フィリピン人の特徴は?介護士が多い理由や雇うメリットを解説-三幸福祉カレッジ

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2023.11.30お役立ち情報
フィリピン人の特徴は?介護士が多い理由や雇うメリットを解説

フィリピン人の特徴は?介護士が多い理由や雇うメリットを解説

昨今、介護業界では多数のフィリピン人が活躍しています。
活躍している背景には、フィリピン人の多くが常に明るく陽気な性格のため、高齢者からも人気があることが挙げられます。
その他にも、元来フィリピン人が持っているさまざまな特徴が影響しています。

そこで今回は、フィリピン人の特徴について、介護士が多い理由や雇うメリットなども交えて解説します。
特に、今後フィリピン人を介護士として受入れを検討している事業所の人は参考にしてみてください。

フィリピン人の介護士が日本で働く理由

日・フィリピン経済連携協定(EPA)は、2006年(平成18年)9月9日に署名され、2008年(平成20年)12月11日に発行されました。この協定に基づいて、フィリピンからの看護師・介護福祉士候補者を受入れる仕組みができました。

フィリピン協定では、看護師や介護福祉士になるための2つのコースが提供されており、1つは病院や介護施設で働きながら資格を取得する「就労コース」、もう1つは介護福祉士として学業を積む「就学コース」があります。
この協定によって、フィリピンから日本への看護師・介護福祉士候補者の受入れが可能になりました。

表1
出典:厚生労働省「フィリピン人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」

厚生労働省によると、2023年(令和5年)3月28日時点で、フィリピン人介護福祉士候補者は就労コースで2,680名に達しています。

表2
出典:公益社団法人国際厚生事業団「外国人介護士の現状〜EPAによる受入れを中心として〜」

また、2017年に公益社団法人国際厚生事業団(JICWELS)から発表された雇用している外国人介護労働者の国籍と人数によると、フィリピンが全体の41,4%を占めて最も多く、介護分野の外国人介護職員数は3,500人と見込まれており、日本にいるフィリピン人介護士がいかに多いのかがわかります。

フィリピンよりも日本のほうが給与が高い

フィリピン人介護士が日本で働く理由として大きな要因の1つが給与の違いです。

厚生労働省によると、2017年におけるフィリピンの平均日額は約1,120円(415ペソ)、平均月収は22,400円です。
一方、日本で介護士として働く人の平均月収は約23万2,000円です。

フィリピンでは多くの人が貧困層であり、国内で仕事を探すことは難しいため、日本の介護の仕事は魅力的なのです。

参考:厚生労働省「東南アジア地域にみる厚生労働施策の概要と最近の動向(フィリピン)339P」

参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 第84表 介護従事者等の平均給与額等(日給の者)」

日本は治安がよく住みやすい

日本には約27万7,400人もの在日フィリピン人が暮らしているため、フィリピン人にとって日本は治安が良く住みやすい国として評価されています。
特に東京都足立区竹ノ塚はリトル・マニラとして知られ、フィリピン人のコミュニティが盛んです。

また、 日本は24時間開いているスーパーやコンビニエンスストアなどが多数あり、日常生活で困ることがない点で、日本は世界でもトップクラスの治安を誇り、多くの外国人にとって魅力的な国と言えるでしょう。

フィリピン人の受入れ制度や条件をご紹介

フィリピン人をはじめとする外国人介護人材の受入れの仕組みは以下の4つです。
• 特定技能ビザ
• 在留資格「介護」
• EPA(経済連携協定)
• 技能実習

関連ページ:三幸福祉カレッジ「外国人介護人材の受入れ制度について」

特定技能ビザ

特定技能ビザは、介護など14の分野で外国人を雇用するための在留資格で、2019年に導入されました。このビザを取得するには、海外での技能試験と日本語試験の合格が必要です。対象は17歳以上で、日本国籍者や前回試験後45日間は受験ができません。
また、日本国内で受験する場合は在留資格を持つ必要があります。

参考:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」

在留資格「介護」

在留資格「介護」は、2017年より適用された制度で、国籍に関係なく日本の介護福祉士養成施設で学び介護福祉士資格を取得した外国人が対象です。
在留期間は通常5年で、条件を満たせば更新も可能です。
在留資格「介護」では、外国人介護福祉士は日本人と同等以上の給与を受けるため、待遇面での差別はありません。
また、在留資格「介護」を持つ家族も家族滞在ビザを取得できます。

参考:厚生労働省「在留資格「介護」について」

EPA(経済連携協定)

EPA(経済連携協定)は、日本と他国が経済連携を強化し、貿易障壁を撤廃することで経済協力を促進する制度です。
介護分野では、フィリピンやインドネシア、ベトナムからの人材受入れが行われています。
介護福祉士候補者として来日し、日本で介護の研修と就労を経て介護福祉士資格を取得します。
在留期間は通常4年で、家族の同伴は許可されていません。
言語能力は入国前に日本語能力検定N5以上が必要で、介護経験は看護学校卒業または大学卒業+フィリピン政府認定介護士の資格が必要です。

参考:厚生労働省「インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」

技能実習

技能実習は、外国から知識や技術を学び、帰国後に国の経済発展に貢献するために日本に一定期間滞在する制度です。
介護分野では、実習生が介護施設で技術や知識を習得し、雇用契約が必要です。
主に東南アジアからの受入れがあり、家族の同伴は認められていません。
入国資格には、年齢や日本語能力などの要件があり、初年度はN4程度の日本語能力が必要ですが、1年後にN3程度に向上するよう条件が設定されています。
N3レベル未達成でも、介護技術の向上を条件に3年間まで実習を続けることが可能です。

参考:厚生労働省「介護職種の技能実習制度について」

フィリピン人の特徴は?

フィリピン人には以下のような特徴があります。
• 親日でフレンドリーな性格
• お年寄りや家族を大切にしている
• 計画的な行動が苦手
• 真面目にコツコツ働く
• サービス精神が旺盛
• 日本語を覚えるのが早い
• コミュニケーション能力が高い

親日でフレンドリーな性格

フィリピン人は、温和で友好的、親しみやすい性格です。
フィリピンの温暖な気候は、国民の生活様式と陽気な性格に影響を与え、お祭りなどの楽しい時間を好む傾向があります。
親日的な人々も多く、日本文化に興味を持っており、日本企業や製品に親しんでいます。

お年寄りや家族を大切にしている

フィリピン文化では、家族が至上で、お年寄りや家族との絆が非常に重要視されています。
お年寄りや家族が体調を崩した場合、仕事よりも家庭を優先する傾向があります。
フィリピンの人口構成は若年層が多く、家族のサポートが必要な人も多いため、家族の健康を優先することは一般的です。

計画的な行動が苦手

フィリピン人は、陽気で楽観的な性格の一方で、時間を守ることや細やかな計画を立てることは苦手です。
また、集合時間に早く着くことは相手を急かすという思考があるため、時間より遅れて到着することもしばしばです。
時間に対する厳格さと計画力が特徴の日本人と比較すると、時間観念に大きな違いが見られます。

真面目にコツコツ働く

フィリピン人は、生活水準向上のため献身的に働きます。
多くの人が自己に誇りとプライドを持ち、率直に感情や思考を表現する文化があるため、のんびりとした印象を持たれがちですが、実際には真面目で熱心な労働者が多いです。
大家族が多いため、家族を支えるために働かなければならないという責任感が強い傾向があります。

サービス精神が旺盛

フィリピーノ・ホスピタリティという言葉があるほど、フィリピン人はサービス精神が旺盛です。
この精神は、平和的な共存を大切にし、誰とでも仲良く過ごしたいという国民性から生まれています。
フィリピン人のホスピタリティ精神は、介護業界に限らず多くのサービス業で高く評価されており、スキルを向上させることで質の高い介護サービスを結びつけることができます。

日本語を覚えるのが早い

上述した厚生労働省発表の「フィリピン人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」の表を見ると、受入れは2009年(平成21年)からスタートし、一時的に減少したものの、その後は増加傾向が続いています。
また、年々日本語能力試験N2以上を持つ候補者が増え、日本語教育環境が向上していることがわかります。
このことからも、フィリピン人は日本語を覚えるのが早いと言えるでしょう。

コミュニケーション能力が高い

フィリピンの公用語は英語であり、多くの人々が国外での就職を目指し高い英語力を備えているため、コミュニケーション能力は高いと評価されています。
また、フィリピン人は深く敬って態度を慎むという意味のある敬虔なキリスト教が多く、幼少期からボランティア精神や社会福祉への意識が根付いており、新しい環境でも他者と積極的にコミュニケーションを取り調和を図る姿勢が魅力的です。

外国人介護士として受入れる際の注意点

フィリピン人は、日本人に近い性格ですが国民性の違いがあるので同じように扱わないことが大切です。
フィリピン人を外国人介護士として受入れる際は、以下について留意しましょう。
• 人前で怒らず1対1で話し合う
• 一度にたくさんの仕事を振らない

人前で怒らず1対1で話し合う

フィリピン人は、問題解決のために努力しますが、公然の場で厳しい指摘はプライドを傷つけ、コミュニケーションに支障をきたします。
フィリピン文化を尊重し協力的な態度を持つことで、円滑な関係を築くことが重要です。
メンツを大切にするフィリピン人には、人前で怒ることは避け、個別で対話することを心がけましょう。

一度にたくさんの仕事を振らない

フィリピン人の楽観的な性格は良い部分ですが、納期に対してトラブルの原因になることがありますので、リマインダーやフォローアップを通じて時間の重要性を再確認しましょう。
一点集中が得意ですので、同時に多くの仕事を振らないことが良い結果につながります。
最初に決めた業務に集中し、用意したマニュアルに基づいた指示を守らせることがポイントです。

まとめ

今回は、フィリピン人の特徴について、介護士が多い理由や雇うメリットなども交えて解説しました。

フィリピン人は、親日でフレンドリーであり、お年寄りや家族を大切にする上、サービス精神旺盛で真面目にコツコツと働く特徴があるので、介護士として活躍できる要素が多いです。

フィリピン人を介護士として雇う際は、プライドを傷つけないよう人前で怒ることは避け、一度にたくさんの仕事を振らずに最初に決めた業務に集中させる環境づくりが成功への鍵でしょう。

この記事の監修者

三幸福祉カレッジ 編集部

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