介護過程とは?介護福祉士国家試験にも出題される!?-三幸福祉カレッジ

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2022.03.28お役立ち情報
介護過程とは?介護福祉士国家試験にも出題される!?

介護過程というキーワードを聞いたことはありますか?
介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修にて履修し、介護福祉士の受験の際にも出題される科目です。この記事では、介護過程について、解説していきます。介護福祉士国家試験への出題例も掲載していますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

介護過程とは?

介護過程とは、ご利用者が望む生活を実現するために取り組む、科学的思考と実践のプロセスのことであり、介護実践の根拠となるものです。介護過程の展開によって、ご利用者が望む生活を実現するうえで生じている生活課題を解決することにより、ご利用者のQOL(生活の質)を向上させることを目的としています。

介護過程では、ご利用者の情報収集を行ったうえで、介護計画を立てます。そして、その計画に基づいて実際にケアを実践し、評価を行います。この「アセスメント→計画立案→実施→評価」の一連のプロセスのことを介護過程と呼んでいます。

ケアマネジメントと介護過程の違い

ケアマネジントは、多職種による総合的な支援プロセスのことを指します。ケアマネジメントでは、ケアマネジャーがケアプラン(介護サービス計画)を作成します。ケアプランは、ケアマネジャーが作成するもので、要介護者の状態やニーズに合わせて、介護サービスの種類、内容、頻度等を総合的に定めたものです。
一方、介護過程は、介護職による支援プロセスのことを指します。介護過程では、介護福祉職が介護計画(個別介護計画)を作成します。介護計画は、介護サービスを提供する際の、具体的な方針や内容について定めたものです。
ケアプランをもとに、各専門職はケア計画を作成しますが、その中で介護福祉職が作成するのが介護計画(個別介護計画)です。ケアプランと介護計画を混同しないように注意しましょう。

図:「介護福祉士養成施設の教員の教育力向上に関する調査研究事業(厚生労働省)」資料を参考に作成

介護過程の展開

介護過程の展開 1.アセスメント

アセスメントとは、ご利用者に関する情報を収集し、情報を分析・解釈・統合し、ご利用者の生活課題を明確にすることです。
ご利用者や関係者、取り巻く環境などからご利用者に関する情報を収集します。先入観にとらわれず、様々な視点から情報を収集することが重要です。これらの情報を分析し、ご利用者が望む生活を実現するために取り組むべき課題を明確にします。

2.計画立案

計画立案では、ご利用者一人ひとりに対して、介護計画(個別介護計画)を立案します。
アセスメントで明確となった課題に対して、介護目標を設定し、その介護目標を達成するための具体的な支援内容や方法を組み立てます。
そして、この介護計画はご利用者と関わる全ての人に対して、共有できるように言語化する必要があります。

3.実施

介護計画に基づいて、ケアを実施します。これは、日々の介護実践そのものです。実施にあたっては、生活支援技術やコミュニケーション技術も必要となります。根拠に基づいた介護を実践し、記録を行います。

4.評価

これまでのプロセスを振り返り、目標に対しての現状を確認します。そして次のサイクルのアセスメントに繋げます。目標が達成されなかった場合は、介護過程の各段階にさかのぼって検討し、見直しを行います。

 

これらの一連のプロセスによって、介護過程を展開します。
実施のところは、法的義務づけがない介護保険制度の施設サービスにおいては、個別介護計画が作成されていないケースもあるようです。しかし、ケアプランに内包されていたり、日常的なしくみの中で取り組みがなされたりしている場合もありますので、ご自身の職場で確認されてみるとよいでしょう。

参考:介護過程 実践事例集|厚生労働省

「介護過程」は介護福祉士にも出題される

「介護過程」は介護福祉士にも出題される

「介護過程」は、介護福祉士国家試験の受験科目のひとつですので、毎年出題されます。(以下は第33回試験より抜粋)正しく理解し、解答できるようにしておきましょう。

問題61
介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の健康状態の改善
2 介護福祉職の介護観の変容
3 他職種との役割の分化
4 家族の介護負担の軽減
5 利用者の生活の質の向上

出典:第33回(令和2年度)介護福祉士国家試験|公益財団法人社会福祉振興・試験センター

解答:5
介護過程の目的は、ご利用者が望む生活を実現するうえで生じている生活課題を解決することにより、ご利用者のQOL(生活の質)を向上させることです。

問題63
次の記述のうち、介護過程の展開におけるアセスメント(assessment)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 支援内容を説明して同意を得ること。
2 具体的な支援計画を検討すること。
3 達成できる目標を設定すること。
4 支援の経過を評価すること。
5 利用者の生活課題を明確にすること。

出典:第33回(令和2年度)介護福祉士国家試験|公益財団法人社会福祉振興・試験センター

解答:5
アセスメントでは、ご利用者に関する情報を収集し、情報を分析・解釈・統合し、ご利用者の生活課題を明確にします。

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実務者研修のカリキュラム「介護過程Ⅲ」では、5日間の通学講習の中で、「アセスメント→計画立案→実施→評価」のプロセスを、事例をもとに、考え、実践してきます。
介護過程受講後には、「なぜそのケアを行うのか」等、根拠を考えてご利用者と関わるようになったという声が多く聞かれます。
「なんだか難しそう」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、プロセスごとに、講師がわかりやすく説明しますので、安心して受講いただけます。
また、三幸福祉カレッジでは、介護福祉士受験対策講座も開催しており、実務者研修とセットで受講いただくことも可能です。通信コースも充実しているため、お仕事のお休みが取りづらい方にもおすすめです。

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まとめ

日常的に、介護過程の道筋に沿って思考することにより、ご利用者のQOLの向上につなげていきたいですね。

  • 介護過程とは、ご利用者が望む生活を実現するために取り組む、科学的思考と実践のプロセスのことである。
  • 介護過程は、介護実践の根拠となるものである。
  • 介護過程の目的は、生活課題を解決することにより、ご利用者のQOL(生活の質)を向上させること
  • 介護過程は、「アセスメント→計画立案→実施→評価」の流れで展開される。
  • 介護計画は、介護サービスを提供する際の計画であり、ケアプランとは異なる。

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