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2023.01.30- 介護コラム
2021年度改訂『特定処遇改善加算(手当)』とは?”勤続10年の給与アップ”はどうなる?!2021年度改訂『特定処遇改善加算(手当)』とは?”勤続10年の給与アップ”はどうなる?! 2019(令和元)年10月からスタートした『介護職員等特定処遇改善加算』(以下、特定処遇改善加算と記載)。「勤続10年以上の介護福祉士の給与が8万円アップする!? 」と、当時の新聞やニュースなどでも取り上げられ、話題となりました。 実際は、一律に給与アップするものではありませんでしたが、経験・技能のある介護職員に対し、さらなる処遇改善を図られることになりました。 2021(令和3)年度の介護報酬改定に伴い、処遇改善加算や特定処遇改善加算についても一部見直しがありましたので、今回は、その点も追記し、解説します。 1、介護職員等特定処遇改善加算とは 特定処遇改善加算とは何か、一言でいうと、従来の処遇改善加算に加え、キャリア(経験・技能)のある介護職員に対し、更なる処遇改善を行うものです。 職場で最低1人以上、キャリアのある介護福祉士の賃金を月8万円以上アップさせるか、年収440万円以上にするというルールとなっています。 事業者が所定の算定要件を満たした上で、都道府県に申請を行い、事業者が処遇改善加算として受け取ったお金を介護職員に処遇改善手当として配分するという流れになります。 【参考】 介護職員の処遇改善|厚生労働省 2、特定処遇改善加算の背景 皆さんもご存じのとおり、介護職員の人材不足は社会的な課題となっています。 2000(平成12)年の介護保険法の施行以来、要介護(支援)認定者は増加し、サービス量の増加に伴い介護職員数も増加しています。 しかし、今後さらなるサービス量の増加が見込まれ、2025(令和7)年度末までに介護人材の需要が約245万人にも上ると言われています。 2022年(令和4)年11月の介護分野の有効求人倍率は、3.87 (全分野の有効求人倍率は1.35)と依然として高い水準にあります。 介護労働安定センター行った実態調査からも、半数以上の事業者が「従業員が不足している」回答していることが分かっており、介護サービス事業を運営する上での問題点として、「良質な人材の確保が難しい」という回答が最も多い状況です。 また、職員の退職理由としては、「人間関係」「将来の見込み」に対する不満が挙げられるとともに、「収入が少ない」という理由を挙げる割合が一定数いることが分かっています。 実際に、看護師や介護支援専門員等の同産業の他職種と比較すると、介護職員の給与は低く、勤続年数も短いという現状があります。 そこで、国として取り組むことになったのが、介護職員の更なる処遇改善です。 今までも、処遇改善や手当の支給等の取り組みを行われてきましたが、介護人材確保のための取り組みをより一層進めるべく、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進めるために介護職員に手当が支給される「特定処遇改善加算」が行われることになりました。 【参考】 一般職業紹介状況(令和4年11月分)について|厚生労働省 令和3年度 介護労働実態調査結果について | 介護労働安定センター (kaigo-center.or.jp) 3、2021(令和3)年度介護報酬改定での見直し内容は? 2021年(令和3)年度介護報酬改定に伴い、処遇改善加算や特定処遇改善加算要件についてもいくつか見直しが行われました。 主な変更点は、以下の3点です。それぞれについて解説します。 職場環境要件の強化 特定処遇改善加算の事業所内での配分ルールの緩和 処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)の廃止 ・職場環境要件の強化 処遇改善加算および特定処遇改善加算を算定する要件のひとつに職場環境等要件があります。 この職場環境等要件について、取組をより実効性が高いものとするために、見直しが行われました。 2019(令和元)年の特定処遇改善加算のルールでは、「職場環境要件で複数の取組を実施していること」とされていましたが、2021年(令和3)年の介護報酬改定に伴い、次の6つの区分について、区分ごとに1つ以上の取り組みを年度ごとに実施することが必要になりました。 なお、処遇改善加算のみを算定する場合は、全体で1つ以上の取り組みが必要です。 職場環境要件の6つの区分 入職促進に向けた取組 職員の資質の向上やキャリアアップに向けた支援 両立支援・多様な働き方の推進に資する取組 腰痛を含む心身の不調に対応する取組 生産性向上につながる取組 仕事へのやりがい・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継続に資する取組 それぞれの区分の具体的な取り組み内容については、以下の表に記載されています。 出典:介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算 及び介護職員等ベースアップ等支援加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(老発 0621第1号令和4年6月 21 日) ・特定処遇改善加算の事業所内での配分ルールの緩和 より多くの事業者が特定処遇改善加算を活用しやすくするために、平均の賃金改善額の配分ルールが見直されました。 特定処遇改善加算を算定するためには、「A経験・技能のある介護職員」「B他の介護職員」「Cその他の職員」の3つのグループに分け、賃上げ額に一定の差をつけることが必要です。 2019(令和元)年に特定処遇改善加算が導入された際には、「A経験・技能のある介護職員」は「Bその他の介護職員」の「2倍以上とすること」というルールでしたが、2021年(令和3)年の介護報酬改定に伴い、「より高くすること」と緩和されました。 ただし、「Cその他の職種」は「Aその他の介護職員」の「2分の1を上回らないこと」とするルールは変更ありません。 出典:令和3年度介護報酬改定における改定事項について(社保審-介護給付費分科会第199回(R3.1.18)参考資料1)|厚生労働省 ・処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)の廃止 処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)が廃止され、処遇改善加算は(Ⅰ)~(Ⅲ)の3区分のみとなりました。 2021年(令和3)年3月末時点で同加算を算定している事業者については、1年の経過措置期間を設けられています。 2019年(令和元)年の特定処遇改善加算導入時から、算定要件として処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを算定していることが求められており、ほとんどの事業者が加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを算定しているため、ほとんど影響のない変更点と言えるでしょう。 出典:令和3年度介護報酬改定における改定事項について(社保審-介護給付費分科会第199回(R3.1.18)参考資料1)|厚生労働省 4、特定処遇改善加算の算定方法 (1) 算定要件 以下の要件を満たしている事業所は加算の届出を行うことができます。 処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを算定していること。 介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、各区分ごとに1つ以上の取り組みを行っていること※2021(令和3)年介護報酬改正に伴う変更点 介護職員処遇改善加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っていること ご覧いただければお分かりいただけると思いますが、ほとんどの事業所が算定要件を満たしており、ハードルはそれほど高くありません。勤続10年以上の介護福祉士がいなくても大丈夫です。 ただし、下記のサービスは対象外です。 訪問看護 訪問リハビリテーション 福祉用具貸与 特定福祉用具販売 居宅療養管理指導 居宅介護支援 介護予防支援 (2) 加算率・加算見込額について 特定処遇改善加算には、ⅠとⅡの2区分があります。 加算率はⅠ>Ⅱとなっています。 サービス提供体制強化加算等の最も上位の区分を算定している場合、「特定処遇改善加算Ⅰ」の算定が可能です。 それ以外は、「特定処遇改善加算Ⅱ」となります。 また、サービス区分によって、加算率が異なり手当も変わります。 詳しくは下記の表をご覧ください。 ■加算率 出典:2019年度介護報酬改定について~介護人材の更なる処遇改善(2019年7月10日厚生労働省老健局) ■加算見込額 加算見込額は下記の計算式によって、計算できます。 (3) 賃上げのルールについて 特定処遇改善加算を算定する事業所は一定のルールのもと介護職員の賃上げを行う必要があります。 まずは、すべての職員を以下のABCに分類します。 A:経験・技能のある介護職員 B:A以外の介護職員 C:その他の職種の職員(役職者を除く年収440万円以上の者は対象外 Aに分類する要件として、介護福祉士であることは必須です。しかし、必ずしも勤続10年以上である必要はありません。 その次に、「A」「B」「C」どの職員範囲で手当てを配分するかを決めます。 「A」だけに手当を配分することも可能です。ただし、以下の2つの要件を満たしている必要があります。 ①「A:経験・技能のある介護職員」のうち1人以上は、月額8万円の賃上げまたは年収440万円(手当等を含む)までの賃金増が行われていること。 ②平均の処遇改善額が、以下の条件を満たすこと AはBを上回る額とすること※2021(令和3)年介護報酬改正に伴う変更点 CはBの2分の1を上回らないこと まとめると下記のようになります。 【参考】 介護職員の処遇改善|厚生労働省 5、まとめ 2019(令和元)年より導入された特定処遇改善加算ですが、2021(令和3)年の介護報酬改正により、配分ルールが緩和されたことにより、改正前と比べ活用しやすいルールとなったと言えるでしょう。 また、2022(令和4)年10月からは、新たな「介護職員等ベースアップ等支援加算」が創設されており、これらの加算を事業者が活用することにより、今後の介護職の賃金アップが期待できそうですね。 「介護職員等ベースアップ等支援加算」についても、後日解説したいと思いますので、ぜひチェックしてください。
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2022.12.26- 介護コラム
【2022年度版】育児介護休業法の改正内容と押さえておきたいポイント【2022年度版】育児介護休業法の改正内容と押さえておきたいポイント デジタル化の急速な進展と新型コロナウイルス感染拡大により、働き方やライフスタイルが大きく変化しています。 人々の意識や価値観が変わる変革期の到来において、今回の育児介護休業法の改正は、近年でも特に多くの規則や運用の変更を伴う内容となっています。 企業の人事担当者や制度を利用する方も、「これまでの制度からどのように変わるのだろうか?」「自分も制度を利用できるのだろうか?」と疑問や不安を抱えているかと思います。 そこで今回は、育児介護休業法の改正について、詳しい内容やポイントを交えながら解説します。 育児介護休業法とは 育児介護休業法とは、 子の養育や家族の介護を行う労働者などの雇用の継続と再就職の促進を図り、仕事と家庭との両立を通じて、福祉の増進および経済と社会の発展に貢献することを目的とした法律です。 育児介護休業法で定められた支援には、以下のような制度があります。 ・育児休業 労働者が、原則として1歳に満たない子を養育するための休業 ・介護休業 労働者が、(いわゆる要介護状態)にある対象家族を介護するための休業 ・出生時育児休業(産後パパ育休) 産後休業をしていない労働者が、原則として出生後8週間以内の子を養育するための休業 ・子の看護休暇 小学校就学前にでの子を養育する労働者が、1年に5日(子が2人以上の場合は10日)まで、病気やけがをした子の看護又は子に予防接種、健康診断を受けさせるために休暇の取得が可能 ・介護休暇 要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者は、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うために休暇の取得が可能 そのほかにも、所定労働時間の短縮等の措置や所定外労働の制限、時間外労働の制限や深夜業の制限などがあります。 ※要介護状態とは、負傷や疾病又は身体上もしくは精神上の障がいにより、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態のことをいいます。 1995年10月1日に、それまでの育児休業法が育児介護休業法に改められて以降、今日に至るまで様々な改正が行われてきました。 参考ページ:厚生労働省 「育児・介護休業法の改正経過」 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000136911.pdf 【2021年1月】介護休業制度の改正内容とポイント 2021年1月1日には、介護を行う労働者が、介護休暇を柔軟に取得できるよう、時間単位での休暇取得が可能になりました。 なお、子の看護休暇を取得する場合においても同様です。 法令では、いわゆる「中抜け」なしでの時間単位の休暇が求められています。 すでに「中抜け」ありの休暇を導入している企業が、「中抜け」なしの休暇に変更することは、労働者にとって不利益な労働条件になるため注意が必要です。 ※中抜けとは、就業時間の途中から時間単位の休暇を取得し、就業時間の途中に再び戻ることをいいます。 労働時間の端数は切り上げ 時間単位で介護休暇を取得する際の1日分の時間数は、1日の所定労働時間数としています。 1時間に満たない端数がある場合は、端数を切り上げます。 具体的には、1日の所定労働時間数が7時間30分の場合、8時間分の休暇で1日分の取得となります。 出典:厚生労働省「看護休暇・介護休暇の時間単位での取得に関するQ&A」https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000582061.pdf パートやアルバイトは平均所定労働時間数で計算 日によって所定労働時間数が異なる場合において、1日の所定労働時間数の定め方は、1年間における1日の平均所定労働時間数としています。 時間単位で介護休暇を取得する場合は、休暇を取得した時間数の合計が1日の平均所定労働時間数に相当する時間数になるごとに、1日分の休暇を取得したとして扱います。 なお、1日の平均所定労働時間数は、介護休暇1日の時間数の計算に用いるものです。 出典:厚生労働省「看護休暇・介護休暇の時間単位での取得に関するQ&A」https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000582061.pdf 1日4時間以下の労働者の場合はどうなる? 2020年12月まで半日単位で介護休暇の取得ができなかった、1日の所定労働時間数が4時間以下の労働者の場合は、2021年1月から時間単位での休暇取得が可能になっています。 しかし、業務の性質や実施体制に照らし、1日未満の単位で休暇を取得することが困難と道められる業務に従事する労働者として労使協定を締結した場合、事業主側は、時間単位での休暇の取得を申し出を拒むことが可能です。 ただし、業務の態様に関わらず、一律に1日の所定労働時間数が4時間以下の労働者であることだけで、時間単位の休暇を取得する対象から除外することは適当ではありません。 参考ページ:厚生労働省「看護休暇・介護休暇の時間単位での取得に関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000582061.pdf 【2022年4月】介護休業制度の改正内容とポイント 2022年4月1日には、有期雇用労働者の介護休業取得要件の一つである「引き続き雇用された期間が1年以上である者」が削除されました。 これにより、無期雇用労働者と同様の扱いとなり、雇用形態に関わらず介護休業を取得しやすくなりました。 育児休業制度もさまざまな改正が行われている 育児休業制度についても、介護休業同様に様々な改正が行われています。 上記で解説した有期雇用労働者の取得要件の変更は、育児休業にも当てはまります。 この場合、パートやアルバイトなど、決められた期間だけ働く有期雇用労働者が育児休業を取得するのは、「引き続き雇用された期間が1年以上」「1歳6カ月までの間に契約が満了することが明らかではない」という要件があったため、育児休業の取得は認められない可能性が高かったのです。 しかし、2022年4月1日の育児介護休業法の改正により、「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件が撤廃されたことで、パートやアルバイトの方も正社員のような無期雇用労働者と同じように、入社直後から育児休業を取得できるようになりました。 2022年4月の育児休業制度改正 2022年4月1日における育児休業制度の改正では、上記で解説した有期雇用労働者の育児休業取得要件の緩和のほかに、雇用環境整備および個別周知、意向確認の措置が義務化されました。 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備 出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf 事業主は、育児休業の申し出や取得が円滑に行われるようにするため、上記に記された雇用環境の整備のいずれかを選択して措置を講ずることが定められました。 妊娠や出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知、意向確認の措置 出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf 労働者またはその配偶者が妊娠や出産したことなどを申し出たときは、事業者は個別の制度周知と意向確認の措置を講ずることが定められました。 2022年10月の育児休業制度改正 2022年10月1日における育児休業制度の改正では、産後パパ育児休業(出生時育児休業)が新設され、育児休業の分割取得が可能になりました。 出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf 育児休業の分割取得において、取得回数が同じ子について原則として1回とされており、分割取得はできませんでした。 しかし、制度改正によって、取得が同じ子について原則として2回までの分割取得が可能になりました。 なお、産後パパ育児休業の取得回数は、この2回には含まれません。 事業主と労働者間での具体的な手続きの流れは、以下の通りです。 まとめ 今回は、育児介護休業法の改正について、詳しい内容やポイントを交えながら解説しました。 育児介護休業法は、時代の流れに沿って幾度となく改正されてきました。 2023年4月1日には、常時雇用する労働者の数が1,000人を超える事業主は、毎年少なくとも1回、その雇用する労働者の育児休業の取得状況として一定の内容を公表することが義務付けられます。 事業主と労働者の両者にとって今後もより良い職場環境となるよう、制度改正の内容を正確に把握しながら、就業規則を見直しましょう!
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2022.12.19- 介護コラム
【令和4年10月創設】介護職員等ベースアップ等支援加算について│加算の条件や計画書の提出について詳しく解説介護職員等ベースアップ等支援加算について【令和4年10月創設】 介護職員の平均給与額月額は、2021年(令和3年)9月時点で315,640円です。 他職種の平均給与額を見てみると、看護職員が369,760円、生活相談員および支援相談員が336,830円、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士または機能訓練指導員が351,230円となっており、介護職員の給与は他の職種を下回っています。 また、2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大により、介護事業所の閉鎖も相次いでいます。 このような状況を打破すべく、2022年(令和4年)10月以降について介護報酬改定を行い、介護職員の収入を引き上げるための措置を講じるための「介護職員等ベースアップ等支援加算」が新たに設けられました。 そこで今回は、コロナ克服と新時代開拓のための経済対策を踏まえ設けられた介護職員等ベースアップ等支援加算について、加算の条件や計画書の提出などを交えながら解説します。 ※平均給与額月額の数字は、介護職員処遇改善加算を算定していない事業所も含めた全事業所の介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額です。(厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要を参照) 介護職員等ベースアップ等支援加算とは 介護職員等ベースアップ等支援加算とは、 2022年(令和4年)10月の介護報酬改定において、基本給などの引き上げによる賃金改善を一定求めつつ、介護職員の処遇改善も行うことを目的に運用が開始された制度です。 2022年2月から9月までの介護職員処遇改善支援補助金による賃上げ効果を継続する観点から、処遇改善加算および特定処遇改善加算に加える形で、ベースアップ等支援加算が創設されました。 出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf “月収”をアップさせることが重視されている 従来の処遇改善加算や特定処遇改善加算は、全額賞与などでも分配が可能でしたが、今回創設された介護職員等ベースアップ等支援加算は、毎月の給与で職員に還元することを重要視しています。 加算額としては、対象介護事業所の介護職員(常勤換算)1人あたり月額平均9,000円の賃金引き上げに相当する額と定めています。 出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf 介護職員等ベースアップ等支援加算の条件 介護職員等ベースアップ等支援加算を取得するには、以下の2つの要件をクリアすることが必要です。 ※処遇改善加算Ⅰ〜Ⅲの算定要件については、次の項に記載の表1を参照。 対象となる職種 これまでの介護職員の給与アップに対する取り組み 政府はこれまでも、介護職員の給与アップのために「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」を設けており、今回の介護職員等ベースアップ等支援加算は、さらにそれに上乗せされる仕組みです。 介護職員処遇改善加算とは、介護サービスに従事する介護職員の賃金改善に充てる目的に創設された制度です。 出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf さらに、経験や技能のある介護職員の処遇改善を目的に、介護職員等特定処遇改善加算が2019年(令和元年)10月から運用が開始されました。 このように処遇の改善だけではなく、介護職員のスキルアップと定着を図る取り組みが行われており、今回の介護職員等ベースアップ等支援加算で介護職の給与アップを図ろうとしています。 出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf 介護サービスごとのベースアップ加算率一覧 介護サービスごとにベースアップ加算率は異なります。 加算算定対象サービス なお、以下のサービスは加算算定対象外です。 参考ページ:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1082 令和4年6月21日」https://www.mhlw.go.jp/content/000957094.pdf 介護職員等ベースアップ等支援加算の計画書はいつ提出? ベースアップ等加算を取得しようとする事業者などは、介護職員等ベースアップ等支援計画書を作成し提出する必要があります。 提出期限は、介護職員等ベースアップ等支援加算の適用開始月の前々月末日までに提出します。 【具体例:2023年(令和5年)4月からベースアップ等加算を適用する場合は、2023年(令和5年)2月28日(火)締切です】 介護職員等ベースアップ等支援計画書には、介護職員やその他職員の月額の賃金改善額を記載します。 また、月額の賃金改善額の総額(対象とする職員全体の額)の記載が必要です。 ベースアップ等支援計画書は、処遇改善加算、特定処遇改善加算を算定する場合の「処遇改善計画書」と一体の様式となっています。 なお、提出様式については、各都道府県のホームページからダウンロードできます。 介護職員等ベースアップ等加算の執行イメージは、以下の通りです。 出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf まとめ 今回は、2022年(令和4年)10月に創設された介護職員等ベースアップ等支援加算について、加算の条件や計画書の提出などを交えながら解説しました。 2025年以降、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、日本が超高齢化社会を迎えます。 厚生労働省の推計によると、2025年に必要な介護職員数は約243万人であり、2019年時点の211万人よりもプラス約32万人の人材を確保しなければなりません。 しかし、 処遇改善加算や特定処遇改善加算に加え、今回の介護職員等ベースアップ等支援加算の創設で、介護職員の待遇は大きく変化することでしょう。 職員の仕事に対するモチベーションにもつながりますので、施設管理者のかたはぜひこの制度を職員の方々に還元しましょう。
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2022.11.14- 介護コラム
認知症介護実践者研修とは?資格を取得するメリットやその他研修との違いを解説出典:内閣府「高齢者の健康・福祉」https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/gaiyou/s1_2_3.html 今日、日本の高齢者における「認知症」は、身近な疾患となりました。 上記の表にある、65歳以上の高齢者の認知症疾患数と有病率の将来推計によると、直近の2020年は認知症患者数が約616万人でしたが、2025年には約700万人と、わずか5年間で約100万人増加することが見込まれています。 たとえ認知症になっても一人の人間として安全で安心に、尊厳を持ってその人らしく生きていくためには、周囲の適切なサポートは欠かせません。 このような状況を踏まえて創設されたのが、認知症介護実践者研修です。 そこで今回は、認知症介護実践者研修について、資格を取得するメリットや方法などを交えて解説します。 認知症介護実践者研修とは 認知症介護実践者研修とは、認知症の人が有する能力に応じて、自立した日常生活を営むことを支援するため、実践的な知識や技術を学び、サービス形態に関わらず、支援を展開できる力を身につけることを目的とした研修です。 認知症の人への介護では、認知症のことをよく理解し、認知症の人を主体とした介護を行うことで、できる限り症状の進行を緩和させ、BPSD(行動・心理症状)を予防できるようサービスを提供することが要求されます。 また、質の高い介護を担うことができる人材を確保する必要があります。 そこで2001年度から開始されたのが、認知症介護実践者研修です。 同時に、認知症ケアの専門研修として、実践リーダーや指導者養成といった研修も開始されました。 その後、2006年度と2014年度にそれぞれ制度の見直しがあり、現在に至ります。 現状、認知症介護実践者研修以外にも、認知症ケアの専門研修として下記の研修があります。 さらに各都道府県により、認知症対応型サービス事業管理者研修や、小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修、認知症対応型サービス事業開設者研修なども実施しています。 認知症介護実践者研修の資格を取得するメリット 認知症介護実践者研修の資格を取得することで大きく3つのメリットがあります。 認知症介護実践者研修を取得するメリット 認知症への理解が深まる 認知症に携わる介護のプロとしてステップアップできる 就職や転職に有利 認知症への理解が深まる 認知症介護実践者研修では、認知症介護の理念をはじめ、認知症高齢者の医学的や心理的な理解、生活の捉え方や支援の方法などを学ぶことができるため、認知症への理解がより深まります。 また、自施設での実習課題もあるため、研修で学んだ知識を現場で実践し振り返りを行うことができ、知識だけではなく認知症ケアのスキルも高めることができます。 研修を通して、認知症の人に適切なケアを、自信を持って提供することにもつながるため、利用者や家族からも信頼され、やりがいを感じます。 認知症に携わる介護のプロとしてステップアップできる 認知症介護実践者研修を修了することで、介護現場において中心的な存在として周囲の職員をリードし、認知症の質を向上させるために具体的な行動ができるようになります。 そのため、認知症のプロとして幅広い介護業務に携わっていくことが可能です。 さらに、認知症介護実践リーダー研修や認知症介護指導者養成研修などの上位資格を目指してステップアップもできます。 就職や転職に有利 認知症介護実践者研修は、国で指定された研修であり、修了することで認知症に関するスキルを保有していると認知されやすくなります。 また、2021年度の介護報酬改定により、認知症専門ケア加算の対象となる施設が、居宅系サービスから訪問系サービスまで広がりました。 上記を踏まえ、今後はさらに就職や転職の際、有利に働くことでしょう。 認知症介護実践者研修の資格を取得する方法 認知症介護実践者研修の資格を取得するには、以下の2つが必要です。 受験資格を満たす 指定されたカリキュラムを受ける 認知症介護実践者研修の資格は、各都道府県や政令指定都市が実施しています。 そのため、受験資格や内容、カリキュラムなどの詳細については、各都道府県のホームページにて確認しましょう。 特に注意すべきは、認知症介護実践者研修を申し込む際、従事している施設や事業所から推薦をもらう必要があることです。 以下では、東京都と大阪府が実施している例を紹介します。 受験資格を満たす 東京都の場合 1)東京都内の介護保険施設や事業所(居宅介護支援事業所を除く)に従事している介護職員等 2)原則として、認知症の人の介護に関する経験が2年程度以上 上記2点の受験資格を満たすことが条件です。 2)の経験年数については、事務職や施設長、生活相談員等としての経験のみの場合は、受験資格に該当しません。 また、介護福祉士と同等の知識を有する人、各施設において介護や看護のチームリーダーに類する立場(主任・副主任・ユニットリーダー等)にある人、または立場になる予定の人を想定しています。 大阪府の場合 1)大阪府内の介護保険施設や事業所等に従事する介護職員等 2)認知症介護基礎研修を修了した人、あるいはそれと同等以上の能力を有する人 3)身体介護に関する基本的知識や技術を修得している人で、おおむね2年程度の実務経験を有する人 上記3点の受験資格を満たすことが条件です。 指定されたカリキュラムを受ける 東京都の場合講義・演習6日間、自施設実習約2週間 大阪府の場合講義・演習6日間、自施設実習4週間 なお、統一的な研修が実施できるよう、認知症介護実践研修シラバスが作成されています。 シラバスの中で公表されているカリキュラムを紹介します。 認知症ケアの知識の基本から実際の介護現場での実践について、具体的に学べるカリキュラムになっています。 参考ページ:東京都福祉保健局「東京都認知症介護医研修の概要」 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/koza/ninchi/kenshu_info.html 参考ページ:大阪府「令和4年度 認知症介護実践研修(実践者研修・実践リーダー研修)」 https://www.pref.osaka.lg.jp/kaigoshien/ninnshishou-gyakutai/zissennsha28.html 参考ページ:認知症介護情報ネットワーク「認知症介護実践者研修シラバス」 https://www.dcnet.gr.jp/pdf/kensyu/sh28_jissen_syb.pdf 認知症介護実践者研修の資格を取得する難易度 認知症介護実践者研修は、試験がなく、カリキュラムを修了することで資格を取得できます。 しかし、介護保険施設や事業所に従事する介護職員等という受験資格が示すように、現役で働く人が受講できるため、仕事と研修のスケジュールを調整する必要があります。 また、指定された講義や演習を受講した上で、課題やレポートなどの提出が必須のため、仕事と並行して受講をすることは負担にはなりますが、学んだ内容を実際の仕事にも反映できるため、認知症ケアの知識やスキルを高めたい人におすすめの研修です。 まとめ 今回は、認知症介護実践者研修について、資格を取得するメリットや方法などを交えて解説しました。 認知症の人およびその家族が、質の高い生活を送ることができるよう、生活をサポートする介護従事者が、専門的な知識や技術を有し、あらゆる場面で最適なケアを提供することが求められます。 ここに文字を入れてね 認知症介護実践者研修の資格を取得することで、認知症への理解が深まるだけでなく、利用者や家族から信頼され、日々の仕事にやりがいを感じることができますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがですか!
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2022.11.14- 介護コラム
ケアマネジャーになるには?試験の受験資格や合格ラインについて徹底解説!ケアマネジャーになるには?試験の受験資格や合格ラインについて徹底解説! 利用者と家族、サービスを提供する事業所とをつなぐ重要な役割を持つケアマネジャー。 利用者や家族がどのようなサービスを必要としているのかを聞き出し、ニーズを把握したうえでケアプランを作成し、適切なサービスを受けることができるようサポートします。 そして、自身のケアマネジメントが、利用者や家族の生活の改善に直結する、とてもやりがいを感じるのがケアマネジャーの仕事です。 では、ケアマネジャーになるには、どうしたらいいのでしょうか? そこで今回は、ケアマネジャーになるための試験について、受験資格や資格取得までの流れを交えて解説します。 ケアマネジャーの試験(介護支援専門員実務研修受講試験)について ケアマネジャーの試験(介護支援専門員実務研修受講試験)は、介護福祉士のような国家資格ではなく公的資格で、各都道府県が管轄、実施しています。 ケアマネ試験について 試験日と合格発表日は全国共通ですが、受験の申し込み期間は都道府県によって異なります。 6月〜7月:申込書類の提出期間 ※都道府県により異なる 10月中旬:試験日 12月上旬:合格発表日 試験の内容や問題数、試験時間 出題形式は、5つの選択肢から複数回答する五肢複択方式を採用し、配点は1問1点。 合格基準目安は、正答率70%となっていますが、試験実施年度により合格ラインは上下します。 なお、直近5年間の合格者数は以下のとおりです。合格率は20%前後で推移しています。 参考ページ:厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施についての一部改正について」 https://www.pref.ehime.jp/h20400/kaigohoken/care/shiken/documents/tsuuchi.pdf 参考ページ:厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00008.html ケアマネジャーの試験の受験資格 ケアマネジャーの試験の受験資格については、2018年に一部改正されました。 それまでは、医療や介護の無資格者であっても、介護の実務経験が10年以上あれば、ケアマネジャー試験の受験資格を得ることができましたが、現在は以下のどちらかの要件を満たさなければ受験ができません。 ▼受験要件 1.保健・医療・福祉に係る法定資格保有者 2.相談援助業務の経験が5年以上ある者 以下で、ケアマネジャー試験の受験資格の詳細を解説します。 1.保健・医療・福祉に係る法定資格保有者 下記の国家資格を保有し、その資格に基づき当該資格に係る業務に通算5年以上、かつ日数が900日以上従事した人が対象です。 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士 例えば、介護の仕事が未経験であり無資格の人の場合は、3年以上の実務経験と実務者研修の修了を経て介護福祉士を取得。 その後、さらに5年以上の実務経験を経れば、ケアマネジャーの試験の受験資格を得ることができます。 2.相談援助業務の経験が5年以上ある 下記に定める相談援助に従事する人が、当該業務に通算して5年以上、かつ日数が900日以上従事した人が対象です。 ※なお、業務に従事した期間は、ケアマネジャーの試験の前日までが有効となっています。 そのため、試験の申し込み時点で要件を満たしていなくても、受験は可能です。 その際は、申し込み時に「実務経験見込証明書」の提出が必要となります。 参考ページ:厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施についての一部改正について」 https://www.pref.ehime.jp/h20400/kaigohoken/care/shiken/documents/tsuuchi.pdf ケアマネジャー試験受験から資格取得までの流れ ケアマネジャー試験を受験しただけでは、ケアマネジャーとしての業務を行うことはできません。 合格後は、都道府県ごとに実施される介護支援専門員実務研修を受講、および都道府県への登録が必要です。 以下では、ケアマネジャー試験から資格取得までの流れを解説します。 《ケアマネジャー試験から資格取得までの流れ》 参考ページ:WAM NET「実務研修受講試験からの流れ」https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/kaigo/caremanager/caremanagerworkguide/caremanagerworkguide_02.html 試験合格後も様々なステップを踏まなければ、ケアマネジャーとしての業務はできないため、試験後も手続きなど忘れないようにしましょう。 ケアマネジャーの資格は5年ごとに更新が必要 ケアマネジャーの資格は5年の更新制です。 資格を更新するためには、更新研修を受講する必要があります。 更新には、ケアマネジャーの実務経験の有無により2種類に分かれています。 ケアマネジャーの資格を取得して実務経験がない場合 ケアマネジャーの資格を取得して実務経験がある場合 ※万一、更新を忘れてしまい、ケアマネジャーの資格を失効してしまった場合は、再度54時間以上に及ぶ再研修を受講すると、資格の再交付を受けることができます。 参考ページ:WAM NET「実務研修受講試験からの流れ」https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/kaigo/caremanager/caremanagerworkguide/caremanagerworkguide_02.html まとめ 今回は、ケアマネジャーになるための試験について、受験資格や資格取得までの流れを交えて解説しました。 ケアマネジャー試験における過去第1回から第24回までの試験の合計職種別合格者比率は、受験資格の要件にある国家資格の中で、介護福祉士が44.5%を占めて第1位。 第2位の看護師および准看護師が23.7%と、介護福祉士の合格者比率の高さが際立っています。 ケアマネジャー試験では、重要な項目が繰り返し出題される傾向があるため、受験対策講座などを活用して効率よく学ぶことが合格への近道です。 幅広い分野において利用者と家族のお役に立てる存在となれるよう、着実に実務経験を重ねながらケアマネジャー試験にチャレンジしてみましょう!
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2022.10.13- 介護コラム
ケアプランとは?種類や作成方法、書き方のポイントをわかりやすくご紹介ケアプランとは?種類や作成方法、ポイントについて解説 ケアマネジャーが行う重要な業務のひとつに「ケアプラン」があり、介護サービスを利用する高齢者や家族にとっても欠かすことのできない書類です。 しかし、これからケアマネジャーを目指す人や、新たにケアマネジャーになった人の中には「ケアプランってどういうもの?」「どのように作成するの?」と悩む人も多いです。 そこで今回は、ケアプランの種類や作成方法などを、ポイントを交え解説します。 ケアプランとは ケアプラン(介護サービス計画書)とは、アセスメントによって明らかとなった、利用者と家族のこれからの生活への意向(希望)と解決するべきニーズに向けて、どのようなサービスを提供し解決と達成を図るのかを計画書にしたものです。 ケアプランの種類 ケアプランは、対象者やサービスの内容などによって ・居宅サービス計画書 ・施設サービス計画書 ・介護予防サービス計画書 の3種類に分類されます。 それぞれのサービス計画書を、以下で詳しく解説していきます。 居宅サービス計画書 居宅サービス計画書とは、要介護1〜要介護5の認定を受けた方が在宅サービスを利用する際に必須で、住み慣れた自宅で自分らしい生活を継続できるよう、利用者と家族の意向(希望)、介護保険サービス、地域の社会資源などを組み合わせ、最適な支援を提供するために作成するケアプランです。 居宅サービスには ・訪問サービス・・・訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導 ・通所サービス・・・通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション ・短期入所サービス・・・短期入所生活介護ショートステイ、短期入所療養介護 ・その他のサービス・・・福祉用具のレンタルや購入、住宅改修、特定施設入居者生活介護 などがあります。 居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、利用者と家族の状況を把握、分析して作成するのが一般的です。 施設サービス計画書 施設サービス計画書は、要介護1〜要介護5の認定を受けた方が施設サービスを利用する際に必須で、施設において自分らしい生活を送れるよう、最適な支援を提供するために作成するケアプランです。 施設サービスには ・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) ・介護老人保健施設 ・介護療養型医療施設 ・介護医療院 などがあり、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)については、原則要介護3以上の認定を受けた方が対象です。 利用者が入居する施設のケアマネジャーが、利用者の身体状況を把握、分析して作成するのが一般的です。 介護予防サービス計画書 介護予防サービス計画書は、要支援1、要支援2の認定を受けた方が介護予防サービスや介護予防・生活支援サービスを利用する際に必須で、要介護状態になることを予防しながら住み慣れた地域で自分らしい生活を継続できるよう、最適な支援を提供するために作成するケアプランです。 介護予防サービスには ・訪問サービス・・・介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導 ・通所サービス・・・介護予防通所介護(デイサービス)、介護予防通所リハビリテーション(デイケア) ・短期入所サービス・・・介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)、介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ) ・その他のサービス・・・介護予防福祉用具のレンタルや購入、介護予防住宅改修、介護予防特定施設入居者生活介護 などがあります。 利用者が住む地域にある地域包括支援センターの主任ケアマネジャーや保健師、社会福祉士などが、利用者の課題や背景を把握、分析して作成するのが一般的です。 参考ページ:厚生労働省「介護サービスの種類」 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0521-3c_0014.pdf 参考ページ:介護の人事労務ナビ「ケアプラン(介護サービス計画書)とは?作成の目的と書き方を紹介」 https://care-infocom.jp/article/3185/ ケアプランの作成方法 ケアプランは、居宅や施設、介護予防の各サービスにおける専門家であるケアマネジャーが作成することが一般的ですが、利用者や家族、支援者などが作成することも可能で、セルフケアプランとも呼ばれています。 ケアマネジャーが作成する場合 利用者や家族から身体状況や希望をヒアリングし、ケアマネジャーがケアプランの原案を作ります。 そして、利用者や家族を含めた関係者が集まり、原案をもとにして具体的な内容や介護の目指す方向性などを確認し合うのが、サービス担当者会議です。 こうした検討を重ねてケアプランを決定します。 ケアプランは、利用者や家族が抱えている課題を把握、分析してから、課題解決に向けた目標をもって作成します。この課題を把握、分析することをアセスメントといいます。 アセスメントの詳細は、以前解説した関連記事「ケアマネに必須!介護におけるアセスメントのポイントやアセスメントシートについて解説をご覧ください。 https://www.sankofukushi.com/news/caremane_asses_column/ 以下では、具体的なケアプランの内容を表にまとめ解説します。 ケアプラン(居宅サービス計画書) 居宅サービス計画書は、合計7枚で構成されています。 利用者や家族が作成する場合(セルフケアプラン) 利用者や家族が作成するセルフケアプランは、ケアマネジャーがケアプランを作成する流れと基本的には同じです。 しかし、利用者が住む市区町村への届け出をはじめ、介護サービス事業所の情報収集や利用の手続き、サービス事業所や関係者との連絡、毎月にサービス利用実績の報告などが必要なため、利用者や家族がケアプランを作成することは負担が大きいです。 参考文献:荘村明彦「プロとして知っておきたい!介護保険のしくみと使い方」中央法規出版.2021.p.39 ケアマネジャーがケアプランを作成する際のポイント ケアマネージャーがケアプランを作成する際は ・利用者や家族の意向や希望を反映させる ・利用者のニーズに優先順位をつける ・定期的にケアプランを見直す ことがポイントです。 利用者や家族の意向や希望を反映させる ケアプランは、利用者のために作成するものですので、利用者や家族の意向に耳を傾けたうえで、ケアプランに記載した内容が利用者や家族の希望に沿ったものになっているかを確認します。 利用者のニーズや課題を明確にする 利用者が生活の中で、何を大切にしたいのか、何ができるのかなど、利用者のニーズや課題を明確にすることで、より良い介護サービスの提供につながります。 定期的にケアプランを見直す 月1回以上、ケアマネジャーは利用者宅を訪問して最新の健康状態や生活状況などを把握するとともに、適切に介護サービスが提供できているかを確認し、必要に応じて新たなケアプランを作成します。 参考ページ:介護の人事労務ナビ「ケアプラン(介護サービス計画書)とは?作成の目的と書き方を紹介」 https://care-infocom.jp/article/3185/ まとめ 今回は、ケアマネジャーの業務で必須のケアプランの作成について、種類や作成のポイントなどを解説しました。 ケアプランは、利用者が介護サービスを利用する際の大切な計画書です。 ケアマネジャーが、利用者や家族の意向や希望をヒアリングし、ニーズや課題を明確化したうえでケアプランを作成することで、利用者への最適な介護サービスの提供につながりますので、ぜひ実践してみましょう!
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2022.10.13- 介護コラム
【初めての方へ】訪問介護とは?サービス内容や費用についてご紹介訪問介護とは?サービス内容や費用について紹介 介護サービスには様々な種類があります。この記事では、訪問介護について、サービス内容や費用について紹介します。 訪問介護とは 「訪問介護とは、訪問介護員が利用者の居宅を訪問し、入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供するもの」と定義されています。 利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、訪問介護員が身体介護や生活援助のサービスを行います。通院などを目的とした乗車・移送・降車の介助サービスを提供する事業所もあります。 訪問介護員として業務に従事するためには、「介護職員初任者研修」等の資格が必要です。 参考:どんなサービスがあるの? - 訪問介護(ホームヘルプ)【厚生労働省】 ▼訪問介護員の資格等要件 介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、旧介護職員基礎研修修了者、旧ホームヘルパー1級・2級課程修了者、 ※生活援助従業者研修修了者は生活援助のみ提供可 訪問介護のサービス内容 訪問介護のサービス内容は、「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3類型に区分されます。 身体介護 利用者の身体に直接接触して行われるサービスのことです。 例)入浴介助、排せつ介助、食事介助、移動・移乗介護など 生活援助 身体介護以外で、利用者が日常生活を営むことを支援するサービスのことです。利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われます。 例)調理、洗濯、掃除、ベッドメイク、買い物、薬の受け取りなど 通院等乗降介助 車での通院等のための乗車または降車の介助のことです。乗車前・降車後の移動介助等の一連のサービス行為を含みます。 参考:各介護サービスについて【厚生労働省】 訪問介護で受けられないサービス 訪問介護では、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて訪問介護員が介護サービスを提供します。そのため、ケアプランにないサービスを受けることはできません。 また、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることを目的としており、次のようなサービスを受けることはできません。 ・直接利用者の援助に該当しないサービス (例)利用者の家族のための家事や来客の対応 など ・日常生活の援助の範囲を超えるサービス (例)草むしり、ペットの世話、大掃除、窓のガラス磨き、正月の準備 など ・医療行為 (例)人工呼吸器の管理、褥瘡の処置、自己導尿、敵便など ※医師や看護師の指示に基づく「医療的ケア」は、事業所及び訪問介護員が所定の要件を満たす場合に限り、認められます。 また、「生活援助」については、先述のとおり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるサービスです。利用者が家族と同居している場合には、正当な理由が認められない限り、介護保険を利用して「生活援助」の介護サービスを受けることはできません。 参考:各介護サービスについて【厚生労働省】 訪問介護の費用 要介護1~5認定を受けた方の利用者負担額は、以下の表のとおりです。 サービス内容・利用時間により金額が設定されています。また、介護保険により利用者負担は1割となります。 参考:どんなサービスがあるの? - 訪問介護(ホームヘルプ)【厚生労働省】 まとめ 訪問介護では、訪問介護員が利用者宅を訪問し、身体介護や生活援助などのサービスを提供する 訪問介護にはできること・できないことがある サービス利用にかかる利用者負担額は1割(要介護1~5の場合) 訪問介護員として働くには、「介護職員初任者研修」等の資格が必要 訪問介護について紹介しましたが、いかがでしょうか。訪問介護員として働く場合にも、訪問介護を依頼する場合にも、サービス内容やできること・できないことを正しく理解して、ご利用者の自立した日常生活をサポートしていきましょう。
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2022.10.13- 介護コラム
ナーシングホームとは?グループホームと何が違うの?違いや特徴をわかりやすくご紹介ナーシングホームとは?グループホームとの違いや特徴をご紹介 ナーシングホームという施設があることをご存じでしょうか? 昨今、要支援や要介護の認定を受けて介護施設へ入居し、身体状態の変化に伴い病院へ入院、そして退院後に以前入居していた介護施設へ戻ることができず、在宅介護を強いられ、家族の介護負担にもなっています。 そこで注目されているのが、ナーシングホームです。 ナーシングホームは、家族をはじめ医師や看護師、介護士や地方自治体など、さまざまな人が連携しながら高齢者を支える地域包括システムとしても期待されています。 今回はナーシングホームについて、特徴や生まれた背景、グループホームとの違いなどを交え解説します。 ナーシングホームとは ナーシングホームとは、一般的な有料老人ホームの中に、医療的ケアを行うための看護師が24時間365日常駐するとともに、入居者に対し日常的なサポートを行う介護スタッフも在籍している、いわば病院と介護施設の両方の良さを兼ね備えたホームです。 入居者は身体状態が悪化しても、他の施設への転居を必要としないことが多いため、住み慣れた地域で安心して生活を継続できます。 グループホームとの違い グループホームは、認知症対応型共同生活介護と呼ばれ、その名の通り、認知症の人が少人数で落ち着いた環境の中で生活できるよう、認知症に特化した介護サービスを提供しています。 一方のナーシングホームは、認知症の人だけでなく、胃ろうやたん吸引といった医療的ケアが必要な人をはじめ、寝たきりやがん、脳血管疾患など医療依存度が高い人の受け入れ体制も整えているケースが多いです。 ナーシングホームが生まれた背景 ナーシングホームは、アメリカにおいて1960年代から高齢者に長期ケアを提供する専門施設として発展してきました。 アメリカでは、年々家族の人数が減るとともに女性の就業率が高まったことで、家族による介護が減少しました。 一方で、高齢者の多くは自宅や住み慣れた地域で暮らすことを望んでいますが、身体状態の変化に伴って自立した生活が営めなくなると、長期での介護施設への入居を余儀なくされます。 そのような社会環境の中で、24時間体制の医療を受けながら、日常生活における介護も受けることができるナーシングホームが広がっていきました。 現在の日本においても、超高齢化社会と呼ばれる時代に突入し、アメリカと同様の状況になりつつあります。 出典:内閣府 「高齢化の現状と将来像」 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf 内閣府が示している令和元年高齢社会白書によると、年間死亡数は2020年で約141万人だったのが、2040年にはピークとなる約168万人と推計されています。(図1-1-2) 出典:内閣府 「高齢期の生活に関する意識」 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/zenbun/pdf/1s3s_04.pdf そして、2019年の調査において、完治が見込めない病気の場合に迎えたい最期の場所として、60歳以上の約半数が住み慣れた自宅で最期を迎えたいと回答しています。(図1-3-13) 出典:内閣府 「高齢期の生活に関する意識」 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/zenbun/pdf/1s3s_04.pdf さらに、約3割近くの人が孤立死を身近に感じていると回答しています。(図1-3-14) 上記で表した通り、日本の高齢者の多くが住み慣れた自宅で最期を迎えたいと望む一方で、少子化や核家族化による家族の介護負担増加、医療ニーズに対応できる介護施設がない、病院病床の不足などの背景から、日本においてもナーシングホームが発展し始めています。 ナーシングホームの特徴 ナーシングホームは ・医療体制と介護体制の両立 ・精神疾患の対応が可能な場合がある などの特徴があります。 それぞれの特徴を、以下で詳しく解説します。 医療体制と介護体制の両立 ナーシングホームは、1つの施設で看護師が24時間常駐して健康管理を行っていいるとともに、介護士が食事や排泄などの介護サービスを提供しているため、看護師と介護士が入居者の情報を共有しやすく、体調に異変が生じた際も迅速に対応できるというメリットがあります。 また、協力医療機関の医師による訪問診療や往診を実施するほか、医療設備が充実しているため、幅広い医療処置や看取りなどにも対応しているケースも多いです。 精神患者の対応が可能な場合も それぞれのナーシングホームにより受け入れ可能な状態は異なりますが、一般的な介護施設で受け入れ不可とされるケースがある、うつ病などの精神患者の受け入れ体制を整えている場合もあります。 併せて、厚生労働大臣が定める特定疾病等とされている、末期がんやパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの患者の受け入れを行っているナーシングホームもあります。 まとめ 今回は、超高齢化社会を迎え、多様化する医療や介護のニーズに対応できる施設として注目されるナーシングホームについて、特徴や生まれた背景、グループホームとの違いなどを交え解説しました。 ナーシングホームは、高齢者が地域で生活を継続できるメリットはありますが、依然として住み慣れた自宅で最期を迎えたい人も多いです。 高齢者を支える家族が介護における知識や技術を習得することで、要介護者の安心と自宅での生活につながりますので、この機会に介護の資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 家族や周囲で介護に困った人のために活かせますよ!
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2022.09.26- 介護コラム
【2022年最新】介護福祉士国家試験の難易度について解説!合格率は?受験条件は?介護福祉士国家試験の合格ライン 介護福祉士を目指してみたいけれど、気になる難易度。「試験なんて長らく受けてないし、国家試験なんて合格できるのかしら?」と不安に思われる方もいらっしゃると思います。 この記事では、介護福祉士の合格率や受験条件などを、2022年の最新情報で、わかりやすく解説します。まずは気になる介護福祉士の合格ラインから見ていきましょう。 介護福祉士国家試験には、筆記試験と実技試験があります。筆記試験は全員受験、実技試験は一部の対象者のみ受験となります。それぞれの合格基準は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのホームページにて公開されています。 筆記試験 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点があり、かつ以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった場合に、合格となります。 配点は、1問1点の125点満点です。 [1] 人間の尊厳と自立、介護の基本 [2] 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術 [3] 社会の理解 [4] 生活支援技術 [5] 介護過程 [6] こころとからだのしくみ [7] 発達と老化の理解 [8] 認知症の理解 [9] 障害の理解 [10] 医療的ケア [11] 総合問題 実技試験 実技試験の合格ラインとしては、「課題の総得点の60%程度を基準として、課題の難易度で補正した点数以上の得点の者を実技試験の合格者とする。」と記載があります。 実技試験も気を抜くことができませんね。 ※筆記試験、実技試験ともに、問題の難易度により、合格ラインの点数が補正される場合があります。 出典:[介護福祉士国家試験]合格基準:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験の合格率 第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験の合格率は、72.3%でした。 過去6年間の合格率の推移は、以下の表のとおりです。 以前は、合格率が50%前後となっていた時期もありましたが、平成28年度に実務者研修が義務化されてからは、70%前後で推移しています。 平成28年度から昨年度までの6年間の総計で合格率を出すと71.7%です。 介護福祉士は、国家資格の中でも、合格を目指しやすい資格といえるでしょう。 しかし、油断は禁物です。合格率が70%ということは、10人に3人は不合格ということを意味します。 きちんとした試験対策が必要なことに変わりはありません。 参考:第34回介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移(厚生労働省) 介護福祉士国家試験の受験条件 介護福祉士国家試験の受験要件を満たすには、4つのルートがあります。 実務経験ルート 介護施設等で働きながら、介護福祉士を目指すルートで、受験者の90%ほどを占める、最もスタンダードなルートです。 3年以上(従業期間3年以上(1,095日以上)、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方で、介護福祉士実務者研修を修了した方 介護等の業務への従事期間は、受験年度の3月31日までに満たす見込みがあれば、受験することができます。介護福祉士実務者研修についても、受験年度の3月31日までに修了する見込みがあれば、受験することができます。 ※受験年度によっては、実務者研修の修了期限が異なる場合があるため注意しましょう。 介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(第1号研修または第2号研修)を修了している方は、介護福祉士実務者研修の修了と読み替えることができます。 このルートでは、実技試験は免除されます。 養成施設ルート 高等学校等を卒業後、介護福祉士養成施設へ通うルートです。 介護福祉士養成施設を平成29年4月以降に卒業(修了)した方 このルートでも、実技試験は免除されます。 福祉系高校ルート 福祉系高校に通うルートです。入学したタイミングや学校の種類により、条件が異なります。 ・平成21年度以降に、福祉系高校に入学して、必要な科目を履修して卒業した方 ・特例高校(高校:平成21~25、28~30年度・専攻科:平成21~25、28~31年度)に入学して、卒業した翌日以降に9ヶ月以上(従業期間9ヶ月以上(273日以上)、従事日数135日以上)介護等の業務に従事した方 ・平成20年度以前に、福祉系高校に入学して、必要な科目を履修して卒業した方 経済連携協定(EPA)ルート 経済連携協定(EPA)介護福祉士候補者のためのルートです。 EPA介護福祉士候補者であって、3年以上(従業期間3年以上(1,095日以上)、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方 ※EPA介護福祉士候補者とは 公益社団法人国際構成事業団が紹介した受入期間と締結した雇用契約に明示された受け入れ施設において、研修責任者の監督の下で日本の介護福祉士資格を取得することを目的として研修を受けながら就労するインドネシア人、フィリピン人およびベトナム人のことです。 参考:[介護福祉士国家試験]受験資格:福祉系大学等:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験の内容 筆記試験 試験日 毎年1月下旬に実施されます。 令和4年度(第35回)の試験日は、令和5年1月29日(日)です。 試験会場 以下の35都道府県の各会場にて実施されます。※試験内容は同じです。 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 試験内容 筆記試験の出題形式は、五者択一を基本とするマークシート式で、出題数は125問です。 総合問題では、4領域(人間と社会、介護、こころとからだのしくみ、医療的ケア)の知識及び技術を横断的に問う問題を、事例形式で出題されます。 お昼休憩をはさみ、午前・午後で実施され、総試験時間は220分となっています。 午前 [領域:人間と社会] ・人間の尊厳と自立 ・人間関係とコミュニケーション ・社会の理解 [領域:こころとからだのしくみ] ・こころとからだのしくみ ・発達と老化の理解 ・認知症の理解 ・障害の理解 [領域:医療的ケア] ・医療的ケア午後 [領域:介護] ・介護の基本 ・コミュニケーション技術 ・生活支援技術 ・介護過程 [総合問題] ・総合問題 出題例 実際にどのような問題が出題されるのか、ご覧いただくと、イメージがつくと思いますので、過去問より抜粋して掲載します。 以下の問題は、第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験の筆記試験にて、実際に出題されたものです。 5つの文章から適切なものを1つ選ぶ、五者択一式の問題です。 [問題 19]利用者の自立支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 利用者の最期の迎え方を決めるのは,家族である。 2 利用者が話しやすいように,愛称で呼ぶ。 3 利用者が自分でできないことは,できるまで見守る。 4 利用者の生活のスケジュールを決めるのは,介護福祉職である。 5 利用者の意見や希望を取り入れて介護を提供する。 解答:5 出典:[介護福祉士国家試験]過去の試験問題:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 実技試験 試験日 毎年3月上旬に実施されます。 令和4年度(第35回)の試験日は、令和5年3月5日(日)です。 試験地 東京都、大阪府(2試験地) 試験内容 介護等に関する専門技能を問われます。 ※実技試験については、福祉系高校ルートと経済連携協定(EPA)ルートの一部の方を除き、介護福祉士国家試験を受験する大半の方が免除対象となっています。 参考:[介護福祉士国家試験]試験概要:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター [介護福祉士国家試験]出題基準・合格基準:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士を目指すなら三幸福祉カレッジ! 三幸福祉カレッジでは、介護福祉士を目指す方のために、受験対策講座をご用意しています。 三幸福祉カレッジの受験対策講座を受講した方の合格率は、なんと97.8%※!全国平均の73%を大きく上回ります。※Web学習コース+全国統一模擬試験(自宅模試)のセット。受講者アンケート回収率82.8%。 介護福祉士国家試験受験する方の多くは、現役の介護職員です。限られた時間の中で、合格を目指すためには、試験の傾向とポイントを押さえたムダのない学習が必要です。 三幸福祉カレッジの受験対策講座では、出題傾向を教材作成チームの講師陣が分析し、作成したオリジナル問題を使うことにより、お忙しい方でも効率的に学習をしていただけます。 実際に教室で、講義と演習を繰り返し、知識の定着を図る通学コースに加え、「通信コース」もご用意しています。 筆記通信コースでは、通学コースでも使用しているオリジナル問題を使い、自宅で学習を進めることができます。 また、WEB学習コースでは、スマートフォンやタブレット等があれば、学習ができるので、通勤途中や仕事の休憩時間などの隙間時間も有効活用できるとご好評をいただいています。 ぜひ、一度資料請求をしていただき、ご自身にあったコースをお選びください。 無料オンラインセミナーも実施しています。 一緒に介護福祉士の合格を目指しませんか。 まとめ 介護福祉士の合格率は70%前後を推移 筆記試験は五者択一のマークシート式 合格基準は60%以上の得点率 ただし、各科目に得点が必要であり、0点科目があると不合格 実務経験ルートの場合は実技試験免除 介護福祉士は、国家資格のなかでは、比較的合格を目指しやすい資格です。 受験するまでの実務経験や研修受講、筆記試験に合格するための専門的な知識は必要ですが、働きながら目指す人が90%以上を占めるため、受験者の年齢層も幅広く、どなたでもチャレンジすることができます。 世の中の変化の激しい今、ますます需要が高まる介護福祉士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。 ▼各種SNSも実施しています。今回のようなお役立ち情報も更新しますので、ぜひフォローしてみてください♪
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2022.09.26- 介護コラム
介護福祉士と社会福祉士の違いは?共通点も解説少子高齢化が進んでいる日本において、高齢者や障がい者福祉は、社会の抱える大きな課題となっています。 行政から民間まで、福祉に関わるサービスが幅広く提供されるようになり、それに伴って、福祉や介護に関わる、より専門的な仕事も増えてきました。 その専門的な仕事の代表として、介護福祉士や社会福祉士があります。 この二つは「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律で制定された関係性の深い資格ですが、それぞれ仕事の内容や資格取得方法が異なります。 そこで今回は、介護福祉士と社会福祉士について、違いや共通点、取得のメリットなどを交えて解説します。 介護福祉士と社会福祉士の違い まず、社会福祉士及び介護福祉士法でのそれぞれの定義についてご紹介します。 介護福祉士については「専門的知識及び技術をもって、身体上または精神上の障害があることにより、日常生活を営むのに支障がある者につき、心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して、介護に関する指導を行うことを業とする者」と定義しています。 また、社会福祉士については「専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること又は環境上の理由により、日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言や指導、その他の援助を行うことを業とする者」と定義しています。 定義に基づき、2つの福祉士の異なる点を、以下で具体的に解説していきます。 参考:厚生労働省 社会福祉士及び介護福祉士法 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82021000&dataType=0&pageNo=1 仕事内容の違い 介護福祉士は、寝たきりや認知症の高齢者、身体や知的に障がいなどで介護が必要な方に対し、身体に直接接触して行う身体介護、調理や洗濯、掃除といった生活支援、利用者や介護をしている家族に対しての助言や相談、地域活動の情報提供や参加支援、就労支援といった社会活動支援などを行います。 主な職場としては、介護老人保健施設や障がい者支援施設、特別養護老人ホームといった施設サービス事業所、訪問介護やデイサービス、グループホームといった在宅サービス事業所、市町村や社会福祉協議会などです。 一方の社会福祉士は、高齢者、身体や知的の障がい者、子どもやその家族、入院患者や低所得者、地域の住民など、日常生活で困難や不安を感じている方に対し、さまざまな相談や助言、指導や援助を行います。 また、精神保健福祉士をはじめ介護福祉士やケアマネジャー、保健や医療の関係者などと連携し、連絡や調整、援助も行います。 主な職場としては、市区町村の福祉事務所や児童相談所、児童福祉施設や高齢者福祉施設といった社会福祉施設、在宅介護支援センターや社会福祉協議会、医療機関、民間の介護事業所や有料老人ホームなどです。 このように、介護福祉士は利用者に直接接触して介護を行うことを主な仕事とし、社会福祉士は、相談や助言、指導を主な仕事としている部分が大きく異なります。 資格取得方法の違い 引用:厚生労働省 介護福祉士の資格取得方法 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi5.html 介護福祉士の資格取得方法には • 養成施設ルート • 実務経験ルート • 福祉系高校ルート • EPA(介護福祉士候補者)ルート の4つのルートがあります。 • 養成施設ルート 厚生労働省が指定した介護福祉士養成施設において、所定のカリキュラムで必要な知識や技術を学び、卒業時に介護福祉士国家試験を受験するルートです。 • 実務経験ルート 介護現場において3年以上の実務経験及び実務者研修を修了し、介護福祉士国家試験を受験して介護福祉士を目指すルートです。 • 福祉系高校ルート 福祉系高校を卒業したのち、介護福祉士国家試験を受験して介護福祉士を目指すルートです。 卒業する高校と卒業年により、さらにルートが分かれるので注意しましょう。 • EPA(介護福祉士候補者)ルート 国同士が経済連携を図る経済連携協定に基づいて、外国人が日本で介護福祉士資格の取得を目指すルートです。 それぞれのルートの詳細は、以前解説した関連記事「介護福祉士国家試験の難易度は?合格率や試験内容を紹介」をご覧ください。 引用:厚生労働省 社会福祉士の資格取得方法 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi2.html 社会福祉士の資格取得方法には • 大学や専門学校からのルート 4年課程の福祉系大学に進学し、卒業までに指定された科目を履修して、社会福祉士国家資格を受験します。 また、2〜3年課程の福祉系短期大学に進学し、卒業までに指定された科目を履修。卒業後に1〜2年の実務を経験して、社会福祉士の国家試験を受験します。 その他にも、一般の大学や短期大学を卒業後、1〜2年の実務を経験し養成施設を経て、社会福祉士の国家試験を受験します。 • 福祉の現場からのルート 4年の実務を経験した後、養成施設で学び、社会福祉士の国家試験を受験します。 このように、介護福祉士と社会福祉士のどちらも、養成施設や福祉系の高校および大学でカリキュラムを修了するルートが大半です。 しかし、介護福祉士の場合に限っては、3年以上の実務経験および実務者研修を修了し、国家試験を受験する方法があるため、働きながら資格を目指すことが可能です。 試験の難易度の違い • 介護福祉士国家試験の受験者および合格者の推移 引用:厚生労働省 介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移 https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000757036.pdf • 社会福祉士国家試験の受験者および合格者の推移 引用:厚生労働省 社会福祉士国家試験の受験者・合格者の推移https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/0000196349_13.pdf 上記の表からも分かるように、第1回から第33回までの介護福祉士国家試験の合格率が平均56.2%に対し、第1回から第30回までの社会福祉士国家試験の合格率は平均27.6%と難易度が高い傾向にあります。 介護福祉士と社会福祉士の共通点 ここまで介護福祉士と社会福祉士の違いについて解説してきましたが、この2つの資格には共通する点もあります。 参考:厚生労働省 介護職員の平均給与額の状況 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000917687.pdf 介護福祉士と社会福祉士では、資格の種別や更新制度がない点が共通しています。 また、支援の対象者や主に働く場所では、高齢者や障がい者を対象としており、それぞれの方が入居する施設で働けるという部分での共通点もあります。 介護福祉士と社会福祉士の両資格を持っていると良い 介護福祉士と社会福祉士の資格を両方取得することのメリットは、知識や経験が豊富になり、サービスの質が向上することです。 具体的には、介護福祉士の介護の知識や技術、マネジメント能力を活かして施設を管理し、社会福祉士の専門的な幅広い知識を活かして相談業務をこなすというように、介護や福祉全般にわたって、総合的に支援を展開することができます。 また、転職する場合に応募できる選択肢が広がったり、待遇面で資格手当の金額が増え、収入アップにつながることもあります。 まとめ 今回は、介護福祉士と社会福祉士について、違いや共通点、取得のメリットなどを交えて解説しました。 介護福祉士と社会福祉士は、仕事内容や資格取得の方法に違いはありますが、両資格を取得することで、相談業務やマネジメント業務へのキャリアアップを目指せます。 そして何より、介護や生活で困っている多くの方の救いとなるでしょう! 介護福祉士を目指すなら三幸福祉カレッジ! 三幸福祉カレッジでは、これから介護職を目指す方や、介護職としてキャリアアップしたい方のための講座を多数ご用意しております。 まずは近くの教室を探してみましょう! • ▶︎介護職員初任者研修の詳細はこちら • ▶︎【無料】介護職員初任者研修オンライン説明会はこちら • ▶︎介護職員初任者研修+実務者研修のセット講座はこちら(お得な受講料割引あり) • ▶︎【無料】実務者研修説明会動画はこちら • ▶︎【無料】介護福祉士受験対策講座オンラインセミナーの予約はこちら • ▶︎【無料】介護福祉士受験対策講座セミナー動画はこちら ▼各種SNSも実施しています。今回のようなコラム記事を更新しますので、ぜひフォローしてください♪
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