外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説-三幸福祉カレッジ

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2023.07.27お役立ち情報
外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説

外国人介護士とのコミュニケーションと指導時のポイントをわかりやすく解説

外国人介護士が増え、日頃のコミュニケーションに難しさを感じている現場の担当者も多いのではないでしょうか?文化や言語が違うため、日本人とは関わり方を変えなければ、お互いの誤解が生まれてしまうこともあります。

そこで今回は、外国人介護士とのコミュニケーションに焦点を当て、日頃の業務をより円滑にするために指導時のポイントをわかりやすく解説します。

1.外国人介護士とのコミュニケーションで理解しておくべき4つのこと

外国人介護士とのコミュニケーションでまず理解しておくべきは、日本人が日頃から使用している日本語は私たちが想像している以上に難しい言語であるということです。

その1.外国人にとって日本語は難しい

外国人介護士にとって、日本語は学びやすい言語ではありません。特に介護現場でもよく使用する漢字は音読みと訓読みがあり複雑です。また、日本語と英語を比較すると文法にも大きな違いがあります。

その2.文字の種類が多い

日本語には漢字、ひらがな、カタカナなどさまざまな文字が存在します。ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字、漢字においては2,146文字もあり、世界のあらゆる言語を見ても文字の種類が複数存在する言語は珍しいのです。

そして日本語を学習する多くの外国人は、まずひらがなを覚えた後にカタカナを、最後に漢字という順番で学んでいきます。しかしひらがなを学習して「読めた」と思っていても、次にカタカナや漢字をどうやって覚えればいいのだろうかと諦めの気持ちを抱いてしまうのです。

その3.敬語が難しい

敬語は日本語特有の文化であり、外国人にとっては理解しづらい部分です。敬語には丁寧語や尊敬語、謙譲語などがあり、この違いを正しく理解して日常生活の中で使い分けていくことは至難の業です。

また、敬語を習得したとしても、介護の現場でどのように敬語を活用したらいいのかわからないというケースも多々あります。

その4.方言がある

日本には地域や文化ごとに方言が存在します。外国人介護士にとっては、方言はさらなる言語の障壁です。あいさつをひとつとっても日本の中でさまざまな方言があり、日本人でも自分の出身地以外の方言を理解するのは難しさを感じるのですから、外国人にとってはさらに困惑してしまうでしょう。

参考:三幸福祉カレッジ「外国人介護士が日本語の勉強が難しいと感じる理由は?」 https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_muzukashii_colum/

2.外国人介護士とより良いコミュニケーションを取るための4つのポイント

外国人介護士とより良いコミュニケーションを取るためには、シンプルな表現でジェスチャーを交えることが重要です。ちょっとした意識でできるので、やってみてください。

ポイント①伝え方は簡潔にする

言葉遣いや表現はシンプルにしましょう。明確な指示や情報を伝えることで、外国人介護士が理解しやすくなります。状況に応じて必要な情報を絞り、本当に伝えたい情報だけを伝えるように心がけましょう。

ポイント②ジェスチャーをまじえて伝える

言葉だけでなく、身ぶりや手ぶり、表情などのジェスチャーを活用してコミュニケーションを補完しましょう。また、伝えるときの表情も重要です。伝わらないからと言って声を荒げたり、無表情だと相手が委縮してしまうかもしれません。できるだけ笑顔で優しい口調で伝えてあげましょう。

ポイント③マニュアルにふりがなを振る

重要なマニュアルや手順書などには、漢字の横にふりがなを併記することで、外国人介護士がよりスムーズに文書を理解できます。また、翻訳ツールや専門の通訳サービスを活用することもおすすめです。

ポイント④苦手分野を把握する

外国人介護士が日本語や文化に苦手意識を持っている分野を把握しましょう。具体的には、ベトナム人であれば日本語の発音が苦手であるとか、インドネシア人は漢字が苦手であるなどのように、その国々の方にとっての苦手分野を知っておくことは、より良いコミュニケーションを構築していく上での第一歩です。そしてその分野については、より丁寧に説明しサポートを行うことで、外国人介護士の自信を高めることにつながります。

3.外国人介護士を指導する際の3つのポイント

外国人介護士を指導する際は、日本人介護士がお手本であるという自覚を持ち、外国人介護士が理解しているか常に確認しながら関わりましょう。また、介護現場用の日本語教材を上手に活用することで、より実践的な日本語が身につきやすくなります。

ポイント①日本人介護士はお手本である自覚を持つ

すでに介護士として働いている外国人の方は、日本人の介護士との何気のない会話が日本語の練習に役立ったという声があります。日々の業務の中で、教育担当者以外も積極的に外国人介護士とコミュニケーションを取ることで、関係性の構築だけではなく日本語能力向上にもつながります。

日本人介護士は外国人介護士のお手本であると自覚を持ち、言葉遣いやコミュニケーションスタイル、仕事への取り組み方など、良いモデルとなるよう努めましょう。自身の行動や態度が、外国人介護士にとっての良き指導者となることを忘れずに。

ポイント②理解しているか確認しながら指導する

言葉の壁や文化の違いがあるため、指導内容が十分に理解されているかを確認することが重要です。途中で質問を促したり、フィードバックを求めたりすることで、相手の理解度を把握します。必要に応じて言葉や表現を工夫し、より明確に伝える努力をしましょう。

ポイント③介護現場用の日本語教材を活用する

外国人介護士にとって、介護現場で必要な日本語のスキルを向上させるために、専門の日本語教材を活用しましょう。教材や学習プログラムを提供することで、外国人介護士がより確実に日本語を習得し、業務において自信を持つことができます。

また、自治体主催のレッスン、場所や時間を問わず自分の都合の良いタイミングで学習ができるeラーニング、学習が苦手な方には自分の好きな絵本やアニメから学ぶなどの方法を取り入れることもおすすめです。

参考:三幸福祉カレッジ:外国人介護士が求められる日本語レベルは?懸念点や教育時のポイントも解説https://www.sanko-fukushi.com/news/nihongo_level_colum/

4.まとめ

外国人介護士とのコミュニケーションに焦点を当て、日頃の業務をより円滑にするために指導時のポイントをわかりやすく解説しました。

外国人介護士とのコミュニケーションでは、日本語の難しさや文字の違い、敬語や方言の問題に注意しながら、簡潔で明確な伝え方やジェスチャーの活用を心がけることが大切です。また、外国人介護士を指導する際には、日本人介護士がお手本となり、理解度を確認しながら指導し、介護現場用の日本語教材も活用しましょう。

外国人介護士との円滑なコミュニケーションにより、チームの連携やケアの質を向上させることができます。異なる文化や言語背景を持つ人々と協力する中で、相互理解と尊重の姿勢を持ち、効果的なコミュニケーションを築いていきましょう。

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