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介護福祉士の受験資格を得る4つのルート|試験概要や取得メリットも
介護職としてキャリアアップを目指す人にとって、介護福祉士は大きな目標のひとつです。しかし、「受験資格にはどんな条件があるの?」「自分でも挑戦できるの?」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、介護福祉士の受験資格を得る4つのルートや試験概要、資格取得のメリットについてわかりやすく解説します。
そもそも介護福祉士とは?
介護福祉士とは、介護分野で唯一の国家資格であり、専門的な知識と技術を持って、身体的または精神的な障害により日常生活に支障をきたす方々に対し、その心身の状況に応じた介護を提供する専門職です。また、介護を受ける人やその家族に対して、介護に関する指導や助言を行うことも重要な役割の一つです。
介護福祉士の業務は、食事や排泄、入浴などの身体介護から、掃除や洗濯、買い物といった生活援助まで多岐にわたります。さらに、利用者本人やその家族からの相談に応じてアドバイスを行うほか、ケアマネジャーや医療職と連携して、利用者の生活課題の解決に取り組むことも求められます。
介護福祉士は、介護職としてのキャリアアップを目指す人にとって、専門性を高めるための重要なステップです。資格を取得することで、より専門的な視点から介護の指導を行う、施設内のマネジメント業務を担当するなど、活躍の場が広がります。
このように、介護福祉士は、介護の現場で中心的な役割を果たす専門職であり、利用者の生活の質を向上させるために欠かせない存在です。
介護福祉士国家試験の受験資格を得られる4つのルート
介護福祉士国家試験の受験資格を得るには、 「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」、そして外国籍の人を対象とした「EPA(経済連携協定)ルート」の4つのルートがあります。 それぞれのルートには、必要な学歴や実務経験、研修の修了など、異なる要件が定められています。自分の経歴やライフスタイルに合わせて最適なルートを選択することが、資格取得への第一歩です。
以下では、各ルートの概要や具体的な条件、どのような人に適しているかを詳しく解説します。
①実務経験ルート
介護職として現場で働きながら介護福祉士を目指すなら、「実務経験ルート」が一般的な選択肢です。実際、介護福祉士国家試験を受ける人の中で、このルートを利用して資格を取得する人が最も多いです。
実務経験ルートで受験資格を得るには、介護業務に3年以上従事し、かつ540日以上勤務していることが必要です。ここでいう「従事期間」は、実際に介護業務に従事した日数ではなく、在籍していた月数で数えます(1か月に1日でも従事していればその月は1か月としてカウント)。一方の「従事日数」は、実際に介護業務を行った日数で540日以上必要です。
さらに実務経験ルートでは、「実務者研修」の修了が必須です。実務者研修は、介護職員初任者研修よりも上位に位置づけられ、医療的ケアの基礎や利用者へのより専門的な支援技術を学べる研修です。およそ450時間のカリキュラムがあり、通信講座とスクーリングの併用で受講可能です。
なお、過去に「介護職員基礎研修」を修了している人は、実務者研修の全過程が免除されます。介護職員基礎研修は2013年に廃止された研修ですが、介護職の基本的な内容が網羅されており、当時の標準的な養成課程でした。
また、喀痰吸引等研修を修了している人は、実務者研修のうち「医療的ケア」に該当する一部カリキュラムが免除される場合があります。喀痰吸引等研修では、たんの吸引や経管栄養など、医療的ケアを適切に実施するための知識と技術を学ぶことができます。
働きながら資格取得を目指せる点が魅力の実務経験ルートは、日々の業務がそのまま受験資格につながるため、継続的に介護の現場で頑張る人にとって大きなチャンスとなるルートです。
②養成施設ルート
「養成施設ルート」は、厚生労働大臣が指定する介護福祉士養成施設を卒業することで、介護福祉士国家試験の受験資格を得られるルートです。専門的な知識や技術を2年以上かけて系統的に学べるため、介護の現場未経験の人でも安心して資格取得を目指せます。
養成研修ルートの特徴は、実務経験が不要な点です。高校卒業後すぐに介護の道を目指す人や、福祉系以外の職種から転職を検討している人に適しています。また、カリキュラムには現場での実習も含まれており、介護の実際を体験しながら実践力を養うことができます。
養成施設には、専門学校や短期大学などさまざまな種類があり、修了後には自動的に受験資格が得られるため、効率的に国家試験へのステップを踏むことが可能です。基礎からしっかり学びたい人にとって、非常に有効なルートといえるでしょう。
③福祉系高校ルート
「福祉系高校ルート」は、福祉に関する専門的な学科を持つ高等学校を卒業した人が、一定の実務経験を経て介護福祉士国家試験の受験資格を得られるルートです。高校で介護の基礎知識や技術を学び、現場での実務経験を積みながら資格取得を目指せるのが特徴です。
福祉系高校ルートは、高校卒業後すぐに介護職として働きながら資格取得を目指したい人や、若いうちから介護の専門知識を体系的に学びたい人におすすめです。福祉系高校で学んだ基礎知識を活かし、実務経験を積むことでスムーズに介護福祉士への道が開けます。
福祉系高校ルートは、若年層の介護人材育成に重要な役割を果たしており、計画的に介護職員としてのキャリアを築きたい人にはぴったりのルートです。
④EPA(経済連携協定)ルート
「EPA(経済連携協定)ルート」は、日本と特定の国々(インドネシア、フィリピン、ベトナムなど)との経済連携協定に基づき、介護人材として日本で働きながら介護福祉士の資格取得を目指すルートです。経済連携協定により、外国人介護職員が受験資格を得る特別な仕組みです。
具体的には、EPA介護福祉士候補者として来日後、一定期間の日本語研修や介護研修を経て、介護現場での実務経験を積みます。その後、介護福祉士国家試験の受験資格を得て試験に挑戦します。日本語能力の習得と介護技術の向上が求められますが、日本の介護現場で実践的に学べるため、効率的にスキルアップが可能です。
EPA(経済連携協定)ルートは、外国人介護職員が日本で長期的に介護福祉士として活躍したい場合におすすめです。言語や文化の壁を乗り越え、日本の資格を取得することで、より安定した職場環境やキャリアアップが期待できます。
介護福祉士国家試験の詳細
介護福祉士国家試験は、受験資格を得た人が介護の専門知識と技術を問われる重要な試験です。ここでは試験日程や内容、難易度や申込方法について詳しく解説します。
試験日程
2026年1月25日(日)
試験内容
介護福祉士国家試験は筆記試験形式で実施されます。
第38回(2026年1月実施)から、パート合格制度が導入されました。パート合格制度は試験科目を3つのパートに分けて合否判定をします。
もし不合格のパートがあれば、2年間は合格したパートの受験は免除され、不合格だったパートのみの受験が可能になりました。
難易度・合格率
第37回(2024年度)の合格率は、78.3%でした。内訳をみていくと、日本人の合格率は81.6%で、外国人の合格率は33.3%でした。難易度としては第35回から大きく変わってはいないようです。
申込方法
介護福祉士国家試験の受験申込は、例年8月上旬から9月上旬にかけて行われます。申込方法は、郵送またはインターネットによる手続きが可能です。
必要書類は以下の通りです。
・受験申込書
・受験用写真等確認票
・受験手数料払込受領証貼付用紙
・受験資格に応じた証明書(例:実務経験証明書、実務者研修修了証明書、卒業証明書など)
・実務経験証明書
・従業日数内訳証明書(※該当者のみ)
・外国籍等確認書類貼付用紙(※外国籍の方のみ)
受験手数料は18,380円で、クレジットカード決済またはコンビニエンスストアでの支払いが可能です。
申込書類は、指定された期間内に簡易書留で郵送する必要があります。提出期限を過ぎると受理されませんので、早めの準備を心がけましょう。
関連コラム:【最新版】第38回(2026年1月実施)介護福祉士国家試験情報 試験日からパート合格、受験手続の方法まで写真付きで解説
介護福祉士の資格を取得するメリット
介護福祉士の資格を取得することで、専門的な知識や技術が身につくだけでなく、キャリアアップや転職にも有利になります。ここでは取得するメリットをご紹介します。
介護に関する専門知識・スキルが身につく
介護福祉士の資格を取得することで、介護に関する専門知識やスキルが身につきます。例えば、認知症や障害の理解、介護保険制度、コミュニケーション技術、介護過程の展開など、幅広い分野の知識を習得できます。これにより、利用者一人ひとりに適したケアを提供できるようになり、現場での信頼性も高まります。また、リーダーや指導者としての役割を担う際にも、これらの知識やスキルが大いに役立ちます。
昇給・昇進につながる
介護福祉士の資格を取得すると、資格手当が支給され、基本給が増加するだけでなく、昇進の機会も広がります。多くの施設では、リーダー職やサービス提供責任者などの役職に資格保有者を登用する傾向があり、役職手当が加算されることで収入アップも望めます。また、介護福祉士はリーダーとしての働きが期待されるため、昇進の機会もあり、昇進すれば昇給も可能です。さらに、処遇改善加算を活用することで、資格手当がない施設でも給与を底上げしているケースがあり、資格取得による収入アップの可能性が広がります。
転職に有利にはたらく
介護福祉士の資格を取得することで、転職活動において大きなアドバンテージとなります。介護福祉士国家資格は、介護に関する専門的な知識やスキルを有していることの証明となり、即戦力をして評価されやすくなります。そのため、訪問介護事業所や特別養護老人ホーム、デイサービスなど、さまざまな介護施設での採用が有利になります。
また、介護福祉士の資格を持つことで、無資格者では応募できない求人にも挑戦できるようになります。これにより、より良い条件や待遇の職場を選ぶ幅が広がります。
さらに、介護福祉士の資格は、介護現場以外の分野でも活かすことができます。例えば、保育、心理、教育などの分野でも、その経験や知識を活かして活躍することが可能です。
このように、介護福祉士の資格を取得することで、転職活動において多くのメリットが得られます。介護業界でのキャリアアップや新たな分野への挑戦を考えている人にとって、非常に有利な資格と言えるでしょう。
まとめ
介護福祉士は、介護の現場で求められる専門性を証明する国家資格であり、介護職としてのキャリアアップや安定した将来を目指すうえで大きな武器です。取得までのルートは多様で、自身の経験や学歴に応じた選択が可能です。試験内容や申込方法、取得後のメリットを事前に把握することで、効率的な準備と確かな将来設計ができます。資格取得を目指す人や進路にお悩みの人は、ぜひお気軽に三幸福祉カレッジまでご相談ください。あなたの一歩を全力で応援します。
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