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2023.09.22- 介護コラム
ケアマネに必須!介護におけるアセスメントのポイントやアセスメントシートについて解説ケアマネジャーの仕事のひとつであるケアプランの作成には、利用者のことをよく知り理解するとともに、利用者におけるさまざまな情報を集め、うまく関連づけることが必要です。 そこで今回は、ケアプランの作成に重要なアセスメントのポイントやアセスメントシートについてご紹介します。 介護福祉分野におけるアセスメントとは 介護福祉分野におけるアセスメントとは、利用者や家族を理解するために情報を集め、分析し、ケアプランを作成するための情報を整理していくことです。 アセスメントはケアプランの作成で重要 アセスメントの目的は、利用者や家族の情報を単に収集するだけでなく、情報収集で得た現在の利用者や家族の状況とこれまでの暮らしぶりから、自立したこれからの生活への意向と解決すべき課題を明らかにするとともに、阻害要因を分析し、その解決や達成のための手段を考えることです。 アセスメントを行うことで、利用者に最もふさわしいケアプランの作成につながります。 アセスメントとモニタリングの違い アセスメントは、ケアプランを作成するにあたり、利用者や家族の課題を明らかにすることです。 一方のモニタリングは、作成したケアプランに沿って、介護サービスが適切に提供されているかチェックすることです。 アセスメントを行ってケアプランを作成し、そのケアプランに基づきモニタリングを行うというケアマネジメントのプロセスからも、アセスメントとモニタリングの違いを理解できます。 参考ページ:介護のコミミ「アセスメントとモニタリングの違いは?流れとポイントを解説」 アセスメントする際のポイント アセスメントを行う際のポイントは、以下の四点です。 ポイント1.訪問前に多方面から情報を集める 利用者の家族や医師、地域包括支援センターなど多方面から事前に情報を収集しておくことで、的確な質問でより正確な利用者の心身の状態を観察できます。 ポイント2.利用者と「共に考える」 アセスメントでは、利用者の日常生活での困りごとや心配ごとを聴き取り、その解決方法を利用者や家族と一緒に考えることが大切です。 その際「あなたは〇〇できますか?」と一方的な質問ではなく、「これからの生活で望むこと、やってみたいことはどういうことですか?」「自分なりにできること、できそうなことは何ですか?」と意向を尋ねる質問が有効です。 ポイント3.専門職と連携する 理学療法士や作業療法士といったリハビリテーションの専門職と連携することで、利用者のADL(日常生活動作)やIADL(手段的日常生活動作)など、アセスメントに必要な情報をより詳細に把握できます。 ポイント4.可能な限り具体的にヒアリングする 利用者の生活状況を具体的にヒヤリングします。 ヒヤリングする際は「食事はとれていますか?」と何をしているかを聞くだけではなく、「食事は何時頃とっていますか?」「食事ではどのような動作がやりずらくなりましたか?」などと掘り下げて聞くことで、より利用者の生活状況を把握できます。 参考ページ:WAM NET「アセスメントで欠かせないポイント」 アセスメントシートについて アセスメントシートとは、利用者や家族などの情報を収集して整理するためのシートです。 利用者や家族から聴き取りしたADL(日常生活動作)やIADL(手段的日常生活動作)、コミュニケーション能力や介護力、居住環境や精神状況などをアセスメントシートに記入することによって、利用者や家族のおかれている状況や全体像を把握し、ケアプランにつないでいくことが目的です。 アセスメントシートを作成する際は、厚生労働省が指定する23の課題分析標準項目に沿って行うと、誰が見ても理解しやすい内容にまとめることができます。 引用:厚生労働省「介護サービス計画書の様式及び課題分析評価項目の提示について」の一部改正等について(介護保険最新情報vol.958等の再周知)」 介護支援専門員実務研修受講試験の現場実習でも行われる 2016年に介護支援専門員実務研修過程におけるカリキュラムが改正され、前期と後期の講義および演習の間に、現場実習として新たに「ケアマネジメントの基礎技術に関する実習」が追加されました。 内容は、利用者への居宅訪問を行い、アセスメントの実施やケアプランの作成、サービス担当者会議の準備や同席、モニタリングの実施や給付管理業務の方法など、一連のケアマネジメントプロセスの実習を行います。 参考ページ:厚生労働省「介護支援専門員実務研修のガイドライン」 まとめ 今回は、ケアプランの作成に重要なアセスメントのポイントやアセスメントシートについてご紹介しました。 アセスメントを行う際は、多方面から事前に情報を収集しつつ、専門職と連携をとりながら利用者の生活状況を具体的にヒヤリングし、その課題の解決方法を利用者や家族と一緒に考えていくことを心がけましょう。
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2023.09.13- 介護コラム
認知症介護基礎研修とは?介護職無資格者の研修義務化について解説認知症介護基礎研修とは?介護職無資格者の研修義務化について解説 認知症介護基礎研修は、認知症の方を介護するために必要な技術・基礎知識の習得を目的とした研修です。 2024年の義務化に伴い、無資格者が研修を受けていないとほとんどの介護事業所で働けなくなります。この記事では、認知症介護基礎研修について解説します。 認知症介護基礎研修とは 認知症介護基礎研修とは、認知症ケアに携わる者が、その業務を遂行する上で基礎的な知識や技術と、それを実践する際の考え方を身につけ、チームアプローチに参画する一員として基礎的なサービス提供を行うことを目的とした研修です。 認知症ケアについて 認知症ケアの基本は「尊厳の保持」です。 基本的な考え方として、以下の4つのポイントがあげられます。 心のケア 現れている症状が認知症の症状であることを理解し、認知症の人の気持ちを受け止めて寄り添うことが大切です。 関係性の重視 認知症の人にとって環境の変化は大きな不安やストレスになるので、認知症の人の関係性を守ることを優先します。 継続性と専門性の重要性 認知症は進行性の病気のため、医療機関や専門的なサポートを利用しながら継続的なケアが重要です。 権利擁護の必要性 本人の意思が尊重され、尊厳や基本的人権を守られることが重要です。 認知症ケアでは、これらを理解して対応していくことが求められます。 しかし、認知症には多彩な症状があり、その症状を理解し対応することは、介護者や家族にとって簡単なことではありません。 ここで、介護者や家族が認知症の症状を理解し上手く向き合えるようにまとめられた「認知症をよく理解するための9大法則・1原則」(神奈川県川崎幸クリニック院長/公益社団法人認知症の人と家族の会副代表理事・杉山孝博氏)がありますので、簡単に紹介します。 「認知症をよく理解するための9大法則・1原則」 記憶障害に関する法則 周囲からは紛れもない事実でも、本人の認識からは消えていて事実でないことがある 症状の出現強度に関する法則 家族や介護をサポートしてくれる人など、身近な人に対して認知症の症状がより強く出る 自己有利の法則 自分に不利なことは認めず強情になり、自分の意見を貫き通そうとする まだら症状の法則 認知症の症状が出たり出なかったりする 感情残像の法則 起きた出来事に関する記憶は忘れても、感情だけはしばらく残り続ける こだわりの法則 こだわりが強くなり他人の意見を受け入れなくなる 作用・反作用の法則 うまく言葉で伝えることができなくても、周囲の反応を見て気持ちをくみ取ることができる 認知症症状の了解可能性に関する法則 認知症の症状についてのすべてにおいて理解や説明ができるとされている 衰弱の進行に関する法則 認知症の人は、認知症になっていない人より約3倍のスピードで老化する 介護に関する原則 認知症の人の形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを感じさせないようにする 出典:公益社団法人認知症の人と家族の会 このような専門的な知識を学ぶためにも、認知症に関する研修の受講が必要です。 【参考】 認知症ケアの基本的な考え方|厚生労働省 認知症をよく理解するための9大法則・1原則|公益社団法人認知症の人と家族の会 認知症介護基礎研修を義務化した背景 認知症介護基礎研修を義務化した背景には、二つの理由があります。 2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になるとの推計から、今後も認知症の方の増加が見込まれ、あらゆる介護保険施設や事業所のスタッフが認知症ケアの基礎的な知識を有している状況が必要である。 認知症ケアに関する研修の体系上では介護職員初任者研修や無資格者を対象とした基礎的な研修がないため、介護サービス従事者向けの認知症ケアに関する基礎的な知識や技術、考え方などを修得できる機会を確保する。 なかでも介護未経験や無資格の人が認知症への理解を深め、介護の質を向上させることが狙いです。 これらの理由から、2021年4月の介護報酬改定において、介護サービス事業者に介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者について、「認知症介護基礎研修」を受講させるために必要な措置を講じることが義務付けられました。ただし、3年間の経過措置期間が設けられており、この期間が終了する令和6年3月31日までは努力義務とされています。 2024年4月1日以降は、経過措置期間が終了し、認知症介護基礎研修の義務化が本格的に開始されますので、無資格の人は介護業務に携わることができなくなります。 また、新入職員(新卒・中途問わない)が無資格の場合は、入職後1年以内に認知症介護基礎研修を受講させなければなりません。 参考 認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~|厚生労働省 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の概要|厚生労働省 令和3年度介護報酬改定の主な事項について|厚生労働省 認知症介護基礎研修の受講が免除されるケースは、以下の「受講対象者」をご覧ください。 認知症介護基礎研修の内容 認知症介護基礎研修は、「認知症介護実践者等養成事業」の中に位置づけられており、介護初任者が認知症ケアの基本を学ぶための入門的な研修です。 認知症基礎研修では、認知症を取り巻く現状から具体的な介護の考え方まで、基礎をしっかりと学ぶことで、正しい介護方法を身につけ、基礎的なサービス提供ができるようになることをめざします。 受講対象者 認知症介護基礎研修の対象者は、介護保険施設や事業所などにおいて、介護に直接携わる職員のうち、医療や福祉関係の資格を有さない無資格者です。 研修の義務付けが免除となる条件 各資格のカリキュラム等において、認知症ケアに関する基礎的な知識及び技術を習得している人は、研修の義務付けが免除されるとされています。 【免除となる資格・研修】 医師、歯科医師、歯科衛生士、薬剤師、看護師、准看護師 介護福祉士、介護支援専門員、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者、訪問介護員養成研修一級課程・二級課程修了者、社会福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等 さらに、次のような場合も義務付けが免除されます。 養成施設の卒業証明書及び履修科目証明書により、事業所及び自治体が認知症に係る科目を受講していることが確認できる場合 卒業証明書により卒業が証明できる福祉系高校の卒業者 認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修等の認知症の介護等に係る研修を修了した人 人員配置基準上、従業者の員数として算定される従業者以外の者や、直接介護に携わる可能性がない人 ただし、認知症サポーター等の民間資格や、社会福祉主事(任用資格)については、免除の対象外となりますので、ご注意ください。 参考 介護保険法施行規則第140条の63の6第1号に規定する厚生労働大臣が定める基準について|厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A|厚生労働省 認知症介護基礎研修|認知症介護研究・研修仙台センター 研修で学ぶこと 認知症介護基礎研修では、認知症の人の理解と対応の基本や認知症ケアの実践の留意点を学びます。 ここでは、多くの自治体が研修委託している実施団体である、認知症介護研究・研修仙台センター(仙台センター)の研修カリキュラムを例に、紹介します。 研修カリキュラムは序章と第1章から第4章により構成されています。各章ごとに動画を視聴し、復習問題を解き、確認テストを実施していきます。すべての章の学習を終了した人には「修了証書」が発行されます。 序章:認知症を取り巻く現状 わが国の認知症施策の動向(認知症施策推進大綱の概要) 第1章:認知症ケアにおいて基礎となる理念や考え方 はじめに パーソン・センタード・ケア 認知症の人への偏見・誤解とその解消 介護者の視点 認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援とは 第2章:認知症の定義と原因疾患 認知症とはなにか①・② 認知症の原因疾患:アルツハイマー型認知症の原因と主要な症状 血管性認知症の原因と主要な症状 レビー小体型認知症の原因と主要な症状 前頭側頭型認知症の原因と主要な症状 第3章:認知症の中核症状と行動・心理症状の理解 認知症の中核症状と行動・心理症状の理解①・② 中核症状の生活への影響 中核症状が心理面に与える影響 行動・心理症状のとらえ方と出現原因 認知症の人にとっての環境①・② 健康管理①・② 第4章:認知症ケアの基礎技術 認知症の治療①・② 認知症の人の適切な関わり方(事例演習) 認知症の人の適切な関わり方② 認知症の症状への対応(事例演習) 認知症の症状への対応② 意思を尊重する支援方法とは① 意思を尊重する支援方法とは② チームケアの基本 家族介護者の理解と支援方法① 家族介護者の理解と支援方法② 参考 「認知症介護実践者等養成事業の実施について」の一部改正について(老発0406第5号)令和3年4月6日 認知症介護基礎研修eラーニングの学習内容|認知症介護研究・研修仙台センター 研修の受講方法と申込手続き 認知症介護基礎研修の受講方法は、 eラーニングが基本とされていますが、 オンライン配信を含む集合型研修で実施される場合もあります。 この研修は各自治体が指定した実施団体にて受講することになりますので、該当する自治体などのホームページで確認が必要です。 申込み手続きについては、受講者個人ではなく、 従事する介護保険施設や事業所の責任者を通じて、研修の実施団体あてに行います。こちらも、該当する自治体のホームページで確認ください。 なお、自治体が指定する実施団体が先ほどご紹介した認知症介護研究・研修仙台センター(仙台センター)の場合は、センターのホームページ上で、まずは事業者登録を行います。その後、受講者登録をし、受講料を支払うことにより、申込完了となります。 参考 「認知症介護実践者等養成事業の実施について」の一部改正について(老発0406第5号)令和3年4月6日 受講までの手続き|認知症介護研究・研修仙台センター 研修にかかる日数と所要時間 認知症介護基礎研修は、半日から1日で修了できるカリキュラムとなっています。 eラーニングの場合は、約150分の動画視聴の上、復習問題や確認テストを行います。 オンライン配信を含む集合型研修の場合は、講義3時間(認知症の人の理解と対応の基本)と演習3時間(認知症ケアの実践上の留意点)の合計6時間となります。 研修に必要な費用 費用は自治体や実施団体により異なりますが、3000円~5000円程度とされています。 介護職員初任者研修との違い 介護職員初任者研修は、認知症ケアも含めて幅広く介護の基礎から応用までを幅広く学び、一方の認知症介護基礎研修は、認知症ケアの基礎となる知識や技術を学びます。介護職員初任者研修では学習範囲が広いため、学習期間が約1ヶ月かかるに対して、認知症介護基礎研修は半日~1日で修了できます。 介護職員初任者研修の中で、認知症ケアについても学ぶため、介護職員初任者研修修了者は、認知症介護基礎研修の受講の義務が免除されます。 認知症介護基礎研修を取得後のスキルアップ 介護を必要とする人への対応が幅広く行えるようになるとともに、高齢者の約5人に1人が認知症になるといわれる2025年に向け、認知症ケアへのより深い知識の習得やスキルアップをめざしていく必要があります。 認知症介護基礎研修は、「認知症介護実践者等養成事業」の中でも初任者向けの入門研修ですが、さらに 「認知省実践者研修」「認知症介護実践リーダー研修」「認知症介護指導者養成研修」など上位の研修が用意されています。 認知症介護実践者研修 認知症ケアの理念を理解し、認知症ケアに関する実践的な知識及び技術を修得するための研修です。 認知症ケアの基本に加え、認知症の人への具体的な支援のためのアセスメントとケアの実践について学びます。 カリキュラムは、約31時間の講義+演習に加え、約4週間の職場実習で構成されています。 ≪受講要件≫ 介護保険施設・事業者等に従事する介護職員等で、認知症介護基礎研修を修了した者あるいはそれと同等以上の能力を有する者であり、身体介護に関する基本的知識・技術を修得している者であって、概ね2年程度の実務経験を有する者 ※自治体により異なりますので、詳しくは自治体ホームページ等をご確認ください。 認知症介護実践リーダー研修 介護施設・事業者等のケアチームにおけるリーダーを養成する研修です。 認知症の専門知識に加え、認知症ケアにおけるチームケアとマネジメント、認知症ケアの指導方法等を学びます。 カリキュラムは、約42時間の講義+演習に加え、約4週間の職場実習で構成されています。 ≪受講要件≫ 介護保険施設・事業者等に従事する介護職員等で、介護保険施設・事業者等において介護業務に概ね5年以上従事した経験を有する者であり、かつ、ケアチームのリーダー又はリーダーになることが予定されるものであって、実践者研修を修了し1年以上経過している者 ※自治体により異なりますので、詳しくは自治体ホームページ等をご確認ください。 認知症介護指導者養成研修 認知症介護実践研修の企画立案、介護の質の改善について指導できる人材を養成するための研修です。 ≪受講要件≫ 医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、言語聴覚士又は精神保健福祉士のいずれかの資格を有する者またはこれに準ずる者 次のいずれかの要件に該当する者であって相当の介護実務経験を有する者 介護保険施設・事業者等に従事している者 福祉系大学や養成学校等で指導者的立場にある者 民間企業で認知症介護の教育に携わる者 実践リーダー研修を修了している者 基礎研修又は実践研修等の企画・立案に参画し、又は講師として従事することが予定されている者 地域ケアを推進する役割を担うことが見込まれている者 ※自治体により異なりますので、詳しくは自治体ホームページ等をご確認ください。 参考 「認知症介護実践者等養成事業の実施について」の一部改正について(老発0406第5号)令和3年4月6日 介護従事者等の認知症対応力向上の促進|厚生労働省 まとめ 認知症介護基礎研修について、義務化された背景、具体的な研修内容やスキルアップするための研修等も含めて解説しました。 認知症介護基礎研修の義務化は、まもなく経過措置期間が終了し、2024年4月1日以降は、無資格者は介護業務に従事できなくなります。 認知症に関する知識やスキルを身に着けることは、認知症ケアを行うにあたり重要なことです。積極的に研修を受講して、介護者も利用者もお互いに安心できる介護をめざしましょう。
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2023.09.12- 介護コラム
介護福祉士実務者研修とは?資格条件や難易度、取得する方法を解説介護福祉士実務者研修とは?資格条件や難易度、取得する方法を解説 近年、介護業界で唯一の国家資格である介護福祉士を取得する人が増えています。 まず介護福祉士になるためには、実務者研修を修了する必要がありますが、その実務者研修を受講するには資格が必要なのか、難しい資格なのかなど、実務者研修に対して疑問を持っている人がとても多いです。 そこで今回は、介護福祉士実務者研修について、資格の条件や難易度、取得する方法やメリットなどを交えて解説します。 実務者研修は介護福祉士国家試験を受けるのに必須条件 介護業界で唯一の介護福祉士国家試験を受けるためには、3年以上の実務経験に加えて実務者研修の受講が必須条件です。 ただし、実務者研修は介護福祉士国家試験を受けるためだけの研修ではなく、 より質の高い介護サービスを提供するために、実践的な知識と技術の習得を目的としています。 具体的には、介護職員として働く上で必要な介護課程の展開や認知症などについて学ぶことができます。 参考:三幸福祉カレッジ「介護福祉士実務者研修」 実務者研修を受ける条件は? 介護福祉士実務者研修を受けるには、特定の資格を持っている必要はありません。つまり、無資格の人でも受講は可能です。 そのため、介護福祉士国家試験のように実務経験が必要ではないため、介護の経験がない初心者の人でも取り組みやすい資格と言えます。 実務者研修は無資格でも受けられる 上述したように、介護福祉士実務者研修は介護関連の資格を保有していなくても受講が可能であるため、どなたでも資格取得を目指せます。 ただし、訪問介護員研修の1級・2級・3級、介護職員基礎研修、介護職員初任者研修などの有資格者の場合は、その保有している資格によって介護福祉士実務者研修の一部が免除されるため、受講する負担を軽減できます。 介護経験がなくても受けられる 無資格の人が受講できるのと同様に、介護未経験の人でも受講できるのが介護福祉士実務者研修の大きなメリットです。 ただし、介護未経験の人が、介護の基礎から応用までを学ぶことができる介護職員初任者研修を受講せずに介護福祉士実務者研修を受講すると、内容が理解できないケースもあります。 介護経験がない人は、いきなり介護福祉士実務者研修を受講するのか、それとも介護職員初任者研修を受講後に改めて実務者研修を受講するのか、周囲にいる有資格者のアドバイスなどを踏まえよく検討するのがおすすめです。 実務者研修の難易度 介護福祉士実務者研修のカリキュラムには介護職員初任者研修で学ぶ内容も含まれており、決められたカリキュラムを全て履修することで資格を取得できます。 そのため、初任者研修を修了した人にとっては難易度は低く、合格率はほぼ100%とも言われています。 しかし上述したように、無資格者や介護未経験の人にとっては専門用語などが理解できないケースもあるため、難しいと感じることもあるでしょう。 関連記事:実務者研修は難しい?難易度や合格率を紹介 実務者研修を受けるメリット 実務者研修を受けることで、介護福祉士国家試験を受験する資格を得ることができます。さらに、サービス提供責任者や高待遇の職場への就職のチャンスが広がります。 介護福祉士を目指せる 介護業界で唯一の国家資格である介護福祉士ですが、2016年度より介護福祉士国家試験の実技試験が廃止され、その代わりに実務者研修の修了が受験要件として追加されました。 ただし、実務者研修の修了のみでは介護福祉士国家試験を受験することはできず、3年以上の実務経験が必要である点は留意しておきましょう。 サービス提供責任者で活躍できる 2019年4月より、訪問介護事業所において必須とされるサービス提供責任者になるためには、実務者研修の修了もしくは介護福祉士の資格が必要となりました。 よって介護職員初任者研修や旧ホームヘルパー2級の修了だけでは、サービス提供責任者のポジションに就くことができません。 実務者研修の修了は、介護業界でさらにキャリアアップするためには不可欠です。 高待遇で就職できる 実務者研修では、原則として医師や看護師以外には認められていなかった、たん吸引や経管栄養の基礎知識を学ぶことができます。 また、実務者研修を修了することで、介護におけるより実践的な知識と技術を習得しているという証明になります。 そのため、業務の幅が広がるだけではなく、無資格者や介護職員初任者研修の修了者と比較して高待遇で就職や転職ができるでしょう。 参考:三幸福祉カレッジ「介護福祉士実務者研修」 実務者研修を取得する方法 引用:厚生労働省「実務者研修の指定基準について」 介護福祉士実務者研修を取得するには、上記の表のように3つのパターンがありますが、多くの人が左記の実務経験ルートで資格取得を目指します。 実務経験ルートで資格取得を目指す場合、指定されたカリキュラムを受講して修了する必要があり、受講の時間は保有する資格によって異なります。 カリキュラム内容 出典:厚生労働省「届出の必要ない研修にかかる修了認定科目について」 実務者研修のカリキュラムは、基本的な介護の理論から実践的な技術までをバランスよく組み込まれています。具体的なカリキュラム例は、以下のような内容です。 社会福祉制度(介護保険等) 認知症の理解 医療の知識 障害の理解 介護技術 介護過程 たんの吸引、経管栄養 等 参考:厚生労働省「届出の必要ない研修にかかる修了認定科目について」 取得するまでの期間 実務者研修を取得するまでの期間は保有する資格によって異なり、無資格者の場合では450時間のカリキュラムを受講する必要があるため、約6カ月はかかります。 また、介護職員初任者研修の修了者の場合で320時間のカリキュラムを受講する必要があり、約2カ月はかかります。 さらに、実務者研修を修了後に介護福祉士国家試験を受験する人は、試験に申し込む際に実務者研修修了書もしくは修了見込み書を提出する必要があるため、スケジュールには注意しましょう。 実務者研修は介護職で働きながらでも受けられる 働いていない人でも実務者研修は受講できますが、介護職として働きながら実務者研修を受講することも可能です。 仕事と勉強の両立は大変な面も多くあります。 しかし、実務者研修を働きながら受講することで、介護福祉士国家試験の受験要件である3年以上の実務経験のクリアできるため、効率的に資格取得を考えている人にはおすすめです。 また、働きながら初任者研修を取得した後、実務者研修の取得を目指せば、実務者研修におけるカリキュラムが一部免除になり、さらに実務経験をクリアして実践的な技術も身に付けることにもつながります。 ただし、働きながら実務者研修を受講する際は、仕事での突発的なシフト変更なども加味して、振替制度があるスクールを選びましょう。 三幸福祉カレッジでは、仕事の都合はもちろんのこと、体調不良などで講座に参加できない場合でも、無料で授業の振替が可能ですので、働きながらでもスムーズに実務者研修を受講できます。 参考:三幸福祉カレッジ「介護福祉士実務者研修 講座の魅力・ポイント」 こちらの記事もおすすめ:介護職を目指す無資格・未経験の方必見!初任者研修のすすめ! まとめ 介護福祉士実務者研修を受けるには無資格者でも可能ですが、初任者研修を取得後に実務者研修を受講することで、カリキュラムの一部が免除されます。 また、 介護業界で唯一の国家資格である介護福祉士は、実務者研修の修了および3年以上の実務経験が必須です。 そのため、 介護職として働きながら実務者研修を目指した方が、実践的な介護技術を習得でき、かつ効率的に介護福祉士の資格も取得できます。
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2023.08.23- 介護コラム
【第35回(令和4年度)】介護福祉士国家試験の合格率は?難易度や試験内容を紹介第35回(令和4年度)介護福祉士国家試験は、令和5年1月29日(日)に筆記試験、令和5年3月5日(日)に実技試験が行われました。 結果は、受験者79,151人に対し合格者66,711人と、合格率84.3%に達し、過去最も高い合格率となりました。 これから介護福祉士を目指そうと思っている方はぜひ参考にしてください。 1.介護福祉士とは 介護福祉士は、1987年に「社会福祉士及び介護福祉士法」によって制度化された介護専門職の国家資格(名称独占)です。 そして、「介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。」と定義されています。 上記の定義からもわかるように、介護福祉士は、利用者に寄り添い、その人の持っている力を引き出し、さまざまな機能を高めていくことを支援する介護のプロフェッショナルです。 引用:厚生労働省 介護福祉士の概要について 2.介護福祉士の難易度・合格率 引用:厚生労働省 介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移 第1回(平成元年)に行われた試験では、受験者11,973人に対し合格者2,782人と、合格率23.2%に留まっていました。 そこから年々合格率が上昇しており、第4回(平成4年)に50%超、第24回(平成24年)に60%超、そして第29回(平成29年)には70%超にまで達しています。 同じ国家試験の中でも難関と呼ばれるものは合格率10%以下の試験もありますので、介護福祉士は国家試験の中でも取得しやすいと言えるでしょう。 追記:ですが、合格率70%越えとはいっても、10人のうち3人は不合格になっているということです。油断してはいけません。 3.第35回(令和4年度)の介護福祉士国家試験の合格率 直近の介護福祉士国家試験は、令和5年1月29日(日)に筆記試験、令和5年3月5日(日)に実技試験が行われました。 結果は、受験者79,151人に対し合格者66,711人と、合格率84.3%に達し、35回を数える試験の中で最も高い合格率となりました。 受験者数が4年ぶりに8万人を切りましたが、合格者は過去3年で最も多くなっており、合格率が上昇しています。 引用:厚生労働省 第34回介護福祉士国家試験合格発表 4.介護福祉士国家試験の試験内容 介護福祉士国家試験は、年1回行われ、筆記試験と実技試験があります。例年、筆記試験は1月下旬に、実技試験は3月上旬に実施されています。 合格するには、総得点125点に対し60%程度(問題の難易度によって補正)の正答が必要です。また、11科目群すべてにおいて最低1点が必要です。(以下に記した13科目を「人間の尊厳と自立」と「介護の基本」で1科目群、「人間関係とコミュニエーション」と「コミュニケーション技術」で1科目群とします) 5.第36回(令和5年度)介護福祉士国家試験の情報 さて、第36回介護福祉士国家試験の情報をご紹介します。 2023/5/1(月)時点では第36回(令和5年度)介護福祉士国家試験の情報は公開されていません。 しかし、試験日は例年と大きくは変わらない可能性が高く、筆記試験は1月の第4週の日曜日、実技試験は3月の第1週日曜日が想定されます。 例年、5月上旬に試験情報が試験センターのホームページにて公開されるため、受験予定の方はホームページを適宜確認するようにしましょう。 参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター 次に試験別に内容をご紹介します。 実技試験は免除されている方が多く、基本は筆記試験のみの受験が多いです。 ご自身がどちらに当たるかは、受験ルートによって異なるため、この後ご紹介します。 筆記試験 領域:人間と社会 人間の尊厳と自立、人間関係とコミュニケーション、社会の理解 領域:こころとからだのしくみ こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解 領域:医療的ケア 医療的ケア 領域:介護 介護の基本、コミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程 総合問題 上の4領域の知識・技術について横断的に問う問題を、事例形式で出題 実技試験 介護等に関する専門的技能 引用:厚生労働省 介護福祉士の概要について 6.介護福祉士の受験条件について 引用:厚生労働省 介護福祉士の資格取得方法 介護福祉士になるには、四つのルートがあります。 ①実務経験ルート 介護現場において3年以上の実務経験及び実務者研修を修了し、介護福祉士国家試験(筆記試験)を受験して介護福祉士を目指します。 実務経験ルートで介護福祉士を受験するために必須の実務者研修は、介護サービスの質を高く持続的に提供することを目的とした研修で、2016年度の介護福祉士国家試験より、実務経験3年(540日)以上に加え、実務者研修(450時間)の受講が義務付けられました。この場合、介護福祉士国家試験(実技試験)は免除されます。 また、介護職員として基本的な知識や技術を学ぶ初任者研修を既に修了済みの場合は、研修時間450時間のうち130時間が免除されます。 ②養成施設ルート 厚生労働省が指定した介護福祉士養成施設(大学・短期大学・専門学校など)において、所定のカリキュラムで必要な知識や技術を学び、卒業時に介護福祉士国家試験(筆記試験)を受験し介護福祉士を目指します。 この場合、介護福祉士国家試験(実技試験)は免除されます。 2015年の社会福祉士及び介護福祉士法改正で、2016年度までは介護福祉士養成施設で学べば卒業時に介護福祉士の資格を取得できましたが、養成施設ルート学生は国家試験を受験することになりました。 さらに2017年度から、養成施設ルート学生には、介護福祉士国家資格受験資格が付与されることになりました。 また、2017年から2021年度の卒業生は、5年間暫定的に介護福祉士資格が付与され、その間5年以内に国家試験に合格もしくは5年間連続実務従事のいずれかを満たせば、引き続き介護福祉士資格を保持するという経過措置も定められました。 ③福祉系高校ルート 福祉系高校を卒業したのち、介護福祉士国家試験を受験して介護福祉士を目指します。 卒業する高校と卒業年により、さらに三つのルートに分かれます。 2009年度以降の介護福祉士養成学習カリキュラムのある福祉系高校で学ぶと、卒業後すぐに介護福祉士国家試験を受験できます。 特例高校(福祉系高校に移行することを前提とした学校)を卒業後、9ヶ月以上介護などの業務に従事した場合、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。また特例高校の卒業生が、介護技術講習を修了していない場合、介護福祉士国家試験の実技試験を受ける必要があります。 2008年度以前に福祉系高校に入学・卒業している人は、卒業後すぐに介護福祉士国家試験の受験が可能です。受験申込時に介護技術講習を受けるか否かを選択でき、受講した場合は介護福祉士国家試験(実技試験)が免除されます。 ④EPA(介護福祉士候補者)ルート 国と国とが経済連携を図る経済連携協定に基づき、外国人が日本で介護福祉士資格の取得を目指します。 現在、フィリピンとベトナム、インドネシアの3カ国からEPA介護福祉士候補者の受け入れが行われています。 EPA介護福祉士候補者の条件は国によって異なり、自国で候補者になる条件を満たし、日本語研修及び日本語能力試験を受けて訪日します。 実務経験3年以上のEPA介護福祉士候補者は、実務者研修等なしで介護福祉士国家試験(筆記試験)の受験ができます。介護福祉士国家試験(実技試験)が免除されるには、介護技術講習もしくは実務者研修が必要です。 ご自身がどれに当てはまるかで、受験前に必要な準備も変わってくるので、事前に確認をしておきましょう。 参考ページ:厚生労働省 介護福祉士の概要について 関連ページ:介護福祉士に合格するための勉強方法とは?勉強時間や受かるコツを解説 【まとめ】 今回は、今後ますます必要とされるリーダー的な役割を果たす介護福祉士を目指す方向けに、国家試験の試験内容を、難易度や合格率を交えてご紹介しました。 数ある介護の資格の中でも、介護福祉士は唯一の国家資格です。合格率は70%~80%と高めですが、しっかりと準備をしないと不合格になってしまう可能性もあります。 仕事と受験勉強の両立は思っている以上に大変です。試験までのスケジュールを立て、早めに対策に取り掛かりましょう。
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2023.07.28- 介護コラム
OJTとは?介護現場での教育に役立つ実践方法やフォーマットを詳しく解説OJTとは?介護現場での教育に役立つ実践方法を詳しく解説 介護現場での職員育成について悩まれている方も多いのではないでしょうか。 「OJTってよく聞くけどなに?」「具体的に何をしたらいいの?」など疑問も多いかと思います。 そこで今回は、介護現場での教育に役立つ実践的なスキルを習得するOJTについて、活用するメリットやポイントをご紹介します。 1.OJTとは OJTとは「On The Job Training」の略で、Onは仕事中、Jobは仕事、Traininngは育成ということから、仕事をしながら仕事の仕方を伝承していくという意味合いがあります。 OJTの特徴は、①やってみせる、②説明する、③やらせてみる、④補修しつつ指導するというステップで実施する点です。 では、現在のOJTとはどのような目的で行われるのでしょうか。 OJTの定義と目的 OJTは、介護現場だけではなく、様々な職場で行われる教育・研修の方法です。主な目的は、新入社員や新任者に対して現場の実践を通じて必要なスキルや知識を習得させることです。OJTは、理論だけでなく実践力を身に付けることができるため、職場での即戦力化や定着率の向上につながります。 OJTと介護職員の定着 OJTは介護職員の定着にも有効です。実際の現場での経験や仕事の実践を通じて行う指導法のため、実際に自分の仕事の改善点がわかりやすく、成長が実感しやすいため、モチベーションの維持や定着率の向上につながります。また、OJTは職員同士のコミュニケーションが必須です。それにより、コミュニケーションやチームワークも促進されるため、職場の雰囲気や連帯感の醸成にも役立ちます。 Off-JTとの違い OJTとOff-JT(Off-the-Job Training)は、教育・研修の手法における違いがあります。Off-JTは職場外で行われるトレーニングや研修を指し、一般的にはセミナーや研修プログラムなどを通じて行われます。一方、OJTは実際の職場での業務を通じて学ぶ手法であり、実践的なスキルや知識の習得に重点を置いています。OJTは、実際の業務環境に即したトレーニングが可能であり、職場の現実に直結したスキルや知識を学ぶことができます。 2.介護現場でOJTを活用する2つのメリット 実際に介護現場でOJTを活用するメリットは、介護スキルが身につきやすい、経験や実践の積み重ねにより自信がつく、指導する立場にとってもスキルアップが見込めるなどがあります。 メリット1.実際の仕事に基づいたスキル習得の効果 OJTでは、実際の仕事を通じて必要なスキルや知識を身に付けることができます。実際のご利用者へのお声がけや介助方法など、教室やテキストだけでは得られない現場での経験を通じて、具体的な業務に関するスキルや技術を習得することができます。実践を通じて自信を深めることで、介護職員としての自己肯定感やモチベーションも向上します。 メリット2.指導者もスキルアップが可能 OJTは指導者自身のスキルアップにもつながります。指導者は、新入社員や新任者への教育や指導を通じて、コミュニケーション力や指導力、リーダーシップを発揮する機会が増えます。それにより現場でさらにメインプレイヤーとしての自覚をもって業務に取り組むことにつながります。 参考:介護施設向け中堅職員研修 https://www.create-ts.com/kaigo/training/staff/mainstay.php 3.介護現場でOJTの具体的な取り組み方法 OJTのメリットを最大限に生かすためには、計画シートを活用して具体的に取り組むことが重要です。 計画シートを作成する 出典:厚生労働省|②介護技術に関する評価チェックシートhttps://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1211-13o08.pdf 上記は、厚生労働省が公表している介護技術に関する評価チェックシートです。 OJTを効果的に実施するためには、事前に上記のような計画シートを作成します。計画シートには、トレーニングの目標やスケジュール、実施内容などを明確に記載します。具体的な業務項目や学習すべきスキルを挙げ、それに基づいたトレーニングプランを作成しましょう。 シートの書き方 計画シートには、実施する業務やトピックのほか、職務遂行のための基準や評価方法などを詳細に記載します。また、トレーニングの進捗や成果を記録する欄を設けることで、双方の振り返りや評価に役立ちます。 4.介護現場でOJTを成功させるための3つのポイント 介護現場でOJTを成功させるためには、指導者と新人職員がコミュニケーションを十分に取りながら、目標や基準に対してのフィードバックを必ず行い、より良い改善策を見いだし実行し続けることがポイントです。管理者は下記の点が実施されているか確認するよう意識し、指導者は、下記のポイントを心掛けて新人職員と関わるようにしましょう。 ポイント1.コミュニケーションを心がける OJTでは、トレーニングを受ける側と指導する側のコミュニケーションが重要です。職員同士の円滑なコミュニケーションや意見交換を促し、お互いが意見を共有しやすい環境づくりを心がけましょう。質問や相談にも積極的に対応し、新人職員の不安や疑問を解消することがOJTの成功への近道です。 ポイント2.フィードバックを行う OJTの進捗や成果を定期的にフィードバックが不可欠です。良い点や改善点を具体的に指摘し、受ける側が成長できるようなサポートを提供しましょう。フィードバックを通じて受ける側の自己評価や意欲を高めることができます。 ポイント3.目標設定や振り返りを実施 OJTでは、トレーニングの目標設定や振り返りが重要です。具体的な目標を設定し、達成度や成果を振り返ることで、受ける側の進歩や成長を確認できます。また、定期的な振り返りを通じて、トレーニング内容や方法の改善点を見つけ出し、OJTの質を向上させましょう。 4.まとめ 今回は、介護現場での教育に役立つ実践的なスキルを習得するOJTについて、活用するメリットや成功させるためのポイントなどを交えて解説しました。 介護現場でのOJTは、実践的なスキル習得や経験・実践力の向上に効果的なトレーニング方法です。計画的な取り組みと適切な指導・フィードバックが成功へのポイントです。双方が密なコミュニケーションを図りながら、目標設定や振り返りを行い、職員の成長と現場のパフォーマンス向上を目指しましょう。 また、 職員を長期的に育成していくには、必要な資格の取得と社内研修の実施が必要不可欠です。 これからOJTの指導者向けに事業所内で研修を検討されている方は、三幸福祉カレッジが実施している研修のテキストが無料でダウンロードができるので、ぜひ参考にしてみてください。
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2023.07.27- 介護コラム
外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説 外国人介護士が増え、日頃のコミュニケーションに難しさを感じている現場の担当者も多いのではないでしょうか?文化や言語が違うため、日本人とは関わり方を変えなければ、お互いの誤解が生まれてしまうこともあります。 そこで今回は、外国人介護士とのコミュニケーションに焦点を当て、日頃の業務をより円滑にするために指導時のポイントをわかりやすく解説します。 1.外国人介護士とのコミュニケーションで理解しておくべき4つのこと 外国人介護士とのコミュニケーションでまず理解しておくべきは、日本人が日頃から使用している日本語は私たちが想像している以上に難しい言語であるということです。 その1.外国人にとって日本語は難しい 外国人介護士にとって、日本語は学びやすい言語ではありません。特に介護現場でもよく使用する漢字は音読みと訓読みがあり複雑です。また、日本語と英語を比較すると文法にも大きな違いがあります。 その2.文字の種類が多い 日本語には漢字、ひらがな、カタカナなどさまざまな文字が存在します。ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字、漢字においては2,146文字もあり、世界のあらゆる言語を見ても文字の種類が複数存在する言語は珍しいのです。 そして日本語を学習する多くの外国人は、まずひらがなを覚えた後にカタカナを、最後に漢字という順番で学んでいきます。しかしひらがなを学習して「読めた」と思っていても、次にカタカナや漢字をどうやって覚えればいいのだろうかと諦めの気持ちを抱いてしまうのです。 その3.敬語が難しい 敬語は日本語特有の文化であり、外国人にとっては理解しづらい部分です。敬語には丁寧語や尊敬語、謙譲語などがあり、この違いを正しく理解して日常生活の中で使い分けていくことは至難の業です。 また、敬語を習得したとしても、介護の現場でどのように敬語を活用したらいいのかわからないというケースも多々あります。 その4.方言がある 日本には地域や文化ごとに方言が存在します。外国人介護士にとっては、方言はさらなる言語の障壁です。あいさつをひとつとっても日本の中でさまざまな方言があり、日本人でも自分の出身地以外の方言を理解するのは難しさを感じるのですから、外国人にとってはさらに困惑してしまうでしょう。 参考:三幸福祉カレッジ「外国人介護士が日本語の勉強が難しいと感じる理由は?」 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_muzukashii_colum/ 2.外国人介護士とより良いコミュニケーションを取るための4つのポイント 外国人介護士とより良いコミュニケーションを取るためには、シンプルな表現でジェスチャーを交えることが重要です。ちょっとした意識でできるので、やってみてください。 ポイント①伝え方は簡潔にする 言葉遣いや表現はシンプルにしましょう。明確な指示や情報を伝えることで、外国人介護士が理解しやすくなります。状況に応じて必要な情報を絞り、本当に伝えたい情報だけを伝えるように心がけましょう。 ポイント②ジェスチャーをまじえて伝える 言葉だけでなく、身ぶりや手ぶり、表情などのジェスチャーを活用してコミュニケーションを補完しましょう。また、伝えるときの表情も重要です。伝わらないからと言って声を荒げたり、無表情だと相手が委縮してしまうかもしれません。できるだけ笑顔で優しい口調で伝えてあげましょう。 ポイント③マニュアルにふりがなを振る 重要なマニュアルや手順書などには、漢字の横にふりがなを併記することで、外国人介護士がよりスムーズに文書を理解できます。また、翻訳ツールや専門の通訳サービスを活用することもおすすめです。 ポイント④苦手分野を把握する 外国人介護士が日本語や文化に苦手意識を持っている分野を把握しましょう。具体的には、ベトナム人であれば日本語の発音が苦手であるとか、インドネシア人は漢字が苦手であるなどのように、その国々の方にとっての苦手分野を知っておくことは、より良いコミュニケーションを構築していく上での第一歩です。そしてその分野については、より丁寧に説明しサポートを行うことで、外国人介護士の自信を高めることにつながります。 3.外国人介護士を指導する際の3つのポイント 外国人介護士を指導する際は、日本人介護士がお手本であるという自覚を持ち、外国人介護士が理解しているか常に確認しながら関わりましょう。また、介護現場用の日本語教材を上手に活用することで、より実践的な日本語が身につきやすくなります。 ポイント①日本人介護士はお手本である自覚を持つ すでに介護士として働いている外国人の方は、日本人の介護士との何気のない会話が日本語の練習に役立ったという声があります。日々の業務の中で、教育担当者以外も積極的に外国人介護士とコミュニケーションを取ることで、関係性の構築だけではなく日本語能力向上にもつながります。 日本人介護士は外国人介護士のお手本であると自覚を持ち、言葉遣いやコミュニケーションスタイル、仕事への取り組み方など、良いモデルとなるよう努めましょう。自身の行動や態度が、外国人介護士にとっての良き指導者となることを忘れずに。 ポイント②理解しているか確認しながら指導する 言葉の壁や文化の違いがあるため、指導内容が十分に理解されているかを確認することが重要です。途中で質問を促したり、フィードバックを求めたりすることで、相手の理解度を把握します。必要に応じて言葉や表現を工夫し、より明確に伝える努力をしましょう。 ポイント③介護現場用の日本語教材を活用する 外国人介護士にとって、介護現場で必要な日本語のスキルを向上させるために、専門の日本語教材を活用しましょう。教材や学習プログラムを提供することで、外国人介護士がより確実に日本語を習得し、業務において自信を持つことができます。 また、自治体主催のレッスン、場所や時間を問わず自分の都合の良いタイミングで学習ができるeラーニング、学習が苦手な方には自分の好きな絵本やアニメから学ぶなどの方法を取り入れることもおすすめです。 参考:三幸福祉カレッジ:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 4.まとめ 外国人介護士とのコミュニケーションに焦点を当て、日頃の業務をより円滑にするために指導時のポイントをわかりやすく解説しました。 外国人介護士とのコミュニケーションでは、日本語の難しさや文字の違い、敬語や方言の問題に注意しながら、簡潔で明確な伝え方やジェスチャーの活用を心がけることが大切です。また、外国人介護士を指導する際には、日本人介護士がお手本となり、理解度を確認しながら指導し、介護現場用の日本語教材も活用しましょう。 外国人介護士との円滑なコミュニケーションにより、チームの連携やケアの質を向上させることができます。異なる文化や言語背景を持つ人々と協力する中で、相互理解と尊重の姿勢を持ち、効果的なコミュニケーションを築いていきましょう。
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2023.06.30- 介護コラム
日本人と外国人の思考の違いはなぜ起こる?受け入れ制度も紹介介護業界においても、外国人人材の活用が積極的に行われるようになりましたが、日本人と外国人の思考の違いによるコミュニケーションエラーなども発生しているようです。 この記事では、日本人と外国人の仕事に対する思考の違いについて解説し、一緒に働く際に工夫することについて考えます。 また、外国人人材の受け入れ制度は、複数ありますが、ここでは、EPA(経済連携協定)にフォーカスし、外国人の受け入れ制度についても紹介します。 1.EPAによるフィリピン・ベトナム・インドネシアからの受け入れ制度 EPAとは、特定の国や地域同士での貿易や投資を促進するための条約のことです。 介護分野では、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国との各協定に基づき、国家資格である介護福祉士を取得することを目的とした候補者の受け入れを実施しています。 外国人候補者は、送り出し国にて、6カ月間の訪日前日本語研修を受け、日本に入国後、さらに6カ月間の日本語研修を受けます。(ベトナムは、訪日前日本語研修12ヶ月間、訪日後日本語研修2.5か月間) その後、受入れ施設で就労しながら国家試験の合格を目指した研修に従事します。 4年目の介護福祉士国家試験で不合格だった場合は、一定の条件のもと、1年間の滞在延長ができます。 国家資格取得後は、希望者は在留資格「介護」に移行し、引き続き日本で働き続けることができます。 画像引用: EPA(経済連携協定)日本語予備教育事業 ─ 事業概要 ─ 日本の国家資格を取得してほしいという3国の期待が高く、受け入れ側の日本でも受け入れ施設による候補者の支援の強化や、国家試験の申請方法の見直し、再チャレンジ支援、介護職員の配置基準の見直しなどを行っています。 介護分野での受け入れの最大人数の上限は、1年につき各国300名となっており、令和3年度の実際のEPAでの入国者数は、インドネシア263名、フィリピン226名、ベトナム166名でした。 参考資料: 厚生労働省|インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて 関連記事▼(その他の受け入れ制度についてはこちらをご覧ください) 外国人介護人材の受け入れ制度について~受け入れ前に知っておくべき制度の基本~ 2.日本人と外国人の思考の違いが起こる理由 外国人へ指導を行う際、日本人への指導と同じようにしても、うまくいかない・・・という場面がありませんか。 日本人は世界的に見ても真面目で働きすぎだと言われています。日本人特有の仕事観は、外国人には理解しづらいでしょう。 外国人と一緒に働くにあたり、日本人と外国人の仕事への考え方の違いについて、知っておくとよいでしょう。もちろん個人差はありますが、一般的な仕事への考え方の違いについて紹介します。 理由1.外国人はプライベートを大事にする 外国人は、効率的な働き方やプライベートな活動に重きを置く傾向があると言われています。 日本でも、ワークライフバランスが重要視されるようになり、働き方の改革が進められていますが、仕事最優先という考え方があるのが現状です。職場によっては、残業することや、有給休暇を取らないことが、献身的な働き方だという考える人もいるでしょう。 このように、仕事最優先と考える日本人に対して、外国人は、仕事よりも家族やプライベートの優先順位が高いです。 EPA受け入れ対象のベトナム・フィリピン・インドネシア等のアジア各国も家族を最優先に考える傾向があります。 理由2.外国人は専門性を重視する 日本では、終身雇用の働き方が長く続いてきた背景から、ひとつの会社に長く貢献することが良いとされる考え方が残っています。 一方、海外では、専門性を重視し、即戦力となる人材が求められます。よい条件があれば転職するという考え方が一般的だと言われています。 理由3.外国人は意見をはっきりと伝える 日本では、秩序や関係性を重要視するため、相手にとって都合の悪いことを言う場合には、直接的な表現を避け、遠まわしな表現をすることがあります。 一方、外国人は意見をはっきりと伝えます。個人の意見を主張することもあります。日本人がよく使う暗黙の了解や遠回しの表現から察するということも、外国人にとっては理解しづらいでしょう。 3.外国人を受け入れるメリット 外国人を受け入れるメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。 受け入れ制度によっても目的が異なりますが、ここでは、全体的なメリットを紹介します。 メリット1.グローバルな視点がプラスされる 外国人と一緒に働くことにより、多様な考え方や視点に触れることができます。また、相互理解を意識することにより、職場全体のコミュニケーションが円滑になることも期待できます。 また、日本における在留外国人の数は、296万1,969人万人で、増加傾向にあります(令和4年6月時点)。今後、ご利用者にもさまざまなルーツを持った方が増えてくるでしょう。グローバルな視点は、職員間のコミュニケーションだけでなく、利用者サービスにも活かされるはずです。 メリット2.人材不足が解消される 人材不足の解消のために、積極的に外国人人材を受け入れていこうという動きもあります。 介護福祉士の資格取得後は、在留資格「介護」(いわゆる介護ビザ)に移行し、永続的に日本で働き続けることもできます。家族の帯同も可能で、在留期間も制限なしで更新可能です。 また、日本で働きたいと考える外国人は、若い人材が多く、貴重な若い人材の確保も期待できるでしょう。 4.外国人労働者と働くための工夫 外国人労働者と働くためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。先ほど説明した、仕事への違いを知った上で、工夫すべき点を紹介します。 工夫①文化や信仰等を理解して働きやすい環境を整える 文化や信仰、歴史的背景等は国によって異なるため、さまざまな配慮が必要です。 たとえば、日本人にとってはあまりなじみのない信仰ですが、フィリピン人の約90%がキリスト教で、日曜日には教会で礼拝し、毎日決められた時間にお祈りする習慣があります。ベトナム人の約80%は仏教徒です。また、インドネシア人の多くがイスラム教徒で、1日数回の礼拝があります。外国人にとっては、仕事よりも大事と考えられていることもありますので、礼拝の時間を認める等の配慮が必要となります。 外国人介護人材と一緒に働くためには、その人の文化や信仰、歴史的背景等を理解して、働きやすい環境を整えることが大切です。 工夫②業務内容をわかりやすくまとめる 具体的な業務内容を洗い出し、外国人でも理解できるようにわかりやすくまとめましょう。イラストや写真を活用するのも有効です。 また、介護はチームで働くため、情報共有の方法も含めて、仕事の進め方を具体的に伝えるようにしましょう。 工夫③介護用語を教える 介護職として働くためには、介護場面で使用する日本語も覚える必要があります。 外国人が介護用語を学習するための教材も用意されているので、うまく活用しながら、介護場面での語彙や声掛け表現などを教えましょう。その際には、写真やイラストを使うと有効です。 外国人を指導する際に、指摘が必要な場面も出てくるかと思いますが、国民性の違いにより、大勢の前で指摘されたり、怒られたりするのを嫌う人もいます。 人前で指摘するのではなく、1対1で落ち着いて説明するようにしましょう。 関連記事▼ 【介護の日本語】外国人への教え方のコツをわかりやすく解説 まとめ 日本人と外国人の思考の違いについて説明しました。 国民性の違いもありますが、性格や考え方は、一人ひとり違うため、個別に相互理解を深め、コミュニケーションをとることが重要です。 今後、ますます外国人人材が増えていくでしょう。外国人の受け入れを機会に、職場のコミュニケーションや体制を見直し、誰にとっても働きやすい職場を目指してみてはいかがでしょうか。
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2023.06.29- 介護コラム
ボディメカニクス8原則とは?腰痛予防や身体の負担軽減のための基本姿勢の保ち方について解説!おすすめの動画も紹介ボディメカニクス8原則とは?腰痛予防や身体の負担軽減のための基本姿勢の保ち方について解説 介護の現場では、1日に数えきれないほどの介助姿勢をとるため、手や腰、膝などの痛みに悩まされている人も多いのではないでしょうか。 ご利用者の移乗や移動、身体介助を行う際は、ボディメカニクスを活用した正しい姿勢や技術の習得が重要です。 ボディメカニクスを理解し実践することで、介護技術の基本姿勢を正しく保つことができ、より効果的な介助が行えます。 そこで今回は、介護では欠かせないボディメカニクスについて、技術を習得するメリットや8つの原則、活用する際の注意点などを交え解説します。 1.ボディメカニクスとは ボディメカニクスは、人間の動作および姿勢に関わる体の骨格や関節、筋肉や内臓などの各部位に力学原理を応用した動き、動作、運動、姿勢保持のための技術のことです。 ボディメカニクスは、英語で「Body Mechanics」と書き、身体を表す「Body」と力学を表す「Mechanics」を融合させたもので、介護でいうボディメカニクスとは、 力学原理を活用して最小の労力で介護を行う技術です。 介護では、移乗介助のような身体部位を動かす動的作業姿勢と食事介助のような姿勢を保持して行う静的介助姿勢とがあり、姿勢に対する頭や胴体、手足などの位置は、介護の場面によって異なります。 また、人間の体は地球の重力の影響を受けていて、動作によってはそれにより身体の負担が増えることがあります。 ボディメカニクスの活用方法を知っておくことで、身体の負担を軽減しながら日頃の介護を行うことができるようになります。 参考文献:小川鑛一・北村京子(2016)『介護のためのボディメカニクス』.東京電機大学出版局. 2.ボディメカニクスを習得するメリット ボディメカニクスを習得することによって、介護を行う際の身体の動きや姿勢を最適化して負担を軽減し、ご利用者に安心感を与えます。 メリット1.介護者の負担が軽減される ボディメカニクスを正しく実践することで、介護者の身体への負担を最小限に抑えることができます。 また、適切な姿勢や動作を身につけることで、筋肉や関節への負担が分散され、ケガや疲労のリスクも低減されます。 さらに、介護の長時間労働や重労働において、体力や健康の維持にもつながるため、介護業界で長くキャリアを積むことも可能です。 メリット2.ご利用者に安心感を与える 正しい姿勢や技術を活用して介護を行うことで、姿勢の安定やスムーズな動作が可能になるため、ご利用者はケガや転倒の心配をせずに安心した介助を受けることができます。 また、介護者自身の自信や安定感がご利用者に伝わり、ご利用者との信頼関係を築くことにもつながっていきます。 3.ボディメカニクスの8原則とは ボディメカニクスには8つの原則があります。 ボディメカニクスの要素をより効果的に発揮するためには、細かい部分まで配慮することが重要です。 ①重心を保つ ご利用者の体を持ち上げたり移動させたりする際は、重心をできるだけ低く保つことを意識します。 一般的に重心を低く保つには、膝を曲げて腰を落とした姿勢ですが、骨盤の位置に注意が必要です。 日本人の場合、立った際に骨盤が後傾している人が多く、骨盤が後傾した状態のまま腰を落としても、効率的に力を発揮できません。 骨盤を立てた状態で、膝を曲げ腰を落とすことにより、重心を低く保てます。 ②足を適切な位置に配置する 足を適切な位置に配置し、安定したベースを確保します。 体を支えるための基礎であり、床面と接している部分を結んだ範囲を支持基底面積と言います。 介助に応じて、支持基底面積である足先を前後、左右、斜めといったように広げて安定した姿勢をとることが重要です。 また、ベッド上における移動介助の際には、足先だけではなく、ベッドに手をついたり膝を乗せたりする方法を取り入れることで支持基底面積が広がり、より安定した姿勢を確保できるとともに力を発揮しやすくなります。 ③中立姿勢を保つ ご利用者の体を持ち上げる際は、脊椎(背骨)を中立姿勢に保ちます。 体幹部がねじれてしまうと力を十分に発揮できず、脊柱に負担がかかって腰痛の原因になるため、動かす方向に向き合うように位置し、骨盤と肩のラインを平行に保つように動かします。 また、背筋が屈曲した状態で介助を行うことも腰痛の原因になるため、背筋を伸ばし、息を吐くときには腹部の外側に圧をかけて体幹部を支えるようにします。 ④身体の回転を最小限にする ご利用者の体を持ち上げたり移動させたりする際は、身体の回転を最小限に抑えます。 また、体の向きを変える際には、足を使って回転させます。 無理なひねりや回転は、腰や関節に負担をかけるだけでなく、ご利用者にも不快感を与えますので、できる限り前後移動を取り入れるなど、身体を大きく動かすことなく効率的な動作を心がけましょう。 ⑤身体の負担を分散させる ご利用者を移動や移乗させる際は、てこの原理を使って身体の負担を分散させます。 てこの原理を活用することで、小さい力で体を動かすことが可能です。 また、手や膝に支点を作ることで姿勢が安定し、体の一部にかかる負担を分散させることもできます。 ご利用者の体重や力も活用しながら、両手や両足を使って均等に力をかけることが重要です。 ⑥身体を使って力をかける 持っている力を十分に発揮するためには、身体を使って力をかけます。 手先や腕、腰だけの力に頼らず、腹筋や背筋などの体幹部をはじめ、大臀筋や大腿四頭筋、ハムストリングスなどの大きな筋肉を活用しましょう。 また、動かす方向に足先を向けて重心移動を行うことで、ご利用者の体を動かします。 その際、重力へ逆らうように体を持ち上げようとすると腰に過度な負担がかかりますので、大きな筋群を活用して持ち上げずに水平に引くようにします。 ⑦動作とリズムを保つ 動作はゆっくりと慎重に行い、無理なくスムーズなリズムを保ちます。 急いだり無駄な動きをしないように心がけることで、一連の動作がスムーズかつ連続的に行え、時間のロスを最小限に抑えることができます。 また、リズミカルな動きはご利用者に安心感を与え、作業の効率性も高めます。 介助の際は、無駄な力や無理な動作を避け、スムーズでリズムの良い動きを大切にしましょう。 ⑧自分の身体の制限を認識する 自分の身体の制限や能力を正確に認識し、無理な動作や負荷を避けます。 特に、自分よりも体重のあるご利用者を一度に動かそうとすると、全身に大きな負担がのしかかります。 リスクのある動作や持ち上げなどには注意し、自分の能力や体力を過信しすぎないことが大切です。 また、必要に応じて適切な支援具を活用したり周囲にいる仲間の協力を得たりして、安全かつ効率的な動作を行うよう心がけましょう。 参考文献:竹田幸司(2021)『からだを正しく使った移動・移乗技術』.中央法規. 4.ボディメカニクスを行う際の注意点 ボディメカニクスを行う際は、正しい姿勢や技術を習得した上で、ご利用者と密なコミュニケーションを取りながら、一人ひとりの身体状態やニーズに合わせて実践することが重要です。 注意点1:ご利用者とのコミュニケーションを図る ご利用者に安心して介助動作へ協力してもらえるように、コミュニケーションを図りながらご利用者の意思や状態を確認し、介護の手順や意図を伝えます。 ご利用者の声やフィードバックに敏感に対応し信頼関係を築いていくことで、ご利用者が安心して介助を受けることができるため、よりスムーズなボディメカニクスの実践が可能です。 注意点2:正しい姿勢や技術を習得する 誤った姿勢や動作は、ご利用者や介護者自身に損傷を引き起こす可能性があるため、正しい姿勢やしっかりとした技術を習得しましょう。 ボディメカニクスを介護に活用する際は、背筋を伸ばし、体重を均等にかけ、安定した姿勢を保つといったように、常に自身の姿勢に意識を向けることが大切です。 注意点3:ご利用者によって対応が異なる ご利用者の身体状態やニーズは一人ひとり異なるため、ご利用者に合わせたボディメカニクスを実践します。 特に、病気を患っていたり身体機能に制約があったりした場合、普段通りの介助を行うとケガや状態の悪化につながりますので、事前にご利用者個々の情報を把握してから介助を行いましょう。 ボディメカニクスのまとめ 今回は、介護では欠かせないボディメカニクスについて、技術を習得するメリットや8つの原則、活用する際の注意点などを交え解説しました。 介護でいうボディメカニクスとは、力学原理を活用して最小の労力で介護を行う技術です。 ボディメカニクスの正しい姿勢と技術を習得することで、介護者およびご利用者の身体的な負担の軽減につながり、安全かつ効果的なケアを提供できます。 ボディメカニクスを初めて聞いた。具体的にどんな動作なのかあんまりイメージがわかない方には、わかりやすく解説した動画もおすすめです。 ご自身の体の負担を軽減するため、ご利用者の安全を守るためにもぜひ活用してくださいね。
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2023.05.30- 介護コラム
介護職の志望動機の書き方を例文でご紹介!コツや面接での注意点は?転職活動の際に、どうしても悩む履歴書の書き方。この記事では、特に悩む志望動機の書き方のポイントについて例文を交えて紹介し、面接での注意点についても解説します。 1.介護業界での志望動機の書き方 志望動機の書き方には、コツがあります。もし、あなたが採用担当なら何を知りたいですか。採用担当の考えを想像しながら、以下のポイントを押さえましょう。 ポイント①経験と実績を具体的に書く 採用担当は、「この人を採用したら、どのように活躍してくれるか?どんな仕事をしてくれるか?」を考えて、選考しています。その際に、最も参考にされるのが経験と実績です。 経験(どのような仕事をしてきたのか)、実績(成し遂げたこと・経験から得たこと)を記載するようにしましょう。 ポイント②介護職に就きたい理由を書く 採用担当は“本当にここで働きたいと思っている人”を採用したいと考えます。 そのため、「なぜこの介護の仕事をしたいのか」「介護の仕事のどのようなところに魅力を感じているのか」をあなたの言葉で記載するようにしましょう。さらに、「なぜこの事業所で働きたいのか」「ここで働いてをどうなりたいのか」まで記載できると本気度が伝わります。 ポイント③自分の強み・自己PR 採用担当に“一緒に働きたい”と思ってもらうことが重要です。 自分の強みについては、自己分析をして整理しておきましょう。嬉しかったことや落ち込んだこと、褒められたこと、注意されたこと等のエピソードを整理していくと、自身の強みや弱みが見えてきます。その中から、仕事で活かせると思う強みをピックアップします。 経験と実績と合わせて、あなたの強みをこの仕事でどう活かせると考えているのかを自己PRとして書くと良いでしょう。 ポイント④未経験ならなぜ介護職に就きたいのかを書く 介護職未経験の場合は、「なぜ介護職に就きたいのか」を丁寧に書きましょう。 介護職をめざした具体的なエピソードや「どのような介護士になりたいのか」、さらに「今までの経験をどう活かせるか」を盛り込むことで好印象を与えられるでしょう。 ポイント⑤自己評価を下げない 職場でのトラブルや待遇面の不満により、転職活動をしている人は少なくありません。しかし、応募書類にそのことを記載するのはNGです。 書類選考をしているのは、あなたに会ったことのない人です。そのため、「協調性のない人かも」「自己主張の強い人かも」「採用後に、またトラブルを起こすのではないか」等という想像をされ、評価が下がる可能性があります。志望動機はポジティブな表現を心がけましょう。 ポイント⑥給料や福利厚生について書かない 希望条件欄には「貴社の規定に従います」と記載し、給料や福利厚生については、書かないのが原則です。 勤務時間等、どうしても譲れない条件がある場合には、理由を合わせて丁寧に記載し、「自己主張が強い」という印象を与えないように気を付けましょう。 ポイント⑦ありきたりな言い回しをしない どの応募先にでも使いまわせるありきたりな表現では、印象が良くありません。 たとえば、よく使われる「今までの経験を活かせると思い応募しました」という文章ですが、この1文だけでは応募者がどんな経験をしてきて、それをどう活かしてくれるのかわかりません。「エピソード→そこから得たこと→それをどう活かすか」を具体的に記載すると説得力のある文章になります。 2.経験者が志望動機を書く時の例文 ここでは、経験者が転職する際の志望動機の例文をケースごとに紹介します。インターネット上にいろんな例文がありますが、コピペは絶対にNGです。自分の言葉ではないため、必ず面接でボロが出ます。例文は参考程度に自分で作成しましょう。 例文①介護福祉士に対する志望動機 有料老人ホームにて介護職として4年間従事してまいりました。ご利用者やご家族との信頼関係を築けるように、丁寧な言葉がけを意識して日々業務に従事しております。 介護福祉士の勉強をする中で、ご利用者一人ひとりに合わせた介護計画やチームで連携してケアを行うことの重要性をあらためて認識いたしました。 介護福祉士としての専門性を高めていくために、より高度な介護やサポートを必要とされる方々と関わることができ、多くの専門職と連携してチームでケアを行う特別養護老人ホームでの勤務を希望しております。 例文②介護施設に対する志望動機 初任者研修修了後、2年間にわたり訪問介護員として在宅ケアに携わってきました。ご利用者一人ひとりと向き合うことができるこの仕事にもやりがいを感じていますが、今後のスキルアップのためにも、より幅広くご利用者の生活全般のケアに携わりたいと思うようになりました。介護施設では、身体介護の他にも、リハビリテーションやレクリエーションの業務にも携わることができ、他の専門職ともチームでケアを提供できることに魅力を感じています。在宅ケアでの経験で培ったコミュニケーションスキルや、身体介護の経験を活かし、ご利用者に寄り添うことのできる施設職員をめざしたいと考えております。 例文③デイサービスに対する志望動機 私は訪問介護員として3年間働いています。 ご利用者と関わる中で、高齢者にとって“社会とのつながり”が如何に重要を実感しており、デイサービスにて働きたいと考えるようになりました。 ご利用者にとって通所することが楽しみなるようなプログラムを提供し、高齢者の社会とのつながりづくりを支援したいと考えています。 また、訪問介護員として培ったご利用者に寄り添う姿勢や身体介護の経験を活かし、ご利用者のご家族にも安心して任せていただける職員となりたいと思います。 例文④介護福祉士からケアマネジャーへの志望動機 このたび、ケアマネジャーの試験に合格したため、ケアマネジャーへの転職を考えております。 10年前、突然母の介護が必要になり、不安に潰れそうだった時、当時担当してくださったケアマネジャーさんの存在に救われました。 私もいつかご利用者やご家族の支えになることができるケアマネジャーになりたいと考え、介護職員としての経験を積んでまいりました。 介護職員として培ったコミュニケーションスキルや経験を活かして、ご利用者がより良い暮らしを送れるような提案をし、ご家族にも安心していただけるケアマネジャーになりたいと考えております。 3.未経験者が志望動機を書く時の例文 未経験者の場合は、なぜ介護職員になりたいのかを丁寧に書くようにしましょう。 例文①介護職が初めての人の志望動機 私は、スーパーマーケットのレジにてパート勤務をしています。私が担当している時間帯は、高齢のお客様が多いため、安心して買い物をしていただけるように、笑顔で、ゆっくり大きな声で接客することを心がけております。日々の何気ない会話を楽しみに通ってくださる方もいらっしゃるのですが、私自身もお客様から元気をもらっており、5年間この仕事を続けてこられたことに気がつきました。 子育ても落ち着き、働ける時間も増えたこともあり、高齢者の生活全般をサポートする介護職に就きたいと思うようになりました。 介護職は未経験ではありますが、介護の知識や技術を習得し、また、今までの接客業で培ったコミュニケーションスキルを活かし、ご利用者に安心していただける介護士をめざしたいと考えております。 4.介護職での面接対応で失敗しないポイント 書類選考を通過したら、次は面接です。面接での失敗しないポイントを解説します。 ポイント①履歴書に記載した内容を確認する 履歴書に書いた内容と面接で話す内容がちぐはぐにならないように気を付けましょう。 履歴書を暗記する必要はありませんが、面接前には、履歴書に記載した内容を再度確認し、履歴書の内容にエピソードや自身の想いを加えて話すことができると好印象です。 ポイント②コミュニケーションを大切にする 面接を、“面接官とのコミュニケーションの場”としてとらえ、なるべくリラックスして面接にのぞみましょう。とはいえ、緊張して、うまく話せないことや頭が真っ白になることもあるかと思います。その際は、「少し緊張しております」とあえて伝えることで緊張がほぐれることがありますので、試してみてください。 ポイント③言葉遣いに気をつける 面接時には、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。つい心が緩んでしまっても、タメ語は厳禁です。 また、施設に到着してから施設を出るまでの間、面接官以外の職員と接することもあるかと思いますが、一貫して、丁寧な対応・言葉遣いを心がけましょう。 こちらもおすすめ: 介護職を目指す無資格・未経験の方必見!初任者研修のすすめ! 5.まとめ 介護職の志望動機の書き方と面接での注意点について解説しました。「一緒に働きたい」と思ってもらえるように、応募書類や面接の対策をして、希望する職場の内定を勝ち取りましょう。
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2023.05.30- 介護コラム
外国人介護士が「日本語の勉強が難しい」と感じる理由は?外国人介護士が「日本語の勉強が難しい」と感じる理由 現在の日本は高齢化社会が進んでいるため、介護業界における外国人介護士が増えています。 しかし、日本で働く外国人介護士の定着が課題となっており、その理由のひとつに日本語でのコミュニケーションが挙げられます。 そこで本記事では、外国人介護士が日本語を勉強する際に難しいと感じてしまう理由を、解説します。 1. 外国人が「日本語学習は難しい」と感じる5つの理由 外国人が日本語を学習する際、どんなことが難しいと思うのでしょうか。 実は、私たちが日常生活の中で何も考えずに使用している日本語は、外国人介護士にとってはとても難しい言語なのです。 理由①文字の種類が多い 日本語には、ひらがなをはじめカタカナや漢字など、学習しなければならない文字が3つあります。 世界のあらゆる言語を見ても、文字の種類が複数存在する言語は珍しいのです。 ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字、漢字にいたっては2,136文字もあります。 日本語を学習する多くの外国人は、まずひらがなを覚えた後にカタカナを覚え、最後に漢字という順番で勉強していきます。 ひらがなを学習して「読めた」と思っていても、次々新しい文字が出てくることで「こんなに膨大な量のカタカナや漢字をどうやって覚えればいいのだろうか」と諦めの気持ちが生まれてしまうのです。 参考:参考:文化庁「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf 理由②漢字は音読み訓読みがあり複雑 日本語の中でも漢字は外国人にとって大きな壁です。 音読みと訓読みがあり、特に音読みは一つの漢字単独では使用しない場合が多く、ほとんどの場合で二つ以上の漢字を使用した熟語として他の漢字と一緒に学習する必要があります。 参考:参考:文化庁「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf 理由③文法が英語と全く違う フィリピンやベトナムは英語が公用語や第二言語として使用されるため、英語が話せる外国人介護士は多いです。しかし、英語と日本語は文法が大きく違います。 英語が「主語+動詞+目的語」の語順に対し、日本語は「主語+目的語+動詞」の語順で文章が構成されています。英語は結論から先に述べますが、日本語は説明から先に述べるという点において、外国人が日本語を学習する際に戸惑ってしまう要因です。 参考:文化庁「日本語の言語意識」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/20/tosin05/02.html 理由④敬語が難しい 敬語には、丁寧語や尊敬語、謙譲語などがありとても複雑です。 この違いを正しく理解して日常生活の中で使い分けることは、外国人にとっては大変苦労します。 出典:文化庁お「敬語おもしろ相談室」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html また、日本語の教材で敬語を学習してマスターしたとしても、介護の現場でどのように使用したら良いのか、どのような言葉を使用すると相手に対して失礼にあたらないのかなど、実践として敬語を活用するにはハードルがとても高いのです。 理由⑤方言がある 日本語には方言があり、地域や文化によってさまざまな特徴があることも外国人を困惑させています。 さらに、上述した敬語と方言が重なり合うとより複雑です。 出典:NHK「にほんごであそぼ」https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005150304_00000 あいさつひとつとっても日本の中でさまざまな方言があり、日本人でも自分の出身地以外の方言を理解するのは難しいのですから、外国人にとってはさらに難しさを感じるでしょう。 2.外国人介護士に必要な日本語レベル 外国人介護士として必要な日本語レベルは、日本語で日常会話ができたり簡単な読み書きができたりする程度ですが、介護の専門用語が読み書きできることが重要です。 外国人が必要な日本語レベルの指標として、日本語能力試験が参考とされます。 出典:厚生労働省「外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けハンドブック」 https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000497111.pdf 外国人介護士は、基本的な日本語を理解することができる「N4」の日本語レベルが必要になってきます。 関連記事:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 3.外国人介護士が現場で直面する日本語でのコミュニケーション ある程度日本語を勉強しても、勉強したことを実際の業務に活かすことは難しい場合も多くあります。特に今からご紹介する3つは外国人介護士と働くうえで、ミスコミュニケーションが発生しやすいため注意しましょう。 a.介護記録の読み書き 人によって、文章を理解することはできるが、書くことが苦手だったり、そもそも漢字が読めなかったりします。 日頃の業務で介護記録は読み書き両方で不可欠なので、記入する際はひらがなを多用したり、読み方を教えてあげたりすることで、日本語の読み書きのレベルは向上します。外国人介護士が一人で介護記録を理解することができるよう、日本人職員もちょっとした配慮を心がけましょう。 b.職員間の報連相 外国人介護士であっても「報連相」は重要です。職場内で伝達するべき情報が伝わっていなかったりすると、結果的にご利用者や家族に迷惑が掛かります。 日本人職員は、外国人介護士と関わる際、できるだけわかりやすい日本語でゆっくり話しましょう。特に重要な事柄は、伝わっているかを細かく確認しながらコミュニケーションを取るといいでしょう。 c.ご利用者とのコミュニケーション ご利用者とのコミュニケーションがうまく取ることができないと、不安や事故につながります。 ご利用者の多くは耳が聞こえづらい方も多く、声をかけずにいきなり介助を行うと、びっくりして転倒する可能性もあります。普段から、介助のやり方だけではなく、声のかけ方も教えてあげることでご利用者との関係性を築くきっかけにもなり、安全な介助を行うことにもつながります。 関連記事:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/ 4.外国人が日本語習得におすすめの教材 日本語を習得するには、介護現場用の日本語教材、絵本やアニメから学ぶ方法などがあります。 中でも、国際交流基金が制作している「日本語教授法シリーズ」や「いろどり生活の日本語」などは、音声や動画、資料データなどが付属しており、目だけではなく耳からでも日本語を学ぶことができるためおすすめです。 参考:国際交流基金「日本語教材・学習教材」 https://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_rsorcs/manabu.html 参考:国際交流基金「いろどり生活の日本語」 https://www.irodori.jpf.go.jp/ 5.まとめ 外国人介護士が日本語を勉強する際に難しいと感じてしまう理由を、日本語を習得する必要性なども交えて解説しました。 私たちが日常生活の中で何も考えずに使用している日本語は、文字の種類が多く、漢字の読みが複雑で文法が母国語と異なるため、外国人介護士にとってはとても難しい言語です。 しかし介護現場において、介護記録の記入や正確な情報の伝達、ご利用者とのコミュニケーションには日本語の習得が必要不可欠です。教材を上手に活用したり、日頃の仕事の中でひとつずつ教えたりしながら、外国人介護士への日本語教育を行っていきましょう。 また、ゆくゆくは介護福祉士の資格を取ってほしいと考えている方も多いはず。外国人介護士に実務者研修を受講してもらう場合もあると思います。その際は、学校などのサポート体制も確認し、学校選びをするようにしましょう。
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