介護職の仕事内容とは?資格や働く5つのメリットを解説-三幸福祉カレッジ

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2024.02.28お役立ち情報
介護職の仕事内容とは?資格や働く5つのメリットを解説

介護職の仕事内容とは?資格や働く5つのメリットを解説


介護職には興味があるけれど、実際はどのようなことを行うか、働く上で資格は必要なのか、どのようなメリットがあるのかと疑問に思う人はとても多いです。

実際に介護職として働く人に話を聞いてみると、やりがいがある、自分に合った働き方ができるなど、多くのメリットを感じています。

そこで今回は、介護職の仕事内容について、介護に必要な資格や働くメリットおよびデメリットなどを交え解説します。

1.介護職の仕事内容


介護職は、 体の不自由な人のために身体介護や生活援助や、レクリエーションの企画や介護記録の作成をするなどが主な仕事です。

①身体介護

身体介護は、要介護者の身体に直接触れる介助をさし、移乗介助や入浴介助、排泄介助などが含まれます。

移乗介助では歩行や車椅子の移動支援、入浴介助では入浴の準備から洗浄までをサポートします。排泄介助ではトイレへの移動やおむつ交換などの介助が含まれ、衛生面だけではなく要介護者の尊厳にも細心の注意が求められます。

身体介護では、特に要介護者の状態を把握し、安全確認や配慮が不可欠であり、細やかな気配りが重要です。

②生活援助

生活援助は、要介護者の身体に直接触れない介助を指し、主に掃除や洗濯、買い物などが中心です。
掃除では利用者の居住スペースの清掃やゴミ出しを代行し、食事の準備では調理や配膳、下膳や片付けなどを支援します。買い物では利用者の必需品を自宅近隣の店舗で代行し、日常生活の支援を提供します。

③レクリエーションの企画や介護記録

介護職として働く施設によっては、レクリエーションを企画することも重要な仕事です。
特に通所や入所型の施設では、要介護者の脳機能や身体機能の維持のためにさまざまなレクリエーションを実施します。利用者の安全を確保しつつ、個々の感覚や興味に合わせ、幼稚と受け取られず自尊心を損なわないよう心情面にも注意を払いながら支援します。

また、介護職員同士で利用者の状態を共有するために、介護記録を作成することも仕事のひとつです。介護記録を作成し共有することで、利用者ごとに最適な支援を行うことができます。

2.介護職の代表的な職場をご紹介


次に、介護職として働く職場にはどんな種類があるのかをご紹介します。

①特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、認知症や寝たきりなどの要介護者の支援を行う施設で、身体介護が主な仕事です。
別名「介護老人福祉施設」とも呼ばれ、入所対象は65歳以上で要介護度3〜5の認定を受けた人です。
在宅介護が難しい場合に入所し、日常生活の支援や機能訓練、療養上のお世話などを提供します。
入所者の尊重と立場への理解が重要なサービスの一環とされています。

②介護老人保健施設

介護老人保健施設は、医療的ケアやリハビリテーションを提供する施設で、在宅復帰を目指す高齢者に対して生活全般をサポートします。
3カ月ごとにケアプランを見直し、帰宅またはリハビリの継続を検討します。
医療的知識や技術を生かせ、利用者ができるだけ自立した日常生活を営めるよう支援します。

③有料老人ホーム

有料老人ホームは、民間企業が運営する介護施設で、自立した人から要介護者までさまざまな介護を提供します。
なかには高級ホテルのような施設もあり、介護業務だけではなくイベント運営やフロント業務などを担当することもあります。
利用者が可能な限り自立した日常生活を営むことができるよう、食事や入浴などの日常生活上の支援、機能訓練などを行います。

④訪問介護事業所

訪問介護事業所は、利用者の自宅で個別の介護サービスを提供します。
主に生活支援や身体介護が中心で、通院の付き添いや選挙投票などにも柔軟に対応します。
介護職員と利用者が1対1でサービスを提供するので、利用者とのコミュニケーションを重視し、個別に寄り添った介護が可能です。
訪問介護職員は、利用者の自立に焦点を当ててサポートを行います。

⑤病院

病院での介護業務は、生活支援や医療スタッフのサポートを担当し、病室清掃やベッドシーツの洗濯などを行います。

3.介護職で働く5つのメリットをご紹介


介護職として働くメリットは主に以下の5つが挙げられます。
①勤務時間の融通が利きやすい
②年齢や性別、学歴を問わない
③就職先が多く、転職しやすい
④親の介護に知識や経験を生かすことができる
⑤資格を取得することで収入UPやスキルアップができる

メリット①勤務時間の融通が利きやすい

一般的な企業は平日週5日勤務や定時勤務が主流ですが、介護職は主にシフト制です。

柔軟な勤務時間の選択が可能で、24時間体制の介護施設ではシフト制が多いため希望を出すことができます。子育て中の場合、短時間のパート勤務や夜勤なし、学校行事に合わせた休みも調整できます。

この柔軟性が介護職の魅力であり、家庭やプライベートとの両立がしやすい点がメリットです。

メリット②年齢や性別・学歴を問わない

介護職はライフステージの変化が多い女性にとっても働きやすく、年齢やスキルに関わらず多様な世代が活躍しています。

女性の介護職の主な年齢層は50~59歳が38.4%、40〜49歳が23.3%と、40・50代で半数以上を占めています。
さらに、60歳以上も27%が働き、定年後でも長く活躍できることが示されています。

出典:厚生労働省「介護労働の現状」

介護職は経験やコミュニケーション能力が重視され、学歴よりも実践的なスキルが重要です。
そのため、過去の経歴にとらわれず、現在の努力次第で未来を切り開くことが可能です。
人とのコミュニケーションが鍵となる仕事であり、介護者の気持ちに寄り添い、適切なサポートができるスキルが重要視されています。

メリット③就職先が多く、転職しやすい

介護業界は高齢社会のため重要性は高まり続けており、特別養護老人ホームや介護老人保健施設だけでなく訪問介護やデイケアなどでも人手不足が続いています。
これが再就職や働き方を変更する際には有利に働き、大きなメリットとなっています。
施設の種類や雰囲気、勤務形態が様々あるため、引っ越しの際も近隣での就職が見つけやすく、資格や経験を生かして再就職をスムーズに進めることも可能です。

メリット④親の介護に知識や経験を生かすことができる

他の多くの職業がプライベートと直結しない中、介護職は、将来自分自身の家族も介護する状況が出てくる可能性もあり、その際にも実用的なスキルです。
自ら介護に携わらなくても介護スキルや制度の知識は一生役立ちます。
親の介護が始まると多くの人が仕事を辞める中、介護職は柔軟な勤務形態や労働時間で、通院介助やデイサービスの送迎など、仕事と介護の両立がしやすいです。

メリット⑤資格を取得することで収入UPやスキルアップができる

介護職のキャリアアップが以前は複雑でしたが、現在は介護福祉士の国家資格取得が主要なルートに統一されました。
福祉系の学校の卒業が必須ではなく、現場経験を生かし国家試験に挑戦できるのも大きなメリットです。

4.介護職で働く前に知っておきたいこと


介護職として働く中で多くのメリットがある一方、働く前に知っておいた方がいい2つのポイントがあります。
①体力が必要
②資格によって給与が変わる

①体力が必要

身体の不自由な利用者を車椅子に乗せる移乗介助、安全な入浴をサポートする入浴介助、清潔をサポートする排泄介助など、体力を必要とする業務が多くあります。
特に介護職として働き始めの頃は、慣れない業務により身体を痛めることもあります。
また、介護職に慣れてきた頃は、介護の基本動作を忘れて腰痛を患う人も多いです。

介護職として長く活躍するには、自分自身の体調管理は不可欠です。

②資格によって給与が変わる


出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」

上記の表からも分かるように、介護職の給与は令和3年に300,990円だったのが、令和4年には317,540円(介護職員処遇改善支援補助金取得の場合)と月額約16,000円アップしています。
年収に換算すると、令和4年で約381万円です。

一方、国税庁が発表した令和4年分民間給与実態統計調査によると、国民の平均給与は458万円ですので、国民の平均給与と比較すると介護職の給与はアップしているとはいえ少ない傾向です。

しかし、介護職であっても資格を取得していけば給与アップを目指せます。

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(P157)」

上記の表からも分かるように、令和4年の平均給与額を比較すると、介護無資格者の268,680円に対し、介護職員初任者研修修了者では300,240円、実務者研修修了者で302,430円、国家資格の介護福祉士取得者では331,080円、ケアマネジャーでは376,770円と、資格を取得しキャリアアップしていけば給与が上がっていき、やりがいも感じるでしょう。

5.介護職に必要な資格はある?


介護職として働く上で必要な資格は以下の4つです。
①介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
②介護福祉士実務者研修
③介護福祉士
④ケアマネジャー

①介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

介護職員初任者研修は、ホームヘルパー2級の後継資格で、介護の基礎から応用までを学び、全国で介護職への就職、転職が可能です。
介護職希望者やサービス業従事者、家族介護にも役立てることができます。

関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護職員初任者研修」

②介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護福祉士国家試験合格のために必須の資格です。
試験対策だけでなく、高品質な介護サービス提供のために実践的な知識と技術を磨きます。
介護職の基本から認知症対応までを学び、専門家としてのスキル向上を目指します。

関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護福祉士実務者研修」

③介護福祉士

介護福祉士は、介護業界唯一の国家資格で、合格および登録により国が認めた介護職員となります。
専門知識と技術を生かし、利用者のケアや職員指導を行います。
資格を取得すると、就職や転職に有利で全国どこでも通用するため、一度取得すれば一生ものの資格です。

関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護福祉士になるには」

④アマネジャー(介護支援専門員)

介護保険法で規定された専門職であるケアマネジャーは、ケアプラン作成やサービス調整を担当します。
介護職の知識や経験を生かし、キャリアアップの資格として人気です。

関連ページ:三幸福祉カレッジ「ケアマネジャー(介護支援専門員)とは」

6.介護職に向いている人の特徴


では、介護職に向いている人はどのような人なのでしょうか。
主に以下の3つに当てはまる人は介護職に向いていると言えるでしょう。
①コミュニケーション能力が高い
②資格の取得など向上心が高い
③メンタルが強い

①コミュニケーション能力が高い

介護の現場では、利用者とのコミュニケーションが非常に重要です。
信頼を築くためには、話しやすい環境を作り、コミュニケーションから介護に関するヒントを得ることができるといった能力が高いことが求められます。

また、介護職員同士の連携も不可欠なため、距離感や相互理解のためにもコミュニケーション能力は必要です。

②資格の取得など向上心が高い

介護の知識を有効に活用するには、基本だけでなく柔軟な対応力も重要です。
利用者ごとに異なる介助方法や注意点があり、日々変化する現場に適応するためには、情報への敏感さや新しい知識の獲得が欠かせません。

資格を取得するなど日々の学びとスキルアップに努めることで、利用者の満足度向上と効果的なケアの提供へとつなげることができます。

③メンタルが強い

介護の仕事はやりがいは大きいですが、命に関わるために責任は重大です。
感情の受け入れやストレス耐性が求められ、時には死と向き合うこともあります。
メンタルの強さと仕事、プライベートとの切り替えが得意な人が向いているでしょう。

7.まとめ


今回は、介護職の仕事内容について、介護に必要な資格や働くメリットおよびデメリットなどを交え解説しました。

介護職は、体の不自由な人のために身体介護や生活援助を行ったり、レクリエーションの企画や介護記録の作成をするのが主な仕事です。

介護職として働く場合、勤務時間の融通が利きやすい、年齢や性別、学歴を問わない、就職先が多く、転職しやすい、親の介護に知識や経験を生かすことができるなどのメリットがある一方で、かなりの体力が必要ですので、自分自身の健康管理はとても重要です。

資格を取得しキャリアアップをしていけば給与もアップしていきますので、ぜひ介護職にチャレンジしてみましょう。

この記事の監修者

三幸福祉カレッジ 編集部

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