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- 2022.12.19お役立ち情報
- 【令和4年10月創設】介護職員等ベースアップ等支援加算について│加算の条件や計画書の提出について詳しく解説
介護職員等ベースアップ等支援加算について【令和4年10月創設】
介護職員の平均給与額月額は、2021年(令和3年)9月時点で315,640円です。
他職種の平均給与額を見てみると、看護職員が369,760円、生活相談員および支援相談員が336,830円、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士または機能訓練指導員が351,230円となっており、介護職員の給与は他の職種を下回っています。
また、2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大により、介護事業所の閉鎖も相次いでいます。
このような状況を打破すべく、2022年(令和4年)10月以降について介護報酬改定を行い、介護職員の収入を引き上げるための措置を講じるための「介護職員等ベースアップ等支援加算」が新たに設けられました。
そこで今回は、コロナ克服と新時代開拓のための経済対策を踏まえ設けられた介護職員等ベースアップ等支援加算について、加算の条件や計画書の提出などを交えながら解説します。
※平均給与額月額の数字は、介護職員処遇改善加算を算定していない事業所も含めた全事業所の介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額です。(厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要を参照)
介護職員等ベースアップ等支援加算とは
介護職員等ベースアップ等支援加算とは、 2022年(令和4年)10月の介護報酬改定において、基本給などの引き上げによる賃金改善を一定求めつつ、介護職員の処遇改善も行うことを目的に運用が開始された制度です。
2022年2月から9月までの介護職員処遇改善支援補助金による賃上げ効果を継続する観点から、処遇改善加算および特定処遇改善加算に加える形で、ベースアップ等支援加算が創設されました。
出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf
“月収”をアップさせることが重視されている
従来の処遇改善加算や特定処遇改善加算は、全額賞与などでも分配が可能でしたが、今回創設された介護職員等ベースアップ等支援加算は、毎月の給与で職員に還元することを重要視しています。
加算額としては、対象介護事業所の介護職員(常勤換算)1人あたり月額平均9,000円の賃金引き上げに相当する額と定めています。
出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf
介護職員等ベースアップ等支援加算の条件
介護職員等ベースアップ等支援加算を取得するには、以下の2つの要件をクリアすることが必要です。
※処遇改善加算Ⅰ〜Ⅲの算定要件については、次の項に記載の表1を参照。
対象となる職種
これまでの介護職員の給与アップに対する取り組み
政府はこれまでも、介護職員の給与アップのために「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」を設けており、今回の介護職員等ベースアップ等支援加算は、さらにそれに上乗せされる仕組みです。
介護職員処遇改善加算とは、介護サービスに従事する介護職員の賃金改善に充てる目的に創設された制度です。
出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf
さらに、経験や技能のある介護職員の処遇改善を目的に、介護職員等特定処遇改善加算が2019年(令和元年)10月から運用が開始されました。
このように処遇の改善だけではなく、介護職員のスキルアップと定着を図る取り組みが行われており、今回の介護職員等ベースアップ等支援加算で介護職の給与アップを図ろうとしています。
出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf
介護サービスごとのベースアップ加算率一覧
介護サービスごとにベースアップ加算率は異なります。
加算算定対象サービス
なお、以下のサービスは加算算定対象外です。
参考ページ:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1082 令和4年6月21日」https://www.mhlw.go.jp/content/000957094.pdf
介護職員等ベースアップ等支援加算の計画書はいつ提出?
ベースアップ等加算を取得しようとする事業者などは、介護職員等ベースアップ等支援計画書を作成し提出する必要があります。
提出期限は、介護職員等ベースアップ等支援加算の適用開始月の前々月末日までに提出します。
【具体例:2023年(令和5年)4月からベースアップ等加算を適用する場合は、2023年(令和5年)2月28日(火)締切です】
介護職員等ベースアップ等支援計画書には、介護職員やその他職員の月額の賃金改善額を記載します。
また、月額の賃金改善額の総額(対象とする職員全体の額)の記載が必要です。
ベースアップ等支援計画書は、処遇改善加算、特定処遇改善加算を算定する場合の「処遇改善計画書」と一体の様式となっています。
なお、提出様式については、各都道府県のホームページからダウンロードできます。
介護職員等ベースアップ等加算の執行イメージは、以下の通りです。
出典:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000903044.pdf
まとめ
今回は、2022年(令和4年)10月に創設された介護職員等ベースアップ等支援加算について、加算の条件や計画書の提出などを交えながら解説しました。
2025年以降、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、日本が超高齢化社会を迎えます。
厚生労働省の推計によると、2025年に必要な介護職員数は約243万人であり、2019年時点の211万人よりもプラス約32万人の人材を確保しなければなりません。
しかし、 処遇改善加算や特定処遇改善加算に加え、今回の介護職員等ベースアップ等支援加算の創設で、介護職員の待遇は大きく変化することでしょう。
職員の仕事に対するモチベーションにもつながりますので、施設管理者のかたはぜひこの制度を職員の方々に還元しましょう。
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