介護士の仕事内容|やりがい・向いている人の特徴・おすすめの資格も-三幸福祉カレッジ

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2024.07.02お役立ち情報
介護士の仕事内容|やりがい・向いている人の特徴・おすすめの資格も

介護士の仕事に興味はあるけれど、実際にどのような業務を行うのだろうか、介護士として働くとどのようなやりがいを感じることができるのだろうかなど、不安や疑問が湧いてくる人は多いのではないでしょうか。
介護士を目指す前に具体的な仕事内容ややりがいを知っておくことで、安心して介護士として働くことができます。
そこで今回は、介護士の仕事に興味がある人向けに、具体的な仕事内容ややりがい、向いている人の特徴や資格について解説します。

1.そもそも「介護士(介護職)」とは?


介護士とは、 高齢者が安心して生活できるように、介護保険施設をはじめ老人ホームや通所介護事業所などで、高齢者の身の回りのお世話や相談援助などの介護サービスを提供する人のことをいいます。
介護士は、 保有資格を問わず介護業界で働く人を指し、介護職や介護従事者とも呼ばれています。
介護士として働くことで、仕事だけではなく家族への介護にも役立てることができ、さらに介護士としてキャリアを積んだり、サービス業への転職などへ生かしたりすることも可能です。

2.介護士の主な仕事内容


介護士の仕事内容は勤務先によって異なり、仕事は多岐にわたりますが以下の5つに大別できます。
①身体介護
②生活援助
③レクリエーション活動の企画、運営
④介護記録業務
⑤メンタルケア

①身体介護

身体介護は要介護者の身体に直接触れる介助を指し、移乗介助や入浴介助、排泄介助などが含まれます。
移乗介助では歩行や車椅子の移動支援、入浴介助では準備から洗浄までをサポート、排泄介助ではトイレへの移動やおむつ交換があり、衛生面と尊厳への配慮が必要です。
その他にも、食事介助や口腔ケア、体位変換なども行います。

②生活援助

生活援助は要介護者の身体に直接触れない介助を指し、掃除や洗濯、食事の準備や買い物などが中心です。
掃除では居住スペースの清掃やゴミ出し、食事の準備では調理や配膳、下膳や片付け、買い物ではご利用者の必需品を近隣の店舗で代行購入するなど、日常生活をサポートします。

③レクリエーション活動の企画・運営

介護士として働く施設によってはレクリエーションの企画も重要な仕事です。
特に通所や入所型の施設では、要介護者の脳機能や身体機能の維持を目的にさまざまなレクリエーションを実施します。
ご利用者の安全を確保しつつ個々の感覚や興味に合わせ、幼稚に感じさせず自尊心を損なわないよう心情面にも配慮することが必要です。

④介護記録業務

介護士同士でご利用者の状態を的確に把握し共有するために、介護記録を作成します。
介護記録を作成し共有することで、各ご利用者に対して最適な支援を行うことにつながります。

⑤メンタルケア

介護士は、ご利用者のメンタルケアも重要な仕事の一つです。
介護では「受容」「共感」「傾聴」が基本であり、ご利用者の気持ちに寄り添い理解し、訴えに耳を傾けることが求められます。
高齢者や障がい、疾患で介護が必要な人の中には、ストレスや孤独感を感じている人も多いです。特に認知症の人では、できていたことができなくなり喪失感から不安を感じやすいです。
伝えたいことを表現できない人も多いため、声にならない気持ちに耳を傾けることが大切です。

3.【施設・サービス別】介護士の役割と具体的な業務


次に、介護士が勤務する介護施設と介護サービスごとに、具体的な仕事内容を解説します。
介護士が勤務する施設は、以下の7つに大別できます。
①特別養護老人ホーム
②介護老人保健施設
③サービス付き高齢者向け住宅
④有料老人ホーム
⑤デイサービス
⑥訪問介護
⑦医療機関

①特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホームは特養や介護老人福祉施設とも呼ばれ、認知症や寝たきりの要介護者を支援する施設です。
65歳以上で要介護度3〜5の人が入所の対象で、主に食事や入浴、排泄などの身体介護を行います。また在宅介護が困難な場合、日常生活の支援や機能訓練、療養上のお世話も提供します。
仕事を行う上で、入所者の尊厳と立場を理解することが重要です。
主に社会福祉法人や自治体が運営し、終の住処として選ばれることも多いです。

②介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設は老健とも呼ばれ、医療的ケアやリハビリテーションを提供し、在宅復帰を目指す高齢者を支援する施設です。
介護老人保健施設では3カ月ごとにケアプランを見直し、帰宅やリハビリ継続を検討するほか、医療的知識や技術を生かし、ご利用者ができるだけ自立した生活を送れるよう支援します。
生活全般のサポートを通じて、ご利用者の在宅復帰をサポートすることが主な目的です。

③サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅はサ高住とも呼ばれ、高齢者が安心して生活できるよう状況把握や生活相談などのサービスを提供する賃貸住宅です。
2011年に高齢者住まい法により創設されたサービス付き高齢者向け住宅は、介護保険サービスを提供しない一般の施設と、介護保険サービスを提供する特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設があります。
一般の施設は生活支援や外出支援を提供し、特定施設はさらに専門的な介護サービスも提供します。

④有料老人ホーム

有料老人ホームは民間企業が運営する介護施設で、高齢者向けの居住施設に介護サービスが付帯しています。
一部の老人ホームには高級ホテルのような設備も備え、介護業務に加えてイベント運営やフロント業務も行うことがあります。
ご利用者ができるだけ自立した生活を送れるよう、食事や入浴などの日常生活の支援や機能訓練を提供します。
入居条件は施設により異なりますが、自立している人から要介護度5の人までと幅広いです。

⑤デイサービス(通所介護)

デイサービスは通所介護とも呼ばれ、日帰りで通う要介護者に対し介護サービスを提供する施設です。
自宅での生活を維持することを目指し、機能訓練の補助やレクリエーションを通じた支援が主な仕事です。
ご利用者の送迎や健康管理、食事や入浴の介助、レクリエーションを提供することで、社会交流や家族の休息にもつながります。
自立度の高いご利用者が多く、身体介護だけでなくメンタルケアへの支援も重要です。

⑥訪問介護

訪問介護は、ご利用者の自宅で個別の介護サービスを提供しますが、主に生活支援や身体介護が中心で、通院の付き添いや選挙投票などにも柔軟に対応します。
介護士とご利用者が1対1でサービスを提供するため、コミュニケーションを重視し、個別に寄り添った介護が可能です。
訪問介護に携わる介護士は、ご利用者の自立をサポートし、自宅での生活を支えます。

⑦医療機関

医療機関における介護士の仕事は、生活支援や医療スタッフの補助を担当し、病室の清掃やベッドシーツの洗濯などを行うほか、入浴や食事の介助、医療機器の準備や片付けなどにも携わります。
介護士ではなく、看護助手や介護補助者と呼ばれることが多いです。

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三幸福祉カレッジ「介護職の仕事内容とは?資格や働く5つのメリットを解説

4.介護士の1日のスケジュール・流れ

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ここでは、介護士の1日のスケジュールと流れを解説します。
勤務する形態がデイサービスか特別養護老人ホームか訪問介護なのかによって、スケジュールは大きく異なります。

●デイサービスにおける介護士の1日の流れ
8:00~9:00 出勤・スケジュールチェック・送迎
9:00~11:00 健康チェック・入浴介助やレクリエーション
11:30~13:00 昼食の準備や食事介助
13:30〜16:00 レクリエーションやおやつ・送迎
17:30 退勤

●特別養護老人ホームにおける介護士(夜勤)の1日の流れ
16:00 出勤・スケジュールチェック
17:00~21:00 夕食の準備や食事介助・消灯
21:00~5:00 巡回・排泄介助
5:30〜8:30 起床介助・朝食の準備や食事介助
9:00 退勤

●訪問介護における介護士(夜勤)の1日の流れ
9:00 出勤・スケジュールチェック
9:30~12:00 ご利用者の自宅に訪問し排泄介助や更衣介助
12:00~13:00 休憩
13:00〜15:30 ご利用者の自宅に訪問し入浴介助や服薬介助
16:00 直帰

5.【項目別】介護士の平均給与


介護士として働く場合、平均給与は保有する資格や勤務する施設形態、勤続年数によって大きく異なります。
介護士を目指す人は、厚生労働省が発表している下記のデータをぜひ参考にしてみましょう。

●資格別 平均月給
保有資格なし 約268,680円
介護職員初任者研修 約300,240円
介護福祉士実務者研修 約302,430円
介護福祉士 約331,080円
介護支援専門員(ケアマネジャー) 約376,770円

資格別で見ると、介護士として入口の資格であり介護の基礎を学べる介護職員初任者研修を取得することで、無資格者と比較しても月給で約30,000円も給与がアップします。
さらに介護業界唯一の国家資格である介護福祉士を取得することで、無資格者と比較しても月給で約60,000円も給与がアップします。
介護士は、経験を積みながらステップしていくことで、給与はどんどんアップしていくことが魅力です。

●施設形態別 平均月給
介護老人保健施設 約339,040円
通所介護事業所 約275,620円
訪問介護事業所 約315,170円
介護医療院 約320,700円

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

施設形態別に給与を比較すると、介護老人保健施設や介護医療院が高いことがわかります。
これは、通所介護事業所や訪問介護事業所は日勤が中心であること、一方の介護老人保健施設や介護医療院は日勤に加えて夜勤もあることが、給与の差として生じています。

●勤続年数別 平均月給
1年 約280,550円
3年 約297,460円
5年 約305,970円
10年 約322,990円
15年 約342,590円

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

勤続年数別に給与を比較すると、勤続1年目が約280,550円に対し、5年目で約305,970円、10年目で約342,590円となっており、介護士として10年のキャリアを積むことで月給は約60,000円もアップします。

6.介護士の仕事におけるやりがいと大変なところ


介護士の仕事内容や給与がわかったところで、次に介護士の仕事におけるやりがいと大変なところをご紹介します。
やはり好きな仕事でも長く働いているうちにやりがいを見失ってしまい、こんなはずではなかったと退職や転職をしてしまうケースが多いです。
介護士として働く前には、事前にどんなやりがいが得られるのか、また仕事で大変な部分はどんなところなのかをしっかりと把握しておくことで、よりよいキャリアアップにつながり給与も理想に近づけることができます。

①やりがい

• ご利用者から感謝される
介護士として働く最大のやりがいは、ご利用者から直接「ありがとう」と感謝の言葉をいただけることです。この感謝の言葉に励まされ、多くの介護士が日々の仕事に取り組んでいます。
要介護者の中には「以前のように」あるいは「これから」やりたいことや目標を持っている人もいます。その思いや願いに寄り添い、近くで支え、ともに苦楽を共有できるのが介護士の魅力です。
車椅子を押したり更衣を手伝ったりするなかで、ありがとうと言われる瞬間は多々あります。また、ご利用者と一緒に笑ったり喜んだりできる点も、介護士ならではのやりがいです。
年配のご利用者から慕われ、その人が笑顔で生活する様子を見られること、自分が必要とされ役立てたときは、介護士として大きな満足感が得られます。
ご利用者の笑顔や感謝の言葉が日々の励みとなり、喜びや感動を与えてくれるでしょう。

• 社会貢献に直結する
介護士は単なる要介護者のお世話係ではなく、専門知識と技術を駆使して要介護者の自立を支援する専門家です。
要介護者の生活サポートが中心ですが、自立を促進することで社会福祉コストの削減にも貢献します。
介護士は、社会全体が必要とする介護サービスを提供し、健全な社会を築く重要な役割を担っています。

• 働き方が安定していて、選びやすい
介護事業所は住宅地や駅近くなどさまざまな場所にあるため、職場を選びやすい職種といえます。
雇用形態も正社員やパート、登録など多様で、家事や育児と両立しやすい勤務日や時間帯を選べる職場も多いです。
社会的な需要が高いため、場所や時間に左右されず、比較的安定して働けることも介護士の大きなメリットです。

②大変なところ

• 体力的にきつい
介護士は体力を要する仕事です。実際、身体介護では要介護者の移動支援や車椅子への移乗、入浴介助などがあり、体力的に楽な仕事とは言えません。しかし、専門技術を身につけることで身体への負担を軽減した介助方法を実践できます。
また、有料老人ホームなどの入居・入所型介護施設では、24時間体制でケアを提供するため、夜勤に携わることもあります。夜勤は長時間拘束される、体力的に大変と思われがちですが、夜勤手当が支給されるため、収入面ではプラスになります。
介護士は体力だけでなく、専門知識と技術を生かして働く職業であり、工夫次第で身体の負担を減らしながら、やりがいを持って長く働ける仕事です。

7.介護士に向いている人の特徴


では、実際に介護士に向いている人とはどのような人なのでしょうか。

こちらでは、介護士に向いている人の特徴を4つご紹介します。
4つの特徴に該当していない人でも、働いていくうちに自ずと技術を身につけることができるので、安心して介護士を目指しましょう。

①誰かの役に立つことが好きな方

誰かの役に立ちたいという気持ちがとても重要です。
高齢者の介護を通じて、ご利用者や家族から直接感謝の言葉をいただけることがありますので、人助けが好きな人は、介護士として働くことでやりがいや喜びを感じるでしょう。

②コミュニケーションが得意な人

介護士にはご利用者の微妙な変化やニーズを感じる能力が求められ、施設内での安全対策やコミュニケーション能力が必要です。
人との関わりが好きな人には向いており、信頼関係の構築や情報共有にもつながって行きます。

③オン・オフの切り替えが上手な人

介護士は、オンとオフの切り替えの上手さが大切です。
仕事でのストレスをうまく発散できる人は、介護士として長く活躍できるでしょう。

④体力に自信がある人

やはり、介護士として働く場合はかなりの体力を要します。特に入居・入所型介護施設は夜勤もあり生活リズムが不規則になりがちですので、体力は欠かせません。

しかし最近では、最新の機器を導入して介護士の身体的負担を軽減する施設も増えてきています。

8.介護業務に携わる際に役立つ資格5選


介護士は無資格でも働けますが、資格を取得することでキャリアパスが広がるほか、スキルアップや給与アップが望め、就職や転職の活動でも有利です。
こちらでは、介護業務に携わる際に役立つ資格を5つご紹介します。

①介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護士としての入門資格です。
年齢や学歴、経験に関係なく受講でき、130時間のカリキュラム修了と試験合格で資格を取得できます。

②介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格で、訪問介護事業所で責任者として活躍するためのスキルを身につけることができるほか、医療的ケアも学べます。
介護業界唯一の国家資格である介護福祉士試験の受験に必須の資格で、カリキュラム修了まで約6カ月を要しますが、初任者研修修了者はカリキュラムの短縮も可能です。

③介護福祉士

介護業界唯一の国家資格である介護福祉士は、施設や事業所では重要視され、管理者を目指すことも可能です。
専門知識と経験を持ち、ご利用者や家族にアドバイスを行え、周囲の介護士に対してもリーダーシップを発揮できます。
毎年1月と3月に実施される国家試験は合格率が約70%にのぼり、スクールや過去問での試験対策が試験合格への鍵です。

④認定介護福祉士

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として位置づけられた民間資格です。
スキルアップやキャリアアップを目指す人向けで、十分なスキルや技術の保有を証明できます。
歴史は浅いですが、介護業界の需要増加に伴い、将来的にはさらに需要が高まる見込みです。

⑤ケアマネジャー

ケアマネジャーは、ケアプランの作成や関係機関との調整を行う介護系の最上位資格です。
介護福祉士同様、施設管理者や生活相談員としても活躍の場があり、介護士の経験を生かしたキャリアアップ資格として人気です。
関連ページ:三幸福祉カレッジ「介護資格のおすすめ21選!取り方や取得するまでの流れをご紹介」

9.まとめ


今回は、介護士の仕事に興味がある人向けに、具体的な仕事内容ややりがい、向いている人の特徴や資格について解説しました。
介護士の仕事内容は勤務先によって異なりますが、身体介護や生活援助、レクリエーション活動の企画、運営や介護記録業務、メンタルケアの5つが主な業務です。
介護士はご利用者から感謝されるだけでなく、社会貢献に直結し、働き方が安定していて、選びやすいなど多くのやりがいがあります。
誰かの役に立つことが好き、コミュニケーションが得意、オン・オフの切り替えが上手、体力に自信があるといった人は、介護士に向いていると言えます。4つの特徴に該当していない人でも、働いていくうちに自ずと技術を身につけることができるので、安心して介護士を目指しましょう。

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