介護福祉士の仕事内容は?将来性や働くメリット・デメリットを解説-三幸福祉カレッジ

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2023.12.19お役立ち情報
介護福祉士の仕事内容は?将来性や働くメリット・デメリットを解説

介護福祉士の仕事内容は?将来性や具体的な仕事内容を解説

超高齢社会を迎え、より注目が高まっている介護福祉士。
介護福祉士の仕事には、身体介護をはじめ生活援助やチームマネジメントなどがあります。
しかし、一般的な介護職とどのような違いがあるのかと疑問に思われる人も多いです。

そこで今回は、今後さらに必要性が高まる介護福祉士について、具体的な仕事内容や将来性などを解説します。

1.介護福祉士とは?

介護福祉士は、高齢者や障害者の生活支援、福祉サービスを提供する専門職です。
身体的および精神的なケア、日常生活の援助、社会参加の支援などを行い、ご利用者の尊厳と自立を重視します。

福祉施設や医療機関、ご利用者の自宅などで業務し、チームと連携して総合的なケアを担当します。
専門的な知識やコミュニケーション能力が求められ、人間関係の構築や安心感の提供が大切です。

①介護福祉士は介護の唯一の国家資格

介護福祉士は、数ある介護の資格の中でも唯一の国家資格です。
毎年1月下旬頃に実施される筆記試験と、同じく毎年3月上旬頃に実施される実技試験に合格して登録を行うことで、国に認められた介護福祉士として活躍できます。

そして、一度資格を取得すれば全国どこでも通用し、更新もないため一生ものの資格です。
出典:厚生労働省「介護福祉士の資格取得方法」

上記は、介護福祉士になるための資格取得ルートを表にしたものです。
養成施設ルートは、指定された養成施設などを卒業後、介護福祉士国家試験を受験します。
最も多い実務経験ルートは、3年以上の実務経験および介護福祉士実務者研修を修了後、介護福祉士国家試験を受験します。
福祉系高校ルートは、福祉系高校に入学し、定められた科目や単位を取得し卒業後、介護福祉士国家試験を受験します。

関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護福祉士になるには-試験・資格取得までの流れと受験資格について-」

②介護福祉士が活躍できる場所

介護福祉士は、他の介護職の活躍の場と違いはありませんが、チームマネジメント等求められる役割が変わってきます。
• 特別養護老人ホーム
• 介護老人保健施設
• 介護付き有料老人ホーム
• 通所介護(デイサービス)
• グループホーム
• 訪問介護事業所
• 障がい者施設
• 病院

2.介護福祉士の仕事内容を6つご紹介

こちらでは、介護福祉士として行う主な業務を6つ解説します。

①身体介護

身体介護は、ご利用者の身体に直接接触して行う介助サービスです。
日常生活動作(ADL)や手段的日常生活動作(IADL)、生活の質(QOL)の向上
を目的とした自立支援や重度化の防止などが含まれます。

ご利用者の日常生活や社会生活において、専門的知識や技術をもって行われるサービスであり、食事や入浴、排泄、移動、移乗などの介助が該当します。

②生活援助

生活援助は、身体介護以外で、ご利用者が単身であったり、家族が障がいや疾病で家事を行うことが困難な場合に行われ、日常の家事を代行する介助サービスです。
ご利用者個々の状況に応じた援助を提供し、本人に関連する家事に限定されます。

調理をはじめ洗濯や掃除、ベッドメイクや買い物、薬の受け取りなどが該当します。

③食事介護

食事介助は、高齢や健康上の理由で一人では食事が困難な人を支援する介助サービスです。
ご利用者の状態に応じて、通常食や刻み食、ミキサー食などを提供し、摂取内容や量を記録します。

食事介助は、テーブルやリクライニング車椅子、ベッド上などで行われ、ご利用者の残存能力を最大限に活用しつつ、嚥下の安全性や適切な姿勢の確認も重要な仕事です。

④社会活動支援

社会活動支援は、お互いの対話を促進し、近隣の住人とのつながりを強化し、地域の催しやさまざまな活動の情報を提供することで、ご利用者の社会参加を支援するサービスです。
就労支援や地域活動の情報提供、社会参加支援などを通じて、ご利用者が穏やかで安定した生活を送れるようサポートします。

また、孤立を防ぎ社会とのつながりを保つ、家族や近隣住民と良好な関係を築けるよう支援します。

⑤相談・助言

相談・助言は、社会的に不安や悩みを持つ人に対して、介護に関するアドバイスや指導を提供します。
具体的な相談内容は、介護保険や要介護認定に関するもの、介護サービスや福祉用具の案内、将来の介護計画などが含まれます。

ご利用者や家族からの相談に応じ、日常生活の向上をサポートし、必要なサービスや施設への案内を行います。
また、単発の相談だけではなく継続的な対話を通じて、不安解消やトラブル回避にも努めます。

⑥チームマネジメント

介護福祉士は、リーダーシップの役割を果たし、チームやユニットのマネジメントも重要な仕事です。
介護の実践者としてだけではなく、介護技術の指導や他職種との連携も求められます。

介護福祉士としての経験が豊富な場合は、施設内でのマネジメントやチームケアを担当し、スタッフの指導や業務管理を実施します。

3.介護福祉士の将来性は?

介護福祉士を目指すにあたり、将来性はとても気になるところです。
ここでは、今後における介護福祉士の将来性を解説します。

①介護福祉士の需要はどんどん増える

今後、介護福祉士の需要はさらに増していくことでしょう。
その背景には、「2040年問題」と「2054年問題」が大きく作用しています。

2040年問題は、2025年から2040年までの15年間に現役人口が1,000万人減少する課題で、生産年齢人口の急激な減少により、労働力不足が深刻化します。

また、2054年問題は、高齢者が急増し、全人口の約25%が75歳以上に達する未知の超々高齢化社会に突入する課題です。

2054年まで高齢者が増加し続けるため、介護福祉士の需要は高まることが予測されます。
介護福祉士は、知識と経験が求められ、人手不足に歯止めをかけられる存在です。

将来的にも需要が続き、環境改善が進んでいるため、介護福祉士の将来は明るいと見込まれます。

②国家資格を取得すると多方面でもニーズがある

介護福祉士国家資格を取得すると、介護職以外の多方面でもニーズが高まります。
介護施設内の業務だけではなく、リハビリやIT分野でも活用できるほか、理学療法士や人工知能(AI)
と連携し、新しい技術の導入が求められています。
また、ハンドケアや音楽療法、アニマルセラピーなど、多様な治療や療法にも対応できます。

さらに、出産や育児で一時離れていてもニーズがあるので、すぐに仕事に復帰することも可能です。

③介護福祉士の平均年収

実際に介護福祉士として働いた場合、平均年収はどのくらいになるのでしょうか。
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果:第136表」

厚生労働省が発表した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護福祉士の平均給与額は331,690円です。
同じ介護職である初任者研修修了者が302,910円、同じく実務者研修修了者が302,500円ですので、年収では約300,000円以上も介護福祉士の方が高いことがわかります。

関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護福祉士の平均年収はいくら?給料アップのために知りたいお金事情を解説」

4.介護福祉士で働くメリット

介護福祉士は、他の介護支援と比べ年収が高く将来性は明るいですが、その他にも多くのメリットがあります。

キャリアアップを図れる

勤務する施設によって、主任やリーダーのポジションは介護福祉士に限定されることがあります。
経験を積んでいくことで、認定介護福祉士や医療系専門職へのキャリアチェンジや独立も可能です。

転職や就職時にも介護福祉士国家資格は強力な武器となり、即戦力として活躍できます。
全国で通用する資格であり、引っ越しやブランクがあっても採用の際には有利に働きます。

資格手当で給与が高くなる

介護福祉士は、基本給に加えて資格手当が支給されることが一般的です。
資格手当は勤務する施設などにより異なりますが、平均で5,000円〜30,000円程度が多いです。
2019年の処遇改善では、勤続10年以上の介護福祉士に平均月80,000円の加算が発表され、今後ますますの待遇向上が期待されます。

参考:厚生労働省「介護人材の処遇改善について(P.36)新しい経済政策パッケージ(抜粋)」

長年続けられる

介護福祉士に限らず、介護職は年齢や性別に制限がなく、定年後も再雇用が一般的です。
非正規雇用の場合は、定年制度がないため年齢に拘束されず柔軟に働ける上、ニーズが高いため長年続けていくことが可能です。

また、年齢が高くなるほど自身も介護する経験が出てくることもあり、その介護経験を生かすこともできます。

5.介護福祉士で働くデメリット

介護福祉士は、キャリアアップが図れ長年続けられる一方で、体力的な負担がありコミュニケーション能力が必要な点がデメリットとして挙げられます。

体力が必要

介護福祉士として働くデメリットは、体力が必要なことです。
特に入浴や移乗の介助では、腰や足を痛めてしまう人も多いので、体力的に自信のない人はデイサービスやデイケアなど体への負担が軽減できる職場を選択することも必要です。

また、昨今では介護ロボットやICTを導入している施設も増加しているので、導入している施設を選択肢として入れておくと良いでしょう。

コミュニケーション能力が必要

介護福祉士を含め介護職として働く上で大切なことは、コミュニケーション能力です。
人の話を聞き、行動できる能力が求まられるため、コミュニケーションが苦手な人はご利用者や他のスタッフとの関係性を構築する際に苦労します。

まとめ

今回は、今後さらに必要性が高まる介護福祉士について、具体的な仕事内容や将来性などを交えて解説しました。

介護福祉士は、数ある介護の資格の中でも唯一の国家資格で、 待ち構える2025年問題や2050年問題の影響で、介護福祉士の将来性は非常に高いです。
また、資格手当などが支給される上、家族の介護経験を生かして長年働き続けることもできます。

介護福祉士として、介護業界で今後活躍したいと思った人はぜひチャレンジしてみましょう!

この記事の監修者

三幸福祉カレッジ 編集部

実務者研修・初任者研修を全国で開講している三幸福祉カレッジです。介護の仕事や資格について皆さんが疑問に思っていることや気になること、話題の情報を更新しています。

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