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- 2023.09.25お役立ち情報
- 給付管理業務とは?ケアマネが行う仕事内容について解説
ケアマネジャーが行う重要な業務のひとつに「給付管理」があります。
2000年4月から介護保険制度がスタートして以降、ケアマネジャーの仕事は、利用者に対する介護業務よりも給付管理などの事務作業が大半を占めています。
この給付管理は、金銭の支払いがからむだけに、一歩間違えば利用者やサービス事業者にも多大な迷惑をかけます。
そこで今回は、現在介護福祉士として働いており、今後ケアマネジャーなどの管理者を目指す方向けに、給付管理について業務の流れや注意点を交え解説します。
給付管理業務とは
利用者が介護保険サービスを利用する際、サービスを提供する事業者が、利用者負担分を除いたサービス利用料である介護給付費を国民健康保険団体連合会に請求します。
そして国民健康保険団体連合会は、請求に基づき審査を行ったうえで、サービスを提供する事業所に給付を行います。
その審査を行う際には、ケアマネジャーが作成する下記5つの書類が必要になり、保険給付のルールに従って作成します。
- サービス利用票
- サービス利用票別表
- サービス提供票
- サービス提供票別表
- 給付管理票
上記の一連の業務を「給付管理」といいます。
参考ページ:WAM NET 給付管理業務
給付管理業務の流れ
出典:宮城県国民健康保険団体連合会 1.2保険給付の基本的な流れ
居宅サービスの基本的な流れは上記の表の通りですが、ケアマネジャーが関わる給付管理業務は上記の表の①サービス計画の作成を依頼・②サービス利用票の交付・⑤請求・⑧支払です。
居宅サービスの基本的な流れを下記でさらに詳しく解説しますので、表を見ながら確認してみましょう。
①要介護者等は、居宅介護支援事業所に居宅介護支援サービスの提供を依頼するとともに、居宅サービス計画書作成の依頼を市町村に届け出ます。
②居宅介護支援事業所は、要介護者等の同意を基に、サービス事業者とサービス提供について調整を行い、居宅サービス計画を作成します。また、作成した居宅サービス計画を基に、サービス利用票、サービス提供票を作成し、それぞれサービス事業所、要介護者等に交付します。
③サービス事業所は、サービス提供票に基づき、要介護者等にサービスを提供します。
④サービス事業者は、給付範囲に応じた利用者負担額を徴収し、領収書を要介護者等に交付します。
⑤サービス事業所は、提供したサービスの介護給付費請求書および介護給付費請求明細書を、翌月初めに各都道府県の国民健康保険団体連合会に送付します。また、居宅介護支援事業所は、要介護者等が受けたサービスに基づき、給付管理票を作成し、居宅介護サービス計画書等の請求書とともに翌月初めに国民健康保険団体連合会に送付します。なおこの際、居宅サービス計画に変更があった場合は、その内容を反映します。
⑥国民健康保険団体連合会は、給付管理表を基にサービス事業所の請求書等と突合し、支給限度額等の審査を行います。
⑦保険者は、国民健康保険団体連合会に支払いを行います。
⑧国民健康保険団体連合会は、居宅介護支援事業所およびサービス事業所に支払いを行います。
参考ページ:厚生労働省 介護給付費の請求について
給付管理業務で使用する書類
給付管理業務でケアマネジャーが使用する書類には、「サービス利用票およびサービス利用票別表」「サービス提供票およびサービス提供票別表」「給付管理票」があります。
出典:厚生労働省 居宅サービス計画書標準様式及び記載要領
サービス利用票およびサービス利用票別表
サービス利用票は月間スケジュール表で、サービス利用票別表は支払限度額管理や利用者負担などの概算書です。
月単位で毎月の居宅サービス計画と実績を記入し、予定と実績の管理を行います。また、別表上で限度額の管理と利用者負担の計算をします。
毎月サービス提供開始前に作成し、利用者の同意を得た後、利用者に交付します。なお、利用者用と事務所用のために2部作成し、1部を利用者に交付し、残りの利用者の確認を受けた1部を控えとして保管します。
サービス提供票およびサービス提供票別表
サービス事業者に対して、その事業者の分担するサービスの提供日時や内容、限度額管理などの情報提供とサービス提供指示をします。
毎月サービス提供開始前に作成し、サービス事業者に交付します。
給付管理票
保険請求の基礎データとして、月単位でその利用者に対しての居宅サービス計画での計画限度額の管理を行い、計画上の事業者名とサービス単位などを記載します。
サービス提供月の翌月の初めに作成し、サービス提供月の翌月10日までに国民健康保険団体連合会に送付します。
参考ページ:WAM NET 給付管理業務
給付管理業務の注意点
国民健康保険団体連合会の審査において請求内容に誤りがある場合は、査定や返戻が行われてしまうことがあります。
例えば、給付管理票では2,500単位と記載されているにも関わらず、サービス事業者が3,000単位で請求していると、査定で500単位が減点されてしまうように、支給限度額管理対象サービスの請求が、給付管理票に記載されている単位数を超えている場合。
また、支給限度額管理対象サービスの請求に対応する給付管理票が提出されていなかったり、記述が誤っていたりする場合。
このような場合は、給付管理票の修正や再提出が必要になるだけでなく、期日を過ぎて介護給付費の支払いが翌月以降に遅れてしまい、利用者やサービス事業者に損害を与えることにつながります。
そのため、毎月確実に給付管理業務が遂行できるよう余裕を持ったスケジュール調整をすることや、国民健康保険団体連合会に書類を提出する前にサービス提供票と給付管理票を突合させることが重要です。
まとめ
今回は、現在介護福祉士として働いており、今後ケアマネジャーなどの管理者を目指す方向けに、給付管理について業務の流れや注意点を交え解説しました。
ケアマネジャーの仕事は、給付管理業務をはじめ、利用者との契約書やケアプラン、居宅サービス計画書など、書類に追われる事務作業の連続ですが、介護保険制度を支え重大で誇り高い職務です。
利用者からの信頼や満足度を維持、向上するためにも、余裕を持ったスケジュールと各書類の突合作業を徹底しましょう。
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