介護福祉士の給与は?平均年収や介護職の給料がアップする方法を解説-三幸福祉カレッジ

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2023.02.28お役立ち情報
介護福祉士の給与は?平均年収や介護職の給料がアップする方法を解説

介護福祉士の給与は?平均年収や介護職の給料がアップする方法を解説

高齢化が進む日本において、介護職は就職難になりにくい業種と言われています。
昨今では、求人の多さに魅力を感じて、異業種から介護職への転職を選ぶ人も増えてきました。

関連記事:コロナでなぜ急増?異業種から介護職への転職を選ぶ理由

介護職では、経験を重ねながら資格を取得することで、さらにキャリアと給与のアップが見込めます。
社会的ニーズの高い介護業界でキャリアアップできる術を知っておくことは、今後仕事に困らないと言っても過言ではありません!

そこで今回は、介護系で唯一の国家資格である介護福祉士を取得した際の給与について、平均年収や給与がアップする方法などを交えて解説します。

介護福祉士になると平均年収はどのくらい上がるか?

現在、介護職のキャリアアップは国家資格「介護福祉士」を目指すルートに一本化されているため、いつかは取得したいと考えている人も多いでしょう。

介護福祉士を受験するためには受験資格が必要で、最もメジャーである「実務経験ルート」を活用する場合、介護現場での実務経験が3年以上+実務者研修の受講が必須です。

では、介護福祉士になると平均年収はどのくらい上がるのでしょうか。

まずは、資格別の平均給与額を見てみましょう。

出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03gaiyou.pdf
厚生労働省が発表したデータによると、介護福祉士の平均給与額は328,720円

介護職のスタート資格といわれる「介護職員初任者研修」取得者の平均給与額300,510円と比べると+28,210円、「実務者研修」取得者の平均給与額307,330円と比べても+21,390円多いです。

つまり、上記を参考に1年間の給料(年収)を計算すると、介護職員初任者研修や実務者研修のみ取得している場合と比較して、介護福祉士の平均年収が300,000円以上もアップしています。

無資格者との給料比較

介護職員の求人で「無資格OK」や「未経験者歓迎」といった記載を目にしたことはありませんか?

介護職は、無資格・未経験からスタートできることが大きな魅力の1つです。
しかし、給与面においては、有資格者と大きな差があります。

上記の表で見ると、保有資格なしの平均給与額は271,260円です。

介護福祉士の平均給与額328,720円と比較して、月57,460円もの差があります。
これを年収に換算してみると、 介護福祉士が無資格者よりも689,530円高いことがわかります。

介護福祉士の平均給与の手取り

介護福祉士における実際の手取りの給与及び年収は、どのくらいになるのでしょうか?

介護福祉士の平均給与額は、328,720円でした。
この金額をもとに手取りを算出したのが以下の表です。
※厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」をもとに算出

手取りは、額面の金額をはじめ、所得税の税率や保険料率、扶養家族の有無などにより異なるため、額面から正確な手取りを簡単に計算することは難しいですが、一般的には額面のおよそ75%〜85%と言われています。
今回は、中間の80%で算出しました。

アルバイト・パートでの平均時給

介護福祉士の国家資格を保有している人がアルバイトやパートで勤務した場合は、どのくらいの時給になるのでしょうか?
介護福祉士の地域別時給は以下の通りです。

参考:求人ボックス「介護福祉士の仕事の年収・時給・給与」

ちなみに、厚生労働省が発表している令和3年賃金構造基本統計調査によると、短時間労働者の1時間当たりの賃金は、男性が1,631円、女性が1,290円で、男女の合計で1,384円となっています。

平均年収と生涯年収で比較すると?

ここまでは、月ごとの平均給与額を元に年収を計算し、その違いを比較しました。
では、もう少し長いスパンで見た場合、介護資格の有無によって平均年収と生涯年収には、どれほどの差が出るのでしょうか。
全体の数値を元に、25歳から60歳までの35年間を介護職として働くと仮定した場合の数値が以下の通りです。

※厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」をもとに算出

介護福祉士と保有資格なしの場合で比較すると、その差はなんと24,133,200円・・・!
無資格者の場合と比べて、介護福祉士の生涯年収は2,000万円以上も多いです。

無資格だと行えない業務があるとはいえ、実際は有資格者とほとんど同じような内容の業務を行っているという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
介護福祉士は、未経験であっても、働きながら最短3年で取得を目指せる国家資格です。
転職を考える際は、給与アップを目指して介護福祉士の資格を取得する価値は大いにあると言えるでしょう。

今後の介護福祉士給料は増える?

ご存じのとおり、介護職員の人材不足は社会的な課題となっており、退職理由の1つとして「収入が少ない」という点を挙げる割合が一定数います。
そこで、介護職員のさらなる処遇改善として、国が取り組むことになったのが「介護職員処遇改善加算」です。

介護職員処遇改善加算とは

介護職員処遇改善加算とは、介護サービスに従事する介護職員の賃金改善に充てる目的として、2009年に創設された制度です。
わかりやすく説明すると「介護職員が安心して働き続けられるように、キャリアアップの仕組みづくりや職場環境を改善した会社には、介護職員の給与を上げるためのお金を支給しますよ!」といった、とてもありがたい国の施策です。

特定処遇改善加算には、「勤続10年以上の介護福祉士」を基本に月8万円以上の給与アップもしくは年収440万円以上に設定するといったルールがあります。
「勤続10年以上の介護福祉士」と設定している背景には、経験やスキルがある職員に重点化を図り、離職率を下げたい、介護業界で長く勤めてほしいという思いがあるのでしょう。

実際、2019年(令和元年)10月に「特定処遇改善加算」制度が導入されたことで、平均給与額が上がっていることがわかります。

関連記事:2021年度改訂『特定処遇改善加算(手当)』とは?”勤続10年の給与アップ”はどうなる?!

参考:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03point.pdf

参考:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03gaiyou.pdf

介護福祉士を取得する給料以外のメリット

介護福祉士を取得すると、管理職へのキャリアアップや転職の際に有利となるメリットがあります。

仕事の裁量が増える

介護福祉士の資格を持っていると、現場の介護業務だけではなく、管理職という道が拓ける可能性も。
例えば、サービス提供責任者や生活相談員、チームリーダーなど、一定数の利用者がいる事業所に対して1人以上は役職を配置する義務があり、介護福祉士の有資格者でなければならないこともあります。

転職の際に役立つ

介護福祉士は、豊富な求人数から自分に合った働き方を選びやすいため、他業種から介護業界へ転職し、介護福祉士を目指す人も増えています。
介護職の中でも、介護福祉士はあらゆる現場において求められている資格と言えるため、就職・転職の際に有利となるでしょう。

介護福祉士として給与を上げる方法

介護福祉士としてさらに給与アップするには、具体的にどうすればよいのでしょうか?
ここでは、給与がアップする方法を3つ紹介します。

夜勤や役職などの手当がもらえる職場に勤務する

介護福祉士として給与アップを目指すのであれば、各種手当が支給される職場を選びましょう。
夜勤手当は、24時間運営している入所型の介護施設などで支給されるケースが多く、1回当たりの夜勤手当の相場は約5,000円〜7,000円が一般的です。
その他にも、残業や早出に支給される時間外手当、家族を扶養している場合に支給される家族手当、訪問介護事業所のサービス提供責任者のような特定の職についている社員に支給される役職手当など、職場によってさまざまな手当が用意されています。

正社員として勤続年数を重ねる

介護福祉士として、現状で勤務している職場で給与アップを目指すのであれば、正社員として勤続年数を積み重ねましょう。

介護福祉士の勤続年数別の平均給与額は、以下の通りです。

出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03gaiyou.pdf

上記の表からも分かるように、令和3年9月時点において勤続1年〜4年の人が312,100円に対し、勤続10年以上の人が355,010円と、1カ月当たり42,910円も違います。

また、先ほど解説した特定処遇改善加算の導入により、勤続年数が長くなれば、より給与アップが見込めるようになりました。

介護福祉士の関連スキルを取得する

介護福祉士として勤務しながら関連スキルの資格を取得することで、給与アップも目指せます。

例えば、介護福祉士の資格取得者がステップアップできるよう、2015年12月に一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構によって設立された認定介護福祉士もその一つ。
認定介護福祉士は、多様な生活障害を持つ利用者へ質の高い介護を実践するとともに、介護技術の指導や職種間の連携のキーパーソンとなり、チームケアの質を改善する役割が求められています。
認定介護福祉士になるには、介護福祉士の実務経験が5年以上で、介護職員を対象とした現任研修を100時間以上有しているといった条件が必要です。
認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格であるため給与アップが見込めます。
また、将来的にはフリーランスとして独立し、自身が理想とする介護を実践することも可能です。

給料アップのために介護福祉士の資格と併せて取得したい資格

給与アップのために介護福祉士と併せて取得をおすすめしたい資格を3つ紹介します。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャーは、利用者や家族が「どんなサービスを必要としているのか」というニーズを把握し、利用者へ適切な介護保険サービスを提供できるようケアプランを作成します。

介護サービスを必要としている人と、サービスを提供する事業所をつなぐという役割が求められています。

また、以下の平均給与額のとおり、介護職の中でも比較的給与が高い職種であることがわかります。

出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03gaiyou.pdf

社会福祉士

社会福祉士は、関係機関との連携や調整を図りながら、日常生活が困難な人やその家族を支援することから、別名ソーシャルワーカーと呼ばれています。

高齢者をはじめ身体や知的の障害者、児童など、援護を必要とする人やその家族に対し、さまざまな相談や助言、指導を行います。

常に利用者の立場に立ち、社会福祉に関わる情報を理解しやすいよう説明するとともに、利用者本人が主体的に必要なサービスを利用できるように、関係機関との連携や調整を図ることが求められています。

参考:WAM NET「社会福祉士」https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job01.html

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神障害のある人やその家族の相談や援助などを行います。
病院において入院から退院までの問題の解決を目指し、関係機関との連絡や調整を図ったり、患者や家族と面接を行って環境の把握に努めたり、社会生活に適応できるように援助したりします。
精神障害者の自己決定権を尊重しながら、地域における関係機関との連携により、問題を解決することが求められています。

参考:WAM NET「精神保健福祉士」https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job03.html

まとめ

今回は、介護系で唯一の国家資格である介護福祉士を取得した際の給与について、平均年収や給与がアップする方法などを交えて解説しました。

介護資格の無資格者と介護福祉士の有資格者を比較して、生涯年収が2,000万円以上も違うというデータに衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。

給与が安いと言われがちな介護職ですが、資格取得や国の制度を上手に活用することで、想像以上に給与アップを期待できるでしょう!

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