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2021.11.05お役立ち情報
バイスティックの7原則とは?事例を交えて対人援助のポイントをご紹介

みなさんは「バイスティックの7原則」という言葉を聞いたことはありますか?

提唱したのは、アメリカのケースワーカーであり社会福祉学者のバイスティック博士。世界的にベストセラーとなった「ケースワーカーの原則(1957年出版)」という本の中に記された援助の基本原則を「バイスティックの7原則」と呼び、介護や保育の現場で非常に役立つ考え方だ!と注目を浴びるようになりました。

この7原則を取り入れることで、より良い援助関係を築くことができるということから、近年介護福祉士の国家試験でも出題されています。(※出題例はこの記事の下部に記載しています)

今回の記事では「バイスティックの7原則」について、介護現場での事例とチェックポイントを交えながらわかりやすく紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

バイスティックの7原則を事例ごとに解説

1.個別化の原則

1つ目は「利用者をかけがえのない個人として捉える」という考え方。

「こういう人はこうだろう」「このような境遇の人はこうだろう」と人格や環境で決めつけず、誰1人として同じ考えの人はいない。それぞれに合った関わりや解決策を模索する必要がある、という原則です。
☑︎先入観や偏見で見ていませんか?
☑︎いつものパターンで対応していませんか?
☑︎1人1人の思いに向き合っていますか?

2.意図的な感情表現の原則

2つ目は「どのような感情表現も認める」という考え方。

プラスの感情だけでなく、マイナスな感情も自由に表現させることで、利用者自身が客観的に物事を見ることができたり、解決の糸口が見える効果もあるとされています。
☑︎悩みを話せない雰囲気を作っていませんか?
☑︎無理矢理ポジティブに促そうとしていませんか?
☑︎利用者の話を最後まで聞いていますか?

3.統制された情緒関与の原則

3つ目は「援助者自身が自分の感情をきちんと自覚し、利用者に引きずられないようにする」という考え方。

問題解決には、冷静な判断が必要です。「本当に必要なことは何なのか」「利用者にとって何がベストなのか」を正確に導くためにも、利用者の心を理解すると同時に、自身の感情をコントロールすることが大切だという原則です。
☑︎必要以上に感情移入していませんか?
☑︎援助者という立場を忘れていませんか?
☑︎感情のコントロールはできていますか?

4.受容の原則

4つ目は「その人自身をあるがままに受け止める」という考え方。

利用者自身の個性や考えを否定するのではなく、「どうしてそのような思考になるのか」「なぜこういった行動をするのか」といった要因を考え、適切な援助へと導くことが大切とされています。

育ってきた環境や経験によって、人それぞれ意見や考え方は異なるという事実を受け入れ、個性を尊重することで、援助関係は円滑になるという原則です。
☑︎自分と異なる意見を否定していませんか?
☑︎つい命令口調になっていませんか?
☑︎その人自身の存在を認められていますか?

5.非審判的態度の原則

5つ目は「他者が良し悪しをつけない」という考え方。

問題解決は自分にしかできず、またその判断は他人がするものではないという原則。援助者は、利用者の考えや行動に対して善悪をつけるのではなく、あくまでもサポート役であることを理解することが大切です。
☑︎自分の価値観を相手に押し付けていませんか?
☑︎利用者の思考や行動に対して、善悪の判断をしていませんか?
☑︎利用者が自分で判断できるよう促していますか?

6.自己決定の原則

6つ目は「自分のことは自分で決める」という考え方。

たとえトラブルがあったとしても、問題解決の主体は本人であり、利用者の成長や今後同じような壁にぶつかった時も乗り越えられるようにすることが目的です。
☑︎命令的な指示はしていませんか?
☑︎利用者自身の考えや意思を尊重できていますか?
☑︎自ら決定し、行動できるようサポートしていますか?

7.秘密保持の原則

7つ目は「プライバシーを守り、情報を他者に漏らさない」という考え方。

一般企業における個人情報保護と同じように、個人にもプライバシーは存在し、たとえ小さなことであっても本人が言ってほしくないことは勝手に他人へ漏らしてはいけないという原則です。
☑︎同僚との雑談中につい話していませんか?
☑︎これくらい大丈夫、と安易に考えていませんか?
☑︎利用者の前で噂話などしていませんか?

<参考>ケアスタディbyみんなの介護求人「バイスティックの7原則」

相互作用の3つの方向性

相互作用とは、働きかけによってお互いに影響を及ぼすこと。では「バイスティックの7原則」を取り入れることで、利用者と援助者にはどのような相互作用が生まれるでしょうか。

1.利用者のニーズ

まずは利用者自身のニーズを把握することができます。

「1人の人間として認めてもらいたい」「自分で意思決定をしたい」「否定されたくない」などといった利用者の思いを知ることが大切です。

2.援助者の反応

ニーズを把握したことで、援助者は利用者へ「私はあなたの思いを理解していますよ」「あなたを受け止める準備はできていますよ」と反応を示すことができるようになります。それにより、利用者は大きな安心感を抱くでしょう。

安心感は信頼関係を築く上でとても大切な要素です。ニーズを把握して終わりではなく、その後はしっかりと反応を見せ「私は気づいているよ」という意思表示をしましょう。

3.利用者の気づき

最後は援助者の反応に気づいた利用者が、行動を起こそうとします。

言葉や態度が変わり始めたら、それは効果が出ているということ。その変化も見逃さず、きちんと援助者が反応し、引き続き7つの原則を守ることで、お互いの信頼関係はどんどん強いものとなっていくでしょう。

介護福祉士試験に「バイスティックの7原則」はどのように出題される?

実際に「バイスティックの7原則」は介護福祉士試験でも出題されました。

0さん(87歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。
最近、Cさんがレクリエーション活動を休むことが多くなったので、担当のD介護福祉職はCさんに話を聞いた。Cさんは、「参加したい気持ちはあるので、次回は参加します」と言いながらも、浮かない表情をしていた。D介護福祉職は、「自分の気持ちを我慢しなくてもいいですよ」 とCさんに言った。
この時のD介護福祉職の言葉かけに該当するバイステック(Biestek, F.)の7原則の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 秘密保持
  2. 自己決定
  3. 非審判的態度
  4. 意図的な感情表出
  5. 個別化

引用:介護福祉士過去問「介護福祉士過去問 第30回」

答えは4。

なぜなら、浮かない表情をしているCさんに対し、D介護福祉職は「自分の気持ちを我慢しなくてもいいですよ」と利用者が自らの意思を自由に表現できるよう促しているから。(意図的な感情表出)

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まとめ

「バイスティックの7原則」は今や介護業界において基本と言われるほど、対人援助を行う上で有効的な原則だとされています。

援助者は利用者のニーズを知り、反応する。そして利用者は援助者の反応に応え、言葉や行動が変わる。こういったより良いコミュニケーションを築くためにも、「バイスティックの7原則」は大きなヒントになるでしょう。

ぜひこの基礎原則を頭に入れながら、日々の介護業務にお役立ていただけると嬉しいです。

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