ます(kimasu)/します(shimasu) 【辞書形】来る(kuru)/する(suru) 【ない形】来ない(konai)/しない(shinai) 【た 形】来た(kita)/した(shita) 【て 形】来て(kite)/して(shite) 5、外国人介護士の日本語レベル 外国人が日本で働くためには、在留資格が必要です。また、介護分野については、日本語でのコミュニケーションが欠かせない仕事であり、専門知識や専門用語も理解する必要があることから、各在留資格の制度でも、一定レベルの日本語能力が求められています。 そのため、介護士として働く外国人の日本語レベルは、在留資格の種類にもよりますが、一般的には、日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる「日本語能力試験のN3相当」だと言われています。 参考資料:N1〜N5:認定の目安 | 日本語能力試験とは 6、日本語能力の不足によって起こる問題 外国人が日本語学校で勉強し、試験に合格していても、実際に介護現場での実務に就くと、日本語能力の不足による問題が起こることがあります。 そのため、介護現場においても、継続して日本語を教え、日本語での仕事やコミュニケーションをサポートしていく必要があります。 介護記録を書けない 介護記録とは、介護サービス事業者が利用者に提供したサービスの実施内容や支援経過をまとめるための帳票です。介護記録を書くためには、実施したサービスについて正確に表記する必要があり、さらには、漢字や専門用語を正しく使わなければなりません。 日本語を読むや話すことができても、書くことが難しい場合も多く、難しい業務のひとつと言われています。一方、記録を書くことも日本語学習につながりますので、その意識を持たせるようにするとよいでしょう。 利用者とコミュニケーションをうまく取れない 介護サービスを提供する上で、利用者との円滑なコミュニケーションは不可欠です。利用者の中には、方言で話しをされる方や、早口に話をされ、聞き取りづらいケースもあるでしょう。うまくコミュニケーションが取れないと介護サービスの質が低下してしまいますので、注意が必要です。 病名などが読めない 病名などの専門用語を読めずに、申し送りなどの確認に時間がかかってしまう場合があります。また、理解できないまま、業務にあたることで、事故につながる可能性もありますので注意が必要です。 制度変更等の通知やお知らせを読めない 介護事業所が職員に向けて出す通知やお知らせを読めない場合があります。特に文書上では、難しい表現も多くなりがちですので、外国人介護者が理解できているかを確認するようにしましょう。 まとめ:外国人に対する日本語の教え方をマスターしよう この記事では、外国人介護士と一緒に働く方向けに、日本語の教え方について解説してきました。 今も多くの外国人が日本で働くために、世界で最も難しいと言われる日本語を勉強しています。日本語学校では、基本的な日本語を学びますが、実際の職場や生活場面では、また日本語の難しさを実感することになります。 職場で外国人に日本語を教える際には、その人がどのように日本語を学んできたのか、どのような時に日本語を難しいと感じるのか等を把握して、より日本語を理解してもらえるようにサポートしていきたいですね。   また、ゆくゆくは介護福祉士の資格を取ってほしいと考えている方も多いはず。外国人介護士に実務者研修を受講してもらう場合もあると思います。その際は、学校などのサポート体制も確認し、学校選びをするようにしましょう。

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  • 介護士の履歴書の書き方!志望動機や自己PRなど例文もご紹介
    2023.05.01

    介護コラム

    介護士の履歴書の書き方!志望動機や自己PRなど例文もご紹介

    介護士の履歴書の書き方!志望動機や自己PRなど例文もご紹介 介護士として就職したいけれど、履歴書の書き方がわからないと悩んでいる人はいませんか? 今回は、介護士として就職したい人のために、履歴書の書き方のポイントや介護士としておすすめの資格を交えて解説します。 1.介護士の履歴書の書き方をご紹介 履歴書はWeb上でもダウンロードが可能です。厚生労働省が推奨する履歴書として2021年4月より導入されているテンプレートを基に今回は解説をしていきます。 参考:厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_kouseisaiyou030416.html 介護士の履歴書を書く際には、情報ごとに以下の点について注意しましょう。 ①氏名や住所など基本的な情報 履歴書の冒頭には、氏名や住所、連絡先、生年月日などの基本的な情報を記入します。 氏名は、戸籍に従い名字と名前の間にスペースを空けて書いたほうが読みやすく、先方にも伝わりやすいです。 住所は「○丁目」や「○番地」など、住民票に記載されている住所と同じように略さず記入しましょう。 ふりがなは、「ふりがな」と記載されている場合はひらがな、「フリガナ」と記載されている場合はカタカナというように、履歴書の様式に従います。 電話については、先方から連絡があっても迅速に対応できるよう、できる限り日中につながる電話番号にしましょう。 ②提出予定の日付 履歴書の最上部に記入する日付は、履歴書の送付方法により異なります。 履歴書を先方へ郵送する場合はポストへ投函する日付、面接時や施設へ出向いて直接渡す場合は面接する日付や実際に届ける日付、メールで送信する場合は送信する日付をそれぞれ記入しましょう。 年号については、生年月日と統一します。 和暦を使用する場合は和暦、西暦を使用する場合は西暦にすることで、きれいな仕上がりになるだけではなく、先方にとっても読みやすいでしょう。 ③学歴や職歴 学歴は、最上部に「学歴」、次の行より中学校卒業以降を時系列で記入します。 学校名は「〇〇都立」「〇〇区立」「〇〇県立」、高校は「高等学校」と正式名称にしましょう。 専門学校などへ進学した場合は、学部や学科、コース名も忘れないようにします。 職歴は「株式会社〇〇」「社会福祉法人〇〇」のように、学歴と同じく正式名称で記入しましょう。 また、どこの部署でどのようなスキルを身に付けてきたのかをわかりやすく伝えるため、業務内容や取り組んだプロジェクトなどを記入することが重要です。 ④取得している免許や資格 免許や資格は、取得した日付を時系列で記入します。 免許および資格の名称は、初任者研修は「介護職員初任者研修」、実務者研修は「介護福祉士実務者研修」、介護福祉士は「介護福祉士」、普通自動車免許は「普通自動車第一種運転免許」などのように正式名称を用います。 なお、介護福祉士は国家資格のため「取得」と記入しますが、初任者研修や実務者研修、認知症介護基礎研修などは研修課程を修了して得られるため「修了」と記入することに注意しましょう。 ⑤志望動機 志望動機は、履歴書の中で最も重視しなければならない項目です。 志望する施設への熱意や興味を持っていることを記入します。 また、施設のホームページや厚生労働省の介護サービス情報公表システムなどを確認し、施設の魅力的な部分を自分自身の言葉として付け加えることも心がけましょう。 最近では、施設で働く職員がブログを書いていたり、施設での出来事をSNSで発信していたりすることが多いため、そのような情報を参考にしてみるとより施設の魅力が見つけやすいです。 そして、自分自身がその施設で働くことでどのような成長が見込めるかなどもアピールすると良いでしょう。 ⑥自己PR 自己PRは、志望動機と同様、履歴書の中でも重視するべき項目です。 自分自身の強みやスキル、達成した実績や経験などを具体的に記入します。 また、これまでの経験を生かして、施設でどのように貢献できるのかを具体的に提示しましょう。 自分自身では直接的にアピールにつながらないと思っていても、先方にとっては良いイメージになるということも多々あります。 子供の頃からの趣味や他人にはない特技などがある場合は、自信を持ってアピールしてみましょう。 ⑦長所や短所 長所や短所は、自分自身を客観的に記入します。 自己PRとも重複する部分ではありますが、介護士として施設で長く働ける人材なのかの判断材料にもなります。 具体的には「高齢者と話すことが好き」や「困っている人を見るとつい声をかけて助ける」など、介護の業務にも生かせるような長所を見つけてみましょう。 短所については、克服するために努力していることがあれば具体的なエピソードや事例を交えてアピールすると、短所だと思っていることが長所につながります。 ⑧企業に伝えたいことを本人希望欄に書く 本人希望欄は「貴施設の規定に従います」と記入するのが一般的です。 志望動機欄では伝えきれなかった思いや決意があれば、本人希望欄に記入することで先方へのアピールにつながるため、上手に活用しましょう。 介護士として就職したい人の中には、口下手であったり緊張しやすかったりなどを理由に、面接で思うようなアピールができない人もいます。 そのような人は、どうしても企業に伝えたいことを本人希望欄へあらかじめ書いておけば、面接の際も心に余裕を持って臨めるでしょう。 2.履歴書で好印象を与える証明写真を撮る5つのポイント 履歴書の写真は、履歴書を拝見した際に最も目に入りやすい項目であるため、証明写真の撮り方にも注意が必要です。 ①正しい姿勢・表情 正しい姿勢を心がけ、背筋は耳と肩の位置が真っすぐになるようにピンと伸ばしましょう。 横から見た際に耳と肩の位置が縦にそろうことを意識すると、自然ときれいな姿勢に整います。 また、脇の下に少しスペースを空け、胸を張り肩を開いて立つことを意識すると、堂々としたイメージに映るでしょう。 両足はそろえて立ち、胸を張ってあごを引くことで、他人から見ても自信を感じさせるポーズになります。 姿勢はもちろんのことですが、表情も好印象を与える大切な要素です。 思いきり笑顔を作った後に口を閉じてほほ笑むことで、リラックスした自然な笑顔を作り出せます。 ②体や目線の角度 体や目線の角度に注意し、正面から撮影することが望ましいです。 体や目線に角度がついていると、人目に立ちますが見る人にとっては良くないと感じることもあるでしょう。 体は正面を向き、肩を平行にして撮影することで、清潔感とやる気があるように伝わります。 目線については、上目遣いや見下ろす角度とならないよう意識します。 視線が水平になるように、立って撮影する場合はカメラと立ち位置を調整し、座って撮影する場合は座る椅子の高さを調整しましょう。 カメラのレンズを見るようにすると、しっかりとした印象を与えることができます。 ③清潔感のある髪形 清潔感のある髪形を心がけます。 男性の場合は、髪形に清潔感を持たせるため短髪がおすすめです。 髪をアレンジするために整髪料を使用しすぎると真面目さや誠実さを欠いてしまいやすいため、整髪料の使う量には注意しましょう。 女性の場合は、髪を下ろすと乱れや傷みが目立ちやすくなってしまうため、髪の結び目を耳より少し上でまとめることで長髪がうまくまとまり好印象を与えます。 前髪は、額を覆い過ぎず顔がスッキリと見えるようにしましょう。 髪の色については、普段からオシャレに気を遣いカラーリングをしている人もいますが、できる限り黒髪のほうが無難です。 ④女性はナチュラルメイク 女性の場合は、ナチュラルメイクが好ましいです。 過度な化粧は、真面目さや清潔感を損なう恐れがあるため十分に注意しましょう。 目元や口元は、肌の色に近いファンデーションを薄く塗るほか、控えめなアイシャドウやリップを使用して清潔感をアップさせます。 アイメイクについては、瞳の色に合わせるとよりナチュラルな印象を与えやすいでしょう。 メイクは全体的にオレンジやコーラル系でまとめると、フレッシュな顔に見せることができます。 また、眼鏡一つでも印象は大きく変わります。 派手さを目立たせるのではなく、あくまでも控えめな印象を与えるという心構えが重要です。 ⑤スーツがベスト 男女ともにスーツが最適です。 色は紺や黒のスーツに白いブラウスやワイシャツの組み合わせが、クリーンで堅実、プロフェッショナルな印象を与えることができます。 また、ゆるすぎずピッタリとしすぎない、体に合わせたサイズ感のものを選びましょう。 男性が着用するネクタイは、派手な色や柄を控え、スーツやワイシャツとのバランスを考えながら明るさと落ち着きのあるブルーやネイビーなどがおすすめです。 女性の場合は、基本的にネックレスやイヤリングなどの着用は控えましょう。 撮影前は、シャツのボタンが留まっているのか、ジャケットのボタンとネクタイやシャツの位置が中心にそろっているのかを忘れずにチェックします。 3.介護士の履歴書を書く際の7つの注意点 介護士の履歴書を書く際に注意すべきは、社会人として当たり前のことばかりです。 以下の7つのポイントをしっかりと押さえておきましょう。 ①誤字脱字がないかチェックする 履歴書に誤字脱字があると、不注意や注意力の欠如が伝わってしまいます。 履歴書を書いた後や提出する前には、必ずチェックをするようにしましょう。 誤字脱字はもちろんのこと、スペルや文法のミスがないかをチェックするため、声に出しながら確認することがポイントです。 また、昨今はパソコンやスマートフォンなどで文字を入力する機会が多くなる一方で、書類に字を書くことが少なくなっています。 特に漢字を忘れてしまっているケースがありますので、ノートなどを活用して下書きを行い間違いがないかをチェックした上で、履歴書へ清書していくという流れがよりスムーズです。 ②できるだけ空欄がないようにする 履歴書には、できる限りすべての項目を記入しましょう。 未記入の項目があると記入漏れと判断されるだけではなく、「この人は何をアピールしたいのかがわからない」「やる気や働く気があるのか」という印象を与えてしまいます。 また、書くことが思い浮かばないや書いても無駄だという理由から「特になし」と記入することもNGです。 先述した通り、履歴書の中でも本人希望欄にスペースが出きてしまうケースは多々あります。 志望動機の欄で書ききれなかった事柄やもっとアピールしたい事柄、先方への決意表明など、前向きな姿勢を記入すると良いでしょう。 ③黒のボールペンは必須(手書き) 履歴書は、黒のボールペンで手書きすることが一般的です。 赤や青などの色が付いているボールペンは使用しないようにしましょう。 間違えた時にすぐ修正ができるからといって鉛筆やシャープペンシルを使用することは厳禁です。 ボールペン本体の後部にある専用ラバーを擦ることで生じる摩擦熱により、インクの色が無色に変わって筆跡を消すことができるフリクションボールペンの使用も避けましょう。 黒のボールペンで履歴書を書く際は、インクのにじみやかすれなどを防ぐため、事前にインクが十分に補充されているのかやにじみが出ないかなどを確認しておくとスムーズです。 ④履歴書を使い回さない 履歴書は、記入する時点においての自分自身の情報や姿勢を映し出すものです。 履歴書を使い回すことは、どんな理由があろうとも言語道断であり、証明写真の使い回しも同様のことが言えます。 過去に他の企業へ応募して不採用になった履歴書が返却されてきて、もったいないからと修正して新たな企業に提出したり、履歴書を買いに行くのが面倒くさいし、応募先が似通っているからと加筆して提出したりすることは避けましょう。 あなたが介護のプロであると同時に、各企業の採用担当者は採用のプロですので、履歴書の使い回しはすぐに気づかれてしまいます。 ⑤間違えたら一から書き直す 間違えが発覚したら一から書き直しましょう。 特に、時間をかけて文房具店まで行き履歴書を購入してきて、黒いボールペンのインクのにじみやかすれがないことを確認し、履歴書の内容を下書きするなどの事前準備を完璧に済ませた上で、最後の仕上げ部分に差し掛かった時に間違えてしまった場合は、書き直しがとても面倒に感じるものです。 少しぐらいならわからないだろうと修正液や修正テープで間違いを修正したとしても、やはり採用のプロは見破ります。 間違えた場合は、より丁寧で清潔感のある履歴書を書こうという気持ちで一から書き直ししましょう。 ⑥わかりやすく書く 履歴書は、わかりやすく書くことがとても大切です。 先方は多くの応募者から寄せられる履歴書に短期間で目を通さなければならないため、わかりやすい履歴書を好みます。 そういった先方の事情や思いをくみ取って、簡潔でわかりやすい履歴書を提出することができると、多くの応募者の中から頭ひとつ抜け出すことでしょう。 また、介護士として実際に就職すると、ご利用者とのコミュニケーションや他のスタッフと情報共有をする機会が多く発生するため、わかりやすく書くことはより良い会話にもつながっていきます。 採用担当者から「この応募者に会ってみたい、話をしてみたい」と思っていただけるよう、読みやすさや見やすさに配慮した履歴書の作成を心がけましょう。 ⑦履歴書のコピーをとっておく 履歴書を提出する前には必ずコピーをとっておきましょう。 これはいざ面接となった場合、先方の採用担当者が履歴書をもとに質問してくるからです。 特に、面接の実施前に履歴書のみを先に郵送してほしいとの要望があった際は、履歴書をコピーして保管しておくことで、面接当日までの対策が行えます。 ただし、履歴書をコピーしたからと安心するのではなく、履歴書の内容と実際の面接での質問を想定しながら、質問に対して間違いがなく迅速に回答できる体制を整えておくことが重要です。 また、実際に採用に至った後も、面接時の思いを忘れずに介護士として活躍できる意味も込めてコピーをとっておきましょう。 4.介護業界への就職でアピールすべき4つの秘訣 介護業界での就職に際してアピールすべきポイントは4つあります。 ①介護業界を目指しきっかけを明確に 介護業界を目指したきっかけや、どのような経験や思いから介護職を志望したのかを具体的に伝えることが大切です。 例えば、これまでの人生で介護に関わった機会、興味や関心を持つきっかけなどを振り返ります。 ・家族が病気になったことがきっかけで介護への関心を持った ・人と接することが好きで、人の役に立つ介護の仕事に興味を持った ・介護のボランティアを通じて、高齢者と接する仕事に関心を持った ・介護施設に入居した祖父や祖母に寄り添ってくれた介護職員に感銘を受けた ・超高齢化社会を迎え、人生の先輩を支える介護の仕事に魅力を感じた ②応募事業所・施設を選んだ理由を記入する なぜその介護事業所や施設を志望したのかという理由を明確に説明することが重要です。 具体的に何を見て、どのような点に魅力を感じたのかを伝えましょう。 また、採用担当者に「この人と一緒に働いてみたい」や「入社して活躍してほしい」と感じてもらえるような内容も記入ます。 ・貴事業所のホームページやパンフレットを拝見し、理念に共感した ・貴施設のSNSで、楽しそうな利用者と笑顔で働くスタッフの姿からやりがいを持って仕事に取り組めそうだと感じ、一緒に働きたいと思った ・研修制度や資格取得支援制度など、成長しチャレンジできる環境が整っている ・貴施設が、利用者とのコミュニケーションを大切にし、寄り添う姿勢に感銘を受けた ③自分自身のこれまでの経験と特性を伝える これまでの経験やスキル、資格、また持ち味や強みを伝えることで、応募先に自分自身をアピールできます。 介護職未経験者の場合は人生で培ってきたもの、介護職経験者の場合は過去に携わった介護業務で得たものなどを交えるとより伝わりやすいです。 ・運動が好きで、さまざまなスポーツに打ち込んできた経験から、体力に自信があり、身体を使う介護の仕事に役立つと思った ・接客の仕事で培ったコミュニケーション能力が、利用者の声に耳を傾ける介護に生かせると思った ・育児において、子どもの感情を読み取り、何ができるかを常に考えた経験が、介護における利用者のご希望をかなえることにもつながると思った ・他事業所でパートの介護職として勤務し、寄り添う介護を実践してきた経験が生かせると思った ④将来の目標やポジションについて 介護業界における将来の目標やどのようなポジションに就きたいのかを明確に伝えることで、将来にわたって活躍できる意欲的な人材であることをアピールできます。 ・利用者により一層喜んでもらえるよう、介護士やケアマネジャーなどに挑戦し、専門職としてスキルアップしたい ・さまざまな施設を運営する貴事業所で、多職種にチャレンジし、幅広い介護の経験を積みたい ・介護職として働きながら、初任者研修や実務者研修を受講し、常に新しい技術と知識を吸収したい 5.介護士の履歴書に使える例文 介護士の履歴書には、自分自身の経験やスキルを思考に合わせてアレンジし、より自分らしい表現を心がけることが重要です。 志望動機の書き方例 私は、介護士として社会に貢献することができる仕事に興味を持ち、この度応募させていただきました。介護業界は高齢化社会の進展に伴い、ますます需要が高まる分野であり、その一端を担うことができることにやりがいを感じます。 また、ご利用者様の笑顔を見ることができる介護士という仕事に魅力を感じ、私自身もその一員になりたいと考えています。 このような思考から、貴施設で働くことができる機会をいただけたらと思います。 自己PRの書き方例 私は、明るく元気な性格で、人と接することが好きです。 特に、ご利用者様とのコミュニケーションを大切にし、笑顔を絶やさずに接するよう心がけています。 また、前職での経験を生かし、ご利用者様の身体介護はもちろんのこと、日常生活の中でのコミュニケーションやレクリエーションの提供にも力を入れています。 さらに、介護士としてご利用者様のニーズに合わせた適切なアドバイスやサポートを提供することができるよう、常に学びを深めることに努めています。 私は、ご利用者様に寄り添い、一人ひとりに合わせた丁寧なケアを提供し、笑顔と安心をお届けすることができる介護士として貢献していきたいと考えています。 6.履歴書を出すときの3つの注意点 履歴書を提出する際は、郵送やメール、直接など、提出する方法に応じて注意する点が異なります。 ①郵送で提出する場合 郵送で提出する場合は、提出期限を確認し余裕を持って送付しましょう。 ポストへ投函する前に封筒の宛名や送付先、必要な書類がそろっているのかを確認します。 送付する封筒は、基本的には茶封筒ではなく白封筒を選びます。 また、履歴書が折れたり汚れたりしないように、履歴書をクリアファイルに挟んでから封筒へ入れ送付するとより丁寧な印象を与えるでしょう。 宛名で注意すべきは、施設の場合は「御中」、人の場合は「様」をつけることです。 封筒の表面の左端には、赤字で「履歴書在中」と記載しておくと、先方が一目で履歴書だと認識しやすいでしょう。 ②メールで提出する場合 メールで提出する場合は、先方がどのようなメールが送付されてきたのか一目でわかるよう、メールの件名に「履歴書ご送付の件および氏名」を記入して送信しましょう。 メールの本文冒頭には応募先施設名や担当者名を、メールの本文には履歴書が格納されたファイルが添付されている旨を記入します。 さらに本文には、時候のあいさつや志望への決意表明を改めて短文でもいいので簡単に記入すると、より強い思いが先方へと伝わりやすくなるでしょう。 ③直接提出する場合 面接当日に面接官へ直接提出する場合は、封筒から履歴書を取り出し、履歴書を担当者の見やすい方向へ向けて「よろしくお願いいたします」と一言添えて手渡ししましょう。 また、施設へ直接履歴書を届けるよう指示がありながら、届けた際に担当者が不在であり、受付経由で担当者へ履歴書が渡るというケースを想定しておく必要があります。 このような場合でも慌てることがないよう、万一の提出場所や提出先担当者を事前に確認しておきます。 さらに、履歴書を同封した封筒の封をいつでも閉じることができるよう、のりなども持参しておきましょう。 【まとめ】介護士の履歴書を正しく書こう! 今回は、介護士として就職したい人のために、履歴書の書き方について解説しました。 履歴書を作成する際は、志望動機や目指すきっかけなどのポイントを抑えながら、正式名称を用いて正確に記入することが重要です。 また、培ってきたスキルや経験を生かし、志望する施設でどのように役立てることができるかを十分に考え、その内容を明記しましょう。

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